2009年10月12日

iPS細胞の初実用化。心臓への副作用を予測する検査へ。

iPS細胞 初の実用へ 万能細胞で副作用予測成功

 人工的に作った心臓の細胞を使って、医薬品の心臓への副作用を予測することに、東京医科歯科大などのチームが成功した。新薬開発のカギとなる副作用の把握を、動物実験よりも正確に行える手段となる。一部の製薬会社は、臨床試験の開始に必要な安全性検査にこの技術を使うことを検討し始めた。予測に使う心臓細胞は、新型万能細胞(iPS細胞)から量産することができ、iPS細胞の世界初の本格的な実用技術として期待される。

 東京医科歯科大の安田賢二教授と山梨大の杉山篤・准教授らは、心臓の細胞に電極をつなぎ、心電図のような電気信号の波形を測る装置を開発。これに不整脈を引き起こす薬剤を加えて細胞への影響を調べる研究に昨年から取り組んできた。異常な波形はこれまでも見られたが、不整脈を確実に見分けるのは難しかった。

 波形の分析技術を改善した結果、今回は致死性の不整脈に必ず直結する波形の乱れを観測できた。他の五つの不整脈を起こす薬剤でも、同様の傾向をとらえた。

 製薬会社は、新薬候補の副作用を調べるために動物実験を行う。しかし、人間への副作用を見つけきれず、臨床試験や販売開始後に副作用がわかり、開発中止や回収となるケースがある

 今回の試験に使った細胞は人の胚性幹細胞(ES細胞)から作製したが、大量に作れる人間のiPS細胞を使えば、動物実験を大幅に減らし、検査の精度も上がると見込まれる。安田教授は「適正な投与量や、人種による副作用の違いも調べられる」としている。



 お。とうとう実用化ですか。

 iPS細胞の、人体への応用以外の利用法の1つです。

 動物に実験を行っても、、やっぱり人間と違う以上、あくまで予測の域を出ませんでした。しかしこれを使えば、細胞レベルではありますが、人体そのものに投薬しているのと同じ作用を把握することができます。こういった検査法の普及で、新薬の開発の短期化・確実化も容易になるのではないか、と言われておりますね。

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高学歴の妻は、夫の死のリスクを低減させる。

高学歴の妻、男性の死のリスク低減させる可能性=研究

 スウェーデンの研究者が、男性にとっては、妻の教育レベルが死のリスクを決定する重要なファクターだという研究結果を報告した。男性自身の教育レベルはさほど大きな要素ではないという

 その一方で、女性にとっては、夫の職業に基づく社会的地位が自分自身の職業的な地位よりも、死のリスクを決定する重要なファクターとなっているという。

 同研究は、スウェーデン社会調査研究機関の研究員、ロバート・エリクソン氏らが、1990年の国勢調査と1991─2003年の死亡統計を基に、配偶者と同居する30─59歳の仕事を持つ男女150万人について実施。論文を「疫学・地域保健ジャーナル」で発表した。

 2人の研究者は今回の結果について、伝統的に女性は男性よりも家事に責任を負うことが多いため、女性の教育レベルが食生活を含む家族全員のライフスタイルに影響を与えるのではないか、との見方を示している。



 面白い。高学歴なほうがストレスを抱えやすくてアレなのかと思いましたけれど。一緒に人生を共にする伴侶といえど、やはり何かしら抱えるものはある、のか、と。でも実際は高学歴のほうが理解力があるためか、ライフスタイルを好転させる方法に動かすことができるらしいです。

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コカインの快感を無くすコカインワクチンを開発する。

コカインの「ワクチン」、世界初の治験 効果ありと米研究者

 米イェール大学医学部の研究者らが、開発した「コカイン・ワクチン」の治験を実施し、ある程度の効果が得られたとする研究結果を、米医師会が発行する専門誌に発表した。コカイン・ワクチンが人体に接種されるのは、世界で初めて。ワクチンにより体内にコカインへの抗体を作らせることで、コカイン中毒を食い止める一助になるとしている

 この研究を率いた現ベイラー医科大学のトーマス・コステン博士によると、ワクチン接種で体内にコカイン抗体を作らせ、体内に取り込まれたコカインが抗体と結びつくことで、コカインが脳に流入せず、快感や高揚感を得られなくなるという。その結果、コカインを摂取しても気分が良くならないため、コカイン摂取習慣の解消が見込まれるという。

 被験者は2003年10月から05年4月にかけてコネティカット州ニューヘイブン地域で募集した、コカインとアヘンに依存症状を持つ、18─46歳の115人。男性が67%、白人が87%で、ほとんどがコカインを吸引し、マリフアナやアルコールなどへも依存していた。

 被験者は2つのグループに分けられ、ワクチンと偽薬(プラセボ)を12週間にわたって5度、接種した。期間中は尿中のコカイン濃度を検査した。

 その結果、血中抗体量が1ミリリットルあたり43マイクログラムを超えた38%の被験者で、顕著なコカイン摂取と尿中コカイン濃度の減少が確認された。また、血中抗体量が少ない被験者よりも、多い被験者の方が、よりコカイン吸引の頻度が減ったという。

 コステン博士は、中毒に陥るような習慣的なコカイン吸引を防ぐ、有効な手段になりうると主張。また、アルコール以外の中毒性薬物の治療にも応用できる手法だと話している。



 おおー。アルコール依存症の治療に、お酒を飲むと気持ち悪くなる抗酒薬シアナマイドがありますが、それに近いんでしょうか。確かにコカインを摂取して快感を得られなくなるのであれば、コカインを摂取しても仕方ないですもんね。習慣的行為をなくすだけでも大きな一歩となりそう。

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慢性疲労症候群はXMRVというウイルスに感染している可能性

慢性疲労症候群:ウイルス「XMRV」が関与 米がん研

 原因不明の強い疲労が続く「慢性疲労症候群」の患者は、マウスの白血病ウイルスに近い「XMRV」に極めて高率で感染していることが、米国立がん研究所などの分析で分かった。9日付の米科学誌サイエンスに発表した。同症候群の原因に、ウイルスの過剰増殖による免疫反応の異常があり、研究チームは「XMRVが関与している可能性が出てきた」と説明している。

 血液検査の結果、米国の患者101人のうち68人(67%)でXMRVが陽性反応を示した。健康な人の陽性は218人中8人(3.7%)だけだった。

 同症候群は1980年代に米国で確認され、世界に約1700万人の患者がいると推定される。これまでの研究で、さまざまなストレスにさらされ続けると、免疫や神経の働きが乱れて発症することが分かっている。



 XMRV。調べてみたところ、Xenotropic MuLV-related virusの略だそうで。

 こちらによると、XMRVは前立腺がんにも関与しているとか。

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骨を形成するときの必須タンパクを宮崎大が解明する

骨形成の必須タンパク解明 宮崎大、マウスで確認

 体内で新たに骨や軟骨がつくられる過程で、骨芽細胞や軟骨細胞の中にある器官「小胞体」内に含まれているタンパク質が重要な役割を果たすことを、宮崎大医学部(宮崎県清武町)の今泉和則教授らの研究グループが解明した。

 今泉教授は「タンパク質の活性化や移植をすることで、骨粗しょう症などの新たな治療法が期待できる」としている。

 同グループは、小胞体内に「OASIS」「BBF2H7」という2種類のタンパク質を持っていないマウスをそれぞれ作成。OASISがない場合は新たにつくられる骨の密度が低下し、BBF2H7がなければ軟骨の形成が極端に悪くなることを確認した。

 OASISがないと骨の主要成分になるタンパク質の合成が減少。BBF2H7がないケースでは、軟骨の成分物質を細胞の外に運び出すために必要な別のタンパク質が合成されず、軟骨の成分物質が小胞体にたまってしまうという。



 骨ってのも人体の中ではかなり大事な場所です。特に老人や女性はどうしても骨がもろくなりやすいので。

 にしてもOASISとはなかなか洒落た名前。

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やせすぎは循環器疾患による死亡リスクが上昇する。

やせ、太りすぎより短命 40歳の余命で6年の差

 40歳の人の平均余命は、肥満度別にみると「やせ」の人が最も短く、最も長い「太りすぎ」の人より6年程度短命との研究結果を、東北大公衆衛生学の研究グループが10日までにまとめた。

 肥満度は体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)。研究グループは世界保健機関(WHO)の基準に基づき、18・5未満を「やせ」、18・5以上25・0未満を「普通」、25・0以上30・0未満を「太りすぎ」、30・0以上を「肥満」と分類。宮城県内の40〜79歳の男女約4万4千人を1995年から2006年まで追跡調査し、分析した。

 40歳の人の肥満度ごとの平均余命は、男女とも順序は同じで、「太りすぎ」が最長(男性40・5年、女性47・0年)。以下は「普通」(男性38・7年、女性46・3年)、「肥満」(男性37・9年、女性44・9年)、「やせ」(男性33・8年、女性41・1年)の順。

 分析した大学院生の永井雅人さんは「やせすぎると細胞の機能低下などで血管の壁が破れやすくなるなどして、循環器疾患による死亡リスクが上昇するとの報告があるし、栄養不足が体の抵抗力を減少させるため、やせでは肺炎などにかかるリスクが高まるとの研究もある。今回の結果は、そうした影響によるのではないか」と話している。



 痩せているってことは、完璧な栄養管理と運動によって健康的に痩せている場合以外は、何かしらの障害のようなものが出るのかもしれません。特に今のような時代においては。

 運動によってカロリーを消費していたらいいんですけれど、今の社会で運動するのも難しいですからねぇ。

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大動脈瘤の手術時に脊髄を冷却する技術を開発する

大動脈瘤手術に新技術 下半身まひ危険低減 県と慶応大共同開発

 県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)は9日、胸部大動脈瘤手術で併発しやすい下半身まひの回避手段として、脊髄を局所的に冷却するカテーテル(体内に挿入する治療用の細い管)を世界で初めて開発、臨床応用に成功したと発表した。脊髄損傷の危険と隣り合わせの大動脈瘤手術。その安全性を格段に高める治療器具として注目されそうだ。

 同センター実験検査部と慶応大学医学部心臓血管外科が共同研究した。

 同センターによると大動脈手術は国内で年間6500の症例があり、手術ではこぶのように膨らんだ部分を切除して人工血管につなぎ換える。この間、大動脈の血流を遮断するため脊髄への血液の流れも激減。脊髄はほかの臓器に比べて血流の減少に弱く、手術患者の約5〜10%に下半身まひの症状が残るとされる。

 これを防ぐ処置として現在は、全身を32〜34度の低体温にして代謝を抑える方法が主流。だが、呼吸不全や免疫機能低下などの副作用が生じる危険性があった。

 同センターは1998年から、循環回路を内蔵した冷却カテーテル(外径1・5_)の開発に着手。脊髄と背骨のすき間にカテーテルを挿入、カテーテル内部に冷却液を流して脊髄部分だけを25〜30度に冷やすことに成功した

 さらに、慶応大医学部で昨年12月から今年9月にかけて10例の臨床応用を行い、手術患者全員に脊髄障害が出なかったことを確認した。

 今後は高度先進医療の許可を得るための治験を50例ほど行い、2年後の申請を目指す。厚生労働省が許可すれば保険診療との併用が可能になる。同センターの壁井信之専門員(工学博士)は「将来的には脊髄損傷の治療にも活用したい」と話している。



 血流の途絶えやすい脊髄を冷却してやることで、機能低下を減らそうというもの。脳の冷却法は有名ですが、それを脊髄に応用しようということですね。

 確かにこれを使えば、脊髄障害は出にくくなりそう。大動脈瘤という疾患はどうしても起こってしまうものなので、その根治手術を行う上では必要な技術です。全例に行うべきものだと思うので、保険適用も早急にお願いしたいところです。

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2009年10月11日

忘れた記憶が脳に存在することを実験で実証する

「忘れた記憶」も脳には存続:実験で実証

 大学生を対象にして行なわれた研究では、学生たちが忘れたと思っていた記憶に該当する活動パターンが脳画像で検出された。

 「脳に情報が残っているとしても、その情報に常にたどり着けるわけではないのかもしれない」と述べるのは、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の神経生物学者Jeffrey Johnson氏だ。Johnson氏の研究チームは、8日(米国時間)付けの『Neuron』で論文を発表した。

 記憶を思い出す時には、その記憶の形成時に符号化された神経パターンが呼び起こされている、というのが認知科学の定説だ。しかし、不完全にしか思い出せないときにこのパターンがどうなるかという点についてはよくわかっていない。

 つまり、あるレストランで朝食を食べたことは覚えていても、何を食べたかまでは思い出せない。あるいは、何かの会話をしたことは覚えていても、何を言ったかは覚えていない。こうしたときに、これらの詳細が脳から完全に消えているのか、それとももう少し大きなパターンの中に包摂されているのか、あるいは存続してはいるのだがそれにアクセスできないのか、わかっていないのだ。

 こういった詳細について思い出せないと主張し、意識的にはアクセスできない時でも、詳細な記憶を取り出すことは可能かもしれない、ということをJohnson氏らの研究は示している。

 Johnson氏の研究チームは、11人の女子学生と5人の男子学生を対象にして機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を使用した。この装置は、脳内の電気的活動のパターンをリアルタイムで測定するものだ。

 それぞれの学生にはいくつかの単語が示され、さまざまな活動が指示された。例えば、単語で表わされる物体を芸術家ならどのように描くかを想像したり、その物の使われ方を考えたり、単語を逆に読んだりするなどだ。これらの活動時の脳のパターンが記録されたのち、20分後にリストが再び示され、学生たちは各単語と関連した詳細を思い出すように指示された。

 思い出すことによって、元の学習パターンが呼び起こされた。これは、専門的には「復元」(reinstatement)として知られるが、記憶が強いほどその信号も強かった。

 学生たちが意識的に思い出せる詳細記憶が弱かったり、ゼロになった時点では、信号は明確ではなかったが、それでもまだ、特定のタスクに属することが認識できるものとして残っていた



 漫画「ドラえもん」でも似たような話、ありましたね。忘れトンカチでしたっけ、「記憶をなくす、というのはなくなってしまったんじゃなくて、引き出しにしまわれて、そこが開かなくなった状態」という話でした。
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重症薬疹を判別する蛋白質、グラニュライシンを発見。

「重症薬疹」判別タンパク質発見 北大研究班

 北大大学院医学研究科皮膚科学分野(清水宏教授)の阿部理一郎講師(40)らの研究班が、風邪薬をはじめとする医薬品の服用などでごくまれに起こる重症薬疹を、血液検査で発症初期に通常の薬疹と見分けることが可能な、診断の指標になるタンパク質を世界で初めて突き止めた。6日付の米内科学会誌で発表する。

 グラニュライシンというタンパク質。研究班はすでに、患者の血液中のグラニュライシンを測り簡便に診断できるキットの開発に着手。完成すれば、発症メカニズムが未解明で早期診断法の開発も進んでいない重症薬疹の後遺症の減少や死亡率の改善が期待される

 研究班は、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症といった重症薬疹の患者と通常薬疹患者、健康な人の計約70人の血中グラニュライシンの量を分析、比較した。

 その結果、重症薬疹患者では、水疱ができる前段階の皮膚が赤くなった通常薬疹と判別がつかない発症初期に、グラニュライシンが高い値になっており、通常薬疹患者は正常値であることが分かった。

 研究班によると、グラニュライシンはウイルス感染の細胞などを殺すのに必要なタンパク質。高い値の理由はよく分かっていない。

 研究班は、昨年発表された、重症薬疹の水疱にこのタンパク質が多く含まれているとの海外の研究論文に注目。診断に活用できないか研究を重ねていた。

 阿部講師は「早期診断に光明が見えた。キットが完成すれば、微量の血液から15分程度で診断できるようになるだろう」と話している。



 のんびりしているように思われがちな皮膚科でも、命に関わるような緊急疾患は存在します。

 その中でも最たるものが、薬を飲んだときに稀に起こる薬疹の中でも最も恐ろしい、重症薬疹です。

 全身の皮膚や粘膜が侵されるだけでなく、高熱が出現し、目にも影響を及ぼし、失明の危険性さえあるスティーブンス・ジョンソン症候群。特別効く治療法というものがない上に診断しづらいということで今までは致死率も高かったのですが、このグラニュライシンのおかげで早期診断が可能になりそうですので、予後も良くなるかもしれませんね。
posted by さじ at 13:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

生ゴミから、がん転移を抑える作用を持つ新たな化合物を発見

生ごみから新たな抗がん物質 能美・バイオ技研など

 バイオ技研工業(能美市)と富山県立大工学部生物工学科の五十嵐康弘教授ら研究グループは5日までに、生ごみ処理槽の微生物が生成する物質から、がん転移を抑える作用を持つ新たな化合物を発見し、国際特許を出願した。この化合物は、副作用の原因となる細胞毒性が弱いとみられ、新しい抗がん剤の開発に向け活用が期待される。研究成果は7日から横浜市内で開かれる「バイオジャパン2009」で発表される。

 微生物は放線菌の一種で、バイオ技研工業が開発した有機ごみの処理システムで作られた堆肥から見つかった。微生物は生ごみを発酵分解しながら、化合物を生成していたという。

 微生物が作り出す化合物で細胞実験を行ったところ、がん細胞の運動性を抑制する働きが確認され、がんの転移を抑える可能性があることが分かった。また、正常細胞の働きは妨げないため、副作用は少ないとみられる。

 五十嵐教授によると、以前に同じ処理槽内から見つかった別の微生物が生成する化合物と比較すると、20分の1の濃度でも同じ作用が得られるという。

 研究は、生ごみ分解微生物の新たな利用法を探っていたバイオ技研工業の宮野内浩治社長が五十嵐教授に依頼し、2007(平成19)年に始まった。

 短期間での成果に、五十嵐教授は「発酵堆肥の中の微生物には大きな可能性がある。引き続き研究を進めたい」と話した。宮野内社長は「独自の発酵技術を生かして製薬会社などとの共同研究を進め、新薬の開発につなげたい」と意欲を燃やしている。



 よく見つけましたねー。

 微生物はまだまだ宝の山と言われていますけれど、それでも生ごみ処理の過程に着目する人はなかなかおらんでしょうな。素晴らしいことですわ。

 そしてこれから新薬開発に繋がれば、リアルに宝の山ですからね。
posted by さじ at 13:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

2009年10月10日

弘前大学医学部のX線回転横断撮影装置が技術遺産に

弘大「CTの元祖」が技術遺産に

 国立科学博物館(東京・上野)は6日、次世代に引き継ぐべき重要な科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)として新たに22件を選び、所有者に登録証を授与した。本県からは弘前大学医学部の「エックス線回転横断撮影装置」が選ばれた。選定は昨年度に続き2回目で、本県からは初めて。

 エックス線回転横断撮影装置は1953年、弘大医学部の故高橋信次教授が試作し、世界で初めて人体の断面写真の撮影に成功した。現在のCT(コンピューター断層撮影)の先駆けであり、放射線診断に革新的変化をもたらしたとして高く評価された。回転撮影法を発見した高橋教授に対し、東奥日報社は49年、東奥賞を授与した。

 装置を現在所有している医学部同窓会「鵬桜会」の石戸谷忻一会長は「戦後の物資の乏しい時代に研究に取り組み、世界に向けて発信した高橋先生は、卒業生の誇り。この装置は弘大の宝だ」と登録を喜んでいる。今後、医学部内にスペースを設け、装置を展示する予定という。

 未来技術遺産はほかに、今や全盛のデジタルカメラの試作機や、家庭用ビデオの時代を切り開いたベータ方式のVTR1号機など、生活や文化、産業に大きな影響を与えた機器や物品が対象となった。

 登録資料の写真や情報は、同博物館のホームページで見られる。



 かなり、偉大な発明だと思います。

 最初は解像度とかも荒かったらしいんですけど、今ではもうこんなにもクッキリ細かく見れてしまうのかというほど。

 診断技術の向上のおかげで、CTも普及し、見事、疾患の早期発見に役立っております。
posted by さじ at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年10月09日

胃がんの手術後の再発を7割の確率で予測できるシステム

胃がんの再発7割予測、がんセンターが新システム

 胃がんの手術後の再発を7割の確率で予測できるシステムを、国立がんセンター研究所の佐々木博己室長らが開発した。

 手術後に隣接する腹膜への転移が見つかる例が多い胃がんの再発防止に役立つものと期待される。

 推定10万人いる全国の胃がん患者のうち、手術前に転移したがんが術後に見つかる「再発」は全体の3〜4割。その原因の半数以上は胃に隣接する腹膜への転移が占める。胃がん摘出前に、顕微鏡で転移の有無を調べているが小さいがん細胞を見つけ損ね、数年後に再発することが多い

 佐々木室長らは、腹膜細胞内の胃がんに特徴的なRNA(リボ核酸)だけに付着する物質と、その有無を判別する装置を開発。これを使い、進行した胃がん患者191人を手術後に調べた結果、顕微鏡でがん細胞が見つかった患者34人全員に加え、顕微鏡では見つからなかった36人でも陽性反応が出た。計70人のうち4年目までに再発したのは52人。再発患者は全体で75人おり、その7割を予想できた計算になる。

 佐々木室長は「腹膜のがんの位置はまだ特定できないので摘出は難しいが、胃がん手術と腹膜の抗がん剤治療を併用すれば、再発は減らせる」と話している。



 転移しているかどうかは、目に見えないケースもあるため特定しづらいものです。

 こういう地道な改良を重ねることで、将来は手術によってできるだけ残さず取れるようになるんでしょうかね。外科手術、放射線療法、化学療法。がんの治療法の幅が広がるのは患者さんにとっても有益です。

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posted by さじ at 23:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

2009年度イグ・ノーベル賞は医学的小ネタが目白押し

2009年度イグ・ノーベル賞の顔ぶれ

◆ガスマスク・ブラ:公衆衛生賞

 公衆衛生賞を受賞したエレナ・N・ボドナー氏率いる研究チームは、緊急時にガスマスクとして使用できるファッショナブルなブラジャーを開発した。2つのカップがマスクに早変わりする方式で、粒子捕集効率の高いHEPAフィルターを採用している。

「ブラとしても25秒で着用できるが、緊急時にマスクとして使う場合は1つ5秒で装着できる。余ったもう片方は、たった20秒でラッキーな男性の命を救うことになる」とボドナー氏は話している。

 滑稽な発明だと思うかもしれないが、本人はいたってまじめである。ウクライナ人のボドナー氏が医学生だった1986年当時、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で大事故が発生した。そのときに被害者を助けた経験がこの発明の原点だという。


◆ウシに優しく:獣医学賞

 獣医学賞を受賞したのはイギリスにあるニューカッスル大学の研究チーム。名前を付けて育てた牛の方が、名無しの牛より乳の出が良くなることを証明した。

 研究に参加した家畜生産学者のピーター・ロウリンソン氏は次のように解説する。「名前を付ければ愛着が増し、手間を惜しまず世話をするようになる。ウシのストレスが軽減し、乳の出も良くなるというわけだ。実際、1頭に付き1日当たり1リットルほど増えることが確認されており、これだけ増えれば酪農家も助かるだろう」。


◆ビール瓶の乱闘:平和賞

 平和賞を受賞したスイスにあるベルン大学のステファン・ボーリガー氏らの研究チームは、ビール瓶で頭部を殴打した場合、実際にはどれほどのダメージがあるのか空き瓶と中身の詰まった瓶で比較調査した。

 法医学の専門家であるボーリガー氏は、酒場のケンカでビール瓶が与えるダメージの程度について、何度も法廷で意見を求められたという。調査の結果、ハリウッド映画の乱闘シーンよりはるかに深刻なダメージを与えることが明らかになった。空瓶かどうかに関係なく、ビール瓶で頭部を殴れば頭蓋骨が骨折する可能性があるという。


◆テキーラからダイヤモンド:化学賞

 メキシコ国立自治大学に在籍するミゲル・アパティガ氏らの研究チームは、テキーラからダイヤモンドを作ることに成功し、化学賞を受賞した。

 低コスト生産が可能で、原料のテキーラも安物で十分だという。ただし、テキーラが変身するのは光学機器や電子機器の生産などで使われる極小のダイヤモンド薄膜で、ダイヤモンドの指輪ができるわけではない。


◆銀行の膨張と関節鳴らし:経済学賞、医学賞

 経済学賞はアイスランドの4つの銀行の重役たちに贈られた。彼らは小さな国の小銀行が国際的なメガバンクへと急成長できること、そしてその逆もあり得ることを証明した。また、国家経済でも同じ理論が当てはまることを実証し、それも評価の対象となった。

 医学賞はアメリカ、カリフォルニア州在住のドナルド・L・アンガー氏に贈られた。関節を鳴らすことで関節炎が生じるのか、60年かけて究明した功績が高く評価された。アンガー氏は左手の指関節を60年間毎日鳴らし続けたが、右手の指関節は1度も鳴らさなかった。いまだどちらの手にも関節炎の症状は出ていないという


◆妊婦のバランス感覚:物理学賞

 妊婦はなぜひっくり返らないのか。キャサリン・K・ウィットカム氏らの研究チームはこの昔からの疑問に答えを出し、物理学賞を受賞した。

 女性は3つの腰椎がくさび形に進化しているため、体重のかけ方を変えてバランスを維持できるのだという。一方、男性にはくさび形の腰椎は2つしかない。男性の体が出産に向いていない理由は多々あるが、これもその1つである


◆違反切符、パンダの排泄物、etc.:文学賞、数学賞、生物学賞

 アイルランドの警察は“1人”のポーランド人“プラヴォ・ヤズディ(Prawo Jazdy)”に対し50回以上違反切符を書き続け、文学賞を受賞した。ポーランド発行の運転免許証には「運転免許証」を意味するポーランド語「PRAWO JAZDY」が冒頭に表記されているが、取り締まりに当たったアイルランドの警察官はこれを個人名と誤認し、ポーランド出身の人物が違反すれば誰でもプラヴォ・ヤズディ名で登録し続けたのである。アイルランド警察が真相に気付いたときには、この勘違いが50回を超えていた。

 数学賞は、独創的な通貨を採用したジンバブエ準備銀行(中央銀行)の頭取ギデオン・ゴノ氏に贈られた。同氏は1セント〜100兆ジンバブエドルという額面が非常に幅広い銀行券を発行して、国民の計算能力を世界トップレベル(推定)に押し上げた。

 最後の1つ生物学賞は、北里大学大学院医療系研究科の微生物学者、田口文章氏率いる研究チ―ムが受賞した。同氏らはジャイアントパンダの排泄物を利用して台所の生ゴミを削減する画期的な方法を編み出した。



 イグ・ノーベル賞に関しては生物学賞は取り上げさせていただきましたが、他のもなんか医学的なものが多かったのでご紹介。

 特に手の関節を鳴らす研究は壮大ですね。結構意思が強くないと、ついつい鳴らしてしまいそうです。関節炎にはならないそうで…。笑
posted by さじ at 07:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

2009年10月08日

完全型アンドロゲン不応症に悩み命を絶った医学生

境界を生きる:性分化疾患/4 告知…娘は命を絶った

 由紀子さん=仮名=は生後6カ月の時、卵巣ヘルニアの疑いで手術を受けた。自分も医師である父正継さん(54)=同=は手術に立ち会い、執刀医の言葉にぼうぜんとした。「卵巣ではなく、精巣のようです」

 検査の結果、染色体や性腺は男性型だが外見や心は女性になる疾患(完全型アンドロゲン不応症)と分かった。夫婦は迷わず女性として育て、本人には「小さい時に卵巣の手術をした。生理はこないかもしれない」とだけ伝えた。

 「出産も結婚も望めない。せめて一人で生きていける力をつけてやりたい」。両親の願いに応え、由紀子さんは医学部に合格。正継さんは「これで体のことを理解できるようになる。医者になるころにすべてを知るのが一番いい」と思った。だが、そうはならなかった。

 大学1年生のクリスマス。由紀子さんは同級生から告白され、交際が始まった。翌春、初めての性交渉がきっかけで生理に似た出血が1週間続き、母親に相談した。正継さんは「昔の診断は間違っていたのではないか」と淡い期待を抱いた。改めて診察を受けようと、娘に初めて病名を伝えた。夏、由紀子さんは「誰にも知られたくない」と、遠くの病院で検査を受けた。

 そこで告げられたのは、親子のわずかな望みをも断ち切る残酷なものだった。

 染色体は男性型の「XY」。子宮や卵巣はなかった。「あの医者、どうしてさらっと『子宮はないね』なんて言えるの?」。そう憤る娘が痛々しかった。

 診断から1カ月後。由紀子さんは下宿の浴室に練炭を持ち込み、自殺した。室内に遺書があった。「体のこと、恋愛のこと、いろんなことがあって……」。携帯電話には自殺直前に彼氏とやりとりしたメールの記録が残っていた。

 由紀子さんは自分の疾患のことを彼氏に打ち明け、距離を置こうと切り出されていたという。まだ若い学生が抱えるには重すぎる事実だったのだろうか。

 娘を失って2年。正継さんは今も「もし過去に戻ってやり直せるなら」と考えてしまう。思春期を迎える前に病気のことを話し、異性との付き合いを制限すべきだった。そのせいで多感な思春期に道を踏み外し、医学生の夢をかなえることも、恋をすることもできなかったかもしれない。「それでも、生きていてほしかった」

 95年から性分化疾患の自助グループ「日本半陰陽協会」を主宰する橋本秀雄さん(48)は部分型アンドロゲン不応症で、心身が男にも女にもなりきれない。親からは何も聞かされずに育った。

 自分の中の違和感に苦しんできた橋本さんは32歳の時、覚悟を決めて母親を問いただした。母親は一瞬たじろいだ後、言葉を絞り出すように話し始めた。

 3歳になっても外性器が小さいままで、国立大学病院を受診すると「半陰陽」だと言われた。男性ホルモンを投与したが、効き目はなく、治療をやめてしまった−−。

 それを聞いた橋本さんは「半狂乱になって母をののしった」。自分の体がどう診断され、何をされたのか。病院に問い合わせたが、30年も前のカルテは残っていなかった。大切なことが分からないままになった。

 母親への思いが変わったのは、自助グループを作ってからだ。多くの親たちの苦しみに触れ「母も精いっぱいのことをしたのだろう」と思えるようになったという。

 本人への告知をいつ、どのようにすべきなのか。医療現場も揺れている。医師たちは親に「本人には絶対に黙っていて」と口止めされる一方で、成長後に自分の疾患を知った子からは「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」と非難されることも多い

 東京都内のある専門医は、前の主治医から引き継いだ20歳の女性に「中学生になったころ手術を受けた記憶がある。私には睾丸があって、それを取ったのですか?」とストレートに聞かれたことがある。言葉を選んで説明したつもりだが、女性は言葉に詰まり、ぼろぼろと泣き出した。

 「詳しく知らないまま楽しく暮らせている人もいる。すべてを話すことがいいことなのか」。あれから10年近く、医師にはまだ答えが見つからない。

 大阪府立母子保健総合医療センターの島田憲次医師は「思春期にはある程度話さねばならない。でも、どこまで明かすべきかは常に迷う。悩みは深い」と話す。




 難しい問題ですね。

 それこそ家族のように、その人のことを深く知っている人間にしか出来ない判断だと思いますが

 思うに、あれなんですよね

 もし自分だったら、出来るだけ早いうちに話してもらったほうがいいかな、と思います。癌の告知と同じで、否定したり怒ったり泣いたりするというプロセスを経た上で、その現状を「受け入れる」ことができるのだと思います。

 特に性に関することは大変大きい。体だけでなく心の問題です。医療従事者もこういうことに対してそっけなく言ったりするのではなく、親身になる必要があると思いますし、ご家族としても、できることなら波風立てたくないと思われるでしょうけれど、早めのほうが、自分を見つめることが出来るかな、と。年齢がいってから、自分のアイデンティティが崩れるのは正直言って過酷だと思いますから。

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posted by さじ at 06:28 | Comment(1) | TrackBack(0) | 生殖

2009年10月07日

睡眠管理システム「眠りスキャン」を発売する。

業界ニュース : 睡眠管理システム「眠りスキャン」

 パラマウントベッド株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:木村恭介)は10月1日、睡眠管理システム「眠りスキャン」の専用サイトをオープンした。

 眠りスキャンは、本体をマットレスの下に設置し、人の動きを感知することで睡眠状態を細かく測定するもので、少ない負担で長期間の睡眠・覚醒リズムを把握することができる。測定したデータは、本体のSDカードに記録され、最大60日分のデータを100件まで記録することができる。

 同社は09年6月に眠りの総合情報webサイト「smart sleep library」も開設しており、眠りに関する研究や商品開発に注力している。

【眠りSCAN(スキャン)の概要】サイズ:全幅770×全長約286×高さ約25(o)
重量:約1.2kg
耐用期間:8年(自己認証・同社データによる)
価格:オープン価格(実勢16万円前後)



 おっ、これ欲しい。

 16万は高い!笑

 自宅で自分の睡眠リズムを測定できれば、睡眠の質を知ることも出来ますし、改善ポイントも分かりそうですけどね。

 せめて3,4万だったら…手が届きやすいんですが。初物は何でも高いものですけどね。お金に余裕のある人にはお勧めの一品。

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posted by さじ at 07:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

名古屋大学病院で男児の遺体を巡って問題が生じる。

男児遺体安置問題 名大病院、遺族に1日2万円請求

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)で死亡した中国籍の1歳男児の遺体が2カ月以上にわたって病院内に安置されている問題で、病院側が男児の遺族に対し「遺体を引き取らなければ、1日あたり2万円を請求する」などとする内容証明付き文書を送っていたことがわかった。遺族が望む病院外の中立の立場の医師による解剖はめどが立たないままで、遺族側は不信感を強めている。

 文書は病院側代理人の弁護士名で9月7日付。「貴殿らは埋葬・火葬の義務があり、このままではご遺体を遺棄されたとの評価にもなりかねない」として、1週間以内の引き取りを要請している。

 遺族が医療過誤を主張している点については「法律上、過誤の有無と遺体引き取り義務は全く別」と指摘し、「賠償を条件にされてご遺体を引き取られないということは、威力によって当院の業務を妨害するもの」と主張。その上で、文書が届いてから引き取られるまでの間、1日あたり2万円を支払うよう要求している。一方、遺族側は、現時点では賠償を求めていないとしている。

 病院側の弁護士は朝日新聞の取材に応じ、「1カ月以上も進展がない中、ちゅうちょもあったが、打開策として病院側の考えを示す必要があった」と語った。金銭を求めたのは「遺体の早期引き取りを促す意味合いだった」とし、金額の根拠は「一般の葬儀社が遺体を保管する場合の平均」と説明した。

 文書の内容に驚いた遺族は、文書の原本を病院に突き返したという。母親(43)は「子どもに何が起きたのか知りたいだけなのに。なぜ、お金目当てのように言われなければならないのか」と悔しさをにじませる。遺体は、病院内に2室ある霊安室のうち1室で低温保管され、遺族は今も毎日、霊安室に通っているという。

 病院側は「遺族が推す医師立ち会いの下、解剖する案を遺族に再三確認したが、回答がなかった」と説明している。しかし、母親は「身近にそんな医師はおらず、死亡当日に断った話。その後も打診を受けた記憶はない」と、言い分は対立している。

 同病院の松尾清一院長は「遺体の引き取りが進展すれば、内容証明郵便を撤回する」としつつ、文書の内容について謝罪するかどうかは「現段階ではコメントできない」と述べている。



 ようわからんですね。

 病院側は解剖しようと遺族にもちかけ、遺族は解剖を断ったにもかかわらず解剖をしろという

 中国籍ということは、そこらへんに何か言語的な齟齬があったんでしょうかね。

 話し合えば解決する内容だとは思いますが…。解剖せずに留置しておくというのも意味分からんですしね。

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posted by さじ at 07:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

意外に多い、睡眠時無呼吸症候群について知ろう。

韓国人の3割が睡眠障害!?

 SASは珍しい病気ではない。口や鼻の気流が10秒以上停止するのがSASだ。これが1時間に5回以上あれば、医師の診断が必要となる。成人男性の4人に一人はこの症状があるという。

 呼吸睡眠センターのパク・ドンソン院長は、「体格がよく、首が太い男性で、あごの骨格が小さい場合、SASの症状が表れることが多い」と説明した。続けて「タレントのカン・ホドンやユ・ジェソクがその典型。彼らがどのような診断を受けたかは知らないが、テレビ番組で彼らの睡眠習慣を見ると、SASに該当するとみられる」と語った。

 SASは解剖学的に上気道が狭い人によく見られ、肥満と関係がある。パク院長は「睡眠不足が慢性化すると、膨満感を感じさせる「レプチン」というホルモンの分泌が低下するため、食欲を抑制できなくなる」と話した。就寝前や就寝時に足を静止させることができなかったり、むずむずしたりする下肢運動障害者は成人の7.5%で、眠気のため日常生活に支障を来す過眠症は4万人ほどと見積もられている。

 睡眠不足は日常生活や健康に悪影響を及ぼす可能性が高い。短期的には、記憶力が減退し、頭がすっきりせず、対応力が低下する症状が表れる。パク院長は、「長期的には高血圧、不整脈、糖尿、脳卒中、心臓まひ、心筋梗塞など、合併症が発生する可能性が3−8倍ほど高い」と指摘した。

 国民健康保険公団の調査によると、睡眠障害の患者のうち、とりわけ20代女性の割合が多くなっているという。昨年の患者数は2001年と比べ6.7倍に増加した。同公団一山病院精神科のパク・サンジン教授は、「経済難や就職難による不安やうつ病、ストレスなどで睡眠障害が増加しているようだ」と述べた。

 ソウル市松坡区在住のチョンさん(37)は最近、眠ることの重要性を悟ったという。ここ5年間不眠症に悩まされ、薬物治療を受けてからだ。チョンさんは「経済的な問題と仕事上のストレスで、夜眠れなくなった。慢性的な頭痛や集中力の減退、消化不良などの悪循環が続いている」と話した。

 しかし、チョンさんのように積極的に不眠症の治療を受ける人は多くない。実際のところ、不眠症の治療を受ける人は全患者の5%にすぎない、と専門家らは指摘している。「眠れないこと」を病気と見なさず、むしろ睡眠時間が少ないことを称賛するような社会的ムードがある。

 米国ではかなり前から、「睡眠医学」が一つの産業として成長している。米国のトラック運転手や機関士は資格を維持するために、睡眠障害がないことを証明しなければならない。

 睡眠障害が疑われる場合、耳鼻咽喉科や神経科、精神科の医師の診療を受けた方がよい。一部大学病院では睡眠センターを運営しており、開業医でも耳鼻咽喉科を中心に、4−5年前から睡眠クリニックを設けている。



 SASというのは睡眠時無呼吸症候群のことです。

 日本でもかなりの人がコレなのではないでしょうか。

 この症状に該当する方、一度病院へ行ってみて下さい。日本でも睡眠外来をやっているところはありますが、睡眠時無呼吸症候群の診断をやってくれるところならばどこでもいいと思います。ネットで調べればご近所でも出てくると思いますので。

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posted by さじ at 07:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

神経活動の記録から、脳内イメージを再現することに成功

神経活動を分析して「見ていたものの再現」に成功

 科学者たちは、人の精神を読むことで、その人がそれまで見ていたものを知ることに一歩近づいた。脳のなかでイメージがどのように表されているかをモデル化することで、神経活動パターンの記録を、被験者が見ていた写真と結びつけることに成功したのだ

 9月24日付け『Neuron』誌に発表された今回の研究では、脳の視覚中枢をより総合的に見た成果を使っている。その結果、「画像を識別する」というよりは「再構築する」と言ってもよい成果があがった。

 Gallant氏の言い回しによれば、最初の実験は、「観客が選んだ1枚のトランプを言い当てる、手品師のトリックと同じだ。手品師は、客が目にする可能性のあるカードをすべて知っている」。しかし今回の研究では、「カードは、大学内にあるどんなものの写真になるかわからない。手品師は、実際に見ることなく言い当てなければならない」という。

 モデルを構築するため、研究者たちは、脳の血流を測定する機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置を使って、3人の被験者が日常的なもろもろを視覚的にとらえる場合の神経活動を追跡した。

 以前に発表された研究と同様、研究者たちが注目したのは、物体の形を認識するのに結びつく脳の部位だ。前回と違うのは、例えば「建物」や「少人数の集団」のような、「共通概念による分類」と相関する神経活動の部位に着目した点だ。

 神経パターンのモデルが構築された段階で、被験者は一連の別の写真を見た。その結果得られた神経パターンを解析したのち、プログラムは、600万枚の画像データベースの中から、対応する画像を判別することに成功した

 この研究で使ったfMRIデータは、何百万というニューロンのアウトプットをまとめて、単一のアウトプット・ブロックにしている。「より細かいレベルを分析するとすれば、非常に大量の情報になる。頭蓋骨を開いて直接アクセスでもしないことには、それを引き出す方法はない」とTong氏は言う。

 Gallant氏は、レーザースキャナーや脳波図(EEG)のデータのような、別の手法での測定から解釈する手法も開発したいと考えている。

 同氏は、可能性のある応用例として、医療用の意思伝達装置をあげている。また、脳から直接連結するCAD-CAMシステムや『Photoshop』といった、「視覚的思考」を可能にするコンピューター・プログラムにも言及した。



 これ成功したら、頭に浮かべたことをそのまま画像として表示することも可能、ということはですよ、言語的にコミュニケーション取れなくても、ある程度分かってしまう、ということですかね。

 医療的にも、ロックドイン症候群の人などの、意思伝達が難しい人に使えそうですけど、やはり社会的に用いるのが一番有益そう。

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posted by さじ at 06:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

アメリカの大学生の間でリタリンが大流行している。

米大学生の間で「頭の良くなる薬」が流行、将来は試験前にドーピング検査?

 徹夜で勉強しやすくなり、記憶力が高まり、覚えたことを試験の本番で思い出しやすくなるといった、いわゆる「頭の良くなる薬」が米国の大学生の間で人気だ。この種の薬を服用する学生が急増していることから、将来、大学側は試験前に「ドーピング検査」を実施せざるを得なくなるかもしれない――1日発行の医学倫理問題をテーマにした専門誌「Journal of Medical Ethics」に、こうした「アカデミック・ドーピング」の可能性を指摘する研究論文が掲載された。
 
 論文を執筆したのはシドニー大学(University of Sydney)の心理学者ビンス・カキック(Vince Cakic)氏。同氏によると、全米の大学を対象に調査したところ、全学生の4分の1が中枢神経を刺激するアンフェタミン(商品名「デキセドリン」)やメチルフェニデート(商品名「リタリン」)を学業成績の向上を目的に使用していた大学もあった

 これらは従来、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)、ナルコレプシーなどの患者に対して使われてきた薬だ。

 特に入学基準の高い学校では服用する学生の数が多いことが判明したという。現在、学生たちが用いている薬は適度に脳の認知力を高める作用があるとされているが、もっと高い効果を得られる薬が開発されつつあり、将来はこちらの人気が高まる可能性もある。

 脳の認知力を高める薬は、身体的にも精神的にも副作用があり依存症を起こす可能性があるだけでなく、薬の普及を抑制することはほとんど不可能だとカキック氏は指摘する。

「将来の試験会場では、監督官が紙コップを片手に持った学生たちに尿のサンプルを提出するよう求めるといった光景が見られるかもしれない」と同氏は話す。「バカげた考えに思えるかもしれないが、実際にそうなる可能性はかなり高い」



 アメリカはドラッグがさかんだとは言いますが、一体どうやって手にいれるんでしょうね。まあ日本と違ってお金さえ払えば手に入りやすそうな国ではありますが…。

 しかしリタリンを使わねばならないほどの詰め込み教育というのもアレですよね。

 エリック・シガールの医学部小説「ドクターズ」でも、ありえないほどの教育を強いられ、そのせいかどうか、1人が自殺するというシーンがありました。

 入りやすく卒業しにくいというアメリカの大学の特性上、大学入学後の勉強量は日本とは比べ物にならないほどでしょう。

 うーん、そういう中でリタリン規制というのも難しい。

 ですが勿論副作用はありますから、飲むべきではありません。日本では当分大丈夫だろうと流暢に構えているのではなく、今からしっかりとこういう薬が「頭の良くなる薬」として広がらないよう、ネット等でも購入できなくするようにする必要がありますね。

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posted by さじ at 06:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2009年10月06日

2009年度のノーベル医学生理学賞は「テロメアとテロメラーゼ」

ノーベル医学・生理学賞、染色体保護に関する発見で米国の3氏に

 スウェーデンのカロリンスカ研究所学は5日、今年のノーベル医学・生理学賞を、染色体の保護に関する発見をした米国のエリザベス・H・ブラックバーン、キャロル・W・グレイダー、ジャック・W・ショスタクの3氏に贈ると発表した。

 授賞理由は、「テロメアとテロメラーゼによる染色体保護機構の発見」。3氏は、細胞分裂時に染色体がどのようにコピーされ、分解されずに保護されていたかを解明した。

 遺伝情報が含まれる染色体の末端には、染色体を保護する役目を持つ「テロメア」という構造がある。この部分は細胞分裂のたびに長さが短くなり、ある限界を超えて短くなると染色体が不安定になる。しかし、酵素「テロメラーゼ」によりテロメアの修復が行われる

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校のブラックバーン教授とマサチューセッツ総合病院のショスタク教授は、テロメアのDNA配列を発見。また、ブラックバーン教授と米ジョンズ・ホプキンス大学のグレイダー教授は、テロメアを修復する酵素「テロメラーゼ」を単離、同定した

 細胞が「高齢化」すれば、染色体のテロメアが短くなる。逆に、テロメラーゼの働きが活発でテロメアが修復され続けば、細胞の老化を遅らせることができる。この現象は、分裂し続けるがん細胞にも大きく関係している。3氏の研究は、細胞分裂のメカニズムを解明し、がんをはじめとするさまざまな疾病の治療に寄与したことから、授賞対象となった。



 日本人は惜しくも、漏れてしまいましたが、今年の受賞はテロメアとテロメラーゼの構造解明によるものということです。

 おめでとうございます!!

 しかし、10年後ぐらいになるとはいえ、誰が受賞するか分からないものですなぁ。京大の山中教授はほぼ確実といわれていますが、その受賞もおそらく10年以上後になるでしょうね。

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posted by さじ at 22:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学
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