2009年09月24日

RNA干渉に不可欠な合成酵素、ヒトでも発見する。

合成酵素をヒトで発見

 特定の遺伝子の発現を抑制する「RNA干渉」と呼ばれる現象に不可欠な2本鎖RNAを作る合成酵素がヒトにも存在することを、国立がんセンター研究所の増富健吉プロジェクトリーダーらが明らかにした。RNA干渉を応用した医薬品開発や新たながん治療法の開発につながる成果。英科学誌「ネイチャー」に発表した。

 RNA干渉は、遺伝子の発現調節やウイルスからの防御など生体にとって重要な役割を担っており、発見者に対して2006年のノーベル医学・生理学賞が贈られた。DNAの遺伝情報を翻訳、伝達するRNAは1本鎖で働くが、RNA干渉は2本鎖でなければ起こらない。一部のウイルスや植物では、1本鎖のRNAを鋳型にして反対向きのRNAを合成する酵素の存在が確認されていたが、ヒトを含む哺乳類ではどうやって2本鎖RNAが作られるのかは謎だった。

 増富さんは、ヒトの染色体の末端部(テロメア)で、RNAを鋳型に反対向きのDNAを合成する酵素(TERT)に着目。この酵素が特定のRNAと結合すると、DNAではなくRNAを合成し、2本鎖RNAとなって機能することを実証した。



 2006年のノーベル医学生理学賞はこちら。

2006年度のノーベル生理学・医学賞は「RNA干渉の発見」
posted by さじ at 03:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

電気刺激療法が、脳梗塞の治療にも効果がある。

電気刺激療法が脳梗塞抑制に効果 岡山大大学院グループがラットで確認

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の伊達勲教授(脳神経外科学)と馬場胤典研究員らのグループは、パーキンソン病治療などで行われている脳への電気刺激療法が、脳梗塞治療にも一定の効果があることをラットの実験で確かめ、19日から2日間の日程で岡山市で始まった日本分子脳神経外科学会で発表した。

 電気刺激療法はパーキンソン病の体の震えやこわばりを抑える効果が認められているが、脳梗塞では一部の医療機関でリハビリの一環として行われているだけ。実験では発症後、早期の電気刺激によって細胞死が減ることを確認、重症化を防ぐ新たな治療に向けた研究として注目される。

 馬場研究員らはラットの中大脳動脈を1時間半ふさいで半身まひの状態にし、1時間後に頭蓋骨の内側にある硬膜を電気で刺激。周波数と電流値を複数組み合わせて1週間流し続けた。

 その結果、細胞死した脳梗塞部分は電気刺激無しのラットに比べて最大で約半分に抑えられた



 脳の血管が詰まって、梗塞が起こって、そうすると脳の細胞に血液がいかず壊死してしまい、機能が回復しなくなってしまいます。

 そのときに電気で刺激してやると、ある程度、壊死を抑えてやるということですね。効果があるのでしたら、全国の施設の救急でやってもらいたいですね。できるだけ早く治療しないと効果なさそうですし。
posted by さじ at 03:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

脊髄麻痺の運動機能を電気刺激と薬物療法で改善する。

脊髄まひのラットの運動能力を回復、ヒトへの応用に期待

 脊髄損傷によるまひがあるラットの運動能力の回復に、スイスの研究チームが成功し、20日の英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に発表した。人間にも応用可能だという。

 チューリッヒ大学の研究チームは、まひのあるラットに持続的な電気刺激と薬物投与を行った。すると、ラットはまひを発症してから一週間後には、後ろ足でトレッドミル上を歩いたり走ったりできるようになったという。

 さらに数週間、理学療法を続けたところ、30分間中断することなく歩いたり走ったりできるまでに回復した。

 驚くべきことにラットは、脳から四肢への信号が切断されているにもかかわらず、外部からの刺激に反応して自分の動きを調整していた。たとえばトレッドミルを反転させると、反対側に歩き出したという。

脊髄の神経経路にも認知処理能力といえる機能があるとみていい。外部環境の変化を察知し、この情報を伝達して筋肉の動きを調節していると考えられる」と、研究を主導したチューリッヒ大の教授は指摘する。

 これまでの研究で、脊髄の神経経路が脳や感覚器官から独立した筋肉を限定的に動かせることは判明していたが、まひした運動機能をほぼ正常な状態まで回復させるのに成功したのは、今回が初めて



 iPS細胞による脊髄損傷回復にも期待がもてますが、電気刺激と薬物療法で麻痺を治すことができれば、かなり有効な治療法になりえるでしょう。

 マウスで成功したから人間にすぐに、とはいかないかもしれませんが、更なる研究で人への応用を期待したいところ。

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posted by さじ at 03:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | 介護

2009年09月23日

遺伝子治療で色覚を改善し、全ての色を判別可能に。

遺伝子治療で色覚改善 米チーム、サルで成果

 赤と緑の区別がつかないサルに遺伝子治療を施し、すべての色を判別できる色覚を持たせることに成功したと、米ワシントン大などの研究チームが17日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。人の色覚障害の治療につながる可能性がある成果だという。

 人を含む多くの霊長類は、網膜にあり色を感じ取るセンサー「視物質」により、赤、緑、青の「光の三原色」を認識して色を見分けるが、リスザルの雄は生まれつき赤に対応する視物質がなく、赤は緑と同色に見えてしまう

 チームはおとなのリスザルを訓練し、コンピューターの画面に表れた色を識別するテストに回答できるようにした。その上で、赤い光を感知する視物質の遺伝子をウイルスに組み込んで両目に注入、網膜の細胞で遺伝子が働くようにした。

 その結果、約5カ月後にはすべての色を見分けられるように色覚が改善し、効果は2年以上続いたという。



 そういえば右目と左目で色の感じ方って違いません?

 私は右目のほうが若干赤っぽく感じ、左目のほうが青っぽい感じですかね。光の加減程度のささいなものですけど。ネットで検索すると、結構な人がそれを感じているようです。なんだろうなぁ。視力の差かなぁ。

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統合失調症の患者からiPS細胞の作成に成功する。

統合失調症、患者からiPS細胞 慶大・米大チーム、発症解明に活用

 精神疾患の1つ統合失調症の患者から新型万能細胞(iPS細胞)を作ることに、慶応義塾大学の岡野栄之教授と米ジョンズ・ホプキンズ大学の沢明教授の研究チームが成功した。神経細胞に成長させて、発症原因の解明や、患者の遺伝子タイプと治療薬の効きやすさとの関連性などを調べる。

 19日に都内で開かれた特定非営利活動法人(NPO法人)日本せきずい基金主催の再生医療に関するシンポジウムで発表した。

 米国で統合失調症と診断された4人の皮膚の細胞をもとに、慶応大学がiPS細胞を作製。iPS細胞から神経のもとになる神経幹細胞にまで育てた。



 さっすが!慶應の岡野教授ですね。

 統合失調症も、脳の伝達物質の異常であることが分かってから、治療薬によってかなり治療することができるようになりました。この統合失調症モデルのiPS細胞を用いて研究を進めれば、今以上に症状を落ち着かせることができるようになるでしょう。

 2010年も期待してます、岡野教授。

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posted by さじ at 02:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

C型肝炎治療、遺伝子の違いによって差が出ている。

C型肝炎治療効果、遺伝子の違いで差 事前検査が可能に

 C型肝炎の治療が効くか効かないかは、人の遺伝子のわずかな違いが要因の一つになっていることが、国立国際医療センターの溝上雅史肝炎・免疫研究センター長と名古屋市立大の田中靖人准教授らのグループの研究でわかった。14日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表される。

 C型肝炎はウイルスが原因の病気で、日本人に最も多いタイプでは治療薬「インターフェロン」と抗ウイルス剤「リバビリン」の併用療法が有効とされている。しかし、約20%の患者は効きづらく、治療を受けてみないと効果がわからなかった。

 このため、効きづらい患者は、月数万円の薬代が無駄になったり、発熱やうつ病などの副作用が出かねない危険を抱えながら治療を続けなければならなかった。近く数千円の遺伝子検査キットが開発できるといい、治療前に血液を検査することにより、こうした問題を避けられるという。85〜95%の確率で、事前に薬が効くかどうかの見極めができるとしている。

 薬が効かないのは、C型肝炎ウイルスの遺伝子変異が要因との研究がすでにあったが、約400人の患者の血液を調べたところ、DNAにある個人ごとのわずかな違い(遺伝子多型)が特定の領域にある人は、ない人と比べ、薬が30倍効きにくかった。



 いわゆるペグリバ療法について。

 C型肝炎ウイルスの血清型でいうと、1型は日本人に多く、インターフェロンが効きにくいとされています。

 2型にはインターフェロンが効きやすいタイプです。

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posted by さじ at 02:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

不顕性感染のメカニズムを帯広畜産大が解明する。

症状ない感染、解明 帯畜大 結核やエイズ治療に期待

 帯広畜産大学原虫病研究センターの嘉糠洋陸教授(36)らの研究グループは、病原体に感染しても症状が現れない状態「不顕性感染」のメカニズムを昆虫実験で解明した。

 宿主の「貪食細胞」が病原体を囲い込む現象を発見、この作用を及ぼすのは「p38b」というタンパク質であることを突き止めた。肺結核やエイズなど発症まで潜伏期間がある病気の治療法開発に役立つ成果と期待される。

 嘉糠教授によると、ショウジョウバエを使ったサルモネラ菌の感染実験を行った結果、同菌に対する不顕性感染状態を引き起こすタンパク質「p38b」を確定することに成功。「p38b」が働くと、免疫系細胞の一種である貪食細胞は同菌を生きたまま囲い込んで隔離することを確認。このため無症状なのに体内で菌が生き続ける状態となる。「貪食性囲い込み」と名付けた。

 嘉糠教授は「p38bの働きを低下させる薬があれば、体内に潜む病原体をあぶり出し、早めに治療ができる」と話している。

 この研究成果は、17日付で米国科学雑誌の電子版に載った。



 へー。マクロファージの隔離作用が不顕性感染に繋がっているんですね。

 感染症として発症せずとも、菌やウイルスに感染している状態というのはあります。こういう状態の菌すらも治療することができれば、今よりももっと予後が良くなるでしょうね。
posted by さじ at 02:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

伝染病阻止ゲーム「パンデミック」が日本上陸。

これはパンデミック(感染爆発)に敢然と挑む君たちエキスパート・チームのゲームである!

 パンデミックとは、伝染病や感染症が世界中に流行することを表す用語。

 このゲームは、世界中に拡大しようとする感染症の根絶を目的とし、プレイヤー同士が協力し合って、4種類の病原菌すべてのワクチンを発見するという、多人数協力型ゲームだ。

 プレイヤーはそれぞれ別々の特殊技能を持った科学者や医者となり、世界の各都市に研究施設を建設し、4種類存在する感染症の治療を行って病原菌の拡大を防ぎながら、ワクチンの研究を進めていく。プレイヤーにできることは、世界の各都市を移動し、研究施設を作り、そこで治療をし、情報交換をしながら、治療薬を発見すること。しかし毎ターン世界のどこかで感染症が発症し、ちょっと手を抜くとたちまち病原菌は広がり、世界各地でアウトブレイク(拡散)が発生し、ゲームオーバーとなってしまう。

 病原菌が勝つか、それとも人類(プレイヤーのチーム)が勝つか?
勝つためにはプレイヤー間の協力体制が不可欠。病原菌が世界中に拡散していく恐怖に対する、切迫感、無力感、絶望感を味わえる快作だ。
 ゲームには初級・中級・上級の3つの難易度が設定できるため、初級・中級で何回か経験したあと、是非とも上級にチャレンジしてほしい。

ゲームデザイン:マット・リーコック
プレイ人数:2〜4人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約45分
内容物:ゲームボード、プレイヤーコマ、調査基地コマ、病原体コマ、プレイヤーカード59枚、感染カード48枚他



パンデミック

 「世界中で4種類の致死病原体が蔓延しはじめている」という設定のもと、各プレイヤーは衛生兵、急派担当官、熟練工、科学者、研究者という職業から1つを選んでゲームに参加する。プレイヤー同士で対戦するのではなく、みんなで協力し合ってウイルスを打倒するのがポイント。1回のプレイは30分から1時間程度で、ボードゲーム初心者でも手軽に遊べる。厚生労働省が1000万円もの予算を投じて作らせた信じがたいほどつまらない新型インフルエンザ教育カードゲームよりもずっとオススメだ。

 放っておくと次々にウイルスのエピデミック(局地的感染)が起こり、各地にアウトブレイク(拡散)してあっという間にゲームオーバーとなってしまう。パンデミックの危機感と焦燥感を感じることができてすげー怖い。人類が勝利するには、世界にウイルスが蔓延するか時間切れになる前にすべてのウイルス用のワクチンを作るしか道はないのだ!



 海外で有名なパンデミック、日本語化されてたんですね。

 これホント、やってみたいんですよね。人間VSウイルスっていう、対戦型でないボードゲーム。すごく面白そう。

 4000円かー。買ってみようかなー。拡張パックを使えば5人でも出来るようになるらしいです。
posted by さじ at 01:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年09月22日

Stevens-Johnson症候群で失明した女性、歯を目に移植して回復。

自分の歯を目に移植、失明から視力回復 米女性

 約9年前に失明した米国人女性(60)が、歯を用いた人工角膜の移植によって視力を回復したと、手術を行った米マイアミ大学バスコム・パルマー眼研究所(Bascom Palmer Eye Institute)の医師らが16日、明らかにした。

 ミシシッピー州在住のシャロン・ソーントンさんは、2000年にスティーブンス・ジョンソン症候群にかかり、失明した。角膜移植や一般的な人工角膜は拒絶反応があったという。

 そこで医師らは、ソーントンさんの犬歯を周囲の骨ごと取り出し、形を整えたのち、穴を開けてそこに光学レンズをはめ込む手法を取った。この手法では、レンズをはめた歯は患者のほおまたは肩の皮下に移植され、歯とレンズがしっかり結合するまで2か月間放置される。こうしてできあがった人工角膜に細かい処置を施した後、目の中心に移植した。

 包帯は2週間前に外されたが、ソーントンさんはその数時間後に物体や人を認識できるようになり、2週間後の今では新聞も読めるまでになった。「まだ見たことのない7人の孫たちの顔を早く見たい」と話しているという。

 この手法は、もともとイタリアで開発されたが、米国では今回が初の実施。患者本人の歯を使用するため、角膜移植への拒絶反応がある人でも大丈夫だという。



 凄すぎる・・・。

 Stevens-Johnson症候群、つまり皮膚や目に炎症が起きてしまう病気で、失明してしまうこともありますが、こんな手法でも視力って回復するんですねぇ。日本じゃ保険の関係で出来ないでしょうな…。アメリカならではって感じです。
posted by さじ at 06:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科

2009年09月21日

英国の入院患者の病院食献立ブログが大人気。

病院食にうんざり!英入院患者の献立ブログ

 病院食のあまりの質の低さにうんざりした英国の入院患者が、携帯電話のカメラで毎食の写真を撮ってブログにあげ、ブログの読者たちに写真のメニューは何かを当てさせる「病院食ビンゴ」ゲームをやっている。

 この男性患者のブログ上には現在までに、病院食メニュー35種類の写真が載っているが、ビンゴに参加した人たちは、約半分について何のメニューか当てることができなかった。

 写真には、そのメニューを食べた男性患者の「感想」もついている。マカロニチーズの感想は「壁紙用ののりだったんじゃないかと思える物体。誰かの作業着にこれをまき散らし、そのまま飛行機の底にべたっとはりつけて、そのへんを曲芸飛行でひとっ飛びしても大丈夫そう」といった具合だ。

 ブログの主は「トラクション・マン(Traction Man)」とだけ名乗っている。デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙によると、この患者は珍しい骨の病気で2月から入院している。

 病院の名前は明かされていない。なぜなら、トラクション・マンによると病院の治療は「文句なしに素晴らしく」、スタッフも「最高」だからだそうだ。



 これは確かにまずそうですけど、どうなんでしょう、こういっちゃアレですけど欧米の食事ってこんなんじゃないですか。

 日本の病院食もまずいまずいと言われてますけど、最近のはそんなにまずくないですよね。何箇所かの食事食べたことありますけど、結構おいしいですよ。あれだけコストのかかってない、そしてカロリーや栄養バランス、そして塩分も計算されてたら、まあ味気ない食事になってしまうのはしょうがないですけど、お金の割にはおいしい。

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posted by さじ at 14:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

傷を乾かさずに治す浸潤療法で皮膚を再生する。

湿潤療法:傷を治す 乾かさず、傷口から出る「滲出液」で皮膚再生

 軽い傷ができた時、消毒や乾燥をせずに、適度に潤いを保って治す「湿潤療法」が広がり始めている。痛みが少なく、きれいに早く治るのが特徴。傷を乾かして治す従来の治療法とどう違うのか。

 「顔に傷跡が残らず、ほっとしました」。東京都内に住む母親(36)は、長女(3)がやけどを負った2年前を振り返る。

 当時1歳3カ月だった長女は、台所に置いたコーヒーカップを倒し、熱いコーヒーを頭からかぶった。すぐ水道水をかけ、服を脱がしたが、やけどは顔から首、胸に及んだ。救急車で大学病院に運び、応急処置を受けたが、帰宅後、ガーゼ交換のたびに傷が張りつき痛がった。

 知人から湿潤療法を聞き、翌日、同療法を実践している柿田医院(東京都杉並区)を訪れた。やけどは中程度の2度。消毒はせず、保湿効果のあるワセリンを塗り、傷口を湿潤状態に保つ被覆材で保護する治療をした

 通院は週2回。病院に行かない日は母親が1日1回、被覆材を替えた。母親は最初、ガーゼも消毒もしない治療法に戸惑ったが、湿潤療法を始めた10日後、顔のやけどはほぼ消えていた。

 「消毒せずに、傷を湿潤の状態に保つと、皮膚の自然治癒力が発揮されます」。女児を治療した柿田豊副院長は説明する。

 傷からしみ出す「滲出液」と呼ばれる体液は、傷の再生を促す物質を含む。しかし、消毒後にガーゼで覆い、乾かしてかさぶたを作る従来の治療方法だと「ガーゼが滲出液を吸い取り、傷が乾燥して、皮膚の細胞が死んでしまう」。適度な湿潤環境を保てば、滲出液が働いて皮膚の再生を助け、傷跡が残りにくいという。

 ばんそうこうも湿潤タイプが相次ぎ登場した。ジョンソン・エンド・ジョンソンは04年3月、日本で初めて家庭用ばんそうこうに湿潤療法を取り入れた「バンドエイド・キズパワーパッド」を発売した。医療現場で床ずれ治療などに使われていた吸水性高分子素材「ハイドロコロイド」が、滲出液を吸ってゼリー状になり、傷口を湿潤に保つという。同社広報室は「発売以来、売り上げは毎年成長を続け、08年は04年の5倍に伸びた」と話す。

 1枚当たりの価格は、肌色の通常タイプの約6倍と高めだが、3日間張り続けるため、通常タイプを1日2回張り替えるのと同程度という。ニチバンも07年3月、吸収性の高い素材を使った「ケアリーヴ バイオパッド」を発売した。

 「湿潤療法が日本で広がり始めたのは、わずか10年ほど前です」と話すのは、医師らで作るNPO(特定非営利活動法人)「創傷治癒センター」理事長の塩谷信幸・北里大名誉教授(形成外科)だ。

 1962年、英国の動物学者が動物実験を行い、傷の表面が乾いた場合より、滲出液がたまっていたほうが治りが早いことを証明した。この発表を受け、海外では湿潤ケアを取り入れた医療用品が開発されるなど徐々に広がった。しかし日本では、感染症などへの医師の抵抗感が根強く、傷を乾燥させる従来の手当てが主流という

 では、自分で傷を手当てする際、どんな点に注意すればいいのだろうか。塩谷理事長は「まず家庭で処置できる傷かどうかの見極めが大切」と注意する。軽い傷なら、湿潤効果があるばんそうこうで保護すれば十分だ。

 しかし▽傷に木片やガラス、服の繊維など異物が入り込み取れない▽なかなか血が止まらない▽傷の周りが赤く腫れたり、痛みが消えない▽動物にかまれた−−などの場合は、医師に診てもらったほうが安心だ。特に、すり傷にもぐり込んだ砂や泥、ゴミ類は水で流しにくい。異物を残したまま皮が再生してしまうと、入れ墨のように跡が残ることもあるという。

 同センターはホームページで、一般向けに湿潤ケアに関する情報を公開したり無料カウンセリングなどを実施している。



 ラップ療法として以前取り上げたものと同じです。最近は結構一般にも普及してきたようです。

 昔は乾燥させるのが当たり前とされてきましたが、今ではそんなことはないです。医学の進歩により、今まで当たり前とされてきたことが変わる、そういう境目にいるわけです。

 正しい知識で実践してみてください。

 傷の手当ての心得

・けがをしたら、まず水で洗う
・やけどをした場合は、衣服を脱ぐ前にまず水で冷やす
・やけどの傷が1カ月後も閉じない時は皮膚移植が必要
・傷の表面は潤った状態に保つ
・傷を治すのは自分の治癒力

 =NPO法人創傷治癒センター作成(抜粋)


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posted by さじ at 09:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | 皮膚

成人T細胞白血病ウイルスについて症状と治療を知ろう。

成人T細胞白血病ウイルス 白血球に感染し白血病や脊髄症に。治療法は。

 浅野史郎・前宮城県知事が発症して関心が高まった成人T細胞白血病(ATL)。成人T細胞白血病ウイルス(HTLV−1)が白血球に感染して発症する。ウイルスは歩行障害などを伴う脊髄症(HAM)も引き起こす。根本的な治療法はないが、「ミニ移植」と呼ばれる方法が注目されている。

 厚生労働省研究班は献血者約120万人を調べ、08年度に感染者を約108万人と推計した。90年度に推計した約120万人に比べ、1割減少した。一方、地域別では前回、感染者の約51%を占めていた九州と沖縄が約40%に減少し、関東、近畿の割合が増えた。調査した同研究班長の山口一成・国立感染症研究所客員研究員は「感染者の人口移動などが原因」とみている。

 ウイルスは母乳を通じて感染するケースが多い。感染した母親が生後6カ月以上、授乳を続けると約2割の子供に感染するという報告がある。

 現在、感染者の多い鹿児島、長崎、宮崎などでは妊婦を対象にウイルスの有無を調べる検査を行っているが、全国には広まっていない。感染が分かった場合、鹿児島県は「母乳は生後3カ月まで」、長崎県は「母乳は与えない」と指導、対応は分かれている。山口さんは「献血者で感染が分かれば、本人に知らせている。妊婦を対象にした全国的な検査が必要」と話す。

 ウイルスをもっていても発症する率は約3〜5%。50歳を超えて発症する場合が多く、年間約1000人が死亡している。通常の抗がん剤治療も行われているが、骨髄移植も広がっている。

 通常、骨髄移植は患者の骨髄機能を抗がん剤や放射線で破壊し、白血球の型が一致するドナーの骨髄細胞を注入する。だが、これだと白血球がゼロに近い状態が2〜3週間続き、患者への負担が大きい。

 骨髄移植で実績をあげる今村病院分院(鹿児島市)では、骨髄移植や臍帯血移植など造血幹細胞移植を98年から約30例実施した。術後の1年生存率は約6割と高いが、宇都宮與・同分院長は「体力のある55歳前後までしか適用できない」と話す。

 そこで注目されているのがミニ移植。患者の骨髄機能を残したまま、ドナーの末梢血から白血球や造血幹細胞などを取り出し、患者に注入する。発疹など拒絶反応も起きるが、免疫抑制剤を使って防ぐ。これまで12例実施した宇都宮さんは「手術後、8年間良好な人もいるが、6カ月生存率は約5割。ウイルスで起きるC型肝炎やエイズに比べ、治療、研究とも政府の支援が少な過ぎる」と訴える。

 ウイルスは脊髄症の原因にもなる。歩行困難、排尿障害、手足の痛み、しびれなど日常生活は極めて深刻だ。患者は全国に約1400人いる。

 「日本からHTLVウイルスをなくす会」(099・800・3112)と「全国HAM患者友の会」の代表を務める鹿児島市の菅付加代子さん(52)は、病気やウイルスなどを分かりやすく解説した「教えて!HTLV−1のこと」(同なくす会発行)を出し、治療や研究への助成を国に求めている。

 菅付さんは33歳で発症。5年前、友の会を結成し、難病指定を求めてきた結果、昨年6月、調査研究の推進を促す難治性疾患(130疾患)の一つに指定された。だが、公的な医療費助成のある45疾患には含まれていない。



 九州を代表する疾患、HTLVウイルス感染症です。しかし人が移動すれば当然それは九州独自のものではなく、本州といえども安心できなくなってきました。こういうウイルス感染症もあるんだ、ということを知っておいて下さい。
posted by さじ at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

低年齢化する近視から、子供の目を守るための注意点は

近視:低年齢化進む 子を守るには

 テレビゲームやパソコン、携帯電話が低年齢層にも広がるにつれて、近視の低年齢化も着実に進んでいる。子どもの近眼を予防するため、親はどのようなことに気を付ければいいのか。

 文部科学省の08年度学校保健統計調査によると、裸眼の視力が1・0未満の子どもの割合は、小学生が29・9%で4年前に比べ4・3ポイント増、中学生が52・6%で同4・9ポイント増だった。幼稚園児はというと、28・9%で全体に対する構成比で小学生とほぼ並び、増加率は8・1ポイントで最も高くなっている。

 東京医科歯科大学大学院の大野京子准教授は「近視の発症には遺伝的な要因もあり、予防は難しい」としながらも、(1)テレビゲームなどの使用はできるだけ控える(2)読書や勉強の際には机から30センチほど目を離す(3)度数の合った眼鏡を使う−−などを予防策として挙げる。なかでも、近視のリスクを高める恐れがあるのは、長時間にわたり、ゲーム機の画面などを見続けることだという。

 眼鏡についての誤解も近視を進行させる恐れがある。

 「子どもの時に眼鏡をかけると近視が一層進む」というのがその一つだ。近視が進行しているのに子どもに眼鏡をかけさせない親もいるが、大野准教授は「適切な時期に適切な眼鏡を使わないと、かえって近視を進行させる恐れがある。さらに、眼精疲労の原因になったり、斜視などさまざまな病気を引き起こす原因になりうる」と警告する。

 度数の合った眼鏡を使うため、体の成長が止まるまでは年に1回、レンズを作り直すつもりでいた方がいいという。度数の強い「過矯正」の眼鏡を使用した結果、さらに目が悪くなるケースもある。大野准教授は「小売店で直接眼鏡を作る人もいるが、眼科専門医の処方せんに基づいて眼鏡を作ってほしい。『最もよく見えて、最も度数が弱いレンズ』を選ぶのが近視の眼鏡を処方するポイント」と話す。

 眼科医で正しい度数を測定するためには、目が疲れている学校帰りなどは避け、午前中の早い時間に検査を受けるのが望ましいという。目が疲れていると、一時的に視力が衰える「仮性近視」の状態になっていることもあるからだ。

 近視の矯正には眼鏡とともにコンタクトレンズも有効だが、大野准教授は「眼鏡に比べて管理が難しいので、使用はおおむね中学1年生以降」と話している。



 近視に対する誤解って結構ありますね。メガネに関することも結構誤解されていそうです。

 近代人は近視が進んでいますが、それは遺伝的にも生活的にも仕方のないこと。ならば最も目を疲れさせないような生活・工夫を行いましょう。視力をめがねで矯正するのも、その対策の1つなのです。

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posted by さじ at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科

大麦黒酢の抗酸化作用で血液の流動性が改善される

大麦黒酢で血流改善 キユーピーが研究

 キユーピーは10日、大麦黒酢の摂取で血液の流動性が改善されることを確認したと発表した。大麦黒酢の抗酸化作用が関与していることをつきとめた。11日に愛知県内で開かれる日本食品科学工学会で発表する。

 健康増進目的で黒酢を愛飲する消費者が増えていることから、グループ会社のキユーピー醸造と協力して、黒酢の研究に着手した。黒酢の原料はコメと大麦があるが、大麦由来の黒酢については、研究報告がほとんど存在していないのが現状という



 日本が昔から愛するお酢も、調味料としての側面ではなく健康的意味合いが強くなってきました。黒酢も飲料として愛飲されるとは思ってなかったでしょうねぇ。

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posted by さじ at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

ADHDの治療薬の乱用が増加している。

ADHD治療薬の乱用が増加

 注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬の処方箋の発行数が増加するにつれて、薬剤の乱用に陥る若年者が増えていることが新しい研究で判明し、医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版で8月24日報告された。

 今回の研究は中毒事故管理センターのデータのみを対象としたものであり、問題の全体を把握するものではないが、この知見は、薬剤の利用増加に伴って乱用も増加傾向にあることを医師および患者に知らせるものだと、研究著者の米シンシナティ小児病院メディカルセンター(オハイオ州)のJennifer Setlik博士は述べている。

 世界では小児の8〜12%、成人の4%がADHDを抱えており、最もよく処方される薬剤は塩化アンフェタミンamphetamine salt(商品名:Adderall、日本国内未承認)および塩酸メチルフェニデート(商品名:リタリン、コンサータ)などの精神刺激薬。今回の研究では、ティーンエイジャーが快楽を得る(ハイになる)ために手を出す薬物で最も多いのは、マリファナに次いで処方薬であることも報告されている。この理由は、医師が処方しているのだから安全であるという思い込みによるものか、単に手に入りやすいためであると考えられる。

 今回の研究では、ADHD薬の利用が増えることによって薬物乱用も増えているのかどうかを検討するため、米国内各地の中毒事故管理センターからの情報が収録される米国毒物データシステムのデータをレビューした。1998〜2005年に発生した13〜19歳の少年によるADHD治療薬の意図的な乱用ないし誤用について調べた結果、中毒事故管理センターへのADHD薬に関する年間の相談数は、8年間で330件から581件へと、76%増加していた。同時に、小児およびティーンエイジャーに処方されたADHD薬は80%増加、10〜19歳を対象とする処方は86%増加していた。

 このデータには、ADHD薬の乱用者が処方された本人なのかどうかに関する情報は含まれていない。薬剤を処方されているかどうかにかかわらず、親は子どもの乱用の可能性に注意する必要があるとSetlik氏は述べている。小児がADHD薬を使用している場合は、使用量を常に確認するよう同氏は勧めている

 別の専門家もこれに同意。親は自分用の処方薬についてもしっかり管理するよう勧める一方で、「重要なのは自分のために処方されたのではない薬剤を使用することや、処方された用量を超えて使用することはいけないと子どもに教えることだ。子どもがストリートドラッグではなく処方薬を使用していることで、親は少し安心するかもしれないが、自覚の欠如と入手のしやすさを考えるとむしろ最悪の事態であるといえる」と述べている。



 アメリカらしい問題といえばそれまでなんですけれど、こういうのって日本にも遅れて入ってきますからねぇ。子供の処方薬は親が責任もって管理するようにしましょう。決して遊び半分のドラッグではなく、ADHDを治療する大事なものです。

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助産師による自宅出産は病院と同じくらい安全。

助産師による自宅出産の安全性は病院と同等

 正規の助産師の付き添いによる自宅出産は病院での出産と比べて安全性に差がないほか、合併症リスクはむしろ低いことが、カナダで実施された新しい研究により報告され、カナダ医師会誌「CMAJ」オンライン版に8月31日掲載された。

 研究著者であるカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学(バンクーバー)のPatricia Janssen氏によると、米国産婦人科学会(ACOG)のほか、オーストラリアおよびニュージーランドの一部団体は自宅出産に反対の立場を取っているが、英国では多くの団体が自宅出産を支持しており、カナダの各州では現在、助産師による出産への移行期にあるという。米国では助産師に対する明確な規制や免許制度がない。米国専門助産婦認定協会(NACPM)が資格認定を行っているが、多くの州で用いられておらず、自宅出産をしたくても助産師が適正な資格をもっているかどうか判断することができないという問題があるという。

 今回の研究では、2000〜2004年にブリティッシュ・コロンビア大学で扱った約1万3,000件の計画出産を対象に、正規の助産師(カナダでは助産婦は登録制)の付き添いによる自宅出産、助産師の付き添いによる病院での出産、医師による病院で出産の3グループを比較。出産1,000件あたりの死亡数は自宅出産で0.35、助産師による病院出産で0.57、医師による病院出産で0.64であった。また、自宅出産では産婦の膣裂傷や出血などの障害が少なく、治療介入を要した例も少なかったほか、新生児が酸素療法や蘇生措置を要する比率も低かった。ただし、自宅出産を望む女性はより健康である傾向があり、「自己選択」のため結果に偏りのある可能性を著者らは認めている。

 別の専門家は「出産場所の管理には政治的、経済的問題があるが、医師らの間にも自宅出産は安全ではないという思い込みがある」と指摘。「医師は自宅出産で合併症を来した例ばかりを見ているが、自宅出産で生まれた乳児は母乳育児が良好で院内感染も少ないなど、医学的な利点もあるはず」と述べ、助産師の規制や免許制度の確立の必要性を主張している。



 へえー。まあ妊娠っていうのはリスクがつきものです。誰しもが必ず出産に成功するものではありません。ですが、妊娠してから病院で定期的に検診していて、問題がないのなら、自宅で出産することも当然可能です。より安心して産むことが出来ますし、お産のエキスパートである助産師がいれば心配無用です。

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不眠の原因:生活習慣が不規則、深夜にインターネット

ヒューマ、睡眠に関する意識調査

 健康食品や化粧品のマーケティングリサーチをしているヒューマは、健康・美容・生活をテーマにした、オリジナル情報発信サイト「ココミル」を運営している。今回、会員数33万名の「ココミル」で、「睡眠に関する意識調査」を行った(5417名から有効回答)。その結果、就寝時間は24時〜25時が56%、平均睡眠時間は5.6時間だった。睡眠不足の原因の上位は生活習慣が不規則、将来への不安、深夜にインターネットが上位となった

 今回は現代人の睡眠状況と、人によって違う「睡眠」や「不眠」について検証した。

 不眠症対策については、全体で見ると「特に対策をしていない」が目立つが、満足度の高い人と低い人の差で見ると、非常に特徴的であることが分かった。満足度が低い人は、「病院に行く」、「薬を飲む」、「サプリメントや健康食品を使用する」などが上位なった。その他の対策として、「意識的に楽しいことを考え、ストレスも早いうちに発散」「昼間に少しでもいいから、日光を浴びて散歩をする」「好きなことや楽しいことをたくさんする」「規則正しい生活が一番」「ホットミルクやアロマ」「寝る前のストレッチ」「布団や肌掛けを変えてみる」などがあった。



 生活習慣を改めることで、薬など使わずにもある程度の不眠は治るでしょう。

 インターネットばかりやっていると、強い光刺激を受け続けるため、不眠の原因になるといわれています。

 寝る前はまったりと好きな本でも読んでリラックスする、ゆとりある生活を心がけることが大事です。

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シャーリーズ・セロンが強迫性障害であることを告白する

シャーリーズ・セロン、強迫性障害(OCD)であることを告白

 シャーリーズ・セロンが強迫性障害のため、家がきれいになっていないとまともに生活を送れないとコメントした。

 「すごく深刻な問題よ。何百万人もの人が苦しんでいる本当の病気、強迫性障害なの」というシャーリーズ。

 WENNによると電源のスイッチを一定の回数、入切しないと気がすまないとか、何かをするたびに数を数えてからやるという症状はないものの、無秩序に問題があるらしい。「無秩序自体には対処できるんだけど、無秩序が隠れているのは本当にダメ。例えばキャビネットの中がグシャグシャだったり、キャビネットにものを放り込んでドアを閉めてしまうような人もダメ。そういうことはしちゃだめなのよ。キャビネットにあってはならないものを見ると夜も寝れなくってしまうの」とシャーリーズは語っている。



 なんか普通の綺麗好きみたいな感じもしなくもないですが、本人が苦しんでいるのならそうでしょう。

 強迫性障害では、本人が「おかしいと思っているのに、やめられない。その行為そのものをばかばかしいと思う」のが特徴です。何回も何か一定の動作をやりつづけなければいけなかったりしてしまうので、生活に支障が出てしまいます。

 治療法としては、日本でおなじみの「森田療法」がかなり有効です。

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身体障害者の生活を助ける「介助犬」について知ろう

介助犬の賢さにびっくり 伊賀の小学校で実演

 身体障害者に付き添って生活の手助けをする「介助犬」について紹介する講座が、伊賀市の西柘植小で16日にあった。目の前で落とした鍵や携帯電話を拾う姿が披露され、児童たちを驚かせた。

 不足している介助犬への理解を深めてもらおうと、募金活動に取り組むJAいがほくぶなどが主催した。日本介助犬協会(東京)から女性職員2人とラブラドールレトリバーの「イアン」(雄・4歳)を招いた。

 体育館に集まった児童110人の前で、イアンが仕事ぶりを実演した。車いすに乗った職員が落としたボールペンや10円玉を口で拾い上げたり、職員の靴下を口で脱がせたりした。イアンが冷蔵庫の扉を口で開け、器用にペットボトルをくわえて届けると盛んな拍手が送られた。

 児童も車いすに座ってイアンに落とした物を拾ってもらう体験をした。6年の松岡泰芽君(11)は「一度で拾ってくれた。賢くてびっくり」と話した。

 同協会によると、現在全国にいる介助犬は50頭。必要とする身体障害者1万5000人に対し大幅に不足している



 盲導犬に比べると介助犬というのは確かにあまりいないかもしれないですね。モノを拾ってもらったり、届かないところのものをとってくれるだけでもかなり助かりますからね。しかし1万5000人に対して50頭。

 うーん、介助犬への認知と、大勢の方の善意で増やしていくしかないですね。
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男性の間で乳房を小さくする手術が急増している。

乳房を小さくする手術、英国人男性の間で急増

 英国美容外科医師会は17日、乳房を小さくする手術を受ける英国人男性が過去5年で急激に増えたとする統計を発表した。

 それによると、男性の乳房縮小術の実施は2003年にはわずか22件(約2週間に1件)だったのが、2008年には323件(約1日に1件)に急増した。率にすると1000%以上の増加だ。なお、年代は多岐にわたっているという。

 急増の理由は定かではないが、「より豊かに、より開放的になれるにはどうしたらいいか」といった類の中高年向けウェブサイトが増えていることと関係があるかもしれない。同医師会のダグラス・マクジョージ元総裁は、「50代や60代の男性たちが(手術を受けに)やってきます。公衆の面前ではTシャツを1回も脱いだことがないという人々です」と話している。



 へえー。なんか、すごい。これ。

 確かに、すごく太った男性がダイエットに成功すると、皮がだるんだるんに余るらしいです。その余った皮を切り取る手術を行うのだとか。

 これは乳房を小さくする手術。まあ不恰好ですしね。本来ならば太らないことが一番ですけど。

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posted by さじ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚