2009年07月05日

自閉症の染色体異常を再現したマウスの作成に成功する。

“自閉症マウス”を作製 人の障害解明に期待

 自閉症の人の一部でみられる染色体異常を再現した遺伝子操作マウスをつくるのに、広島大の内匠透教授(神経科学)らのチームが成功し、26日付の米医学誌セルに発表した。

 実験で通常のマウスとは少し違った行動を示すのを確認。内匠教授は「まだ初歩段階だが、人の自閉症の仕組みを解明するための“動物モデル”として役立ちそうだ。原因遺伝子を調べたり、自閉症の行動を検証したりできる」としている。

 自閉症は脳の発達障害の一種で、社会性や対人関係に問題が出るのが特徴。複数の遺伝子が関係するとみられるが、まだ未解明な点が多い。

 チームは、自閉症の人でみられる遺伝子異常で数%と最も頻度が高い15番染色体の一部領域の重複に着目。同種の染色体重複を持つマウスを作製し、通常のマウスとの行動の違いを調べた。

 その結果、父親から染色体異常を受け継いだマウスは、近くにいる別のマウスに対する反応が少し鈍い一方で、学習した反復行動を繰り返すなどの違いがみられた。内匠教授は「自閉症の特徴と似ている」としている。母親から受け継いだ場合は差がなかった。



 自閉症も精神科で診てはいますけれど、最近になって精神科の疾患といっても脳の器質的・機能的な異常であることが分かりました。

 自閉症の画像診断なども進んでいますし、このように自閉症マウスを作ることもできるようになりました。もしかすると近いうちに、自閉症の治療法も確立されるかもしれません。今後大きく伸びる分野ではあると想います。

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posted by さじ at 06:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

人に頼みごとをするときは、右耳付近で声を出すと効果あり

頼み事は右耳から:「左耳と比べて2倍の効果」の理由

 ここはイタリア。テクノミュージックに声をかき消されないように、女性はぴったりと身を寄せて、あなたの耳元で声を張りあげる。「ねえ、煙草を1本いただけない?」

 話しかけられたのが右耳だったら、あなたが煙草を差し出す可能性は、左耳に声をかけられた場合の2倍になる。これが、イタリア[アブルッツォ州]の都市ペスカラのクラブで行なわれた実験で得られた結論だ。

 調査員の女性がクラブ客に話しかけたこの実験で、煙草を差し出したのは、右側から話しかけられた場合は88人中34人だったのに対して、左側からの場合は88人中17人にとどまったという

 これは、人間の両耳から入る音が脳内で別々に処理されていることを明らかにする、一連の研究における最新の成果だ。人は音声入力を右耳で聞きとることを好む傾向があり、両耳に刺激が与えられると、右耳に入ってきた音節のほうを優先する傾向があることは、かねてから指摘されている。脳科学者は、脳の左半球において右耳の聴覚の流れのほうが優先されるという仮説を立てている。脳の左半球は、言語の大部分が処理されている領域だ。

 言語野は大脳皮質の左半球にあることが多いが、右利きの人で数%、左利きの人で30〜50%程度が、右半球に言語野をもつことが知られている。電話での効き耳について研究している群馬大学の椎原康史教授によると、右は約20%、左は30%、両方は50%。8割の人は、メモを取る関係で左耳で通話を聞く習慣だという

 今回の研究で驚くべきことは、どちらの耳を選ぶかによって、自然な環境(すなわちこの研究を行なった研究者たちが「生態学的な環境」と呼ぶ場)にいる被験者たちの行動に、これほどまでにはっきりとした影響が出るという事実だ。右耳から話しかけられるほうが鷹揚な気分になれるのはなぜなのだろうか?

 この実験を実施した、イタリアのG・ダヌンツィオ大学のDaniele Marzoli氏とLuca Tommasi氏によると、脳は左半球が積極的感情に、右半球が否定的感情にそれぞれ同調しているらしいという。右耳に話しかけられると、その言葉は、頼みを受け入れやすいほうの脳の部分に送られていく。

 ストレートに煙草を求める実験のほかに、人々のやりとりを単に観察する実験、および、どちらかの耳に限定せずに煙草をくれと頼む実験も行なった。両氏がナイトクラブという場所を選んだのは、大音響の音楽のおかげで、煙草をもらう役の女性が相手に近づいて、片方の耳にじかに声をかけても、「奇妙に」思われずにすむからだ。

 酔っぱらいがいっぱいの場所での実験は型破りに思えるかもしれないが、両氏は、実生活の環境で行なう研究は、きわめて人工的な実験室内で行なわれる心理学研究の偏りを是正する、価値あるものだととらえている。



 人に言葉で伝えるときは、右耳で。これを知ってるだけで今後の人生、ちょっとだけうまくもっていけるかも。

 告白するときも内緒で重大なこと伝えるときも、右側で。

関連:医学処:外国語の文法習得には左脳の下前頭回が関係している。
posted by さじ at 06:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

2009年07月02日

原因物質不明の食中毒が首都圏で増殖している。

「謎の食中毒」増殖中…短時間で発症・回復、年間100件超

 食後短時間で一過性の下痢や嘔吐の症状を呈し、原因物質が特定できない食中毒がここ数年、首都圏や瀬戸内海沿岸、北陸地方などで相次ぎ、地元の保健所が「再発防止策の取りようがない」と対応に苦慮している。

 関係自治体は「広範囲で発生している」として全国規模の調査を国に要請。厚生労働省が国立機関に研究分析を依頼し、事例収集を進めている。

 厚労省などによると、原因物質が特定できない食中毒には、〈1〉主症状が下痢や嘔吐〈2〉食後、発症まで平均4、5時間程度と短い〈3〉軽症で回復も早い――という共通点がある。保健所などが残飯や吐しゃ物を検査しても原因となる細菌や毒素などが検出されず、原因が特定されていない。食中毒と断定されるには至らなかった有症苦情事案にも同様ケースがあるという。

 岡山県の倉敷市保健所が中心となり、昨夏、瀬戸内海沿岸27府県市に、原因不明の食中毒や苦情事案についてアンケートをしたところ、回答した21自治体のうち20自治体が「あり」とした。06年度29件、07年度87件、08年度は夏までで32件。2年半の合計では広島県51件、兵庫県27件などが多かった。

 さらに同保健所が今年初め、瀬戸内地区を除いた全国の都道府県や政令市など97自治体に聞いた結果、回答した70自治体のうち54自治体が「あり」とした。集計すると、04年度27件、05年度40件、06年度71件、07年度89件と増え、08年度は112件に。地域別の最近3年間の合計では、東京都52件、千葉県41件、福井県33件などが多かった。

 調査を担当する同保健所の吉岡明彦参事は「患者数は1件につき数人から数十人。年間数百人以上になるのでは」と指摘。「既に知られている細菌は体内に入って増殖するまでの時間がもう少し長い。未知の物質が原因の可能性がある」として調査を継続する予定だ。

 ここ2年間で約10件の同様事案が発生した石川県なども昨年末に厚労省に原因の特定を要請。今年2月の首都圏の自治体担当者会議でも話題に上ったという。

 現在では主要な食中毒の原因物質も、過去にさかのぼると「原因不明」とされた時代がある。昨年の食中毒のうち患者数が最も多いノロウイルスも、遺伝子検査が確立し、国が原因物質に追加したのは1997年のことだった。

 厚労省から要請を受け、自治体への助言に取り組む国立医薬品食品衛生研究所の小西良子・衛生微生物部長は「各地の事例が同一現象とはまだ言えない。さらに事例を収集・解析する必要がある」と話す。厚労省は「近年まれにみる発見につながる可能性もあるが、まだ情報不足」とする。



 もしかしたら本当に未知の食中毒なのかも。短時間で軽症ということは毒素型の食中毒で軽いやつなんでしょうかね?だとすれば細菌が見つからなくても不思議ではないか。

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2009年07月01日

脳内の長期記憶のメカニズムを映像撮影することに成功

◇国際研究チーム、脳内の「記憶」の映像撮影に成功

 脳内の「記憶」を映像として撮影することに成功していたことが18日、カナダにあるモントリオール神経学研究所(MontrealNeurological Institute)の発表により明らかとなった。

 モントリオール神経学研究所研究を中心とするグループは、脳内の神経シナプスで記憶が形成される際に新しいタンパク質が形成され、それによってシナプス同士の結合が強化され記憶が形成されることに注目。

 その上で蛍光タンパク質(fluorescent protein)を使い、神経シナプス内の新しいタンパク質の形成を映像化する試みに着手し、見事に成功した

 研究グループでは、脳内の長期記憶を映像として撮影することができたのは今回の実験が史上初、とした上で、長期記憶の形成過程を映像としてトラッキングしていくことにより、長期記憶が脳内でどのように形成されるか、より詳細に把握することができるようになるだろうと述べている。



 形成過程を映像化。記憶を映像化するわけではありませんけれど、これでも十分凄いことです。

 どんな人であれ、記憶力は良くなりたいと願っています。しかし人によって記憶の仕方が違うという謎もありますからね。映像記憶、画像記憶などの特殊能力もありますし(羨ましい限りです)

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posted by さじ at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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