2009年07月31日

ウォシュレットの温水に雑菌が繁殖しやすいことが判明する。

トイレの温水に雑菌…東海大調査

 温水洗浄便座の温水タンク内では細菌が繁殖しやすいことが、東海大学の松木秀明教授と片野秀樹研究員(公衆衛生学)らの調査でわかった。

 加温によって、水道水に含まれる殺菌用の塩素が蒸発するためらしい。一部からは大腸菌群や感染症の原因となる緑膿菌も見つかり、松木教授は「健康なら問題ないが、おしりなどに病気のある人は注意が必要だ」としている。

 温水洗浄便座は清潔志向の高まりから普及が進み、今年3月の内閣府消費動向調査によると、世帯普及率は69%に達している。

 研究グループは、神奈川県内の民家80か所、公共施設28か所で温水洗浄便座の局部洗浄水を採取した。民家では水道の水質基準の平均31倍、公共施設では10倍の一般細菌を検出。民家では4か所から大腸菌群が見つかり、うち1か所では緑膿菌も確認された。

 温水タンクには清浄な水道水が取り込まれ、密閉型で外気に触れないことから、細菌は繁殖しないとされてきた。だが実際には、水道水を約30〜40度に温めるため塩素が蒸発し、ノズルのすき間などから侵入した細菌は、温かいことから増えやすいものと推測された。民家の汚染度が高いのは使用頻度が少なく、タンクの水があまり入れ替わらないためと考えられるという。


 盲点か。

 健康な人なら問題ないレベルでしょうけれど、免疫力の落ちている人にとっては何かの感染症を起こしてもおかしくありませんね。何らかの対策が必要か。

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posted by さじ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年07月25日

緑内障の早期発見に役立つ遺伝子配列を発見する。

遺伝子配列で緑内障の発症率究明 京都府立医大チーム

 失明の原因にもなる緑内障の発症率の高さが遺伝子配列から判別できることを、京都府立医科大学大学院の田代啓教授(分子生物学)と木下茂教授(眼科学)の共同研究チームが初めて突き止め、21日に発表した。緑内障の早期発見はこれまで困難とされてきたが、田代教授は「発症率が簡単に調べられる血液検査システムの構築が期待され、早期発見に役立つ」としている。研究成果は、21日発行の「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。

 研究チームは約4年半前から、緑内障患者と健康な人の計約1600人の血液を検査。それぞれの遺伝子配列を比較したところ、発症患者のみが持つ6つの特徴的な配列パターンがあることを突き止めた。さらに解析などを進めたところ、特徴的な配列パターンを持つ人は、持たない人に比べて発症率が約4倍になっていることもわかった

 緑内障は目の中を流れる水分が排出されにくくなって視神経が障害を起こす病気。日本人の後天的な失明原因の25%を占める。

 田代教授は「緑内障は早期発見すれば失明を防ぐことができる病気。発症後でしか分からない従来の眼底検査に代わる新たな診断が将来可能になるかもしれない」と話している。



異常が起こる前に、治療できる可能性が出てきたわけですね。緑内障は分かりづらいわりには失明という大きな障害を含んでいるので、定期的な眼科受診を。それも必要なくなるような簡便な診断方法が出来れば、失明する人も減るかもしれません。

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アルツハイマー病に、神経幹細胞の注射で効果があった。

神経幹細胞の注射でアルツハイマー病が改善

 米カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の研究チームが7月22日(米国時間)、神経幹細胞を移植することで、アルツハイマー病のマウスの認識力を回復させることに成功したと発表した

 人工的にアルツハイマー病の症状を作り出したマウスの脳に神経幹細胞を注射した。神経幹細胞は、新しいニューロンになったり、アルツハイマー病特有の「斑」(プラーク)や「神経繊維のもつれ」を減らすのではなく、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)と呼ばれるタンパク質を分泌し、既存の神経組織から新しい突起を伸長。ニューロン間の接続を強化し、増やすように働いていたという

 研究チームがBDNFを選択的に抑制すると、こうした効果は失われた。記憶と神経機能に対する神経幹細胞の効果にBDNFが重要な役割を果たしていることを示唆するとしている。

 また、直接BDNFを注射したマウスも改善はしたが、神経幹細胞を注射したときほどの効果はみられなかったという。BDNFは、神経疾患治療に応用可能なタンパク質として近年、注目を集めている。

 研究チームのFrank LaFerla氏(同校記憶・神経障害研究所ディレクター)は「神経幹細胞あるいは、それから作られたBDNFがアルツハイマーの治療に有益だと期待できる」とコメント。全米で530万人いるといわれる認知症患者の治療に役立つとしている。



 直接。イメージはできるんですけれど、実際に他に副作用が出ないかどうか、懸念されますね。

 もし特別副作用がないのでしたら、かなり有効な治療法として期待できそうです。

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2009年07月24日

お年寄りと小さな子供は、室内での熱中症に注意。

お年寄り、室内の熱中症に注意

 厳しい暑さが続き、熱中症に注意が必要な時期になってきた。きちんとした予防法や対処法を知っておきたい。

 「お年寄りや小さな子どもは、家族が注意して見守ることが必要です」と話すのは、東京消防庁救急指導課の梁田宜明さんだ。

 国立環境研究所のまとめでは、昨夏、熱中症で救急搬送された65歳以上のお年寄りのうち、43・7%が自宅での発症だった。「温度変化に適応しにくいお年寄りが、閉め切った部屋で冷房をつけずにいて熱中症にかかることがあります」と梁田さん。

 一方、車内に置き去りにされた子どもが死亡する事故が毎年のように全国で相次いでいる。「炎天下に駐車した車の車内温度は30分で50度以上になる。車内に子どもを置き去りにするようなことは絶対にしないで」と訴える。

 一般的な予防法は、スポーツドリンクや食塩水(水500ミリ・リットルに塩1グラム)をこまめに補給し、外出時には、帽子や日傘を持ち歩いて直接日光に当たらないよう注意する。炎天下での長時間の作業や運動は避ける。

 暑さの中で、吐き気、嘔吐、めまい、筋肉のけいれんなどの症状が出たら、熱中症の可能性がある。衣服をゆるめて楽な姿勢になり、風通しのよい日陰や冷房の利いたところに移動する。「冷たい水で絞ったタオル、中身が冷えたペットボトルを、両わきの下や、ももの付け根に当てるのも有効です」と梁田さん。その後、早めに医療機関を受診する。



 今年もずいぶんと暑くなってまいりました。子供もご老人も、暑さに対する調節能力が低くなっています。できるだけ水分を多く摂取するよう心がけて活動してください。室内でも要注意です。
posted by さじ at 06:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

医学部の入学定員を更に増加し、8855人に。

医学部の入学定員、8855人の計画…文科省

 文部科学省は17日、全国の国公私立大の医学部の来年度の入学定員について、過去最多だった今春からさらに最大369人増員し、8855人とする計画を発表した

 医師不足に対応するため今後10年間、増員を続ける方針。卒後も一定期間は地域にとどまる条件を課すなどして医師偏在の解消を目指す。

 塩谷文科相が17日午前、地域医療に関する関係閣僚会議で明らかにした。増員の内訳は、〈1〉各都道府県7人以内の「地域医療枠」(最大329人)〈2〉各大学3人を上限に、臨床現場には出ない研究医を養成する「研究枠」(同10人)〈3〉併設の歯学部で定員を減らした場合に医学部の増員を認める「歯学代替枠」(同30人)――の計369人。

 地域医療枠は、勤務地を一定期間限定した入学枠を設ける大学などが対象。従来は、都道府県が地元大学だけを対象に割り振り先や人数を決めていたが、今回は、ほかの地域にある大学から派遣された医師も地域医療を支えている実態を踏まえ、7人のうち2人までは別の都道府県にある大学にも割り振れるようにした。

 研究枠は、臨床医不足の余波で再生医療など最先端の研究を担う研究医が不足していることに対応する初めての措置。文科省は再来年度以降も今回の増員幅を維持した上で、必要に応じさらなる上乗せも検討する。



 確かに増えすぎた歯科医よりは医師を増やしたほうがいいかもしれませんが・・・。

 医学生が増えるということは国が負担する補助金も著しく増えることになりますが、その点は大丈夫なんでしょうか。それを各大学ごとに負担させるのならばお話になりません。

 研究枠はよくわからんですねぇ。臨床に出るか研究をするかは医学をある程度理解しないと決められないものだと思いますし。頭がたいそう良くても人格的に臨床医に向いていない人をそっちに回して合格させるのは合理的といえば合理的ですが。
posted by さじ at 05:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

統合失調症の67%に抗精神病薬を多剤併用している現状。

統合失調症の入院患者、67%が抗精神病薬を多剤併用

 統合失調症患者に複数の抗精神病薬を投与する多剤併用が、今も67%の入院患者に行われていることが、精神科臨床薬学研究会の処方調査で分かった。

 統合失調症は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの働きなどが過剰になって起こると考えられ、治療では、この働きを抑える抗精神病薬が用いられる。

 抗精神病薬は、効果を見極めるため1種類だけ使うのが国際的な原則。薬の切り替え時に一時的に2剤になることはあるが、国内では、複数の抗精神病薬を使って投与量を増やし、患者を過度に鎮静させて意欲を著しく低下させる使い方を続ける病院もある

 調査は、同会の薬剤師が働く病院などを対象に、昨年10月に行われ、96施設が回答。統合失調症の入院患者約1万5000人のうち、1種類の抗精神病薬で治療を受ける患者は33%にとどまり、06年の調査時の29%とほとんど変わらなかった。

 同研究会代表幹事で東邦大薬学部教授の吉尾隆さんは「多剤で薬の量が増えると、効果よりも鎮静ばかりが強まる。単剤処方を早急に広めるべきだ」と話す。



 うーん、よろしくない傾向。

 精神疾患って、薬の効果次第なところはありますが、その薬が効いているかどうかを見定めるためにも多剤併用は避けるべきでしょう。日本全体のガイドライン化が必要ですねぇ。おとなしくさせれば治療完了、という安易な考えは、もはや治療ですらありません。
posted by さじ at 05:00 | Comment(5) | TrackBack(0) | 精神

医療費削減が続き、このままではNICUが破綻してしまう。

新生児集中治療室(NICU)の8割強、医師待遇に難

 重症の赤ちゃんを24時間態勢で受け入れる新生児集中治療室(NICU)の8割強で、労働基準法上は割増賃金が必要な医師の「時間外労働」が、一般的に手当の安い「宿日直」と見なされていることが新生児科医らでつくる「新生児医療連絡会」のアンケート調査で分かった。

 労基法では、平日の夜間や休日の業務は、軽度なものであれば宿日直として認められるが、昼間と同じような治療を行っていれば時間外労働となる。調査は、今年3月に愛育病院(東京都)で、4月に県立奈良病院(奈良市)で、産婦人科医や新生児科医の宿日直が時間外労働にあたると労基署や地裁から指摘されたのを受けて実施された。

 総合・地域周産期母子医療センターなど190施設に質問紙を送り、50%にあたる95施設が回答。夜間や休日の勤務の扱いについて、50施設が「すべて宿日直」、28施設が「宿日直と時間外勤務の併用」とした。だが、宿日直中の勤務実態は、時間外労働と変わらなかった。

 一方、労基法上、最も好ましい2交代か3交代制が実施できているのは6施設にとどまり、64施設は人材難を理由に「交代勤務制は不可能」と答えた。

 調査をまとめた杏林大准教授の杉浦正俊さんは「国の医療費カットでどの病院も経営が苦しく、現場も改善を強く求めづらい。だが、このままでは、ただでさえ人材難が深刻な新生児医療に若い医師を積極的に勧誘できない」と話していた。



 総選挙の話題で盛り上がっておりますが、医療費削減の風潮を打破し、できるだけ費用を捻出するような政党は現れないものでしょうか。

 今まで過酷な労働条件で献身的に医療を行ってきた医療従事者も、限界が近づいています。このままでは何年か後に医療は破綻してしまうかもしれません。医療事故を未然に防ぐ最善の方法は、医療従事者の過酷な労働状況を改善することです。
posted by さじ at 04:51 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

医療費削減によって、このままではNICUが破綻してしまう。

新生児集中治療室(NICU)の8割強、医師待遇に難

 重症の赤ちゃんを24時間態勢で受け入れる新生児集中治療室(NICU)の8割強で、労働基準法上は割増賃金が必要な医師の「時間外労働」が、一般的に手当の安い「宿日直」と見なされていることが新生児科医らでつくる「新生児医療連絡会」のアンケート調査で分かった。

 労基法では、平日の夜間や休日の業務は、軽度なものであれば宿日直として認められるが、昼間と同じような治療を行っていれば時間外労働となる。調査は、今年3月に愛育病院(東京都)で、4月に県立奈良病院(奈良市)で、産婦人科医や新生児科医の宿日直が時間外労働にあたると労基署や地裁から指摘されたのを受けて実施された。

 総合・地域周産期母子医療センターなど190施設に質問紙を送り、50%にあたる95施設が回答。夜間や休日の勤務の扱いについて、50施設が「すべて宿日直」、28施設が「宿日直と時間外勤務の併用」とした。だが、宿日直中の勤務実態は、時間外労働と変わらなかった。

 一方、労基法上、最も好ましい2交代か3交代制が実施できているのは6施設にとどまり、64施設は人材難を理由に「交代勤務制は不可能」と答えた。

 調査をまとめた杏林大准教授の杉浦正俊さんは「国の医療費カットでどの病院も経営が苦しく、現場も改善を強く求めづらい。だが、このままでは、ただでさえ人材難が深刻な新生児医療に若い医師を積極的に勧誘できない」と話していた。



 医者が一番能力を発揮できるような環境を、国を挙げてつくることこそが、医療事故防止につながると思います。

 過酷な労働条件で献身的に医療を行い続け、疲労により事故が起きてしまう。それを未然に防ぐことこそが国として急務であるにもかかわらず、現状は「医療費削減」のみに尽力を注ぐ。おかしな話ではありませんか。

 総選挙で盛り上がってきておりますが、このあたりの現状を把握して、公共事業費削減、そして医療費の大幅アップに取り組む政党が現れないものですかねぇ。何年後かに破綻するのが目に見えている今の医療を見捨て続けるのでしょうか。
posted by さじ at 04:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

新型インフルエンザ感染者が急性脳炎を発症する。

インフル感染者、急性脳炎を発症…国内で初

 厚生労働省は22日、国内で初めて、新型インフルエンザ感染者が急性脳炎(インフルエンザ脳症)を発症したと発表した。

 同省によると、今月19日、川崎市に住む7歳の小学生男児が、39度以上の熱を出した。翌日になっても熱が下がらず、幻覚を見るなど急性脳炎の症状を示したため、感染症指定病院に入院、新型インフルエンザと診断された。

 治療薬タミフルを投与され、22日には熱が36度台に下がったという。季節性インフルエンザにかかった未成年者が急性脳炎を発症すると、異常行動につながる場合がある。厚労省は「新型でも脳炎が起こることが分かった」として、感染した子どもの様子に注意するよう呼びかけている。



 新型は軽症だから別に大丈夫、という情報も流れているようですが、感染が拡大してよいことなどありません。変異する可能性もあるわけですし。

 もしこれがタミフル耐性の新型インフルエンザだとしたら、更にひどくなっていたかもしれません。インフルエンザはまず予防です。まだ「新型インフルなら安心」という風潮にならないように気をつけるべきでしょう。
posted by さじ at 03:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年07月23日

自身の四肢を失いたいと考える、身体完全同一性障害について

自分の四肢を切断したい人々:BIID症候群と「脳と精神」

 オーストラリア人男性Robert Vickers氏は、何年も悩み抜いた末のある日、大量のドライアイスを用意して意図的に自分の左脚を傷つけた。外科手術によって切断せざるを得なくするのが狙いだった。

 Vickers氏のこの行為は意図的なもので、同氏は病院で目が覚めたら片脚がなくなっていたその時の気持ちを、「究極のエクスタシー」と表現している

 Vickers氏は、精神医学界で近年「身体完全同一性障害」(BIID:Body Integrity Identity Disorder)と呼ばれる障害を持つ、数少ない患者の1人だ。この障害を持つ患者は、四肢の1本かそれ以上を切断したいとの願望を口にするが、その理由は、それらが自分の体の一部だとは思えないからだという。

 この障害については、このような精神状態が脳の生理的状態によって引き起こされるのか、それとも因果関係が逆なのかについて、精神医学の世界と神経科学の世界で議論の的となっている。両陣営とも、最近の研究によって新たな裏付けを得ており、生物学的現象と心理学的現象を切り離すことの難しさが浮き彫りにされている形だ。

 コロンビア大学のMichael First教授(精神医学)は、この障害の「発見」において先駆的役割を果たした1人だ。同教授の最新の研究では、ある種の精神障害の人は、身体障害を持つことに固執するようになり、BIIDはその一類型にすぎないことが示唆されている。

 その一方で、カリフォルニア大学サンディエゴ校のPaul McGeoch氏による最近の研究は、BIIDを、右頭頂葉の機能不全から来るまったくの神経疾患として説明しようとしているようだ

 脳のこの部位は、[自分の体の構造や機能、大きさなどのイメージについての]「ボディマップ」(「脳の中の身体地図」)をコントロールしていると見られている。同氏の研究チームが、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)を使って、BIIDを自己申告した4人の患者を検査したところ、患者が切断したがっている身体部位を触っても、患者の右頭頂葉に反応が起きないことが確認された(一般の人の場合には右頭頂葉に反応が見られる)。

 McGeoch氏と共に論文を書いた大学院生David Brang氏は、「この現象は心理学的な問題だと考えられて来たが、神経的な問題であることが明らかになった」と語っている。

 これに対してFirst教授は、fMRI研究の重要性を無視するわけではないが、このことをBIIDの原因とする見方には異議を唱えている。「McGeoch氏の観察したものは、精神疾患が脳に及ぼした影響にすぎない」とFirst教授は言う。

 First教授は現在、四肢を切断したいわけではないが何らかの形でその機能を損ねたいと考えている少数の人々を対象に、新たな研究を進めている。この研究は、カリフォルニア大学で神経生理学の観点から観察された現象の背後に、根深い精神障害が存在することを示唆するものであるかもしれない。

 First教授が聞き取り調査を行なった47人の中には、例えば体に麻痺を起こしたいと考えている人がいる。こうした人は、自分の健康な身体が、内なる自己認識とは一致しないと感じているという。

 今回の研究は、四肢の切断を望んでいる人を対象にFirst教授が以前行なった同様の精神鑑定に連なるものだ。今回の被験者たちも、感じ方や願望に関して、BIIDの患者らと重なる部分が多いことが明らかになった。

 いずれのグループも、物心ついてからずっと、身体障害を得たいという願望があったと表明している。これらの人々は、障害のあるふりをしたり、時々は意図的に自分の体を傷つけて障害を得ようとしたりしている。First教授によると、自分の体を麻痺させるために、背骨にアルコール注射を試みたと報告した患者も1人いたという

一方、神経科学研究の成果が役立つ可能性のある分野の1つとしては、四肢切断を望むBIID患者の治療プログラムの改善が挙げられる。矯正トレーニングの追加により、脳が再び四肢を自身のものとして受け入れられるようにできるかもしれない。ただし、このような治療が、身体の麻痺を望む人々に対しても有効かどうかは不明だ。



 難しい問題ですねぇ。この話はx51.orgで数年前にも取り上げられていました。その時も、悩み苦しんだ患者は自身の手や足を氷に漬けて切断せざるをえない状況にまで追い込んだようです。

 もしこの、自分の体の一部が自分のものでないと感じ続けて、精神的に非常に重荷となるのなら・・・倫理的には許されないでしょうけれど、切断するほうが幸福なのかもしれません。

 というのも、性同一性障害の時も似たような議論はありました。脳を体と同じ性に近づけるのか、それとも体を脳に近づけるのか。結果的に、脳を体に近づけることは不可能で、体を脳に近づけるしかありませんでした。現在では性転換手術が広く行われるようになっています。

 脳をどうにかする治療法が確立されない以上、どうしても足を無くしたいという人がいたらなくすほうがその人の今後のためになるのかもしれませんねぇ…。健常者には到底理解できない考え方でしょうけれど。
posted by さじ at 03:03 | Comment(3) | TrackBack(0) | 精神

競馬の記録が短縮されたのは騎手の姿勢の変化によるもの。

騎手の前傾姿勢で記録短縮=GPS使う研究で裏付け−英大学

 競馬のレース記録は19世紀後半から20世紀初めにかけて大幅に短縮されたが、これは馬の走行能力が向上したわけではなく、騎手の乗馬姿勢の変化による効果が大きかったことが、全地球測位システム(GPS)を使った最新の研究で裏付けられた。英ロンドン大チームが17日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 騎手は昔、馬の背に腰を据え、上体を起こして乗っていたが、米国で腰を浮かせて上半身を前傾させる姿勢が生み出され、1897年から英国にも導入され始めた。米国の1890年からの10年間と、英国の1897年から1910年までで、レース記録は5〜7%も短縮された。 
 研究チームは、GPSと慣性センサーを使い、レース中の馬と騎手の重心移動を計測。その結果、馬の重心移動は上下約15センチ、前後約10センチだったのに対し、騎手は上下約6センチ、前後約2センチにとどまることが判明。騎手が馬の負担を減らし、走行を安定させていることが分かった。

 騎手が前傾姿勢を取ると、前面の空気抵抗が減るのではと思われるが、腰を高く浮かせているため、この効果はあまりないという。



 空気抵抗の関係ではなく、重心を変える事で馬の負担を減らしていた、と。

 スポーツ医学のジャンルも近年かなり進歩していますからねぇ。まだまだ記録が伸びる余地は残されています。

関連:イプラトロピウム使用でディープインパクトがドーピング違反
posted by さじ at 02:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

流行性角結膜炎の新ウイルスを北大が発見する。

「はやり目」新ウイルス発見 北大教授ら 治療薬開発に期待

 北大大学院医学研究科の大野重昭特任教授(眼感染症学)らの研究グループは16日、夏場に全国的に流行する「流行性角結膜炎」の原因となる新型アデノウイルス2種類を世界で初めて発見したと発表した。今後は国内外の研究機関と連携して、ウイルスの誕生過程や流行のメカニズムを研究、将来の治療薬開発に向けた基礎研究を行う。

 グループは大野特任教授のほか、青木功喜・北大大学院客員研究員、診断検査会社「三菱化学メディエンス」(東京)の石古博昭・生体防御研究室長の計3人。

 流行性角結膜炎は「はやり目」といわれ、伝染力が強く、気温や湿度の高い夏場に流行する。充血して、目やにが出て、視力低下を引き起こすこともある。日本では年間60万〜100万人が感染する。



 ほう。アデノウイルスの新しい型が。

 かなり感染力の高いウイルスですが、その型によってなる疾患が異なります。例えばアデノウイルス3、4,7、11型などは咽頭結膜熱(いわゆるプール熱)に。アデノウイルス8、19、37型が流行性角結膜炎に。11型は出血性膀胱炎を引き起こすことも。

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posted by さじ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科

2009年07月22日

心筋梗塞に、幹細胞を注入して損傷を修復する治療法

患者自身の幹細胞を用いた心筋梗塞治療を初めて実施

 患者自身の心臓幹細胞を注入することにより、心筋梗塞(心臓発作)による損傷を修復する治療が米国の医師らによって初めて実施された。

 米シーダーズ・サイナイCedars-Sinai心臓研究所(ロサンゼルス)で実施されている第I相臨床試験では、16人にこの治療を施行、別の8人を対照群とする予定となっており、今回39歳の男性に最初の治療が実施された。被験者はいずれも、登録前4週間以内に心筋梗塞を起こし、損傷および瘢痕のある患者。処置後6カ月間観察し、結果は2010年後半に発表される予定。

 この治療では、まず画像により瘢痕の位置と程度を明らかにした後、低侵襲性の生検処置によって心臓組織の小片を採取し、これを専門機関に搬送して幹細胞を培養する。治療に必要な数(1,000万〜2,500万個)まで細胞が増えるのに約4週間を要するという。こうしてできた幹細胞を、カテーテルを用いて患者の冠動脈に注入する

 研究を率いた同研究所のEduardo Marban博士は「この方法は心疾患の理解と治療の新時代の到来を告げるのだ。5年前には心臓に幹細胞があることさえ知られていなかった。今、われわれはその幹細胞を利用して損傷された心臓を修復する方法を探究している」と述べている。成功すれば、数年以内にこの治療法が世界的に利用可能となり、心疾患患者にさらに広く適用されることを期待していると同氏はいう。

 第1号の患者となったのは、米カリフォルニア州の小さな建設会社でオペレーターを務めるKenneth Milles氏。5月10日に主要冠動脈の99%が閉塞される大規模な心筋梗塞を起こし、心筋の21%が瘢痕化した。5月24日に組織が採取され、先ごろ治療が実施された。



 この手の分野は日本のほうが先行しているかと思ったんですが、アメリカに先にやられましたねぇ。アメリカの医療の強みって、こういう新しい手法の認可が比較的早いところにあるんでしょう。

 しかしこれで成功すれば、心筋梗塞の治療法として新しい分野が確立されるのは間違いありません。心筋梗塞は、起こした後に数日、数週、数ヶ月の単位で別の合併症が起こる可能性がありますからね。

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2009年07月21日

女性のほうがエイズ発症が早いのは、免疫による。

なぜ女性の方がエイズの発症が早いのか、米研究

HIV感染者がエイズを発症するのは、なぜ男性よりも女性の方が早いのか。米マサチューセッツ総合病院ラゴン研究所が、そのメカニズムを解明したとする論文を13日、英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」オンライン版に発表した。

 エイズに関する謎の1つは、HIV-1感染者のうち、初期段階で克服するのは女性の方が多く、その一方でエイズが発症するのも女性の方が早いという点だ。論文は、免疫系の主要要素の反応と、男女間のホルモン差に原因があるとし、発症プロセスを妨げる薬の開発にも応用できるとしている。

 研究では、免疫系において真っ先に反応する形質細胞様樹状細胞(pDC)に着目した。pDCは病原菌の侵入を感知して、ほかの免疫細胞に警告を発する。pDCはこのとき、レセプター7(TLR7)と呼ばれる小さな結合点を通じてエイズウイルスを認識。TLR7が活性化されると、pDCは免疫系における重要な分子、インターフェロン・アルファを呼び出す。

 研究チームは、実験室における培養試験で、pDCは女性ホルモンのプロゲステロンのレベルが高いほど活性化しやすいことを見出した

 チームは次に、インターフェロン・アルファと、病原菌を撃退する免疫系の細胞の1つ、CD8細胞の活性化の関係性を調べた。その結果、CD8細胞が刺激されるほど、患者がエイズを発症するスピードが速いことがわかった

 以上の結果から、チームは、免疫系がHIVに反応する部分で男女に重大な違いがある可能性があるとしている。感染初期では、免疫系の反応が強いほど女性に有利に働くが、長期的に見ると、ウイルスの永続的な複製や免疫系の慢性的な活性化はエイズ発症を早めることになるという



 こうまで免疫機能との関連性が見出されると結構面白いですねぇ。逆にうまく利用すればHIVの発症スピードを遅らせることもできるかもしれませんが、まぁ今は治療薬で抑えられますからね。
posted by さじ at 09:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年07月20日

年を取ると記憶力が悪くなる、と考えると本当に低下する。

「年とると記憶力が低下する」と考えると本当に低下

 高齢者の記憶力に関する調査結果が発表された。専門誌である「Experimental Aging Research」誌に報告された調査論文によると、「年をとると記憶力が悪くなる」と考えている高齢者ほど、記憶テストの成績が悪いというのだ

 ノースカロライナ州立大学心理学部のヘス博士らは、60-82歳の男女約100人に集まってもらい、記憶学習テストを行った。この際、被験者をランダムに2つのグループに分け、一方のグループには、「年をとると記憶力が悪くなる」という情報を与え、もう一つのグループには、「今回の記憶テストの成績に年齢は関係ない」という情報を与えた。

 テストの結果、驚くべきことに、全く同じテストを行ったにもかかわらず、「年をとると記憶力が悪くなる」という情報を聞いたグループのほうが、テストの成績が悪かったというのだ。このことから、「年をとると記憶力が悪くなる」と考えると、実際の記憶力も悪くなる可能性があるということが考えられる。

 さらに興味深いことに、このネガティブな影響は、高学歴な人ほど大きかったという。つまり、学歴が高い人のほうが、「年をとると記憶力が低下する」と考えることによって実際の記憶力も悪くなりやすいということだ。

 最後にヘス博士は、年をとると記憶力が悪くなるのは、人間に本来備わっている性質に加えて、社会的な影響によるものが大きいのではないかとしている。



 暗示みたいなものなんですかね。実際何かを記憶するときでも「これは絶対覚える!」と思ってからやったほうが、覚えは良い、気がします。

 年老いても諦めない姿勢が大事なのかも。

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posted by さじ at 04:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | 介護

虫歯菌や歯周病菌をほぼ完全に殺菌できる「パーフェクトペリオ」

野口歯科医学研が開発、口腔機能水 うがい10秒、ほぼ完全殺菌

 野口歯科医学研究所(栃木県小山市)の開発した口腔機能水「パーフェクトペリオ」について、東京医科歯科大学が従来の洗口剤と比べ、虫歯菌や歯周病菌に対する高い殺菌効果があることを確認した。口腔内の虫歯菌や歯周病菌を10秒間うがいすることにより、ほぼ100%殺菌することができるという。虫歯、歯周病予防の切り札として今後注目を集めそうだ。

 2005年に開発されたパーフェクトペリオは、人体への影響を最小限に抑えつつ、虫歯菌や歯周病菌を溶菌する口腔機能水。白血球と同じ殺菌成分である「次亜塩素酸」と「炭酸水素ナトリウム」が含まれた電解水により、虫歯菌や歯周病菌の周囲にあるバイオフィルム(口腔内微生物によって膜状につくられる構造体)を破壊し、菌を破裂させる仕組みで、現在は約200の歯科医院で販売されている。

 従来の虫歯菌や歯周病菌の殺菌に使用していた抗生物質などの薬とは異なり、白血球と同じ殺菌成分であるため、アレルギーや副作用の問題がほとんどなく、子供や高齢者まで安全に安心して利用できるのが特徴だ。

 また、虫歯や口臭の防止、歯垢を取り除くとされる、うがい薬や洗口剤は酸性のものがほとんどで、殺菌効果があっても酸で歯を溶かしてしまうため、常用した場合、逆に虫歯になりやすいという問題があった。これに対し、パーフェクトペリオは弱アルカリ性のため、歯を溶かす心配がなく、歯への負担が少ないのも特徴の一つという

 販売価格は1リットル当たり約4000円と従来の洗口剤よりも割高だが、同研究所は今後、販売する歯科医院を増やして認知度を高めるともに、量産効果によって価格低減を進め、消費者への浸透を図る考えだ。



 次亜塩素酸?大丈夫なんでしょうか。

 でも医科歯科大が認めているのなら良いものなんでしょうかねぇ。

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医学処:電動歯ブラシの快適性は異常。もう手動には戻れない。
posted by さじ at 04:22 | Comment(2) | TrackBack(0) | 歯科

B型インスリン抵抗症をピロリ除菌で完治に成功する。

糖尿病の一種 完治に成功 ピロリ菌除去で 東北大

 東北大大学院医学系研究科の片桐秀樹教授(代謝学)と岡芳知教授(糖尿病代謝学)らの研究グループは17日、ピロリ菌の除去によって、糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」の完治に成功したと発表した。片桐教授は「現時点で成功は1人だけだが、根治療法としてほかの患者にも適用できる可能性がある」としている。

 B型インスリン抵抗症は、高血糖と低血糖を繰り返す病気。受容体と結合することで血糖値を下げるインスリンが、受容体と結合できずに発症する。受容体にインスリンに対する抗体ができるのが原因

 受容体の抗体が消えるなどしてインスリンが急激に作用し、急に冷や汗や体の震えなど激しい低血糖発作を数日の周期で起こす。

 完治に成功した男性患者は、インスリン受容体の抗体の値が陽性を示した上、空腹時の血管中のインスリン値が正常値の10倍以上だったため、B型インスリン抵抗症と診断された。

 この患者は血中の血小板が少なくなる「特発性血小板減少症」を併発。この治療にはピロリ菌の除菌が有効とされる研究結果があり、グループは除菌を実施した。

 その結果、インスリン受容体の抗体も消滅し、空腹時のインスリン値も正常値まで低下。B型インスリン抵抗症が完治した。除菌後1年経過しても再発の兆候は見られなかった。

 ピロリ菌の除菌は3種類の薬を1週間服用するだけで可能で、いったん除菌されれば再感染はまれだという。除菌は一般的な治療で、副作用もほとんどない。

 片桐教授はB型インスリン抵抗症にはピロリ菌感染が関与している可能性を指摘。「除菌による治療法を知ってもらい、世界各地で試してもらいたい」と話している。



 ピロリ菌によって起こるものは胃がんなどが有名ですが、リンパ腫なども起こすことが知られています。除菌することで免疫的に正常に戻れば、抗体も正常化して、B型インスリン抵抗症も治療できる、ということなのでしょう。

 いやーこう色々分かってくると、ピロリ菌の発見がノーベル賞モノだということも改めて頷けますね。

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医学処:ピロリ菌は細胞死を抑制する
医学処:ピロリ菌の新たな胃がん発症のメカニズムを発見する
医学処:ヘリコバクターピロリ菌のいる人は全員除菌すべきである。

[B型インスリン抵抗症]

 一般的な1型や2型の糖尿病と異なり、日本糖尿病学会の成因分類で「その他の特定の機序、疾患によるもの」の、「免疫機序によるまれな病態」に分類される。インスリン受容体に抗体ができて、インスリンが受容体と結合できなくなってしまうため高血糖になる。正確な統計データはないが、患者は数千〜数万人に一人と推測されるという。
posted by さじ at 03:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

ラパマイシンに長寿の作用があることを突き止める。

ラパマイシンに老化防止の効果あり?マウスが超長生き

 イースター島の土壌で発見された化合物をネズミに服用させたところ、寿命が飛躍的に延び、人間なら100歳以上に相当する長生きとなったとする研究結果が、8日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 1970年代にイースター島の土壌から発見された「ラパマイシン(同島のポリネシアン名「ラパ・ヌイ」に由来)」は、現在は臓器移植時の免疫抑制剤などに使用され、がん治療薬としての臨床試験も行われている。さらに、無脊椎動物における実験で、老化に関係する酵素を抑制することが示されており、不老長寿薬としての可能性も模索されている。

 今回、米テキサス大などの研究チームは、人間ならおよそ60歳に相当する生後1年8か月のマウスにラパマイシンを混ぜた餌を継続的に与えるという実験を行った。その結果、通常に比べてメスは平均で13%、オスは9%長生きした。

 研究チームは、ラパマイシンには老化やがんの発症を遅らせる効能があるとみられ、投与しても死亡要因にはならないだろうとしている。
 
 一方で、米ワシントン大学のバイオ科学者らは、ラパマイシンを服用すると免疫機能が抑制されて感染症にかかる危険があるとして、中高年の安易な服用に警告を発している。



 自然の恩恵。

 確かに免疫抑制効果があるのに、長寿のために常用するのはおかしな話ですからねぇ。

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医学処:赤ワインに含まれるレスベラトロールの機序がとうとう判明する
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posted by さじ at 02:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 介護

粗食は健康のモトであることを医学的に証明する。

粗食は長寿、がん・心疾患・糖尿抑制…サルで実証

 カロリー摂取量を大幅に減らすと、がんや心疾患、糖尿病など加齢に伴う病気の発症を抑えられることが、アカゲザルを使った20年間の追跡調査で明らかになった。

 霊長類で、こうした効果が実証されたのは初めて。米ウィスコンシン大などのチームが、10日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 チームは、7歳から14歳の大人のアカゲザル(飼育下の平均寿命27歳)を30匹使って、1989年に研究を開始。94年には46匹を追加した。二つのグループに分け、片方のカロリー摂取量を30%減らし、血圧や心電図、ホルモン量などを測定。死んだ場合は、解剖で死因を詳しく調べた。

 カロリー制限しないグループでは、5匹が糖尿病を発症、11匹が予備軍と診断されたが、制限したグループでは兆候は見られなかった。がんと心疾患の発症も50%減少した。また、脳は加齢とともに、萎縮することが知られているが、制限したグループでは、運動や記憶などをつかさどる部分の萎縮が少なかった。

 白沢卓二・順天堂大教授(加齢制御医学)の話「カロリー制限が、長寿や高齢者の認知機能維持にも役立つ可能性を示すもので、大変興味深い」



 細胞が飢餓を感じたほうが長生きするとかいう研究もありました。

 やはりエネルギーの飽和状態があっても良いことはないんでしょうねぇ。生物学的に生きていく以上にエネルギーを摂取するということは、なんか、反してますもんね。

インスリンは、脳内では老化を促進する作用を行っている。
posted by さじ at 02:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化

2009年07月19日

脊髄損傷部位に青い光を当てると回復する。

青い光当て脊髄損傷回復 名古屋市大が発見

 損傷したラットの脊髄神経細胞に青い光を当てると、細胞の成長を促すタンパク質が増えて損傷部分が回復することを、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授(ともに血液学)が発見した。

 「運動まひや認知症などの治療への応用が期待できる」(岡嶋教授)という。9月に名古屋市で開かれる日本神経科学大会で発表する。

 ラット10匹の脊髄を傷付け、うち5匹に波長470ナノメートル(ナノは10億分の1)の青い光を毎日20分間、3週間にわたり当て続けたところ、歩行可能なレベルまで回復。光を当てなかった残る5匹はまひしたままだった。

 何もしないラットに比べ、光を当てたラットの神経細胞はサイズが大きくなっており、細胞を分析すると、成長を促すタンパク質「インスリン様成長因子1(IGF1)」が約1・7倍増えていることが判明。

 岡嶋教授らは、青い光の刺激でIGF1が増えたため細胞死が抑制された一方、幹細胞の分化や若い細胞の成長が促されたと結論付けた。

 岡嶋教授は、体の一部としてもともとある細胞の成長を促す今回の方法は「移植より安全な治療法につながる可能性がある」としている。



 青色LED。

 光刺激だけで神経が成長するというのは何とも不思議な感じ。これは実際直接あてないと効果ないんでしょうかね。そこらへんの難しさはあるか。

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posted by さじ at 14:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | 脳神
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