2009年05月11日

自閉症を持つ子供は、脳内の扁桃体が大きくなっている。

自閉症の兆候、扁桃体の大きさで判別可能か 米研究

 脳機能障害のひとつ「自閉症」を持つ子供の脳内では、「扁桃体」と呼ばれる部分が通常より大きくなっていると、米ノースカロライナ大学の研究者が発表した。自閉症の兆候を、乳幼児期の扁桃体の大きさを調べることで判別できるのではないかとしている。

 自閉症は脳機能の障害により生じる、発達障害の一種。他者とのコミュニケーション能力が低いといった特徴がある。子供150人に1人の割合で見られるとされ、米国では近年、1日あたり67人が新たに判明するなど、増加傾向にある。

 ノースカロライナ大学のジョゼフ・ピーベン博士はMRI(磁気共鳴断層撮影)を用いて、自閉症の子供50人と、通常の子供33人の脳を2歳時と4歳時で調査。その結果、自閉症児は平均して、扁桃体が13%、肥大していた

 扁桃体が大きくなり始める時期がわかれば早い段階で対応できるとして、扁桃体の大きさを調べることで自閉症の兆候が判断できるのではないかと指摘。現在は保護者が扁桃体の大きさを調べることはできないが、将来的には診療判断の有効手段になりえるとしている。



 自閉症の画像診断。早期に出来ればより対応も早く出来ますからね。児童精神医学の画像診断も今後伸びていく分野だと思います。

 あとは何故扁桃体が大きくなるのかを考察できれば、治療法確立に向けて一歩踏み出せるかも。

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2009年05月10日

被害の増え続けるセアカゴケグモに、天敵が出現する。

セアカゴケグモの“天敵”ハチ発見 針で一刺し、麻痺させて捕食

 強い毒性を持つセアカゴケグモに、国内では存在しないとされてきた捕食者がいることが7日、大阪市立自然史博物館の調査で分かった。一方で、大阪府内で昨年度、セアカゴケグモによる被害例が過去最多を記録したことが判明。繁殖を繰り返す毒グモの“天敵”が発見されたことで、関係者は被害拡大が防げるのではと期待している。

 同館学芸員の松本吏樹郎さんと同館友の会会員の北口繁和さんの調査によると、クモバチ(ベッコウバチ)の一種の「マエアカクモバチ」が、セアカゴケグモを捕食していることが確認された。平成19年9月に長居公園(大阪市東住吉区)で初めて確認されてからは、この数年間に、堺市堺区内や大阪府豊中市内の石垣のすき間や公園の地面などでも、このハチが針で刺して麻痺させたセアカゴケクモをアゴでくわえ引きずっている姿が観察されたという。

 このハチは背中が赤さび色をしている点が特徴。これまで別のクモ(ハンゲツオスナキグモなど)を捕食する姿は観察されていたが、松本さんは「えさのクモと似た環境で増加し、入手しやすくなったセアカゴケグモを捕食し始めたのでしょう」と説明する。

 外来種であるセアカゴケグモは日本では平成7年、大阪府高石市で初めて発見。その後、兵庫や和歌山、奈良など近畿地方を中心に繁殖を繰り返しており、愛知や群馬などでも確認されるなど生息範囲が北上している。

 大阪府環境衛生課によると、セアカゴケグモによる府への被害報告は、13、16、17年度にはそれぞれ1件だったのが、18、19年度にそれぞれ6件。20年度には9件と最多を記録、「ここ数年で被害例が増加しており、今年は予断を許さない状況だ」という。

 同課では定期的に生息状況を調査をしているが、「クモは一カ所に固まっているわけではないので、一斉駆除は不可能だ」と頭を悩ませていた。思わぬ天敵の発見に「生態系への影響を考えなければいけないが、面白い発見だと思う」と期待感を示している。



 いいぞー。

 是非根絶に近い状態にまで捕食してほしいものです。ホント、セアカゴケグモを日本に持ち込んだ野郎は大罪ですよ。

 毒をもっている生き物は基本的に嫌いなんですけど、ハチよりクモのほうが嫌いなんで是非このマエアカクモバチには頑張ってもらいたいところです。

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新型インフルエンザの隔離ってどんなふうにされるの?

新型インフル:個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で

 国内初の新型インフルエンザ感染者が9日、確認された。感染者に同行した高校生や近くに座っていた乗客ら49人は、10日間の停留措置の対象になる。成田空港近くのビジネスホテルで、与えられた一室にいることを求められ、行動を厳しく規制される生活。厚生労働省が対象者に配っているパンフレットは「停留は、あなただけではなく、大切な家族の方、会社の同僚、友人等を守るために行われます」と協力を呼び掛けるが、史上初めて実施される宿泊施設での停留とは−−。

 厚労省によると、停留者は原則ホテルなど施設の個室内で生活することになる。1日1回、医師や看護師が健康状態を確認し、必要に応じてタミフルなど抗インフルエンザ薬を投与する。1日3回検温するなど健康状態の記録を提出。食事は▽午前7〜8時▽正午〜午後1時▽午後6〜7時と定められ、原則自分の個室で食べることになっている。

 49人のうち感染者と一緒に行動した生徒・教諭は33人。学校関係者や保護者らによると、生徒らは全員が9階の個室を与えられ、他の部屋やフロアに行かないよう指示されている。洗濯室などに出かける際は、マスクの着用を義務付けられているという。

 生徒と教諭の連絡はホテルの内線電話を使い、生徒同士は携帯電話でやり取りしている。荷物が既に最終到着地の関西国際空港に送られているため「着替えがほしい」「携帯電話の充電器がない」という要望があり、荷物だけ成田に送り返すことになった。

 生徒からは「テレビを見るしか、やることがない」などの不満も聞かれ、ホテル側はパソコンの貸し出しも検討している。5月下旬の中間試験への影響を心配する声も多く、学校側は教科別のプリントをホテルに送るなどして対応するという。

 勝手に外出することは許されない。パンフレットはこうクギを刺す。「許可無く施設外に出ようとしたり、スタッフの質問に答えなかった、または、虚偽の返答を行った者は検疫法に基づき処罰されることがありますのでご注意ください」

 厚労省によると、滞在費や食費などの生活費は国が負担する。しかし、仕事を休んだ場合の休業補償など、停留による損失の補償はされないという。

 10日の停留期間が満了すると、ようやく解放される。入国手続きを行い、晴れて「帰国」となるという。



 大流行を予防するためにも、この措置は適切。

 もし自分がこのような事態に巻き込まれたとしても、勝手に外に出たりしないで下さい。自分が感染者なのだということを理解した上で行動して下さいね。たとえ仕事があろうとも、大事なのは国中に流行を広めないことです。

 パソコンが支給されれば、ネットのオンライン対戦麻雀でもやっていれば10日くらい軽く潰れそうです。

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posted by さじ at 07:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

アレルギー性を抑えた鶏卵の開発に成功する。

低アレルギー卵産む鶏誕生へ、インフルワクチン製造に期待

 広島大の堀内浩幸助教(免疫生物学)らのグループが、アレルギー性を抑えた鶏卵の開発につながる、鶏の万能細胞「ES細胞」の遺伝子組み換えに成功した。年内にも低アレルギー性の卵を産む鶏が誕生する見通し

 有精卵は、新型を含むインフルエンザワクチンの製造に使われ、卵アレルギーの人にも接種可能なワクチンができると期待されている

 卵アレルギーは乳幼児から10歳代に多く、発疹や呼吸異常を招き、重篤な場合は意識障害などを起こすアナフィラキシーショックで死亡することもある。鶏卵に熱や酵素を加えても、アレルギー性の強いたんぱく質・オボムコイド(OVM)は除去できなかった

 堀内助教らは2001年、鶏の血液や骨など組織のもとになるES細胞を作製する方法を発見。今年4月には、ES細胞内で、OVMを発現させる遺伝子の塩基配列を並べ替えることで発現を止める技術を確立した。遺伝子を組み換えたES細胞を受精卵に戻しており、5〜6月に第1世代約10羽が生まれる。掛け合わせで遺伝子が完全に組み換わり、OVMを含まない卵を産む第2世代が早ければ12月に誕生するという。

 インフルエンザワクチンは、鶏卵内で増殖させたウイルスを無毒化して作るのが一般的。卵の成分がわずかに残るため、重い卵アレルギーの人は接種を避けるのが望ましいとされる。堀内助教は長男(3)にアレルギーがあり、「同じ不安を持つ親子のためにも実用化を急ぎたい」と話す。

 手島玲子・国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部長の話「食品としては安全性のハードルがあるが、医薬品には早期の応用が期待でき、アレルギーのある人に朗報」



 これは有用性が高いですねぇ。インフルエンザワクチンを全ての人に注射できるという大きすぎるメリット。

 いずれは食用でも可能になるんでしょうね。卵の美味しさを味わえないというのは厳しすぎるので、卵アレルギー用の食用卵の開発はニーズがありそうです。

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消防士のほうが高所恐怖を感じやすい。

消防士も高〜い所が怖〜い 「恐怖度」調査

 屈強な消防士も実は高い所が苦手―。東北大大学院文学研究科の仁平義明教授(心理学)と大学院生の佐藤拓さん(29)が、こんな調査結果をまとめた。

 調査は2007年、宮城県の男性ベテラン消防士(平均年齢46.5歳)105人と、仙台市内の大学生男女289人を対象に実施。恐怖の対象として84項目を挙げ、恐怖をどの程度感じるかを5段階で記入してもらった。

 調査結果によると、「傷口を見る」「うじゃうじゃいる虫」「無視される」といった精神的な恐怖は、消防士の方が大学生よりも低い度合いを示した。だが、「高い場所」「高いビルから下を見下ろすこと」との項目だけは消防士が上回った

 仁平教授は「高所恐怖は、女性より男性の方が高いことは心理学で知られていたが、大学生と比べ消防士の方が高いとは新鮮だった。恐怖感情は安全弁。高所の危険を知っている消防士だからこそ、高い指数を示したのだろう」と分析する。

 経験を積むごとに視野が広がり、危険察知能力も高くなる傾向があるようだ。仙台市青葉消防署の大町正人消防司令補(42)は「職務に就いて10年たった30歳すぎに、あらゆる危険を想定できるようになり、高所を怖いと思うことも確かにあった」と振り返る。

 仁平教授は「たくましいイメージを持たれる消防士は『弱い自分』を出しにくくなり、精神的に追い込まれることもある。自分の内なる恐怖と闘いながらも業務に当たっていることが調査で分かった」と話している。



 恐怖というものは、人間が生きるために必要な感情です。人生を総括的に考えて、恐怖を感じやすい人と感じにくい人では感じやすい人のほうが長生きする気がします。危機意識が高いということは安全な行動をするわけです。

 消防士も、高いところの危険を知っているからこそ、高い場所に恐怖感情を抱くのでしょう。弱い、とかそういうのではなく、自身の恐怖感情をあるがままに受け入れるからこそ、立派な消防士になれるのでしょうね。
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2009年05月09日

慢性炎症が引き金となって、悪性リンパ腫が生じる。

悪性リンパ腫:慢性炎症が引き金 東大チーム解明

 血液がんの一種の悪性リンパ腫が起きる仕組みを、小川誠司・東京大病院特任准教授(血液腫瘍学)らが解明し、4日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。一部の悪性リンパ腫では、胃炎など慢性的な炎症が引き金だった。炎症抑制が悪性リンパ腫の治療につながる可能性を示す成果として注目されそうだ。

 悪性リンパ腫は、免疫機能を担うリンパ球にできるがんで、国内で年約8500人死亡している。

 研究チームは、遺伝子を構成する物質「塩基」の配列の個人差を高効率で検出する技術を開発、悪性リンパ腫患者約300人で調べた。すると、主に消化管にできる「マルトリンパ腫」など2種類の悪性リンパ腫では、約2割の患者が、遺伝子A20の配列に変異があり働いていなかった

 この遺伝子は、炎症発生時にリンパ球が際限なく増殖しないようブレーキ役となっている。A20が働かない悪性リンパ腫細胞をマウスに移植すると、リンパ球が異常増殖、がんを発症した。A20が機能しない悪性リンパ腫細胞も、炎症で生じる刺激物質がないと増殖せず、炎症の有無ががん細胞増殖を左右していることが判明した



 なるほどね。

 そういえば胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌ですが、あれに感染していると悪性リンパ腫のリスクになるとか。つまり慢性炎症によって悪性リンパ腫になるということでしょうかね。

関連:悪性リンパ腫に使う抗がん剤「リツキサン」の副作用で8人死亡
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カエル絶滅の根源、ツボカビはアジアが起源か。

カエルのツボカビ:アジアが起源か 日本で30系統発見

 世界各地でカエルなどの両生類に壊滅的被害を及ぼしているツボカビの起源は、日本を含むアジアの可能性の高いことが、国立環境研究所などの調査で分かった。日本の野生カエルからは約30系統が見つかっているが、被害の大きい中米や豪州では1系統しか見つかっていない。研究チームは「日本などアジアから持ち出されたカエルが、世界中にツボカビをばらまいたと推測できる」としている。

 ツボカビは実験動物として使われるアフリカツメガエルが世界中に移送され、拡散したと考えられている。

 同研究所などは国内のカエル3200匹を分析。遺伝子配列がやや異なる約30系統のツボカビを見つけた。病原性が強く中米パナマや豪州で猛威をふるっているA型も含まれていた。韓国の調査でも日本と同様に多数の系統が見つかった。

 また、日本固有の両生類オオサンショウウオからもツボカビが多数見つかったが、カエルのツボカビとは異なる独自の系統という。一方、パナマと豪州では、A型しか見つからなかった。これまでのところ、日本、韓国、中国ではツボカビによる大量死の報告はないという。

 これらから、研究チームは日本のカエルはツボカビとの付き合いが長く、抵抗性を獲得している可能性があると分析。侵入生物研究チームの五箇公一リーダーは「従来のアフリカツメガエル起源説を見直して、世界中のツボカビの遺伝学的・生態学的調査が必要だ」と話している。



 何度か取り上げているカエルツボカビの話。人間は豚インフルに苦しみ、カエルはツボカビに苦しむ。

 日本のカエルのツボカビ抗体?のようなものから特効薬が出来ないものですかね。

 両生類絶滅の危機を何とかしないと世界中のカエルが一斉にいなくなるかも。

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豚インフルエンザはスペイン風邪が起源だった。

「スペイン風邪起源説」強まる=新型インフル、豚を経由

 1918年ごろに世界的に流行したスペイン風邪と呼ばれるH1N1亜型のA型インフルエンザウイルスを豚と猿、マウス、フェレットに接種したところ、豚だけが生き残り、一時的な発熱と軽い呼吸器症状だけで済んだことが分かった。これにより、スペイン風邪の流行拡大に豚が関与しており、豚の間でウイルスが代々受け継がれた結果、現在の新型ウイルスに至ったという説が支持されるという。

 米カンザス州立大やカナダ食品検査局などの研究チームが、4日までに実験結果を米ウイルス学誌ジャーナル・オブ・バイロロジーに発表した。

 スペイン風邪の流行時には、人だけでなく豚にも症状がみられ、30年に米中西部で豚インフルエンザが流行した際にも、同じ亜型のウイルスが採取、確認されている。



 ということはスペイン風邪のような大流行もありうる、と。

 しかし今は知識も技術もある時代、誰しもがインフルエンザの予防策を知っている時代です。

 人類の英知とマナーと他人を労わる心が勝つのか、それともやはり無能な人類は感染を拡大させてしまうのか。

 スペインかぜ(1918 flu pandemic )は、1918年から翌19年にかけ、全世界的に流行したインフルエンザのパンデミックである。感染者6億人、死者4000〜5000万人。

 感染者は6億人、死者は5000万人に及び、当時の世界人口は18億人であったと言われているため、全人類の約3割がスペインかぜに感染したことになる。日本では当時の人口5500万人に対し39万人(当時の内務省は39万人と発表したが、最新の研究では48万人に達していたと推定されている)が死亡、米国でも50万人が死亡した。これらの数値は感染症のみならず戦争や災害などすべてのヒトの死因の中でも、もっとも多くのヒトを短期間で死に至らしめた記録的なものである。


関連:豚インフルエンザの感染症に関する情報について
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2009年05月08日

尿検査で肺がんを発見しやすくなるかもしれない。

尿検査で肺がん発見の可能性

 喫煙者の尿中にある2つの化学物質濃度を測定することで、肺がんの早期発見が可能になるかもしれない。米ミネソタ大のジャンミン・ユアン准教授が19日、コロラド州デンバーで行われた米国がん研究会議で発表した。

 米国では、がんの中でも肺腫瘍の致死率が最も高い。米国がん協会(ACS)によれば、2008年には肺がんで16万1840人が死亡し、21万5020人が新たに罹患している。

 公衆衛生を専門とするユアン准教授は、悪性腫瘍の原因となる副生物または代謝物を正確に特定することが肺がん予防には重要であると考え、米国立がん研究所(NCI)の資金提供を受け、約500人の尿中代謝物を分析。さらに動物実験によって発がん性が認められている2種類の化学物質「NNAL」と、ニコチンの副生物である「コチニン」に注目し、肺がんとの関連性を10年にわたって追跡調査した。

 その結果、尿中のNNAL濃度が高い喫煙者はその濃度が低い喫煙者よりも2倍、コチニンの濃度が高い場合は3倍、そして両方の化学物質濃度が高い場合は8.5倍に肺がんのリスクが高まることが分かった

 ユアン准教授は電話インタビューで「化学物質の尿中濃度検査が普及すれば、肺がんリスクの高い喫煙者を見つけて禁煙を促すことができる。禁煙が無理でも、集中的なスクリーニング検査で、ごく初期の肺がんを発見して治療することも可能になる」と指摘した。

 同准教授によれば、この検査方法はまだ医師が利用できる段階ではない。世界各地域で認可を受け、多環芳香族炭化水素(PAH)などその他の発がん性物質を検査対象に加えた上で検査技術を向上させるまでには、およそ3年から5年を要するという。

 「今のところ、尿中に排出される化学物質の濃度と肺がんの因果関係は明らかになっていないが、代謝システムは個人差があるため、発がん性物質の取り込み方にも違いが生じるのではないかと思われる。ここを出発点として予測モデルの開発にも取り組みたい」とユアン准教授は話す。



 確実性では劣るものの、尿検査という侵襲性の低い検査によって、ハイリスクな人を捜し当てることが出来るというのは大きいですね。スクリーニングといって、正常な人の中から異常な人を見つけるにはこういった簡便な検査が有用です。肺がんの可能性の高い人をみつけられれば、早期がんの発見に繋がりますし。
posted by さじ at 06:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

人体に不要な物質に結合する蛋白質「ユビキチン」

ユビキチン:量調節の仕組み解明…難病治療に期待

 人の体にとって邪魔な物質に結合する目印たんぱく質「ユビキチン」の量を調節する仕組みを、東京都臨床医学総合研究所の木村洋子研究員らが世界で初めて解明し、米科学誌セル電子版に発表した。細胞にごみのような不要物質が蓄積するとパーキンソン病やがんなどを発症する。難病治療の薬剤開発につながる成果として注目される。

 ユビキチンは、細胞内で鎖状につながって蓄えられている。必要に応じて鎖がほどけて、目印役として働き始め、不要の物質と結合、その物質の分解が始まる。ユビキチン不足は細胞内にごみをため、病気を起こす。

 研究チームが、ユビキチンの働きがヒトの細胞と似ている酵母の細胞を培養したところ、通常より高温の39度にすると、約1時間で鎖が完全に消えることに気づいた。

 また、酵母細胞が持つ未知のたんぱく質を発見し、このたんぱく質を働かないように操作すると、ユビキチンの鎖が最初から存在しなくなった。一方、過剰に作り出すと、高熱でもユビキチンの鎖が残ったため、たんぱく質が、鎖をほどく酵素の働きを妨げる役割を担っていると結論づけた。このたんぱく質を調節し、病気の原因物質を分解する新たな治療法が開発できる可能性があるという。



 ほう。ユビキチンを用いてパーキンソン病などの難病指定疾患を克服することができるかもしれないというニュース。

 そういえば何年か前にユビキチン関連でノーベル賞あったよなぁと思って検索してみるとwikipediaに載ってました。

 2004年度には「ユビキチンを介したタンパク質分解の発見」の功績により、アーロン・チカノーバー、アーウィン・ローズ 、アブラム・ハーシュコの3人がノーベル化学賞を受賞した。
posted by さじ at 06:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

生殖細胞を試験管内で作成することに理化学研究所が成功する

試験管で生殖細胞作製──理研、不妊治療に応用も

 理化学研究所はマウスの受精卵から成長した胚から、精子のもとになる生殖細胞を試験管内で作製するのに成功した。この生殖細胞を、精子を作れないオスのマウスに移植すると精子に成長、卵子と受精させると健常な子も生まれた。新型万能細胞(iPS細胞)から精子や卵子を作る際の基礎となる技術で、生殖医療や再生医療に役立つ可能性がある。

 理研発生・再生科学総合研究センターの斎藤通紀チームリーダーと大日向康秀研究員らの成果で、1日付の米科学誌セルに発表した。

 受精卵は胚になった後、精子や卵子に成長する「始原生殖細胞」と、神経や血液、様々な臓器になる体細胞に分かれる。研究チームは受精後6日ごろから「Bmp4」という分子が働き、他の遺伝子が活性化して始原生殖細胞ができることを突き止めた。試験管内で胚にBmp4を加え培養したところ、体細胞になる部分も含めて始原生殖細胞に成長した。

 この手法を活用すれば、iPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)などの万能細胞から始原生殖細胞を作って精子や卵子まで成長させる研究に道が開けそうだ。精子が作れない人など向けの不妊治療などに役立つと研究チームは期待している



 凄すぎる。さすが理研。

 ここまで解明されてくると「何でもアリ」になってきそうですね。医療の壁をブチ破って多くの治療法確立が出来る時代に、一歩一歩近づいている予感がします。

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posted by さじ at 05:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖

ある脂肪を摂取すると記憶力が向上するらしい。

脂肪の多い食べ物で記憶力アップ

 最近どうも忘れっぽいという人は、脂肪分の多いものを食べるとよいかもしれない。ラットを用いた新しい研究によると、特定の脂肪を消化するときに放出されるホルモンが長期記憶の形成を引き起こすという

 研究チームは、オレイルエタノールアミド(OEA)という小腸で生成される化合物(脂肪酸の一種)をラットに投与して2種類の活動を行わせたところ、記憶力が向上することを発見した。OEAによって活性化される脂肪受容体をブロックすると、ラットの成績は低下したという。

 研究チームのメンバーであるカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の神経科学者ダニエル・ピオメリ氏は、「今回はラットの研究だったが、OEAの効果は人間など他の動物でも同様だろう」と話す。

 OEAの記憶を強化する働きは、動物が脂肪の多い食べ物を食べたときに、後でそこに戻って来られるように場所や時間を記憶するために発達したのだろうと研究チームは推測している。

 脂肪は生物のさまざまな機能と構造に欠かせないものだ。現代の人間の食事は脂肪が豊富になっているが、実際のところ、脂肪の多い食べ物は自然界ではまれである。

「脂肪が集まっている場所や状況に関する記憶を強化するシステムが、自然界で発達したことは理にかなっている」と、ピオメリ氏はナショナル ジオグラフィックニュースに語った。

 ピオメリ氏は記憶力を向上させようとファストフードを大食いすることは勧めていないが、一般に、朝食や10時のおやつを食べる子どもは学校での成績が良い。このようなケースも、今回の発見で説明できるかもしれない。

「研究から推測すると、成績の良い子どもたちはよく学んでいるというよりは、よく覚えているためだと考えられる」。

 科学者たちは将来、記憶力を向上させたり、記憶に影響を与える病気を治療したりするために、OEAやOEAに似た化合物を薬として使用する可能性がある。

「たとえば、OEAによって活性化する受容体を薬を使って刺激したり、記憶力向上効果を引き出すのに十分なOEAを生成する栄養素を与えたり、といったアイデアが考えられる」とピオメリ氏は述べている。



 なるほど。だから朝食をしっかり食べる子供は成績が良いのか。朝食を食べさせるような良い家庭、優れた生活リズムだから成績があがるというだけではなかったんですね。

 オレイルエタノールアミドで検索すると、「オレイルエタノールアミド(OEA)はカンナビノイド類似物であり、摂食行動を抑制する作用が知られている」という話も紹介されていました。記憶力が向上して、ダイエットにも有力ならば優れものですねぇ。

参考:神経科学談話会 (仮称):論文紹介 - livedoor Blog(ブログ)

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posted by さじ at 05:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化

2009年05月07日

大気が汚染されているほうが、植物の温暖化防止力を高める

大気汚染はかえって植物の温暖化防止力を高める、英研究

 ばい煙やスモッグに覆われた空をきれいにすると、植物の二酸化炭素(CO2)吸収力が極端に抑制され、地球温暖化の防止効果が減じる可能性がある――。23日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」にこのような研究結果が発表された。
 
 植物、特に熱帯林は、人類が排出する全CO2の実に4分の1を吸収し、気候変動を抑制する極めて重要な役割を果たしている。

 一般的には、大気汚染が進むと太陽光線が空気中の粒子状汚染物質に遮られ、いわゆるグローバル・ディミング(global dimming、地球暗化)によって植物は光合成ができなくなることから、温暖化防止プロセスが阻害されると考えられている。

 ところが、英ウォリングフォード(Wallingford)の英国生態学水文学センター(Centre for Ecology and Hydrology)が発表した論文によれば、正しくはその「逆」の作用が起こるという

 「驚くべきことに、大気汚染が原因で、1960−1999年の間に植物の生産性が約25%向上したと見られる」と、同センターの研究員で研究を主導したリナ・メルカド(Lina Mercado)博士。これは、土壌に蓄えられるCO2の量が10%増加した計算になるという。

 グローバル・ディミングは、特に1950年代から1980年代にかけて顕著に見られたが、研究によればこの時期の植物の成長は非常によかったという。

 前月に発表された研究結果によると、グローバル・ディミングは現在も、欧州を除く世界各地で観測されている。

 グローバル・ディミングはなぜ植物の生育を促進するのか。その答えは、粒子状の大気汚染物質が光を反射する点にある。 

 大気汚染がひどいと植物が受ける直射日光は減る一方、雲や汚染物質は日光を乱反射させ、完全に日陰に隠れている小さな葉にも光が行き届くことになる

 この「拡散放射」現象そのものはすでによく知られているが、現象が植物のCO2吸収力に及ぼす影響を地球規模で調査した研究は、今回が初めてだという。

「人々の健康のため、われわれは大気を浄化し続ける必要がある。だが、空気をきれいにすればするほど、CO2排出量を削減して気候変動を抑制するという課題は難しくなる」と、論文の共同執筆者のピーター・コックス(Peter Cox)英エクセター大学(University of Exeter)教授はジレンマを指摘した。



 はぁー・・・。なるほどねぇ。

 人間が生きていく上では、空気は綺麗なほうが健康にも良いが、地球を温暖化から救うためには空気を綺麗にしないほうがいい、と。

 何事も、短絡的な発想ではうまくいかないものですね。粒子の乱反射で日陰となった部分が減るとは。思いついた人は眼の付け所がシャープですね。

 この結果をうけて、環境保護団体はどうするんでしょうか。

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posted by さじ at 22:15 | Comment(1) | TrackBack(0) | 呼吸

中国紙「日本人選手しか眼中にない日本の観客」

日本人選手しか眼中にない日本の観客、負けるとぞろぞろ

 2009年5月5日、南方都市報は「世界卓球:中国代表の試合を見ない日本人観客」を掲載した。日本ペアの試合が終わった後、日本人観客は次々と席を立ち帰り始めたという。

 4日、横浜市で世界卓球選手権個人戦の男子ダブルス準決勝が行われた。日本期待の水谷隼・岸川聖也ペアが決勝進出をかけ、中国の馬龍(マー・ロン)・許[日斤](シュー・シン)ペアに挑んだが、1ゲームも取れずに完敗した。

 続いて王皓(ワン・ハオ)・陳[王己](チェン・チー)ペア対●帥(ハオ・シュアイ、●は都の左が赤)・張継科(ジャン・ジーカー)の試合が予定されていたが、日本人観客は続々と席を立ち始めた。日本ペアの試合の時には応援バルーンを叩く音が響き、熱気一杯だった会場だが、あっという間に寂しさに包まれた。主催者側はなんとか盛り上げようとボランティアを動員、ウェーブを起こそうとしたがまばらな観客席がもりあがることもなく自然に消滅してしまったという。



 恥ずかしい・・・。

 全世界に日本観客の程度の低さを露呈してしまいました。

 まぁもうちょっと応援方法あると思いますよ。他の外国人同士の試合でも面白いじゃないですか。何故それを見ようとしないんですかねぇ。卓球に興味あるんじゃなくて日本人にしか興味ないんですかねぇ。

 中国がトップのほうに残ったんで申し訳ないですね。

 まぁ中国人も、マナーの悪さが目立ちましたけれど・・・。フラッシュ禁止と何度言ってもその場は笑顔で謝るだけで何度も何度も撮影する人とか、横断幕で別の席を覆うのはやめてくださいと言っても聞かなかったりとか、、、

 でも決勝戦で、ウェーブを起こそうとしてても日本人誰も立たなかったのは申し訳なく感じましたね。テレ東のアレでウェーブ起こそうとするより、一般観客である中国人がウェーブやろう!として実行しているわけですから、それにくらい乗ってあげたいですけどね。

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posted by さじ at 22:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

微生物の眠っている遺伝子を目覚めさせて新たな抗生物質を作る

目覚めた遺伝子で抗生物質 微生物が生産、新薬に光

 微生物で通常は働いていない遺伝子を活性化させると、これまで作らなかった抗生物質を生産するようになることを見つけたと、食品総合研究所(茨城県つくば市)とアステラス製薬(東京)の研究グループが26日付の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジーに発表した。

 近年は微生物から新たな抗生物質を見つけることが難しくなっているが、放線菌では抗生物質を作る遺伝子の約80%が休眠状態という。活性化させる技術は“宝の山”を掘り出すものといえ、同研究所の越智幸三研究専門員は「新しい抗生物質を発見でき、新薬開発につながる」としている。



 あんな小さい生き物でも、一攫千金の可能性があります。一度見つけて商品化できれば相当な代物になるでしょう。新たな抗生物質を見つけられれば治療法も劇的に変化するかもしれませんしね。大いに期待です。

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posted by さじ at 20:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

毒を持つ生き物を食べるとき、アライグマは洗っている。

アライグマ、やっぱり洗っていた…エサを毒抜き

 アライグマが毒を持つ生き物を食べる際、地面で“こすり洗い”して毒抜きをするユニークな行動を取ることが、京都大の持田浩治研究員(動物行動学)の調査で明らかになった。

 両前脚で、洗うようなしぐさをすることからそう呼ばれているが、野生のアライグマの場合、餌探しのための行動で、実際は「洗わない」とされていた。持田研究員は「毒のある食物に関して、アライグマは、名前通りの行動をしている」と話す。

 アライグマは北米原産で、小動物や昆虫、魚、果実などを食べる。持田研究員は、大阪府内などで捕獲された野生化したアライグマ6匹の食性を観察。皮膚から毒を分泌し、天敵がほとんどいないとされるアカハライモリやニホンヒキガエルを餌にしていたことがわかった。

 詳しく調べた結果、6匹とも通常の餌はそのまま食べるが、においで餌に毒があると判断した場合、両前脚で、最長10分余りも地面に、こするなどしてから食べていた。刺激を与えて体内に蓄えた毒をすべて出させ、こすり落としてから口にしているとみられる。

 持田研究員は「毒を絞り出して餌にする動物は他に聞いたことがない。何でも工夫して餌にする摂食行動が、故郷と環境が異なる場所にもうまく順応できる理由の一つなのかもしれない」としている。



 野生を詳しく研究し続けた証でしょう。アライグマの名誉を見事に守り通しました。洗うんですねぇ。賢い。

 ってかアライグマが洗ってるところ、みたいです。かわいいんでしょうねぇ。。。

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posted by さじ at 20:21 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS

空軍病院で手術ロボットを用いた初の外科手術に成功する

米空軍病院、手術ロボットを利用した初の外科手術に成功

 テキサス州で手術ロボットを利用した初の外科手術が行われ成功していたことが26日までに米空軍の発表により明らかとなった。

 手術は今月10日、テキサス州にある米空軍のワイルド・ホール・メディカル・センターでカイル・ウィールド(Kyle Weld)医師(空軍中佐)の執刀により実施。専用の3次元ディスプレーとロボットハンドを使いウィールド医師は腹腔鏡法による初期ガンの摘出手術に成功した。

 米空軍で手術ロボットを使った現実の手術が実施されたのは今回が初。

 今回の手術で利用された手術用ロボットの価格は100万ドル(約1億円)超。今年の3月に導入されたばかりの新品となる。同病院で追加でもう1機の手術用ロボットを近く導入する予定としており、今後も手術ロボットを使った外科手術を数多く実践することにより、手術ロボットによる手術に慣れた外科医を育成を行う

 米軍では十分な医療設備が整備されていない戦地においても最高水準の外科手術が実施できるように、遠隔操作ロボットを使った外科手術の研究開発を進めてきた。



 軍事用として遠隔手術ロボットを用いるのはかなり有用でしょうねぇ。そのロボットさえあれば、ロボット手術に長けた外科医が本国にいながらも手術できるかもしれませんし。

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posted by さじ at 20:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急

外国語の文法習得には左脳の下前頭回が関係している。

外国語:文法習得は老若と無関係?左脳「下前頭回」が影響

 外国語の文法を習得する際の得意、不得意に関係する脳の部位を、酒井邦嘉・東京大准教授(言語脳科学)らの研究グループが突き止めた。年齢や習得期間に関係なく、左こめかみの裏側付近にある「下前頭回」と呼ばれる大脳皮質の一部の体積が、右脳の同じ部位より大きい人ほど文法テストの成績が良いことが分かった。27日発行の米科学誌「ヒューマン・ブレイン・マッピング」に発表した。

 生まれて初めて覚える母語と、成長してから習得する外国語では、学ぶ際の脳の働きは異なる。酒井准教授らはさまざまな年齢層と英語の習得期間を持つ日本人中高生78人、英語圏以外からの外国人留学生17人の計95人に英語のテストをし、成績と左右の脳の対称性との関係を調べた。

 その結果、左前頭葉の下前頭回にある550立方ミリほどの領域が右側に比べて大きい人ほど、文法テストの成績がよい傾向が分かった。一方、つづりなどの語彙テストでは、脳の形状との関係はみられなかった。

 この部位が大きいから文法能力が高いのか、文法能力が高いから部位が大きくなったのかは不明という。酒井准教授は「外国語が苦手な人には習得時間を増やすなど、個人の適性を客観的に把握し、それに基づいた教育をするのに役立つのではないか」と話している。



 私はおそらく下前頭回が発達していないのでしょう・・・。

 母語と同じように外国語を少しでも教えれば、すんなりと外国語習得に結びつくのでしょうけれども。

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posted by さじ at 19:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」を承認へ。

ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得

 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、4月22日、治療抵抗性統合失調症の治療薬として、「クロザリル(R)錠25mg/100mg」(一般名:クロザピン)の製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。

 「クロザリル」は、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬です。本剤は、2種類以上の抗精神病薬を十分な量、十分な期間投与されたにも関わらず、十分な効果が得られない患者さんに対する治療薬として、すでに世界97カ国で承認されています。なお、日本においては統合失調症の入院患者さんのうち9%の患者さんが、本剤の適応となる治療抵抗性であると考えられます。

 クロザリルは、1969年にオーストリアで最初に抗精神病薬として承認を取得した後に、1975年フィンランドで、発売後6カ月間で8名の死亡を含む16名の無顆粒球症の発現が報告されたため、各国で販売中止や開発中止の措置がとられ、日本での開発も中止されました。しかし、その後、本剤は、既存の抗精神病薬で効果がない患者さんに対して有効性があることが示され、治療抵抗性の統合失調症に対し、血液検査を義務付けて使用されています。さらに、アメリカ、イギリスなどでは、血液検査の確実な実施と処方の判断を支援する「クロザリル患者モニタリングサービス」(Clozaril Patient Monitoring Service、以下CPMS、アメリカでの呼称はClozaril National Registry )を導入しています。クロザリルは、このような厳しい安全管理のもと、1975年に発売されて以来、世界で380万患者・年の患者さんに使われています。

 ノバルティス ファーマは、日本においても、無顆粒球症、好中球減少症などの早期発見・早期対処を目的としたCPMSの導入により、厳重な安全管理のもとに本剤が使用されるように推進していきます。

 今回の承認にあたっては、CPMSに登録された医療機関、医師、および保険薬局においてのみ、登録された患者さんに処方がなされるよう、承認条件により義務付けられております。このため、適正使用の推進とCPMSの適切な運用を行えるよう有識者(医師、薬剤師、法律・倫理の専門家等)からなる第三者委員会を設置することになりました。

 クロザリルは、国内臨床試験において、治療抵抗性統合失調症の患者さんにおいて57〜67%に改善が認められました。また、5年近くの長期投与においても、精神症状のコントロールが可能であることが認められています。副作用は無顆粒球症、好中球減少症、耐糖能異常、てんかん、悪性症候群、痙攣、腸閉塞などの重大な副作用を含めて、ほぼすべての患者さんに発現しています(77例中76例)。

 今回の承認取得に際し、代表取締役社長 三谷宏幸は以下のように述べています。

 「クロザリルは、治療抵抗性の統合失調症に苦しむ患者さんやご家族から発売を待ち望まれてきました。このような患者さんに真に役立つ治療薬を医療の現場に届けられることを大変うれしく思います。本剤に関しては、安全性を中心とした情報提供を最優先に行うことが重要であると考えており、委員会の先生方や、医療関係者、当局の方々のご指導とご協力を得て、徹底した安全管理を図り、患者さんの治療に貢献していきたいと考えています」

 ノバルティス ファーマは、CPMSの適切な運用を通じ、今まで治療が困難であった治療抵抗性の統合失調症の患者さんが、クロザリルによって安全に治療できるよう、適正使用の推進に努めていきます。



 クロザリル、副作用もあるようですが知識のある人が適切に使えば、治療抵抗性のある統合失調症の患者さんにも有効とのことです。

 精神科領域の薬で新薬が承認されるのはいいことですね。使う人さえ間違えなければより多くの人の症状を緩和することができますし

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posted by さじ at 02:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

ハプスブルク家のスペイン王朝は近親婚の繰り返しで断絶した

「近親婚の繰り返しで断絶」=スペイン・ハプスブルク朝−遺伝学者

 中世から欧州各地を支配したハプスブルク家のスペインの王朝(1516〜1700年)断絶について、近親婚の繰り返しで発症する遺伝子疾患が原因だった可能性が高いとの説を同国の学者チームがこのほど、米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表した。

 スペイン・ハプスブルク朝最後の王カルロス2世(1661〜1700年)は体が小さく病弱で内臓疾患や血尿に悩んだ。2度結婚したが性的に不能だったとされ、世継ぎがないまま死亡。仏ブルボン家にスペインの王座を渡す結果となる。

 この王の16世代にわたる祖先や血縁者3000人の系図情報を基に、スペインのサンティアゴデコンポステラ大学の遺伝学者らが近親婚のリスク度を示す「近親交配係数」を計算したところ、係数は初代カルロス1世の父親の0.025から代を重ねるごとに上昇、カルロス2世では10倍の0.254に達した。

 同王朝の結婚11例中9例は近親婚で、カルロス2世も両親がおじとめいの関係だった。頻繁な近親婚は劣性遺伝子を発現させやすく、「2つの異なる遺伝子疾患(下垂体ホルモン欠乏症と遠位尿細管性アシドーシス)の同時発症」がカルロス2世を襲ったと遺伝子学者らはみている。



 王という絶対的な存在という以上、中世の頃は結婚相手もそれ相応の人でなければならなかったのでしょう。

 そうすると遺伝的に異常がある場合、疾患として発現しやすくなりますからね。

 日本も例外ではなく、天皇家などは結構遺伝的に危ないのかもなぁという説はありますね。民間から受け入れ始めたのは、天皇家の長い歴史からみればごく最近のことですし。劣性遺伝子のない人と結婚し続ければ問題なく繁栄すると思いますが。

関連:実の妹を愛した男性による近親相姦合法化、認められず。
posted by さじ at 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖
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