2009年04月15日

エステサロンのホクロ取りでクレーム続出。

化膿、皮膚陥没、クレーター状に 苦情続出「ホクロ取り」手術

 ホクロは悪性でない限り取る必要はないが、美容の面から取りたいという人も多い。小さめのホクロなら、レーザーを照射して取ることができる。メスで切開するのに比べて痛みが少なく、簡単にできるイメージがある。ところが、エステサロンで受けて、皮膚が陥没し、やけどの状態になってしまったというトラブルが相次いでいる。

 国民生活センターによると、医療機関外でホクロを取り、皮膚が陥没したり、やけどの状態になったりする、という相談が1999 年4 月1 日〜2009 年3 月31 日の10年間で少なくとも47件寄せられた。09年4月9日に発表した。

内訳はエステティックサロンで起こったケースが39件、ホクロ取りクリームを使用し自己処理によるトラブルが8件。年齢別では30歳代が20人、20歳代が11人、40歳代が8人。10歳代もいる。美容目的でのホクロ取りは若い人に多いようだ。

静岡県の20 歳代女性は、エステでレーザーによるホクロ取り施術を3 回受けた。1か所1 回1000 円という安さが魅力だった。弱い照射の施術なので皮膚へのダメージは少ないと説明され、軽い気持ちで受けたが、ホクロ以外の部分がやけどのようになってしまった

 ホクロが取れるという広告を見てエステに行ったという東京都の50歳代女性。広告には「ビューティーサポートクリニック」と書いてあったが、医師はいなかった。オゾンを数回浴びる事でホクロが消えると言われ、施術を受けた。痛みが強く、2日後には皮膚が化膿してしまった。

 ホクロの大きさ、根の深さなどで除去方法が変わる。直径7ミリ以下のホクロの場合、レーザー光線を照射して取ることが多い。エステでやっているのは、このタイプがほとんどだ。大きく、根が深い場合は、メスで取り除き、縫合する。医療行為なのでエステでは行えず、美容外科、皮膚科医院や大学病院で実施している。

 「美容外科・皮膚科の評判・口コミ掲示板」には、美容外科でホクロ除去をしたが、結局失敗だったという相談がたくさん書き込まれている。

 愛知県の美容外科でホクロとシミをレーザーで除去したという30歳代の男性は、術後3か月経過したが、シミもホクロも大きさすら変わらない。こんな不満を09年4月10日に書き込んでいる。

 取った部分が「大きなクレーター状」になっている、という女性もいる。東京都の美容外科で顔のホクロを除去した。雑誌に「治療後すぐにメイクをして帰れる」とか、「お出かけ前に気軽に立ち寄れる」と紹介されていたので安心して治療を受けに行ったが、結果は散々。2か月後に結婚式を控えているが、傷跡が目立っていて「泣きたい状況」だ。書き込んだのは3月29日だ。

 保健医療機関「広尾皮フ科クリニック」の和泉達也院長は、

「ホクロにはいろんなタイプがあります。表面が隆起していたり、皮膚の奥深くに入り込んでいたり。状態に応じて施術方法を見極めなければなりません。ホクロの構造がわかっていないと、本来、施術はできません」という。エステでホクロ取りをやっているのを知り、驚いたそうだ。

 トラブルが多い原因については、「説明不足」を指摘する。

 簡単にホクロを除去できるというイメージがあるレーザーだが、実際は数回にわたって照射しなければならず、それでも絶対消えるとはいえない。時間が経ち再発する可能性もある。リスクの説明がきちんとされず、理解しないで受けてしまう人が多いようだ。



 エステでホクロ取りなんてやっていたんですね。驚きです。そりゃあ向こうは利益目的でしょうから、知識不足、説明不足は容易に想像できますけれど。

 そもそも医療機関でもホクロ取ってくれるのに何故エステにいくんでしょうか。形成外科の先生というのはまさにスペシャリストです。縫合1つとっても、通常の縫合とは比べ物にならないほど繊細な技術を持っています。ほくろ取りというと形成外科か皮膚科ですけれど、どちらにしてもほくろ除去のために良い選択をしてくれると思います。素人がレーザーで除去しようとしても対処できない領域、手を出さないほうが無難ですね。

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posted by さじ at 05:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

エストロゲンは記憶力や学習能力を改善させる効果がある

エストロゲン:血流増え記憶や学習能力改善に効果…理研

 女性ホルモンのエストロゲンに、脳の血管を広げて血流を増やし、記憶や学習の能力を改善させる効果があることを、理化学研究所(理研)がマウス実験で発見した。老化に伴い、血流が減って起こる記憶障害の予防や治療薬の開発につながる成果で、10日付の米科学誌プロス・ワンに発表した。

 研究チームは、遺伝子操作で慢性的に脳の血流量が減少するマウスを作った。すると、エストロゲンを分泌する卵巣を切除した雌と雄だけ、神経細胞の周囲にあるアストロサイトという細胞が膨張して、神経細胞同士のつながりを邪魔し、記憶障害が起きた。

 また、遺伝子操作で血流が減った雄に、正常な雌の分泌量と同程度のエストロゲンを投与すると、脳の血管が拡張して血流が回復し、神経細胞のつながりが正常に戻った。さらに迷路を使った実験で記憶や学習の能力が回復したことを確認した。

 ただし、エストロゲンには女性化や乳がん発症の危険性を高める作用があり、そのままでは薬として使えない。理研の山田真久ユニットリーダー(神経生物学)は「アストロサイトの膨張を防ぐ薬を開発できれば、脳機能の改善に役立つのではないか」と話す。



 ホルモンが足りなければホルモンを投与すればいい、と思われがちですが、意外とそういうわけにもいかないんですよね。ホルモンは身体じゅうのあらゆるところでバランスを整えているので、実際に補充しようとすると副作用が出てしまう危険性もあります。

 記憶力など、脳の血流を改善する目的でエストロゲンを投与しても記事中にあるような副作用が出てしまうでしょう。より脳血管に特異的なものが開発されれば、治療薬として使えそうです。

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posted by さじ at 05:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

2009年04月14日

カフェインの離脱症状は頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如

その症状、カフェインの離脱症状?

 研究によると、カフェインの離脱症状には頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如、風邪のような症状、イライラや憂鬱感などがみられるという。離脱症状は最後にカフェインを摂取してから12〜20時間後に表れ始め、2日後をピークとして最長1週間程度続くこともあるといい、当然ながら摂取量が多いほど離脱症状の程度も大きいとのこと。

 カフェインには血管を広げるレセプターをブロックする作用があるため、頭痛の原因となっている場合もあるそうだ。妊娠でカフェイン摂取量を減らす必要に迫られる場合もあるだろうし、パニック発作や不安神経症などを患っている人はカフェイン摂取を控えるよう推奨されるという。また手術前の断食などでカフェイン断ちせざるを得ない場合もあるだろう。そういった場合、他の薬物と同じように徐々に摂取量を減らしていくことがお薦めだそうだ

 北米では80〜90%の人が毎日カフェインを摂取しているとのことで、専門家らはその半分が頭痛などの離脱症状を示す可能性があるとしている。



 身近にある薬物中毒ですかね、これも。

 適量が一番ですねー。中世あたりから人類はカフェインとともに歩んできたといっても過言ではありませんが、今の社会ほど手軽に頻繁にコーヒーを飲むこともなかったのでは。文豪バルザックは一日に何十杯もコーヒーを飲んだそうですが、カフェイン中毒だったんでしょうねぇ。

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posted by さじ at 03:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

凹んだ顔を凸面の顔として知覚してしまうホロウマスク錯視。

仮面の裏側が見える人・見えない人:「ホロウマスク錯視」

 お面の裏側に存在する凹んだ顔を、普通の凸面の顔として知覚する、「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視がある[Hollow face錯視、凹面顔錯視とも呼ばれる]。

 動画でこの錯視を経験することができるが、それが目の錯覚だと分かっていても、凹面の顔を凹面と見ることができず、脳が凹面を凸面ととらえてしまう。

 この錯視は、人間の脳が視覚世界を解釈する際の戦略によって起こる。それは、実際に目に見えるものと、過去の経験に基づいて見えると予想されるものを組み合わせて判断するという戦略だ。

 「トップダウン処理では、ストック写真のモデルのように記憶が蓄積されている」。『NeuroImage』誌に掲載された今回紹介する論文の執筆者の1人で、ドイツのハノーバー医科大学に所属するDanai Dima氏は説明する。「脳内のモデルでは、すべて顔が凸面になっているため、どんな顔を見ても、当然凸面のはずだと考えてしまう

 この予想の影響力が強いせいで、顔が反転していることを示す視覚的な手がかり、たとえば影や奥行きといった情報は無視されてしまうのだ。

 この錯視は、顔を使った場合にはよく成功するが、他の物体ではそうでもなく、顔を逆さにしただけでも効果が下がる。これはおそらく、人間が顔に対して持っている特別な関係性によるものと考えられる。神経科学者の多くは、人間の脳には顔を専門に処理する領域があると考えており、そのため、脳の損傷の仕方によっては、視覚や他の記憶には何の影響もないのに、顔の認識だけができないということも起こり得るという。

 興味深いことに、統合失調症の患者はこの錯視を起こさない。彼らは凹んだ顔を凹んだ顔として知覚する。米国では1000人中7人ほどが患っている統合失調症は、幻覚や妄想、計画能力の低下などを特徴とする疾患だ。このような現実からの解離は、ボトムアップ処理とトップダウン処理のバランスが取れていないことが原因ではないかと、一部の心理学者は考えている。この仮説をテストするべく、ホロウマスク錯視を使った研究が行なわれた。

 Dima氏と、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)のJonathan Roiser氏は、統合失調症患者がなぜこの錯視にだまされないのか突き止めようと考えた。そこで、統合失調症患者13人と、比較対照群として健常者16人を被験者に、fMRI(脳スキャン)を使って脳の活動を測定し、凹面と凸面の顔の三次元画像を見せた。結果は予想通りで、統合失調症患者は凹面の顔を凹面と知覚したのに対し、健常者は誰も知覚できなかった。

 Dima氏とRoiser氏は、動的因果性モデリング(DCM)という比較的新しい技術を用いてfMRIのデータを分析した。この技術によって、被験者がタスクを実行中に、脳の領域間での結びつきに違いがあったことが突き止められた。健常者が凹面の顔を見ているときには、トップダウン処理に関与する前頭頭頂ネットワークと、目から情報を受け取る脳の視覚野との間で結びつきが強くなった。一方、統合失調症患者にはそのような結びつきの強化はみられなかった。

 錯視において健常者の脳は、この結びつきを強めることで自らの予想する視覚(通常の凸面の顔)が優勢になるように処理し、それによって、実際には見えているが自らの想定には存在しない視覚情報を圧倒するのだと、Dima氏は考えている。一方、統合失調症患者の場合は、このような脳の経路をうまく調整できず、その結果、凹面の顔を現実として受け入れている可能性があるという

 凹面の顔が凹面として見えるのは、統合失調症患者だけではない。酒に酔っている人や、ドラッグでハイになっている人も、この錯視には引っかからない。この場合もやはり、脳が見ているものと、見えると予想されるものとがうまく結びつかない状態が、アルコールやドラッグによって引き起こされている可能性がある。



 有名な首振りドラゴンはこちら

 私はこれ完全に錯視になるんですよねぇ。これ考えた人はホント凄いと思います。錯視極まりない。

 でも錯視っていうのは脳の情報保管能力みたいなものなんで。むしろ統合失調症だと錯視が起こらないという事実が非常に面白いですね。
posted by さじ at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

植物にも体内時計があり生長発達に関与している。

植物概日時計とミトコンドリア機能の蜜月な関係を発見

 体内で約24時間周期のリズムを生み出し、生体の行動や生理現象を調節する体内時計の存在が知られています。体内時計は、細菌から人までさまざまな生物に組み込まれており、高等植物でも光合成や植物の生長・発達などに関与し、重要な役割を担っていることが分かってきました。

 遺伝子レベルの解析が急速に進み、時計関連遺伝子やタンパク質が見つかり、これらが相互に連携してリズムを生み出すことなどが明らかになっています。朝方、昼、夕方位相遺伝子の同定も進み、なかでも、低温ストレス応答の遺伝子が昼位相遺伝子に多く含まれていることも分かってきました。しかし、こうした植物の概日時計システム機能の理解も、代謝物のレベルではほとんど未知の状態でした。

 理研植物科学研究センターのメタボローム基盤研究グループは、名古屋大学と協力して植物代謝物を一斉に分析し、細胞内の概日時計と生体活動に必要なエネルギーを産出するミトコンドリア機能とが密接な関係をもっていることを発見しました。時計関連遺伝子を欠損させた変異植物体では、光や時間の条件に左右されず、ミトコンドリアの代謝経路であるクエン酸回路を構成する物質が、劇的に増加していたのです。

 概日時計システムとミトコンドリア機能の関係は、動物や細菌で示唆されていましたが、植物では初めてのことです。システムの理解から、ストレス耐性植物や有用物質産生植物の開発が可能になると見込まれます。同時に、代謝産物の一斉分析を可能にしたメタボローム解析が、複雑な生命現象を包括的に理解する戦術として確かであることが明らかになりました。



 日光を浴び続ける植物にこそ、むしろ体内時計は必要なものなのかもしれません。太陽の光の方向に伸びたり、葉を効率的に日光に当てるようになったりしていますからね。

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posted by さじ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

膵臓細胞に、甘味を感じる受容体が存在することを突き止める

おいしい糖尿病薬に道? 膵臓細胞に甘さ感知機能

 血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の「ベータ細胞」に、甘味を感じる受容体が存在することを、小島至群馬大生体調節研究所長らのチームがマウスの実験で突き止め、米科学誌に7日付で発表した。

 受容体が甘味を感知すると、ベータ細胞がインスリンを分泌することも確認されたという。甘味がインスリン分泌を促すことが分かったのは初めて。

 糖分のない人工甘味料を使って、この受容体に働く薬を作れば、味は甘く、しかもインスリン分泌も促すため、糖尿病患者に朗報となりそうだ

 チームは、マウスの膵臓内に島状に点在するランゲルハンス島(膵島)を取り出し、中にあるベータ細胞に甘味受容体の遺伝子があることを確認。試験管内で、膵島にスクラロースなどの人工甘味料を添加すると、インスリン分泌が増加した。



 面白い。膵臓の受容体すらも「甘み」を感じることができる、とは。甘味って味なわけですから、糖分を摂取するために舌でしか感じないものかと思っていました。まさかの膵臓という臓器に甘味受容体があるとは。内分泌、計り知れないです。

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2009年04月13日

アラキドン酸が脳の神経細胞の生成を促す。

アラキドン酸:心の病に予防効果?…卵・海藻含有の栄養素

 卵や海藻に多く含まれる栄養素「アラキドン酸」が脳の神経細胞の生成を促すことを、東北大などが動物実験で突き止めた。神経細胞の生成の減少は精神疾患に関係しているとの説があり、食品が精神疾患の予防や治療に役立つ可能性を示した成果という。7日付の米科学誌プロス・ワンに発表した。

 アラキドン酸は脳の発生に重要な役割を担う脂肪酸の一種。全脂肪酸中に4%のアラキドン酸を含む餌を与えた母ラットの母乳を、生後直後の子ラットに飲ませると、神経細胞の生成数は、アラキドン酸なしの場合に比べ30%増えた。生まれつき神経生成が少ないラットに同じ餌を与えると、それまで見られた不要な音に反応しやすい状態が改善した。この状態は統合失調症患者らに見られる

 アラキドン酸は体内で合成できない。大隅典子・東北大教授(神経発生学)は「脳の発生期に適切な栄養を取ることで、心の病を予防できる可能性がある」と話す。



 アラキドン酸は、不飽和脂肪酸のひとつ。4つの二重結合を含む20個の炭素鎖からなるカルボン酸。

 細胞膜中のリン脂質として存在し、なかでも脳に多く含まれる。 アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。

 遊離アラキドン酸は、アラキドン酸カスケードと呼ばれる代謝経路でシクロオキシゲナーゼ(COX、cyclooxygenase)により代謝され、PGG2を経て、発痛物質であるPGE2などが合成される。また、LT(ロイコトリエン)合成系で、炎症促進作用(気管支平滑筋や血管透過性亢進作用など)があるLTが合成される。
posted by さじ at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

女性の痩せ願望が原因で、未熟児の出産率が上昇している。

未熟児の出産率上昇 女性の「痩せ願望」が原因

 世界的に見ても日本の若い女性は「痩せすぎ」――こんな研究結果が出された。「痩せ願望」があまりに強い結果らしいが、ことはそれだけでは収まらない。最近では痩せた妊婦が増え、そのせいで未熟児の出産率が高まっている。日本の未来を左右する大問題になりかねないのだ。

日本人女性の痩せすぎについて調査したのは、筑波大学大学院の曽根博仁教授が担当する研究チーム。BMI(ボディマス指数)と呼ばれる、世界共通の「肥満度」を示す指数に着目した。BMIは体重を身長(メートル)の2乗で割った数で、日本肥満学会は標準値を22としている。調査では、アメリカ、韓国の数値と比較した。

それによると、アメリカの男女性、日本男性、韓国男性は、10歳以降は成長と共にBMIも増えた。BMIの数値は6歳以降、年齢とともに増加するのが一般的だ。しかし、韓国女性は、18歳頃にBMIの増加が止まり、20代は横ばいだった。そんな中、日本女に限っては15歳ごろにBMIの増加が止まり、20代は年齢とともに減少に転じたという。つまり、日本の若い女性は世界的に見ても「痩せすぎ」ということだ

痩せている方がよいという意識から、医学的に見て全然太っていない標準体型の女性がダイエットしてしまう……こうした女性が少なくないのでは、と見る曽根教授は「この結果は心配だ」と話す。

曽根教授によると、若い日本女性が「痩せすぎ」は以前から指摘されていた。しかし、世界的な傾向なのか、時代的な傾向なのか、詳細なデータはこれまでなかった。なお、この研究結果はアメリカの疫学誌「エピデミオロジー」の5月号に掲載予定だ。

しかも、こうした「痩せ願望」の影響が、若い妊婦にも及んでいるという。日本助産師会の市川香織さんは、「たしかにここ数年、痩せた妊婦さんは増えており、問題となっています」と明かす。妊婦が痩せている場合、2500グラム未満の「低出生体重児」を出産するリスクが高くなるからだ。

実際、「低出生体重児」は増加傾向にある。厚生労働省発表の人口動態統計によると、1990年の全出生数に対する低出生体重児は6.3%だったが、2004年には9.4%に上昇しているのだ。

市川さんによると、もともとBMIが低い女性が多いからだという。そのため、妊婦となった後も体重が思うように増えず、早産して低体重の新生児を出産する可能性が高くなる。低体重の新生児は将来太りやすく、生活習慣病にもかかりやすいとも指摘されている。もはや、母親だけでなく次世代的な問題となっている。

 「原因はメディアが発するイメージが大いに関係しているでしょう。痩せたモデルさん、女優さんが賞賛されていますし、ファッションにしても細身がかっこいい――そんな風潮に、思春期の女の子たちはずっと晒されています」

さらに、食生活や生活習慣がよくないことも問題だ、と指摘、生活習慣の改善を強く訴えている。

 「食事を3食きちんととること、早寝早起きを心がけることが大事でしょう。朝食の欠食はいけません。妊婦になったからといって、急に変えられるものではありません。小さい頃からの習慣はそれほど大事です」

なお、こうした妊婦の「痩せ問題」に対して、厚生労働省では2006年2月1日、「妊産婦のための食生活指針」を発表。母子の健康を確保するための、正しい食習慣を確立するよう呼びかけている。



 一人の命ではない、と昔から言われています。

 妊婦は自分だけの栄養ではなく、子供に注ぐ分も必要なのです。やせすぎの人で自分の栄養もギリギリというのに、子供の分をどうするつもりなのでしょう。

 太っているわけでもないのに、標準体重であっても満足しない女性の方々。女性同士だとやせすぎこそ美しいのかもしれませんけれど、男からみればやせすぎより標準体重なのです。価値観はそれぞれではありますが、子供のためにもここは少し妥協してみては。
posted by さじ at 22:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

自殺を図る若い男性は、8歳の時点で情緒的問題が現れる

自殺を図る若い男性の大半、8歳で兆候=研究

 自殺を図る若い男性の多くは、8歳の時点で重度の情緒的問題が現れることが、6日発表されたフィンランドの研究で明らかになった。自殺を図る女性の多くは、問題が出てくるのは思春期以降だという

 研究を指揮したフィンランドのトゥルク大学病院のAndre Sourander医師は「青年期や成人早期に真剣に自殺を図る人でも、男性と女性では異なる過程をたどることが分かった」と結論付けている。 

 医学誌「Archives of General Psychiatry」に掲載された同研究は、1981年に生まれた5302人を対象に追跡調査。男性27人と女性27人が24歳までに自殺を図り、そのうち男性13人と女性2人が実際に亡くなったいう。

  研究グループは、女性は服毒による自殺を試みることが多いが、男性はより致死性の高い方法で自殺を図る傾向があるとしている

 また自殺を図る人々がたどる過程として、男性の78%は8歳の時に、破壊的な気質や、攻撃性、他者への残酷さなど、教師や親にも分かる問題を示すという。 一方で、女性にはこのような傾向が見られず、情緒的問題が出てくるのは思春期以降だった。

 研究グループは、効果的な方法で兆候を示す子どもたちを見つけ出して治療し、自殺率を下げるようにすべきだとしている。



 なんででしょうか。遺伝的要因や環境的要因による、鬱病などのため?

 女性はどちらかというと感情的な「うつ状態」という感じなんでしょうか。思春期以降にそういう問題が出てくるという点からもちょっと男女の差がありすぎる気がしますね。

 子供の段階から何らかの兆候が現れているのなら社会的に何らかの対策を講じないといけないでしょうね。
posted by さじ at 02:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

専門家からアドバイスを受けると意思決定の脳の部位が停止する

専門家のアドバイスで、脳は「思考停止」

 金銭に関わる選択を行なう人の脳をスキャンした研究から、専門家からアドバイスを受けると、意思決定をつかさどる脳の部位がしばしば活動を停止することがわかった。

 このことの問題点は、もちろん、専門家のアドバイスが的確でない可能性があることだ

 「専門家のアドバイスがまったく道理にかなわない場合でも、行動に影響することを確認できた。まるで自分自身の価値判断を行なっていないかのようだ」と、研究論文の執筆者の1人であるエモリー大学の神経科学者、Greg Berns氏は述べている。

 Berns氏は神経経済学という学問分野を研究している。以前は注目を浴びるような分野ではなかったが、最近は注目を浴びている。世界的な経済情勢の悪化を受けて、市場の「見えない手」がどう動くのか、説明を求める人が増えている結果だ。

 Berns氏の論文は、3月4日付けの『Public Library of Science ONE』に掲載された。研究チームは、24人の大学生を脳スキャン装置に接続し、受け取りを保証されている金をあきらめて、それよりも当選金が高額であるような籤を引くチャンスを選ぶかどうか考えさせた。この際、学生自らが決定を下す場合と、米連邦準備銀行(FRB)にも助言しているエモリー大学の経済学者Charles Noussair氏が紙に書いたアドバイスを受け取る場合の2通りの実験を行なった。

 アドバイスはNoussair氏の名前で与えられたが、必ずしもNoussair氏自身が従うような内容ではなかった。きわめて慎重なアドバイスで、当たる確率と当選金が高くても、籤を引かずに、保証されている少額の金額を受け取るよう学生に促すことが多かった。だが学生は、状況に関係なくNoussair氏のアドバイスに従う傾向が見られた――特に状況が悪い時には。

 学生が自分の頭で考えた時には、脳の前帯状皮質と背外側前頭前皮質が活性化していた。これらは意思決定や計算に関係する部位だ。一方、Noussair氏からアドバイスをもらった時には、これらの部位は活性化しなかった。

 これは、管理された状況下で少数の大学生を対象に行なわれた実験の結果であり、予備研究でしかないが、その意味するところは常識に沿っている。Berns氏は投資家たちに、自分で調べて慎重に行動することを勧め、「立派な信用証明書や財務上の経歴」も、経済に明るいことを保証するものではないことを覚えておくよう勧めている。

 一方、将来的には、「意思決定能力が働いていない場合」にそれを知らせる脳スキャン装置を開発することは可能かもしれない、とBerns氏は述べている。



 権威ある人のアドバイスというだけで自分の判断のスイッチを切ってしまったかのような対応をしてしまうんですねぇ。

 大金を扱う時にはご注意を。
posted by さじ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

前立腺がんの遺伝子治療研究を承認、開始する。

前立腺がん遺伝子治療研究を承認

 岡山大が発見したがん抑制遺伝子「REIC」による前立腺がんの遺伝子治療の有効性を検証するため、同大大学院の公文裕巳教授(泌尿器病態学)らが申請していた臨床研究が6日、同大病院から承認された。国の承認を経て早期の治療開始を目指す。

 同研究は、ホルモン療法が効かなくなった患者(A)群と、前立腺がんの摘出手術後も再発リスクが高いと考えられる患者(B)群に実施。REICを組み込んだウイルス製剤(1ミリリットル)を患部に注射し、副作用の有無や治療効果を見る。

 A群は初日と4週間後、B群は初日と2週間後に同製剤を投与。8週目にA群は効果を判定、B群は病巣を摘出する。対象は両群とも12―18人。患者には同じ濃度を保ち、段階的にウイルス量を100億個、1000億個、1兆個と上げていき、最も安全で効果的な濃度を調べる。



 ウイルス製剤を用いた遺伝子治療の臨床治験。前立腺癌の治療法として様々な方法が考えられ、実行されてきました。その治療法の1つの選択として遺伝子治療も、ようやく実行されることとなりました。がんとの闘い、がんとの共存のためにも、治験の成果を大いに期待したいと思います。

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posted by さじ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

2009年04月12日

自閉症の原因の1つはシナプスの機能異常に起因する。

シナプス機能異常が自閉症の一因

 自閉症の原因の一つは、神経細胞中のタンパクが正常な網目構造をつくれないことに起因することを、理化学研究所脳科学総合研究センターの研究者たちが突き止めた。

 自閉症は、家族環境や社会環境とは関係のない先天性の脳機能障害で、原因因子として、神経シナプス形成時に働く遺伝子の異常がいくつか見つかっている。同センターシナプス機能研究チームの林真理子研究員、林康紀チームリーダーは米国やイタリアの研究者と共同で、原因遺伝子の一つとして知られるShank遺伝子がつくるタンパクとそれを結びつける役割を果たしているタンパク「Homer」の機能をX線結晶構造解析などにより調べた。

 その結果、2つのタンパクは網目構造をつくっており、この網目構造は、神経伝達物質の受容体を含むほかのタンパク質を固定する役割を果たし、シナプスの神経伝達機能に関与していることが分かった。

 自閉症の原因因子ではないかとされるほかのタンパク質の中にも、シナプスの機能に影響していると考えられるものがある。シナプスの機能を改善するような薬を開発すれば、自閉症の一般的な治療法の確立も期待できる、と研究者たちは言っている。



 脳のメカニズムは人体の中でも特に解明されていない最たるものです。

 しかし少しずつですが、前進しています。今はまだ研究段階ですが、将来はこれを応用した薬の開発も行えるようになると思います。

 考えてみれば統合失調症やうつ病も、画期的治療薬が開発され、実際に治療として劇的に効果を挙げるといったこともされてきました。自閉症に関しても同じようなことが期待できると思います。

 治療法が確立していない今は、自閉症児に関する正しい知識と理解が、全国民に求められる時代なのです。偏見をつくることなく研究が実を結ぶそのときを待ち望みたいと思います。

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乳児の拡張型心筋症にペースメーカーを用いた新療法を行う。

乳児の拡張型心筋症に効果 ペースメーカー使う新療法

 長野県立こども病院(同県安曇野市)は3日、心臓移植でしか救命できないケースもある乳幼児の拡張型心筋症の患者に、成人患者に行われているペースメーカー治療を5例実施し、うち4例で退院できるまで回復する治療効果があったと発表した

 同病院は「日本では認められていない小児の心臓移植を回避できる可能性もある」としている。

 同病院が行ったのは、心臓再同期療法と呼ばれる方法で、ペースメーカー(縦約3・5センチ、横約4センチ、厚さ約1センチ)を手術で体内に埋め込む。心臓の右心房、右心室、左心室に電気刺激を与えることで、心不全の改善を目指した

 同病院は2004年9月から今年3月、入院時生後2カ月から13カ月の患者5人に実施。うち男児1人が小学校(2年生)に通えるまでに回復するなど4人が退院した。1人は感染症などで死亡した。

 同病院循環器科の安河内聡部長は「拡張型心筋症は重症な心不全を起こす病気で、薬で改善しないことが多い。こうした治療法もあることを知ってほしい」と話した。



 いわゆる対症療法ですかね。拡張型心筋症という病気はチームバチスタの栄光や医龍などで一躍有名になりました。

 その治療法は心臓移植などですが、日本では乳児に心臓移植することが出来ないので、代替的にこういった治療法の確立がなされたわけです。しかしそれでも小学校に通えるほどに回復するとはかなり劇的な改善ではないでしょうか。

 こういう治療法とともに、心臓移植も認められるといいんですけどね。。。幸運なことに健常に生まれ育った人たちが政治家として今の社会を動かす立場にいて、もしかすると大人になるまで生きていられないかもしれない重篤な病気を抱えた子供を助けられないというか、助ける技術があるのに認めようとしないという部分に、やるせなさを感じます。

 最近強く思うんですけれど、例えば飛行機に乗っていて、1人だけ助けることができるとしたら、そりゃもう小さい子供を助けるべきだと思うんですよね。生きている以上、次の世代を救っていくのは当然だ、と。国を良い方向へ導く可能性のある子供を救わずにいて、どうして医療先進国と謳っていられるのでしょうか。

 この画期的治療の選択肢とともに、心臓移植という選択肢を選ぶことができれば、より多くの子供たちが助けられます。正しい判断を、社会の人々にしてもらいたいと願ってやみません。

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posted by さじ at 02:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

ブルーベリーが目に良いことを初めて実証することに成功する。

ブルーベリー「目にいい」実証 岐阜薬科大の原教授

 ブルーベリーの実に豊富に含まれる主成分アントシアニンに、目の網膜にある血管や神経の細胞を保護する作用があることを、岐阜薬科大の原英彰教授(薬効解析学)が突き止めた。俗に「ブルーベリーは目にいい」と言われてきたが、動物実験などで実証したのは初めてという。

 原教授が検証したのは、網膜に新しい血管が次々とできて視力を低下させる糖尿病網膜症と、老化や紫外線といった「酸化ストレス」で悪化するとされる緑内障への効果。

 実験では、ヒトの血管細胞に血管を増やす物質を加え、血管の数を2・5倍に増殖させて疑似的に糖尿病網膜症の状態をつくった。これにアントシアニンを加えたところ、血管の増殖が抑えられ、マウスの網膜を使った実験でも同様の結果が得られたという。

 また、ラットの網膜神経細胞に酸化ストレスを増やす物質を加え、細胞の4割を死滅させた上でアントシアニンを加えると、それ以上の細胞の死滅を防ぐことができたという。

 原教授は「アントシアニンにある非常に強い抗酸化作用が関係していると考えられる。ただ、ブルーベリーを果物として食べるだけでは足りないので、サプリメントなどで効率よく摂取するのがいいだろう」と指摘している。



 ブルーベリーといったら目に優しい、目に優しいといったらブルーベリーですが、この働きを実証したのは初めてだそうで。

 昔から言われていた「通説」を科学的に解明した瞬間です。漢方なども最近はそのメカニズムなどが明らかになりつつあります。同じようにして鍼やツボなども科学的に解明する時代が来るのかもしれません。本当に足ツボは全身を良くするのか、など興味は計り知れないものがあります。

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posted by さじ at 02:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科

心筋細胞も再生することを確認する。

心臓細胞の自己再生を確認

2009年4月、1950年代の地上核実験に伴う放射性物質を分析することにより、成人のヒトの心筋細胞が再生されることを突き止めたとする研究論文が発表された。

 体内の放射性物質を手掛かりに、心臓の細胞が自己再生する事実を確認したとする研究論文が発表された。一般に、心臓は損傷を受けると回復が困難とされるが、この研究によって、心臓治療に新たな道が開かれるかもしれないと期待されている。

 成人のヒトの場合、心臓についても細胞が定期的に分裂・再生して入れ替わっているのかについては、長い間はっきりしたことはわからなかった。だが今回の研究により、全身に血液を送り出す際に心臓を伸縮させる心筋の細胞が、実際に自己再生していることが確認された。また心筋細胞の再生率は、25歳では年に1パーセント、75歳ではかなり低く、年に0.45パーセント前後であることもわかった。

 共同研究者の1人で、スウェーデンのカロリンスカ研究所で細胞生物学を研究しているヨナス・フリーセン氏によると、「心筋細胞が自己再生するという事実を証明できなかった背景には、この再生率の低さがある」と話す。「寿命の短い細胞であれば、頻繁に自己再生されるため、その研究も容易だが、再生率の低い細胞を研究する場合には従来の手法は役に立たない」。

 そこで今回の研究では、画期的な手法が用いられた。1950年代に地上核実験が行われていたことに着目した研究チームは、核実験より前に生まれたヒトを対象に、その体内に含まれる放射性物質を詳しく調査し、被ばくした心筋細胞が被験者の誕生後に生まれたものであることを突き止めた

 アメリカ心臓協会の会員で、メリーランド州ボルチモアにあるジョンズホプキンス大学のゴードン・トマセリ氏は次のように話す。「これまでにも心筋細胞が自己再生するという証拠はいくつか発見されていたが、それについてはあまり議論がなされなかった」。その上で同氏は、「今回得られたデータは、心筋細胞の再生が心臓内部で行われることを示唆するものだ」と指摘する。

 1950年代、地上で核実験が行われていた影響により、大気中に含まれる放射性炭素(炭素14)の量は飛躍的に増加した。そのため、当時既に生存していた人々の組織からは微量の炭素14が検出される。この事実を利用すれば、DNAに含まれる炭素14の量から、その細胞が生まれた時期を特定することができる。

 フリーセン氏らは、カロリンスカ研究所で死亡した患者14人の心筋細胞と、イギリスのヒト組織バンクに保管されていた心筋細胞から、それぞれ細胞核に含まれるDNAを抽出した。研究の詳細は3日、「Science」誌で発表される。

 ヒト組織バンクに保管されていた心筋細胞はすべて、1950年代の地上核実験が始まる最長22年前に生まれたヒトのものである。分析の結果、一部の心筋細胞で炭素14の濃度が高い値を示した。これはその心筋細胞が、提供者の誕生後に発生したことを示唆している。

 フリーセン氏によれば、心臓以外の臓器でも細胞は再生されているが、そのほとんどは心筋細胞よりも活発に行われるという。例えばヒトの白血球は、1年間ですべて生まれ変わる。

 今回の研究結果は、ヒトの心筋細胞の成長を促進する新薬や治療方法の開発に光明を見いだせるかもしれないとフリーセン氏は指摘する。ヒトの心臓は損傷を受けると回復が難しいが、その原因は心筋細胞の再生に時間が掛かることにある。

 現在、心臓の再生治療は、心臓以外の臓器や骨髄から取り出した細胞を心臓に移植するのが一般的だ。幹細胞(あらゆる組織に分化できる万能細胞)を使った治療方法もあるが、幹細胞は抽出するだけでも手間と費用が掛かる上、さまざまな副作用を招く恐れもある。

 トマセリ氏は、「今回の発見がきっかけとなって心筋細胞の自己再生を速める治療方法が開発されれば、これまで移植に頼ってきた心臓の再生治療は一変するだろう」と話す。研究チームは既に、心筋細胞の再生速度の低下が心疾患の発症に関係しているかどうかを解明する新しいプロジェクトに取り掛かっている。



 研究の対象となる着眼点が素晴らしすぎる。

 20代でも年に1%しか再生しない心筋。年をとると更に再生率は減る。しかし再生しているのは事実ですから、どういうメカニズムで再生するのか、といった点を研究し、賦活化することができれば、新たに内服治療として心筋を再生し、心臓をサポートすることが出来るようになるかもしれません。

 心臓移植は数も少ないですし、心臓をサポートするにも限界がありますし、根本的な解決はなかなか容易ではありません。少しでも再生率を上げることができれば、薬だけで助けられる人たち、日常活動を向上させることが出来る人たちは大勢いると予想されます。
posted by さじ at 01:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

2009年04月11日

脂肪を分解する新しいメカニズムを日米研究チームが発見する

脂肪:分解に自食作用関与 日米チーム、肥満治療薬開発も

 細胞内の脂肪を分解する新しい仕組みを日米の研究チームが発見し、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。たんぱく質分解のときに起きる「オートファジー」(自食作用)という仕組みが、脂肪分解にも寄与しているのが初めて分かった。肥満治療薬などの開発に役立つ可能性があるという。

 オートファジーは、飢餓状態になった生物は、細胞内のたんぱく質を膜で包んでアミノ酸に分解し、エネルギーを得たりする仕組みとして知られる。研究チームが、マウスの肝細胞を観察したところ、飢餓状態になると、膜が現れて細胞内の脂肪を包み込み、リソソームという小器官が結合して分解するのを発見した。脂肪の周りには、オートファジーに不可欠なたんぱく質が存在していた。また、オートファジーが起きないよう遺伝子操作したマウスの肝臓を調べると脂肪肝となった。



 ここまで進歩し続けた医療においても続々と新発見が出てくるものです。一体生物の身体はどれだけ神秘的なのか。

 今のところ肥満の治療としてはやはり運動と正しい食生活が求められたり、一部肥満治療薬などもありますが、この発見でもしかすると数年後には新しい肥満治療薬が出来るかもしれません。太りやすい人・太りにくい人の細かな違いなども明らかになるときがくるかも。
posted by さじ at 03:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | 消化

マリファナの有効成分が、がんの増殖を抑制する

マリフアナの成分、がんの増殖を抑制=スペイン研究

 マリフアナの有効成分が、がんの増殖を抑制するというスペインの研究結果が、1日発行の医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに掲載された。

 マリフアナに含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分をがんを発症しているマウスに投与したところ、腫瘍の成長が抑制され、オートファジーというプロセスの中でがん細胞が破壊されたという。

 研究に携わったマドリードのコンプルテンス大学のギリェルモ・べラスコ氏は「今回の研究で、THCを治療効果のある安全な方法で投与すれば、がん患者にも役立つ可能性があることが示された」と述べた。 

 マリファナの健康への影響を調べた研究はこれまでにも多くあり、心臓発作や脳梗塞、がんのリスクを高めるという研究結果も出ている。一方で、アルツハイマー病の予防に役立つとの報告もあり、多くの医師がエイズ患者の体重増加などに役立つとの認識を持っている。

 研究チームは、脳腫瘍の患者2人にも臨床試験を行っており、THCの投与でオートファジーが確認されたという。 



 どこに薬効が潜んでいるか分からないもんですねぇ。マリファナからも応用が利く成分があるということで、医療大麻としての解禁ももしかしたらあるかも。

 先日出された厚生労働省の見解によると、医療大麻を縛っておく理由はない、という感じでしたが。どうなることか。
posted by さじ at 03:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

2009年04月10日

ウイルスを電極にしたバッテリーをMITが開発する。

ウイルスを使ったバッテリー、MITが開発

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、遺伝子操作したウイルスを使ったバッテリーを開発した。

 このバッテリーは、ハイブリッドプラグインカーで使われる最新の充電式バッテリーと同程度の容量と性能だとMITの研究チームのアンジェラ・ベルチャー氏は述べている。個人向けの電子機器にも使えるかもしれないという。

 従来のリチウムイオンバッテリーでは陽極(酸化コバルトかリン酸鉄リチウム)と陰極(黒鉛)の間をリチウムイオンが流れる。MITのバッテリーは、ウイルスを遺伝子操作してリン酸鉄でコーティングし、カーボンナノチューブで配線することで、ウイルスを電極として使用するという。使用するウイルスは一般的なバクテリオファージで、バクテリアには感染するが、人間には害はない。

 実験では、プロトタイプは少なくとも100回、容量の低下なく充放電できたという。現行のリチウムイオンバッテリーの充電サイクルよりも少ないが、「もっと長持ちするようにできると思う」とベルチャー氏は言う。

 同氏らは、このバッテリーは、室温かそれ以下の温度で合成でき、有害な有機溶剤は不要なので、環境に影響を与えずに安く製造できるだろうとしている。また非常に軽量で、容器の形に合わせた柔軟なバッテリーが実現可能だとしている

 今後の取り組みとしては、リン酸マンガンやリン酸ニッケルなど、電圧や容量の高い素材を使って、もっと高性能のバッテリーを目指すという。次世代バッテリーが完成したら、商品化が可能になるかもしれないと同氏は述べている。



 さすがMIT・・・。

 発想外のところを現実にしてしまうあたりが世界最高の技術力か。

 ウイルスを電極として使う電池・・・想像できません。どんなメカニズムになっているんでしょう。確かに安価、軽量、自然にやさしいと、アンチ電池みたいなところは優れたセールスポイントか。

 いつか市場にでるんですかね。これが巷に広まっているさまは全く想像できません。

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posted by さじ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

ガードナー国際賞に山中伸弥教授と森和俊教授

ガードナー賞に京大の山中伸弥教授と森和俊教授

 基礎医学や臨床医学の研究に多大な業績を上げた研究者に贈られる世界的な医学賞「ガードナー国際賞」の今年の受賞者に、京都大の山中伸弥、森和俊両教授が決まり、京都大が31日、発表した。

 受賞者の約4分の1がノーベル賞も受賞しており、日本人ではこれまでに利根川進氏(ノーベル生理学・医学賞)ら6人に授与されている。山中教授は新型万能細胞(iPS細胞)樹立、森教授はたんぱく質の品質を管理する細胞の仕組みを発見した業績が評価された。ガードナー国際賞は、カナダのガードナー財団が、国内外の個人に贈っており、今回は7人の受賞者のうち2人が日本人。



 おめでとうございます!

 普通ノーベル賞というと、受賞するまでほとんどバクチみたいな感じになってますけれど、iPS細胞を発見した山中教授ほど、ノーベル賞に近い人はいないでしょう。ほぼ確実に受賞する、それぐらいインパクトのある研究でした。

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posted by さじ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

2009年04月09日

脳の免疫細胞「ミクログリア」の働きを解明する。

脳免疫細胞:鍋倉淳一教授、働きを解明、新治療法に活用も

 脳の免疫細胞がほぼ1時間に5分の頻度で異常の有無に対して定期検査の働きをしていることを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の鍋倉淳一教授(神経生理学)が解明した。1日発行の米神経科学学会誌電子版に発表した。

 最新のレーザー顕微鏡で、マウスの脳の免疫細胞「ミクログリア細胞」(直径0・1ミリ)の働きを撮影した。神経のつなぎ目のシナプスに、50〜80分に一度、4分30秒〜4分50秒にわたって接触し、異常の有無を検査していた。先端を膨らませて接触する様子は、まるで医者が聴診器をあてるようだった。

 脳梗塞や脳虚血などの異常があると、接触はシナプス全体を包んで1〜2時間と長くなり、精密検査の役割を果たしていた。異常時にはシナプスが再編成されたり、除去された。

 鍋倉教授は「免疫細胞を刺激すれば、傷害を受けた脳の修復を早めたり、リハビリに効果的かもしれず、新しい治療法の可能性が出てきた」と話している。



 人体って凄いです。

 簡単に、何億年も前に生物が生まれて、進化を重ねて、今の人間がいるといっても、ホントありえないぐらい細かいメカニズムで動いているもんです。脳の極小の神経細胞を定期的に検診して、異常があったら再編成したり除去したりしてくれる細胞が、当たり前のようにいるんですよ。

 ホント凄い。大興奮。(私だけでしょうか・・・)

 確かにこの細胞を活性化することができれば、脳梗塞などの時に、すぐに再生することもできるかもしれません。期待の膨らむ研究です。
posted by さじ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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