2009年03月31日

マゴットセラピー、通常の治療法と効果に大差はない。

うじ虫療法、通常の治療と効果に大差なし=英研究

 「マゴットセラピー」として知られる、うじ虫に壊死した細胞を食べさせる傷口の治療法は、傷口を素早くきれいにすることはできても、傷を早く治すことにはならないことが、初の比較臨床試験で明らかになった。

 英ヨーク大学が実施したこの試験は、静脈性下腿潰瘍の患者267人に対し、マゴットセラピーか、ハイドロゲルを使った治療のいずれかを行い、比較したもの。 

 それによると、治療の結果や費用に大差はなく、マゴットセラピーを受けた患者の中には、通常の治療よりも苦痛を感じると訴えた人もいた

 マゴットセラピーは、古くはナポレオンの軍医などが用いた治療法として知られ、南北戦争や第1次世界大戦中にも使われてきた。

 最近では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など危険性の高い感染症の治療に役立つ可能性があるとして、再び注目を集めていた。



 壊死した細胞だけを食べてくれる、というだけでも十分マゴットセラピーをやる意義はあると思うんですけどね。

 でもどうやらウジを用いるほうが、治療が早く進む、という程度の効果はなかったようです。うーん。

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posted by さじ at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」

注射針使わず電流で 痛くない予防接種、京都薬科大開発
  
 注射針を使わずに、弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」の開発に、京都薬科大や北海道大などのグループが動物実験で成功した。麻酔薬などの投与法では実用化されているが予防接種成分ではできなかった。28日の日本薬学会で発表する。

 薬物に電気を帯びさせて、電流を使って皮膚に吸収させる手法は、注射針のように皮膚を傷つけず痛みもない。日本ではほとんど使われていないが、痛みを極度に嫌う人が多い米国などでは需要があるという。薬を飲み込めない高齢者や飲んでも吐いてしまう人などにも使われる。

 しかし、予防接種成分は、分子量が大きく、電気を帯びにくいため、この手法が使えなかった。そこで、京都薬科大の小暮健太朗教授らは、予防接種成分に、リポソームという電気を帯びやすい物質を混ぜて粒子状にした。ネズミの背中の皮膚に電流を流して送り込むと皮下にまんべんなく広がった。免疫が刺激され、予防接種成分に対する抗体ができたことも確認した

 インフルエンザでは最初に感染する鼻やのどなどの粘膜に抗体ができると、予防効果が高まるとされるが、予防注射による抗体は主に血液中にできる。今回の方法で、補助に加える物質を工夫すると粘膜にも抗体ができるという。



 へぇー。痛くないことって結構重要ですからね。

 極力患者さんには痛くないようにしてあげたい、とは医療従事者なら誰しも思うことですが、患者さんのためにもやらざるをえないわけですから。

 日本人は我慢が得意というか美徳に思っているところがあるんで、海外のように注射前に麻酔クリームを塗ったりすることはないんでしょうけれど、特に子供とかの場合はこういう手法のほうが良さそうです。

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posted by さじ at 01:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

百日咳の患者数が過去最悪のペース。流行が止まらない。

百日ぜき患者数最悪ペース、初夏に流行の可能性

 激しいせきが続く百日ぜきの患者数が、今年は過去10年間で最悪のペースで増えていることが国立感染症研究所の調査でわかった。

 調査は、国内3000か所の小児科を選定。今月8日までに報告された患者数は775人で、流行した昨年同期(582人)の約1・3倍。北海道から九州まで広い範囲から報告が寄せられており、初夏の流行期にはさらに増える恐れがある

 近年、百日ぜき患者は右肩上がりで増加。2005年は1358人だった患者数が、07年には2926人に増え、流行した08年は6749人に達した。

 ここ10年は大人の感染が増えているのが特徴で、10年前は数%だった20歳以上の患者の割合が、昨年は36・7%を占めた。百日ぜきは定期予防接種の対象だが、乳幼児の時に打ったワクチンの効果が大人になって薄れたのが原因らしく、それが患者数全体の増加につながっている可能性もある。

 百日ぜきは激しいせきが数か月続くほか、乳幼児だと手足にマヒなどの後遺症が残る場合があり、重症だと死亡する。



 予防接種を受ければかかることはない、とされていますが実際はその効果が薄まれば大人になったときにかかることはあるということですね。

 なんか増えているらしいので要注意です。そういえば毎年、当ブログでも春ごろに百日咳のニュースを取り上げている気がします。

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2009年03月30日

耳で聞く麻薬「i-doser」を韓国で取り締まる。

韓国にも上陸、「耳で聞く麻薬」騒動

 アメリカやヨーロッパで問題になった「i-doser」と呼ばれるMP3ファイルが韓国の青少年の間で流行し、政府機関がファイルの削除や検索禁止など、取り締まりを始めた。どこまで本当か知らないが、このi-doserは脳波を調節するという周波数を繰り返し、麻薬を服用したのと同じ効果があるとネット上では喧伝されている。

 あまりの噂の広がりに、テレビ番組ではi-doserは本当に覚醒効果があるのかという実験まで行った。1時間ほどi-doserファイルを聴かせた後の感想は、何の効果もないという人もいれば、熟睡できた、気持ちよかったという人もいた。一方で、翌日になっても頭痛と吐き気がしたという人もいたため、有害性があるのではないかと一部では問題になっている。リアルの麻薬を取り締まる食品医薬安全庁をはじめ、放送通信審議委員会、保健福祉家族部が集まり、i-doserの有害性を研究し、安全性が判明するまでインターネットで流通できないようにした。

 i-doserはコミュニティサイトを中心に2009年2月ごろからファイルが掲載されるようになり、ポータルサイトの人気検索キーワードとして登場したのをきっかけに一気に広まった。「i-doser」、「耳で聞く麻薬」、「サイバー麻薬」など、関連性のあるキーワードでは検索できないようにし、MP3ファイルは削除している。政府機関はi-doserに有害性があると判明された場合、医薬品管理法と青少年保護法、電気通信法を改定してでも、取り締まりを強化するとしている。

 好奇心旺盛な青少年だけに、脳波を調節して麻薬を服用したのと同じ効果があるファイルがあると聞けば試してみたくなるのだろう。ネットのブログやコミュニティの掲示板には数千件のi-doser体験談が投稿され、どこどこのサイトにいけばまだファイルをダウンロードできるといった情報までやりとりされている。アメリカの動画投稿サイトにはi-doserを聴きながら発作を起こす人の動画が投稿され、これがまた韓国のポータルサイトなどにコピーされて出回り、さらに好奇心を刺激することになった。



 何でしょうか、これ。効くんでしょうか。好奇心旺盛な私も試してみました。

 至ってフツー。別に規制されているわけではなく、Youtube等でも聞くことはできます。ヘッドフォン推奨らしいです。

 I-Doser MarijuanaQH

 最初はテレビの砂嵐みたいな雑音がずっと聞こえて、5分22秒ぐらいから凄くうるさい音がします。もうただうるさいだけ。我慢して10分聞きましたが別に何ともないですね。プラセボ的な効果じゃないですかね。

 で、これの最初の砂嵐を聞いていて思ったんですけど、赤ん坊を泣き止ませるにはテレビの砂嵐を見せればいいっていうトリビアだか何だかが昔からありましたよね。あれはもしかすると赤ちゃんに一定の周波数を与えることで感情が安定して泣き止むとかそういうアレでしょうか。このi-doserを肯定するわけではないですけど(実際に効果なかったし)、もしかすると何か関係あるのかなぁと。

 1つだけで判断するのもアレなんで、別のやつをもう10分我慢して聞いてみましたが、特に何もありませんでした。

 なおi-doserはここのサイトでmp3をダウンロードできるようです。気分を害する可能性もあるみたいなんで自己責任でどうぞ。Youtubeにもたくさんありますし。効果はない、と思います。人によるんですかね。

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posted by さじ at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

合併症やエビデンスなど分かりにくい病院言葉800語を置き換える。

「病院の言葉」を明解に―国語研が都庁で講演

 難解な医療用語を分かりやすく―。医療者と患者のコミュニケーションの向上を図るため、2007年に設立された独立行政法人国立国語研究所の「病院の言葉」委員会。昨年秋にまとめた中間報告では、「炎症」や「エビデンス」など57語について伝達の工夫を提案した。3月の最終報告発表を間近に控え、同研究所研究開発部門言語問題グループ長の田中牧郎氏がこのほど、東京都庁で医療者を前に講演した。田中氏は「これ(提案)がマニュアルとして受け止められるとまずいので、あえて言葉はこのぐらいに限り、考え方を示した。あとは現場で応用していただきたい」と語った。

 まず、同委員会が現場の医師に実施したアンケートで、医療者が患者とのコミュニケーションで問題があると感じている言葉を調査。その結果、800種類の用語が寄せられた。

 その800語を分析したところ、(1)患者に言葉が知られていない(「重篤」や「日和見感染」など)(2)患者の理解が不確か(「炎症」や「ショック」など)(3)患者に理解を妨げる心理的負担がある(「腫瘍」や「予後」など)―の主に3つに分類された。それぞれの用語を各類型に当てはめる目的で、選定した100語について、非医療者を対象にさらに調査を行った。

 中間報告では、(2)を理解度と認知度の観点から、▽意味が分かっていない▽知識が不十分▽別の意味と混同―の3つに細分化。その上で、(A)日常語に言い換える(B)明確に説明する(C)重要で新しい概念を普及する―の3つの工夫を示し、さらに100語の中から選んだ57語について提案した。

 講演で田中氏は、「30年ぐらい前と比べると、今の医療者の方々は本当に患者に説明していると思う」と評価しながらも、「患者から見ると、説明されていても、本当に分かって同意しているのかという問題がある。おそらく医療者の方々も、『この患者さん、分かってないな』というふうに感じているが、解決しようという機運に医療界がなっていないと思う」と、言葉の専門家の立場から検討を始めた経緯を説明。

 また、他の表現に言い換えてほしいカタカナ語を尋ねた意識調査で、「政治・経済」と「医療・福祉」の分野の割合がそれぞれ56.4%、56.0%で突出して高かった例を挙げ、「カタカナ語が多いか少ないかの問題ではなく、分かりにくい言葉があると困る。その部分について言い換えてほしい」と指摘した。

 (2)の「別の意味と混同」の中で、田中氏は「合併症」を例示し、「『合併症』はかなり深刻な問題が起こっている。訴訟に発展する場合もある」と発言。「別々のものが一つになる」という日常言語としての「合併」のイメージについて触れ、「ある病気が原因となって起こる別の病気」という意味の「病気の合併症」と、「手術や検査などの後、それらが基になって起こる病気」という意味の「手術や検査などの合併症」との違いを説明した。

 特に「手術や検査などの合併症」では、手術や検査の後に発症するため、患者やその家族が「医療ミス」と勘違いするケースがあると指摘。解決策として、分かりやすい説明を心掛け、「手術や検査などの合併症」では、「併発症」「手術併発症」「検査併発症」といった別の言葉を使用することを提案した。

 同委員会では、中間報告の内容をまとめた冊子「病院の言葉を分かりやすくする提案」を全国の臨床研修指定病院に郵送。その後、インターネット上で実施したアンケート(途中経過)では、「参考になった」と考える医療者の割合が9割以上に上り、満足度の高さをうかがわせた。

 田中氏は、「今回こういうことをやって、類型と例を示した。あとは、現場で体験の豊富な医療者の方々が自分たちで工夫をすれば、おそらくうまくいくだろう。調査のデータは100語しかないが、経験を積んでいくと、患者が理解していそうな言葉と分かってなさそうな言葉は分かるのではないか」と述べ、医療者と患者のコミュニケーション向上に期待感を示した。

 最終報告を発表するフォーラムは3月7日に都内で開かれる予定で、同10日ごろには57語を網羅した市販本も発刊される。



 医療用語を分かりやすい言葉に置き換える、というのも、医者に求められる1つの能力なのでしょう。

 近年、医者は患者さんが分かりやすいように努力して説明するようになっていると思います。それでも、「これじゃあわからんだろう」という説明もしばしばあるのが事実です。

 自分が医学部に入って知った言葉は、患者さんは当然知らないわけです。それを出来るだけ一般用語に置き換えて話す、というのは有能な医師ならば既にやっていることだとは思いますが、なかなか出来ない医者というのもいます。そういう人のためにもこういったフォーラムやマニュアル作りは必要です。

関連:精神病院→精神科病院へ名称変更
posted by さじ at 22:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

ADHDの治療に関して、親と医者の間で認識の差がある。

ADHD児の治療 親と医者で認識に差

 1学級に1人はいるとされる注意欠陥多動性障害(ADHD)児の治療について、日本と海外の保護者では不安な点や治療への期待が大きく異なることが、国際調査で分かった。国内で保護者と医師の間にも、治療方針などの認識の差が浮かんだ。専門医や患者団体は、子供の自尊心を高めると同時に治療や支援態勢の充実を求めている。

 「日本の保護者は、社会への適応という狭い範囲で子供の将来を考える傾向が強い。海外では社会うんぬんより、一個人としていかに幸せに暮らせるかを最初に考えるようだ」

 調査結果を見ながら、日本発達障害ネットワーク代表の児童精神科医で北海道大大学院教授の田中康雄さん(50)が分析すると、中学生の息子がADHD治療を続ける30代母親は「海外では人と違うことを個性とみる傾向があるが、日本ではまだ“違い=いけない”という感覚が根強いから」と背景を説明する。

 調査は世界精神保健連盟と日本イーライリリーが共同で行った「ADHD360国際調査」。日本、韓国、中国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、スペイン、メキシコの9カ国で保護者と医師に聞いた。

 田中さんが指摘するのは「子供の将来に重要と思うこと」(複数回答)で、日本の保護者は「自立した生活」「社会への適応」が86%、75%と圧倒的に多いが、外国の保護者は46%、36%と各半分ほど。代わって「幸せに暮らす」が65%と圧倒的多数で、日本は逆に42%にとどまる。「キャリアを伸ばす」も外国の23%に対し日本は4%だった。

 国内の保護者と医師に「子供の成長過程で心配なこと」を聞くと、保護者では「基本的日常生活が難しい」に次いで「自尊心を育てられない」が49%に上るが、医師は11%のみ。逆に医師は「学校で適切な行動をとれない」「学校での学習ができない」が56%、32%なのに対し、保護者は9%、13%にとどまる。

 保護者と医師の認識差について「医療側は子供がまず集団に適応できるかどうかを重視し、結果として自尊心が生まれると考える」と田中さん。30代母親は「子供が学校に適応することはあきらめている親が多い。ただ、学校という物差しだけでなく、自分らしい自尊心を高めてほしいと願っている」と打ち明ける。

 ADHDの患者とその家族を支えるNPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さん(49)は「集団の中で子供が自尊心を失っていくのを親は目の当たりにし、何とかしたいと切望しているのに、医師が自尊心に重きを置かないことが分かり、驚きと同時に心配だ」と指摘する。

 ADHDは脳神経系疾患とされ、有病率は子供の3〜5%といわれる。治療薬は米国の7種に対し、日本では1種しか承認されておらず、国内の治療・支援態勢も不十分だ。田中さんらは「日本でも患者側への具体的な治療計画構築や実際の手順の提示、十分な説明や診察の確保などが必要だ」と話している。



 日本ではコンサータのみですからね。治療薬の選択の少なさは日本が抱え続けている大きな問題です。

 こういう児童精神医学的な問題は、患者と医者というより患者の家族と医者の問題になってくるのでしょう。アメリカと日本の家庭や社会との折り合いというのはまた違う話なので、日本独自にADHDに対する扱いを考えないといけません。まずはその病気がどういうものなのか、を理解することから始まりそうです。

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posted by さじ at 21:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

歯の矯正の初診患者は、半数が小学生。

歯の矯正、初診患者は小学生が半数近く

 歯の矯正治療の初診患者は小学生が半数近くを占め、治療費は70万円から80万円程度かかることが、矯正歯科専門の開業医でつくる日本臨床矯正歯科医会(平木建史会長)が初めて行ったアンケート調査で分かった。

 同医会は昨年7月から8月、会員の歯科医師480人に対し、矯正歯科の臨床や経営の現状に関する調査をインターネットで行い、96人から回答があった。

 その結果、初診患者は7〜12歳が最多で、男子の約半数、女子の約4割を占めた。男子は年齢とともに減るが、女子は19〜29歳も多く、約2割を占めた。治療を開始した理由では、乱ぐい歯が3割で最も多く、出っ歯が2割、受け口が1割だった

 治療費は、歯の前面に器具をつける一般的な方法で、「70万1000〜80万円」が43%と最多だった。受診のきっかけは「一般歯科医からの紹介」が最も多く、「患者からの紹介」、「インターネット」の順だった。



 まぁ成人に近くなってやるよりは、小学生のうちにやっておいたほうが無難なんでしょうかね。

 最近では前につけないで、歯の裏側に器具をつける方法も流行ってきているようです。ただし馬鹿高いみたいですけど。100万は超えたような記憶があります。あと舌にあたって痛みが出たりすることもあるとか。でも美容的な意味では、人気が出るのも頷けます。

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2009年03月29日

心臓の動きに同調して手術サポートするロボットを開発する

心臓手術を支援するロボットの開発に成功

 狭心症などの心臓手術を支援するロボットの開発に、早稲田大と岐阜大が成功した。心臓の動きに同調して動き、遠隔操作で血管を正確に縫い合わせることができるという

 狭まった冠動脈のバイパス手術をする時、治療個所が動かないように押さえつけることが多いが、患者に負担がかかる難点があった。支援ロボは、手術針を持つアームが心臓の拍動と同じリズムで動くので、治療個所を固定する必要がなくなる

 ブタの心臓で実験済みで、藤江正克・早大教授は「精度を高めて実用化を目指したい」と話している。



 進歩し続けるものですねぇ。昔の手術に比べて、ヒューマンエラーが起こらないような工夫が施され、術者の腕をサポートするようになってきました。

 未来的には、術者の生理的な震えとかもサポートするような、補助アームみたいなものも出来るのでしょう。より細かいオペが可能となれば、精度の高いオペも安全に確実に行うことが出来るように。すぐそこの未来かもしれません。

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東京女子医科大学の心臓手術事件、2審も医師無罪となる。

手術死、2審も医師無罪…東京女子医大事件

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2001年、心臓手術中に人工心肺装置の操作を誤り、平柳明香さん(当時12歳)を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた同病院元循環器小児外科助手・佐藤一樹被告(45)の控訴審判決が27日、東京高裁であった。

 中山隆夫裁判長は、1審・東京地裁判決と同様に無罪を言い渡したが、死亡の原因については、佐藤被告とは別の執刀医のミスを示唆するなど、1審とは異なる判断を示した。検察、地裁、高裁がばらばらの原因を指摘したことになり、医療事故を刑事司法の世界で裁くことの難しさを改めて印象づける結果となった。

 佐藤被告は01年3月、明香さんの手術の際、同装置の吸引ポンプを高回転にした過失により回路のフィルターを水滴で詰まらせ、血液がうまく抜き取れない「脱血不良」状態を招き、脳障害で明香さんを死亡させたとして、起訴された。

 05年11月の1審判決は、フィルターの目詰まりという装置の不具合が原因で脱血不良となったとした上で、目詰まりについて「当時の医療水準では危険性を予測できなかった」として無罪を言い渡したため、検察側が控訴していた。

 この日の判決は、「佐藤被告とは別の執刀医が血管に挿入した管の位置が悪かったことで、脱血不良が続き、致命的な脳障害を招いた」と1審とは異なる原因を認定。「人工心肺装置の問題が原因になったとは言えない」と佐藤被告の責任を否定した。

 判決は、1審判決の認定通りフィルターの目詰まりが原因だった場合に、佐藤被告の責任が問えるかについても検討。当時、目詰まりの危険性について指摘した論文がないことから、「被告に予見可能性があったとは言えない」と述べた。

 この事故では、カルテを改ざんした同病院元循環器小児外科講師(53)が証拠隠滅罪に問われ、04年3月に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受け、確定している

 渡辺恵一・東京高検次席検事の話「検察側の主張が認められず、遺憾である。判決内容を精査して、今後の対応を決めたい」

 判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した佐藤一樹被告は、無罪の結論にも笑顔はなく、「私の主張をすべて認めていただいた。裁判所としては、どういう原因で亡くなったのかを、必ず知らせなければならないと考えたのだと思う」と、静かに話した。

 この日の法廷で、中山隆夫裁判長は、「手術チームによる過誤で明香さんが亡くなったことは事実で、正面から受け止めてほしい」と述べた。この点について、佐藤被告は「自分も子どものころ(明香さんと)同じ病気だったので、ご家族の気持ちはよく分かる。私もチーム医療の一員であったということを重く受け止め、今後は学会などで、再発防止に向けた発言をしていきたい」と話した。

 一方、明香さんの両親も会見し、父の平柳利明さん(58)は「今日まで非常に長かった。1審と2審で結果が違い、改めて医療過誤を刑事で立件するのは難しいと思いました」と沈んだ声で話した。ただ、中山裁判長の言葉については、「私たちが本当に言いたかったこと。あの言葉で十分だったとも思う」と話した。



 こういった事件が起こったことは、患者側にとっても、医療者側にとっても不幸でした。もっともいけなかったことは「カルテを改ざんした」ことですけれど、そちらは既に罪として確定していますので。

 医療過誤があったことを認め、そして二度とこのようなことが起こらぬように、マニュアル作りを徹底するとか、ダブルチェック、トリプルチェックを行うようにするとか、そういう工夫と意識の持ちようが、大事だと思います。

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看護師のたまごたちが医療用ウィッグに髪を提供する

看護師のたまご“断髪式”医療用ウイッグにと髪を提供

 がん患者の医療用ウイッグ(かつら)として役立ててもらおうと、髪を伸ばしてきた看護師のたまごたちが25日、東京・渋谷区の美容院で“断髪式”に臨んだ。

 がん患者の生活を支援するNPO法人「キャンサーリボンズ」などが企画したもので、看護大学や看護専門学校の学生ら55人が参加。この日は、うち20人が美容院に集まり、昨年11月から伸ばしてきた髪を15〜40センチ分提供した

 友人が白血病で闘病中という聖路加看護大2年の黒臼夏妃さん(20)は、「ウイッグを使うことで患者さんに前向きな気持ちになってもらえれば」と話していた。



 看護師のたまごたちの社会奉仕。素晴らしいですね。

 こういう試みが思いつく人も凄いですけれど、実践にうつすというのも献身的な心がないとなかなかできることではありません。

 良き看護師になってください!

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posted by さじ at 16:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

愛媛大学医学部5年生が泥酔し凍死したのはタクシー側の責任?

泥酔学生下車し凍死、タクシーに賠償命令 松山地裁

 松山市の山中で07年、愛媛大学医学部の男子学生(当時23)が凍死したのは個人タクシーの運転手(64)が泥酔した学生を現場付近に降車させたためだとして、遺族が慰謝料など5千万円を求めた訴訟の判決が24日、松山地裁であった。武田義徳裁判官は「最寄りの警察署などに降車させるべきだった」として安全配慮義務違反を認め、約4100万円の支払いを命じた

 判決によると、学生は07年12月21日夜、松山市内で友人らと酒を飲み、22日未明、帰宅するため1人でタクシーに乗った。運転手は松山市玉谷町の国道で降車させ、学生は約200メートル歩いたところで石手川の河原に転落して凍死した。降車場所は学生の自宅から約4キロ離れた山中だった。

 裁判で運転手側は、降車時の状況について「学生が停車を指示し、『間違いないのか』という問いに対して『ここでいいです』と答えた。酔っているようには感じなかった」と主張した。しかし、判決は、学生の飲酒量やタクシー内でのやりとりなどから「学生は泥酔しており、運転手も認識していた」と認定。こうした主張を退けた。

 そのうえで「運転手は現場付近の地理に詳しく、泥酔した学生を降車させれば、転落や凍死の危険性があることは明らかだった」と指摘した。


泥酔客がタクシー降車後に凍死…4千万賠償命令の波紋

 泥酔学生を乗せたのが運の尽きだったのか−。2007年12月22日未明、愛媛県松山市内で凍死した愛媛大医学部5回生の男子学生(当時23)の遺族が、学生を現場付近に降車させた個人タクシーの運転手(64)に慰謝料など5000万円を求めた訴訟で、松山地裁は24日、運転手の安全配慮義務違反を認め、約4100万円の支払いを命じた。当然ながら、同業者からは不満と不安の声が噴出している。

 判決によると男子学生は12月21日夜、松山市内で友人らと酒を飲み、22日午前1時ごろ、帰宅のためタクシーに乗車し自宅方面の住所を告げた。男子学生は約20分後、自宅から約4キロ手前の山中、同市玉谷町の国道317号で降車。降りた男子学生は歩いて約200メートル引き返しガードレールの切れ目から石手川の河原に転落。頸椎を損傷し午前5時ごろ凍死した

 男子学生の遺族は「断崖絶壁が続き、約70センチの低いガードレールしかない危険な場所に泥酔状態の乗客を漫然と降車させた運転手には安全配慮義務違反がある」と主張。

 運転手側は「計8回行き先を聞いたが、すべて『直進』と言われた。降車時も『ここで降ろせ』と指示され、正常に歩き出したのも確認した」と反論したが、判決で裁判長は「運転手は現場付近の地理に詳しく、泥酔した学生を降車させれば転落や凍死の危険性があることは明らかだった」と結論づけた。

 夕刊フジの調べでは、22日の気温は午前3時が10.6度、4時が10度。この気温で運転手は本当に凍死の危険性が認識できただろうか。

 『タクシードライバーの言い分−運転席からの人権宣言』の著書がある重信幸彦・北九州市立大教授(民俗学)は「法律家の正論のみで裁いた今回の判決は、現場に大きな矛盾と混乱をもたらす可能性がある」と懸念する。

 「現在の法律では、客が『降ろせ』と明確に指示して料金も支払えば、現場の運転手の判断で『降ろさせない』のは非常に困難。降ろす場所も、高速道路上など法律で乗降が禁止されている場所や、徒歩が極めて困難な山道などでないかぎり、自力で降車した客を見送った運転手に責任は問えないのではないか」

 一方、都内の現役タクシー運転手は「われわれには泥酔者の乗車拒否が法律で認められている。拒否できる泥酔者を、利益優先で乗せたと法的に判断されたら、深夜の国道に降ろしたことが安全配慮義務違反に問われるのは仕方ないかもしれない」と語る。「ただ、今回の裁判のように運転手の証言が一切認められないなら、今後は酔客を警察に即保護してもらい、料金も立て替えてもらわないと割に合わないね」

 これから花見のシーズン。泥酔客とタクシー運転手の葛藤は、さまざまなところで起きそうだ。



 うーん。これはあまりにも運転手側に酷な判決。高裁で何とかなりそうな気もしますけれども。

 泥酔している乗客を乗せてしまったことが問題なんですかね。でも客が降ろせといったら降ろさんわけにはいかんでしょうし、逆にこういう場合警察に届け出たとしたら警察が料金を立て替えてもらえるのかといった問題も。

 個人的には医学部5年生のくせに自分でも良く分からないほど泥酔するほうが。人間ですからべろんべろんになることはあるかもしれないですけど、それでタクシー側に賠償金となるのがおかしいかなぁ。遺族もどこに怒りをやっていいのか分からなくなっているような感じもありますけれど。一緒に酒を飲んでいた誰かが付き添ってやるべきのような気も。

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第103回医師国家試験 学校別ランキング 卒留編

 さてさて。国家試験に合格した医学生の方々、おめでとうございます。人生の絶頂の余韻から、そろそろ4月からの、医者としての生活にむけて準備されているころだと思います。残念ながら落ちてしまった方、あと1年しかありません。悔やんでも悔やみきれないところもあるでしょう。しかし試験とはそういうものだと諦めて、気持ちを入れ替えて頑張って下さい。

 今年は出願数が明示されていたため、永遠の謎であった「私立大学は留年させまくっているのか」を明確に解明することができました。今回は、受験者数ではなく、出願数。つまり受験した人プラス留年してしまった人の数と、合格者の割合をランキング分けしてみたいと思います。

 なお、帝京大学は出願数と受験者数は変わりませんが、今年は43人留年したという情報を元にこちらのほうで調整させていただきました。

 まあこのランキングに意味があるというわけではありませんけれど、国師合格翌日の余興程度に思っていただければ。加えて、各大学に留年という選択肢を安易に取らせない意味も含みつつ。


 新卒のみ、総計のみのランキングはこちらから。

医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編



 それでは参りましょう。


第1位!


滋賀医科大学 100.0

千葉大学医学部 100.0

防衛医科大学校 100.0


 留年0人、そして新六年生が全員合格という、まさにパーフェクトを達成した三校です。素晴らしすぎる。生徒のモチベーション、生徒の質、大学の環境、大学の教育、どれが欠けても達成は不可能だと思います。学校全体で誇っていいくらいの快挙です。おめでとうございます! 


第4位
東京慈恵会医科大学 99.0


 繰り上がりで第4位。東京慈恵会医科大学は留年者0でした。おめでとうございます。確実に強い大学へとなっています。


第5位
東北大学医学部 99.0
奈良県立医科大学 99.0


 こちらも留年者0人で繰り上がり。BEST5入り、おめでとうございます!来年度も同じように頑張ってほしいと思います。


 では以下ランキング順で。なお、

順位 大学名 出願数 合格者数 合格率

 となっております。


7 岐阜大学医学部  77 76 98.7
8 札幌医科大学  100 98 98.0
9 浜松医科大学  97 95 97.9
10 東京女子医科大学  96 94 97.9
11 東京医科歯科大学医学部  86 84 97.7
12 名古屋市立大学医学部  83 81 97.6
13 福島県立医科大学  79 77 97.5
14 大阪市立大学医学部  78 76 97.4
15 日本大学医学部  115 112 97.4
16 熊本大学医学部  103 100 97.1
17 旭川医科大学  101 98 97.0
18 京都大学医学部  99 96 97.0
18 秋田大学医学部  99 96 97.0
20 横浜市立大学医学部  63 61 96.8
21 順天堂大学医学部  93 90 96.8
22 信州大学医学部  90 87 96.7
22 香川大学医学部  90 87 96.7
24 鳥取大学医学部  82 79 96.3
25 新潟大学医学部  109 105 96.3
26 筑波大学医学専門学群  103 99 96.1
26 長崎大学医学部  103 99 96.1
28 弘前大学医学部  102 98 96.1
29 山形大学医学部  99 95 96.0
30 自治医科大学  94 90 95.7
31 神戸大学医学部  90 86 95.6
32 北海道大学医学部  88 84 95.5
33 三重大学医学部  107 102 95.3
34 和歌山県立医科大学  63 60 95.2
35 徳島大学医学部  103 98 95.1
36 琉球大学医学部  100 95 95.0
37 慶應義塾大学医学部  99 94 94.9
38 群馬大学医学部  98 93 94.9
38 大阪医科大学  98 93 94.9
40 愛媛大学医学部  95 90 94.7
41 福井大学医学部  92 87 94.6
42 島根大学医学部  107 101 94.4
43 岡山大学医学部  104 98 94.2
44 広島大学医学部  99 93 93.9
45 関西医科大学  98 92 93.9
46 京都府立医科大学  95 89 93.7
47 東邦大学医学部  94 88 93.6
48 宮崎大学医学部  102 95 93.1
49 九州大学医学部  98 91 92.9
50 山口大学医学部  96 89 92.7
51 鹿児島大学医学部  93 86 92.5
52 大阪大学医学部  100 92 92.0
53 山梨大学医学部  98 90 91.8
54 名古屋大学医学部  95 87 91.6
55 聖マリアンナ医科大学  100 91 91.0
56 東京大学医学部  106 96 90.6
57 富山大学医学部  93 84 90.3
58 佐賀大学医学部  98 88 89.8
58 金沢大学医学部  98 88 89.8
60 北里大学医学部  121 108 89.3
61 高知大学医学部  92 82 89.1
62 東京医科大学  123 109 88.6
63 獨協医科大学  79 70 88.6
64 久留米大学医学部  103 91 88.3
65 産業医科大学  108 95 88.0
66 大分大学医学部  105 92 87.6
67 昭和大学医学部  120 105 87.5
68 杏林大学医学部  91 79 86.8
69 福岡大学医学部  116 100 86.2
70 岩手医科大学  85 73 85.9
71 埼玉医科大学  102 87 85.3
72 日本医科大学  102 86 84.3
73 兵庫医科大学  124 104 83.9
74 東海大学医学部  88 73 83.0
75 近畿大学医学部  111 92 82.9


 以下、WORST5です。WORST5を発表する前に…やはり留年者も加えると私立大学が下位に集中してきますね。


第76位
愛知医科大学
  115 93 80.9

 噂では14人留年ということでしたが、出願者と受験者の差は13人ということでした。新卒編では66位でしたが、留年者数を考慮するとやはりガクーンと落ちてしまいますね。


第77位
川崎医科大学
  120 94 78.3

 21名が留年したという、帝京大学に次ぐ大量留年を行った川崎医科大学です。新卒編では41位で95.9%と全国平均以上でしたが、それも21人の留年があってこそか。ある意味正解といえば正解な留年のさせ方だとは思いますが。どうしようもないのを野放しにするよりもマシといったところでしょうか。来年これらを解消できるといいんですけども。


第78位
藤田保健衛生大学医学部
  124 96 77.4

 噂では19人留年、ということでしたが、出願者と受験者の差は17人。新卒のみでも72位とあまりふるわなかった上に、留年者が2桁もいては、まぁこのあたりにランク付けされるか。抜本的な教育改革を行ってもらいたいものです。


第79位
金沢医科大学
  115 82 71.3

 留年者14名と、上記のようなWORST5の大学に比べれば少ないものの、それでも2桁いってますからね。しかも2桁落としても、新卒のみで最下位という記録。この留年した14名はよほど出来ないんでしょうか。来年は、受かるのでしょうか。果たして。



 もうご想像どおりだとは思いますが、、、


第80位 帝京大学医学部 129 76  58.9

 留年者43名を加えたところ、恐ろしい数値になりました。1学年129名中、国家試験に合格したのは76名。1学年のうちおよそ4割が免許を獲得できないという・・・。



 まとめてみて思ったのは、私大の留年者数は少なくなったとはいえ、まだ一部の大学では2桁にも及ぶ大量留年を行っているのは事実です。しかしこのように留年者数が露呈してしまうと、逆効果になってしまうことも事実。新卒編で1位だった兵庫医大も、留年者数を加えてみれば73位ということが分かってしまいますし。

 一番よいのは、留年者を出さないような教育をすることでしょう。全体のレベルを上げる教育を行えているところは、私大や地方国公立とはいえそれほど留年者を出さずに成績も上位です。参考に出来るところを参考にして、せめて医学生としてのレベルを上げてほしいと思います。

 もちろん下位の大学出身でも優秀な先生は数多くおられますし、今回不合格になった人や留年した人の中から良い臨床医が育つということも十分に考えられます。ですが、それとこれとは別次元の話。人を診るという覚悟があるのならば勉強すべきだし、医学生のような簡単な程度の勉強すら出来ないで、医者として一生をかけて勉強し続けることなど果たして出来るでしょうか。今やれることを一生懸命やる、そういったことも医者になる人間として求められるモラルの1つです。





<おまけ>


 上記のランキングは、新卒編に留年者数を足したものですが、以下のランキングは、総計編に留年者数を足したもの、すなわち新卒+既卒+卒留のランキングです。一応作ってみたので参考までに。


第1位


防衛医科大学校 65 65 100.0



 新卒、既卒、全員合格の上に留年者も0人という見事なまでに精錬された防衛医大です。来年も防衛医大が頂点に君臨する予感がします。おめでとうございます!


 以下ランキング順です。

順位 大学名 総合出願数 合格者数 合格率

2 東京慈恵会医科大学  108 106 98.1
3 千葉大学医学部  102 100 98.0
4 滋賀医科大学  100 97 97.0
5 順天堂大学医学部  94 91 96.8
6 札幌医科大学  106 102 96.2
7 自治医科大学  95 91 95.8
8 東京医科歯科大学医学部  92 88 95.7
9 横浜市立大学医学部  66 63 95.5
10 和歌山県立医科大学  64 61 95.3
11 日本大学医学部  125 119 95.2
12 岐阜大学医学部  82 78 95.1
13 浜松医科大学  101 96 95.0
14 群馬大学医学部  108 102 94.4
15 筑波大学医学専門学群  107 101 94.4
16 名古屋市立大学医学部  89 84 94.4
17 鳥取大学医学部  88 83 94.3
18 山形大学医学部  102 96 94.1
19 香川大学医学部  94 88 93.6
20 弘前大学医学部  106 99 93.4
21 愛媛大学医学部  100 93 93.0
22 旭川医科大学  114 106 93.0
23 三重大学医学部  113 105 92.9
24 京都府立医科大学  98 91 92.9
25 北海道大学医学部  97 90 92.8
26 福島県立医科大学  83 77 92.8
27 奈良県立医科大学  108 100 92.6
28 大阪市立大学医学部  86 79 91.9
29 新潟大学医学部  122 112 91.8
30 島根大学医学部  117 107 91.5
31 徳島大学医学部  115 105 91.3
32 長崎大学医学部  114 104 91.2
33 東邦大学医学部  112 102 91.1
34 信州大学医学部  100 91 91.0
35 神戸大学医学部  95 86 90.5
36 慶應義塾大学医学部  105 95 90.5
37 宮崎大学医学部  113 102 90.3
37 秋田大学医学部  113 102 90.3
39 広島大学医学部  111 100 90.1
40 東京女子医科大学  109 98 89.9
41 山梨大学医学部  108 97 89.8
42 東京大学医学部  114 102 89.5
42 大阪医科大学  114 102 89.5
44 岡山大学医学部  112 100 89.3
45 山口大学医学部  111 99 89.2
46 京都大学医学部  108 96 88.9
47 富山大学医学部  98 87 88.8
48 東北大学医学部  115 102 88.7
49 大阪大学医学部  110 97 88.2
49 産業医科大学  110 97 88.2
51 聖マリアンナ医科大学  110 97 88.2
52 金沢大学医学部  109 96 88.1
52 関西医科大学  109 96 88.1
54 福井大学医学部  108 95 88.0
55 鹿児島大学医学部  107 94 87.9
56 九州大学医学部  106 93 87.7
57 熊本大学医学部  118 103 87.3
58 佐賀大学医学部  107 93 86.9
59 昭和大学医学部  127 110 86.6
60 名古屋大学医学部  104 90 86.5
61 東京医科大学  143 123 86.0
62 琉球大学医学部  120 103 85.8
63 高知大学医学部  106 90 84.9
64 北里大学医学部  133 112 84.2
65 大分大学医学部  113 95 84.1
66 久留米大学医学部  114 95 83.3
67 杏林大学医学部  101 84 83.2
68 福岡大学医学部  131 108 82.4
69 獨協医科大学  94 77 81.9
70 埼玉医科大学  110 90 81.8
71 兵庫医科大学  141 115 81.6
72 岩手医科大学  94 76 80.9
73 日本医科大学  114 91 79.8
74 川崎医科大学  133 106 79.7
75 愛知医科大学  123 98 79.7
76 近畿大学医学部  123 95 77.2
77 東海大学医学部  111 82 73.9
78 藤田保健衛生大学医学部  145 107 73.8
79 金沢医科大学  136 94 69.1



第80位 帝京大学医学部  160 92 57.5



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posted by さじ at 01:24 | Comment(15) | TrackBack(0) | 大学

2009年03月27日

第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編

 さてさて、第103回医師国家試験合格速報、新卒編に次いで、やってまいりました。残念ながら昨年落ちてしまった国試浪人を足した総計編です。いわゆる大学の総合実力。


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 こちらはWORST13をご紹介。BEST13は新卒編をご覧下さい。



第1位

 防衛医科大学校 100.0% (65/65)


 やはりね、という感じです。天下の防衛医大が再び一位に返り咲きました。

 第100回、1位。第101回、1位。第102回、17位。そして第103回、再度1位へ。来年からもキープしてもらいたいですね。本当に、おめでとうございます!!

 以下ランキング順です。

2 自治医科大学 98.9% 
3 東京慈恵会医科大学 98.1% 
4 千葉大学医学部  98.0% 
5 愛媛大学医学部 97.9% 
6 滋賀医科大学 97.0% 
7 横浜市立大学医学部 96.9% 
8 順天堂大学医学部 96.8% 
9 日本大学医学部 96.7% 
10 兵庫医科大学 96.6% 
11 名古屋市立大学医学部 96.6% 
12 札幌医科大学  96.2% 
13 東京医科歯科大学医学部 95.7% 
14 川崎医科大学 95.5% 
15 群馬大学医学部 95.3% 
16 筑波大学医学専門学群 95.3% 
17 和歌山県立医科大学  95.3% 
18 弘前大学医学部 95.2% 
19 山梨大学医学部 95.1% 
20 岐阜大学医学部 95.1% 
21 山形大学医学部  95.0% 
21 浜松医科大学 95.0% 
23 新潟大学医学部 94.9% 
24 鳥取大学医学部  94.3% 
25 旭川医科大学  93.8% 
26 三重大学医学部  93.8% 
27 北海道大学医学部 93.8% 
28 香川大学医学部 93.6% 
29 奈良県立医科大学  93.5% 
30 産業医科大学  93.3% 
31 昭和大学医学部 93.2% 
32 京都府立医科大学 92.9% 
33 埼玉医科大学  92.8% 
34 福島県立医科大学  92.8% 
35 秋田大学医学部 92.7% 
36 広島大学医学部 92.6% 
37 関西医科大学 92.3% 
38 福井大学医学部 92.2% 
38 慶應義塾大学医学部 92.2% 
40 東邦大学医学部  91.9% 
40 宮崎大学医学部  91.9% 
42 大阪市立大学医学部 91.9% 
43 東京医科大学  91.8% 
44 島根大学医学部  91.5% 
45 聖マリアンナ医科大学  91.5% 
46 徳島大学医学部  91.3% 
47 長崎大学医学部  91.2% 
48 北里大学医学部  91.1% 
49 東京大学医学部  91.1% 
50 信州大学医学部  91.0% 




-----全国平均91.0%の壁-----




51 岡山大学医学部 90.9% 
52 山口大学医学部  90.8% 
53 東京女子医科大学 90.7% 
54 神戸大学医学部 90.5% 
55 大阪医科大学 90.3% 
55 東北大学医学部 90.3% 
57 大阪大学医学部 89.8% 
58 京都大学医学部  89.7% 
59 福岡大学医学部 89.3% 
60 愛知医科大学 89.1% 
61 名古屋大学医学部 89.1% 
62 熊本大学医学部 88.8% 
63 富山大学医学部  88.8% 
64 鹿児島大学医学部 88.7% 
65 金沢大学医学部 88.1% 
66 九州大学医学部  87.7% 
67 高知大学医学部 87.4% 


 というわけで、総計編でした。

 …次の13大学は、今年、成績の悪かった大学です。反省すべき点を反省して、来年度に生かしてほしいと思います。


第68位 大分大学医学部  87.2% (95/109)

 前回、前々回と全国平均以上だったんですが・・・。新卒もあまり揮わなかった上に、既卒者の合格率も悪かったことが敗因か。


第69位 佐賀大学医学部 86.9% (93/107)

 佐賀大学も例年、全国平均以上なんですけれども、今年は芳しくなかったようです。佐賀大は今年、新卒が第70位と成績が悪かった点がダイレクトに響いているようです。


第70位 日本医科大学 86.7% (91/105)

 総計では中堅どころの日本医大も第70位に。日本医大は完全に既卒者にヤラれましたね。12人中7人が不合格という悲惨な負の連鎖に陥ってしまいました。


第71位 琉球大学医学部 86.6% (103/119)

 琉球大学です。まぁ琉球大学は毎年そんなに良くないんですけど、去年が悪すぎましたね(第73位)。今年は新卒が頑張って全国平均を超えていますが、国試浪人組19人中11人が不合格という足の引っ張りよう。


第72位 杏林大学医学部 84.8% (84/99)

 杏林大学も毎年あまりよくありません。しかしここまで酷かったことは近年ないのでは。新卒合格率94.8%の中、杏林大学の新卒合格率は88.8%です。既卒者のせいでランクが下がってしまった大学はさておき、新卒合格率が悪い大学はもう少し熱を入れて頑張ってほしいと思います。


第73位 藤田保健衛生大学医学部 84.3% (107/127)

 第100回、79位。第101回、64位。第102回、75位。そして第103回、73位。藤田保健衛生大は大量留年した上に、新卒11人が不合格、既卒も20人ほど溜まっていてそのうち9人が不合格、と負の連鎖どっぷりって感じです。一度新卒が頑張ってこのスパイラルから抜け出したら、と思うのですが。

 
第74位 久留米大学医学部 84.1% (95/113)

 上がって下がって、昨年上がったと思ったら今年下がってしまった久留米大学です。もうちょっとでこのWORST13の常連から抜け出せそうで抜け出せない感じです。


第75位 岩手医科大学 83.5% (76/91)

 岩手医がこんなところにまで。例年中堅どころだったんですが・・・。新卒もあまりよくなかったんですが、既卒者が9人中3人しか合格しておらずこんなところにまで来てしまいました。残念です。


第76位 近畿大学医学部 81.9% (95/116)

 こちらも、久留米大と同じく、上がって下がって、上がって下がった大学。下がるときはトコトン下がるのが特徴的です。第101回の時は第79位と大爆死でした。新卒だけでも第73位だったのでここまで落ちたのは仕方ないといえば仕方ないんですが、既卒者も何でこんなにやる気がないのか、11人中3人しか合格していないという悲惨な状況です。


第77位 獨協医科大学 81.9% (77/94)

 獨協医大のいい点といえば、留年者をあまり出さないこと、と言われています。それがいいかどうかは分かりませんが。確かにランキングとして大学別の教育能力を示すためなら留年などさせず全員受けさせるべきでしょうけれど、受けても落ちるようなバカを大学側で救おうとせず突撃させるのが果たして社会のためになるのかどうか。疑問です。新卒で第76位、昨年までに合格できなかった人も15人溜まっており、うち8人が再度不合格という結果に。留年させないのなら、1年でなんとか学力を上げる工夫が必要だと思いますね。


第78位 帝京大学医学部 79.3% (92/116)

 前代未聞の大量留年を出したにもかかわらず第78位。留年多数、新卒も成績が悪く、既卒者も大量にいる上に半分くらい落ちる。この現状を打破するためには根本的に変えなきゃならん気がするんですが。同じ人間なのになんでここまで差がついてしまうんでしょう。やる勉強はどの大学でも同じだし入学時の能力はほとんど変わらないのに。とすると大学の環境と教育システムが駄目、ということでしょうかね。


第79位 金沢医科大学 78.3% (94/120)

 下位の常連、金沢医科大学です。75位→77位→77位→79位と下位の中でも次第に低下しています。第97回、第99回では最下位でした。大丈夫でしょうか。今までは既卒者が足を引っ張っていたとはいえ、今年は新卒編で最下位を獲得。むしろ既卒者の19人中12人合格に若干救われている感すらあります。留年させた14人と今回の不合格者が来年どう響いてくるのか。




 昨年ダントツの最下位だった帝京大学の下をいってしまいました…。


第80位 東海大学医学部 76.6% (82/107)



 過去類を見ないほど合格率が高かったにも関わらず、昨年の帝京大学の合格率すら下回る76.6%。

 しかし見方によっては。東海大学は2名しか留年させていないようです。要するに獨協医大と同じように突撃させたわけです。まぁ結果、新卒が第79位と成績の悪さが露呈したわけですが。なりふり構わず留年させまくった帝京大学は、総計編では最下位になりませんでしたが、逆に目立つ結果となってしまったと思います。

 なお東海大学は既卒者も21人中9人しか合格していないという可哀想な状態。来年の新六年生は先輩たちのようにならないよう、頑張ってほしいと思います。



638 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 19:58:12 ID:???
新卒の場合、国試出願者数と受験者数の人数差は
卒業取り消しとか卒業留年の人数差と同じ?

もし違うとしたら、どんな裏ワザ?


641 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 20:21:40 ID:???
>>638

卒試をなるべく早めに終わらせ、再試も極力減らしておく

願書を大学で一括して提出

大学側は卒試合格予定者のみ願書を保健所に提出

出願締め切り日

卒試の最終結果の公表

不合格者に願書を返却



途中まで成績不振でもぎりぎりまで卒業のチャンスを与える大学なら
人数差=留年者数
じゃないか?


672 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 21:57:27 ID:???
金沢・・・orz
馬鹿私立の汚名を返上できるのはあと10年くらいかかるのか・・・


674 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 22:00:50 ID:???

自衛隊最強伝説が、またここに誕生した。

まあ、毎年のことだが…

あと、北東から南西へむかうにしたがって
アホになっていくという、文化人類学の研究に値するテーマをつきつけられた。

今回の国家試験から得られる発見はそんなところだな。


684 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 22:22:57 ID:???
九州の某駅弁だが、学生の質というより、教育の質が悪いんだよ・・・・
特に新設はな。
授業が国家試験どころか、完全な教授のオナニー。
「俺の本を買え」とか言うやつすらいる。
九大、長崎あたりはその糞教育でもポテンシャルでなんとかなるが、
新設はこういう結果も当たり前。元々学力は久留米や福岡と変わらんのだから。


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posted by さじ at 22:35 | Comment(11) | TrackBack(0) | 大学

第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編

 六年間、医学という学問を基礎から臨床まで学び、医療として人々にその能力を提供できるようになるための登竜門

 第103回医師国家試験の合格発表が、本日ありました。

 第103回医師国家試験は難問、奇問が続出し、今までにないほど問題が削除される非常事態。中には「受験生レベルでは難しすぎるから採点除外」というものまで。多くの受験生が混乱し、どの程度までが合格しているか分からない状況となりました。

 しかし蓋を開けてみれば(厚生労働省も問題の酷さを反省したのか)新卒合格率94.8%という高い合格率

 今回は第103回医師国家試験の合格者を大学別に分けてランクわけしたいと思います。

 まずは新卒編から。新卒というのは要するに現役六年生の合格率です。大学が全力を尽くして卒業させ、送り出した先鋭の活躍を見届けようではありませんか。

第100回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第100回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
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第102回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
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第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編


第103回医師国家試験 大学別ランキング 総計編はこちら


 いつものように、BEST13をご紹介!!


第1位!


千葉大学医学部 100.0% (94/94) 

防衛医科大学校 100.0% (62/62) 

兵庫医科大学 100.0% (104/104) 

滋賀医科大学 100.0% (94/94)


 今年は新卒100%学校が4つも。前代未聞です。おめでとうございます!!

 しかし防衛医大や千葉大などの毎年のように安定して上位な大学や、第101回の医師国家試験で第1位をとった滋賀医大はさておき、特筆すべきは兵庫医大の100%。例年下から数えたほうが早い兵庫医大ですが、まさかまさかの104人中104人合格。素晴らしい。見事な受験者全員合格です。おめでとうございます!

 (なお、噂では兵庫医大は留年者が20名いたということでしたが・・・出願数124で受験者数が104というのを考慮すると合致してしまいます。うーむ・・・まぁ兵庫医大側も喜んでいるみたいだしいいか)



第5位
東京慈恵会医科大学 99.0% (101/102) 

 第5位となりましたが、102人中101人合格の99%。東京慈恵会医科大学です。慈恵の強みは生徒のモチベーションと教育の質でしょうか。出席を取らないという生徒を信じ続けた教育が生きてきたか。第100回医師国家試験では3位、第101回医師国家試験は45位、第102回医師国家試験では37位でした。おめでとうございます。



第6位
奈良県立医科大学 99.0% (97/98)
東北大学医学部 99.0% (97/98)

 こちらも慈恵と同様に1人落ちただけの99%ですが、母体数の差で第6位とさせていただきました。いやそれでも1人落ちってのは凄いですよ。奈良県立医大は前回18位と安定していますね。東北大は前回41位と大きく上昇してきました。



第8位
自治医科大学 98.9% (90/91)
愛媛大学医学部 98.9% (90/91)

 こちらも1人落ちの大学。正直言って入学時の定員数や去年までの留年者なども考慮するとこれらの大学が上位の大学に劣っているわけではないのですが、泣く泣く第8位とさせていただきます。自治医大は各都道府県から優秀な人材を集めているので1人落ちというだけでも残念な気持ちになってしまうほど、優れた大学です。是非また100%合格に返り咲いてほしいと思います。愛媛は前回も92人中91人合格で第4位と素晴らしい成績です。安定していますねぇ。おめでとうございます!



第10位
福井大学医学部 98.9% (87/88)

 こちらも1人落ち。前回第71位と全国平均を大幅に下回っていましたが、一気に急上昇。それまでは中堅どころをうろうろしていましたが、今回は違った。見事な成績です。おめでとうございます!



第11位
岐阜大学医学部 98.7% (76/77)

 こちらも1人落ち。第5位から第11位までが1人だけしか落としていないというこれまでにない見事な成績です。試験の変わり目ということもありみんな頑張ったんでしょうか。なお岐阜大学医学部は17位→19位→19位と安定して上位に食い込んでいますが、とうとう今回、BEST13入り。おめでとうございます!



第12位
新潟大学医学部 98.1% (105/107)

 ようやく2人落ち。いやしかし107人受験で105人合格は素晴らしい。新潟大学は前回こそ全国平均を下回ったものの、本来はこのあたりに食い込む実力は兼ね備えていますからね。更なる向上を期待したいところです。おめでとうございます。



第13位
札幌医科大学 98.0% (98/100) 

 毎年上位だった札幌医科大学。第100回医師国家試験では第8位で、第101回、第102回は目立たなかったものの、29位、34位と上位でした。再度BEST13に返り咲いた第103回医師国家試験。100人受験で98人合格の快挙。おめでとうございます。



 以下、合格者/受験者別にランク付けしていきます。

14 浜松医科大学 97.9% 
15 関西医科大学 97.9% 
16 東京女子医科大学 97.9% 
17 東京医科歯科大学医学部 97.7% 
18 名古屋市立大学医学部 97.6% 
19 福島県立医科大学 97.5% 
20 日本大学医学部 97.4%
21 大阪市立大学医学部 97.4% 
22 北里大学医学部 97.3% 
23 熊本大学医学部 97.1%
24 筑波大学医学専門学群 97.1% 
25 旭川医科大学 97.0% 
25 弘前大学医学部 97.0% 
27 秋田大学医学部 97.0% 
27 京都大学医学部 97.0% 
29 山形大学医学部 96.9% 
30 山梨大学医学部 96.8% 
30 順天堂大学医学部 96.8% 
32 横浜市立大学医学部 96.8% 
33 埼玉医科大学 96.7% 
33 信州大学医学部 96.7% 
33 香川大学医学部 96.7% 
36 鳥取大学医学部 96.3% 
37 長崎大学医学部 96.1%
38 岡山大学医学部 96.1% 
39 大阪医科大学 95.9% 
39 群馬大学医学部 95.9% 
41 川崎医科大学 95.9% 
42 神戸大学医学部 95.6% 
43 北海道大学医学部 95.5%
44 三重大学医学部 95.3% 
45 和歌山県立医科大学 95.2% 
46 徳島大学医学部 95.1% 
47 琉球大学医学部 95.0% 
48 慶應義塾大学医学部 94.9% 
49 広島大学医学部 94.9%  
50 東京医科大学 94.8% 
51 聖マリアンナ医科大学 94.8%



----全国平均 94.8%の壁-----



52 山口大学医学部 94.7% 
53 昭和大学医学部 94.6%
54 名古屋大学医学部 94.6% 
55 島根大学医学部 94.4% 
56 福岡大学医学部 94.3% 
57 京都府立医科大学 93.7% 
58 東邦大学医学部 93.6% 
59 宮崎大学医学部 93.1% 
59 産業医科大学 93.1% 
61 大阪大学医学部 92.9%
62 九州大学医学部 92.9% 
63 鹿児島大学医学部 92.5% 
63 日本医科大学 92.5% 
65 東京大学医学部 92.3% 
66 愛知医科大学 91.2% 
67 高知大学医学部 91.1% 
68 富山大学医学部 90.3% 
69 大分大学医学部 90.2% 
70 金沢大学医学部 89.8% 
70 佐賀大学医学部 89.8% 
72 藤田保健衛生大学医学部 89.7% 
73 久留米大学医学部 89.2% 
74 岩手医科大学 89.0% 
75 杏林大学医学部 88.8% 
76 獨協医科大学  88.6% 
77 帝京大学医学部 88.4% 
78 近畿大学医学部 87.6% 
79 東海大学医学部 84.9% 



 そして・・・

第80位 金沢医科大学 81.2% 



 圧倒的・・・。101人受験者中、82人合格。19人が不合格という。しかも噂では、どうやら14人の留年者を出したらしいです、噂では。出願数115だったのでおそらく合っているのでしょう。金沢医科大学はどうやったら浮上していくのか。

 以上、第103回医師国家試験大学別ランキング新卒編でした。



<おまけ>

 私大は本当に留年させまくっているのか?しかし今回のように出願者数が提示されていると、何人留年させたか分かってしまうでしょう。某大学では出願締め切り直前に試験をやって出願させなかった、ということもあったようですが・・・。

 今回の出願者数-受験者数を見る限り、まぁそこまで顕著なところはないかなという感じです。留年させるとしても、国立も私立も2〜5人ぐらいの留年数か。(明らかに学力が足りていないのに卒業させるというのも無責任な気はしますが)

 毎年のように大量留年を出している帝京は今回第77位でした。86人中76人が合格。しかしどうやら40人を超える大量留年を行ったようです。帝京大学の暗黒時代はあと何年続くのでしょうか。

 あくまで噂、ですが・・・。2ケタの留年者を出す大学は以下。

○卒留者数報告
帝京 43(うち休学1、放校1)
川崎 21
兵庫 20
藤田 19(うち休学放校10〜11)
東医 15
愛知 14
金医 14
埼玉 14(うち休学2)
福岡 10〜12(うち休学放校2〜3)
北里 不明(国試出願者数と受験者数の差は北里10)




 何故大学別なのか。毎年よく言われています、私大は受験勉強を多くするから有利だとか、留年者をたくさん出すとか。しかし東大も京大も、勉強してきた人は、不運に巻き込まれない限りは受かるのです。9割近くの医学生が合格する試験なのですから。勉強してこなかった人が落ちるのは当然でしょう。少なくとも受験の時の偏差値で医者の質を語ることは出来ませんが、この大学別の医師国家試験ランキングは医学生の努力の結晶なのです。低いランクの大学は、大学教育が悪いか、生徒の質が悪いか、それとも生徒の質が良くてもその環境によって悪くなってしまった結果だと思います。

 今後の医学生にハッパをかけるためにも、ひとつの側面としてみていただければ幸いです。すべての医学生が、人々に医療を提供することに対する覚悟を強くもつことを信じて。
posted by さじ at 19:14 | Comment(21) | TrackBack(0) | 大学

第103回医師国家試験合格速報

第103回医師国家試験の合格発表について
厚生労働省

平成21年2月14日(土)、15日(日)、16日(月)に実施した標記試験の合格者数等は下記のとおりである。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒者 7,840 7,629 7,234 94.8%
全体 8,687 8,428 7,668 91.0%


○合格基準
第103回医師国家試験の合格基準は、
一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
(1)〜(4)のすべての合格基準を満たした者を合格とする。

(1)一般問題     125点以上/198点
(2)臨床実地問題  380点以上/591点
(3)必修問題     160点以上/200点

但し、必修問題の一部を採点から除外された受験者にあって
は、必修問題の得点について総点数の80%以上とする。

(4)禁忌肢問題選択数  2問以下

参考:厚生労働省ホームページ



 合格率バカ高い!!医師不足医師不足と叫ばれており、逆に厚生労働省側としては「だからといって合格率を上げたりしないぞ」という重厚な面持ちで国家試験合格者を出すと予想していましたが、予想外にめちゃくちゃ高いです。

 第102回医師国家試験が94.4%。

 第101回医師国家試験が87.9%ですからね。

 今年の新卒者の出来が例年になく良かったということでしょうか。94.8%は快挙です。おめでとうございます!

★今年の新卒のランキングはこちら★
医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編

★今年の総計ランキングはこちら★
医学処:第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編


 毎年14時に発表されるのですが、例年なら14時半ぐらいまでサーバがパンクしていて繋がりませんでした。今年はサクサクですねぇ。厚生労働省Good Job。

 合格者の番号はこちらで見ることができます。

 第103回医師国家試験合格速報


 今年の合格会場はコチラ。

103回医師国家試験合格発表スレ【3月27日】

292 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 14:03:44 ID:???
おめでとうオレら!!
さあ働くぞ!!


299 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 14:04:54 ID:???
よかったぁ
足がヘナヘナで立てないww


409 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2009/03/27(金) 14:30:51 ID:???
一般 63.1 (不適切問題による採点除外2問)
臨床 64.3 (不適切問題による採点除外3問)
必修 80.0 (必修不適による採点除外7問)

まあ、こんなもんか。
やっぱり難問奇問悪問が多かったんだな。


関連
医学処:第100回医師国家試験合格速報
医学処:第101回医師国家試験合格速報
医学処:第102回医師国家試験合格速報
posted by さじ at 14:17 | Comment(5) | TrackBack(0) | 大学

アジサイの葉が原因とされた食中毒事件、原因物質検出せず。

アジサイの葉は毒?原因物質検出できず…昨年2件の食中毒

 アジサイの葉が原因と見られる食中毒が昨年、2件相次いだ。

 当初は青酸系の成分が原因とされていたが、1件では検出されず、もう1件も微量で、「シロ」の可能性が高くなった。アジサイが食卓に上ることは昔からあり、市場にも流通しているのに、過去に中毒の報告が全くなかったのも不可解で、「別の有毒成分があるのでは」「アジサイの種類によって違う」という見方も出ている。アジサイは、はたして有毒なのか。各地の研究者や行政担当者は首をひねりながら、謎を追いかけている。

 昨年6月13日、茨城県つくば市の飲食店で、8人が料理に添えられたアジサイの葉を食べ、吐き気や、めまいを訴えた。同26日には大阪市の飲食店でも客1人に同様の症状が出た。

 茨城県は、青酸中毒と似た急性症状だったことから、アジサイに含まれる「青酸配糖体」が原因で中毒が起こるという書物の記述を参考に、食中毒と発表。厚生労働省も、これをもとに全国に通達で注意を促した。

 ところが、客が食べた店先のアジサイを県で精密に調べても青酸配糖体は検出されず、農薬など他の毒性物質も出なかったという。

 厚労省には、複数の専門家が「そんな論文はない」と指摘。約80年前に米国で馬や牛が中毒したという簡単な報告しか見当たらず、8月に「知見が十分でない」と通達内容を訂正した。

 一方、大阪市立環境科学研究所は、葉1グラムあたり29マイクロ・グラムの青酸配糖体を検出したものの、「微量だから1〜2枚で中毒は起きないはず」と困惑する。

 他の自治体や大学も分析に乗り出したが、大阪以外では検出例はなかった。京都薬科大の吉川雅之教授らは、中国に自生する一種から青酸配糖体を検出。「国内でも多くの種類や産地で調べる必要がある」とし、26日に始まる日本薬学会で報告する。ただ、青酸配糖体では茨城県の事例の説明がつかず、「別の物質があるのだろう」という意見も多い。

 茨城県・食の安全対策室の担当者は「とても苦くて何枚も口にできない。それでも、天ぷらや刺し身のツマなどに飲食店や家庭で時々使われてきたのだから、もし毒があれば報告がなかったのは不思議だ」と話す。



 アジサイの葉の種類によって青酸配糖体含有量が異なる、ということでしょうか。専門家のほうでもよくわからん、ということですのでまぁ口にしないことが無難か。

 青酸配糖体が検出されなかった食中毒事件では、もしかすると別の食中毒だった可能性もあるわけですよね。原因の究明って難しい。

関連:アジサイの葉を食べると胃酸と反応して中毒を起こします。
posted by さじ at 14:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

昆虫は毒草を食べて寄生虫を自己駆除する。

毒草を食べて寄生虫を自己駆除する毛虫

 今回の研究には、クマケムシと呼ばれる毛に覆われたガの幼虫が使われた。研究を率いたアリゾナ大学のエリザベス・ベルナイス氏によると、昆虫が自己治療を行うことが明確に示されたのはこれが初めてだという。

 春になると、寄生性のハエがクマケムシの体内に卵を産む。卵がかえると、ハエの幼虫は宿主の体を食べ進み、最終的には腹を破って外に出る。しかし、寄生された幼虫がセネキオをはじめとする植物の葉を食べると、腹の中がアルカロイドという薬物でいっぱいになる。人間にとって身近なアルカロイドは、カフェインやモルヒネ、コカインなどだ。

 アルカロイドが寄生虫を直接攻撃するのか、それともクマケムシの免疫機能をなんらかの形で高めているかはわかっていない。しかし、アルカロイドを含む葉が幼虫たちを治療するのは確かだ。

 ベルナイス氏らは寄生虫の有無でクマケムシを分け、寄生されている方が有毒のアルカロイドを含む葉を多く食べていることを明らかにした。健康なクマケムシもアルカロイドを摂取するが、こちらはごく少量にすぎない。寄生虫が嫌う味になることが目的のようだ。

 また、寄生虫がいないにもかかわらずアルカロイドを大量に摂取するクマケムシは、適量に押さえる個体より死ぬ確率が高いことも示された「一歩間違えば、命取りになる」とベルナイス氏は言う。

 これまで、自己治療を行うのは、学習能力がある比較的知能の高い生物に限られると考えられてきた。その一例が霊長類だ。例えば、チンパンジーは自分の病気を治すために摂取すべき薬を覚え、その知識を他者に伝えることができる。

 昆虫の場合はおそらく、はるかに単純な仕組みだ。ベルナイス氏によれば、クマケムシは寄生されると免疫系が反応する。具体的には、味覚の受容体が変化しアルカロイドを欲するようになるという。「昆虫のシステムは脳の認知能力ではなく、味覚の変化に基づいている」とベルナイス氏は説明した。



 生物って凄いなぁ・・・。昆虫レベルであっても、寄生虫が体内に入ったときにどのようにしたらいいか、脳から刺激が出て対応するわけですよね。しかも味覚を変化させて通常なら食べないアルカロイドを含む毒草を食べるようになる・・・。凄いことです、これ。

関連
医学処:セロトニンの分泌刺激でバッタは変貌する。
医学処:カイコなどの昆虫は宇宙食として最適な栄養を誇る。
医学処:生物を昔の環境に戻しても、DNAは少ししか逆進化しない。
posted by さじ at 13:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

紫外線に耐性を持つ新種の細菌3種を成層圏で見つける

成層圏に新種の細菌、生命の起源探究の一助に インド

 インド宇宙研究機関(ISRO)は16日、紫外線に耐性を持つ新種の細菌3種を成層圏で見つけたと発表した

 ISROは成層圏に気球を打ち上げて収集したサンプルの中から、細菌12種と菌類6種を検出。このうち3種の細菌は、これまでに発見されたどの細菌とも異なる新種だったという

 ほとんどの生物は成層圏の強い紫外線を浴びると死んでしまうが、これら細菌は紫外線に耐性を持っていた。新種の1つはジャニバクター属の細菌で、英国の天文学者フレッド・ホイルにちなんで「ホイレイ」と命名された。

 ISROは「微生物が地球外から来たという説は現代の科学では立証できていないが、(今回の発見は)生命の起源の探究を続ける動機になる」と述べている。



 このネタだけでパニック映画一本とれるレベル。

 菌の適応力って凄いですねぇ。普通だったら高レベルの紫外線を浴びればどんなものでも死滅してしまうと考えますが、それにすら耐性を獲得することができるとは。今ある病気の治療法を確立し続けても、細菌の脅威はとどまることはないでしょうね。
posted by さじ at 13:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

骨細胞増殖に最適な振動数は50ヘルツ。

横浜国大、骨細胞増殖に最適な振動数を特定−iPS細胞に応用も

 横浜国立大学の白石俊彦講師らは、骨を形作る細胞が最も増える振動数を特定した。プレート上の細胞を、ゼロから400ヘルツの範囲で縦方向に振動させて培養すると、骨形成と密接なかかわりを持つ遺伝子が50ヘルツで最も発現し、細胞増殖につながることを発見した。今回の成果は、iPS細胞(万能細胞)などへも応用が期待でき、再生医療の早期実用化に役立ちそうだ。

 骨折を治療する時に、超音波で骨を振動させると回復が早くなることが知られている。一方、振動数によっては、細胞増殖のスピードが遅くなり、逆効果になってしまう時もある。

 白石講師らは加振器を使い、細胞にさまざまな振動を与えて比較する実験を行った。すると50ヘルツで遺伝子の発現がピークを迎えることを発見。



 50Hzがちょうどいいらしいです。

 最近大きな病院ならこの超音波振動による治療は行っているみたいですね。色々な分野が医療に応用されるようになってきたなぁと感じます。
posted by さじ at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

知能検査で好成績の人ほど心臓病や自殺のリスクは低い。

IQと病気のリスクとの関連

 知能検査で好成績を収められなかった人は、心臓病や重大事故、自殺などのリスクが高いことが分かった。

 研究者らがスウェーデン軍に徴兵された100万人の医療記録を調べて分かった結果である。育った環境の安全性や豊かさを考慮に入れても、IQと死亡率の間に相関が見られたとのこと。

 研究者の一人、David Batty博士は、統計解析の結果「認知能力と死の危険性の間に強い関連性があること」が分かったと言う。

 「IQの高い人ほど、煙草をあまり吸わず、深酒もしません。よい食べ物を選び、運動もします。これが、彼らの死亡率の低さの原因かも知れません。」

 先行研究によると、就学前の教育プログラムと栄養に富んだ食事がIQテストの成績を上げられるとのことだ。IQの高い人は「予期せずして健康面の利益を享受し、生活水準や教育を改良しようとする政府の努力をさらに効果的にする」のではないか、と研究者らは考えている。

 英・グラスゴーにある医療研究委員会(MRC)でウェルカムトラストのリサーチフェローをしているBatty博士は、「もし、IQと死亡率の相関を、低IQの人がよくない行動をするという理由で一部が説明出来るのではないかと考えるならば、健康に関する行動を変えさせるために使われているメッセージが複雑すぎるということになるかも知れません。」としている。

 Batty博士が共著したもう一つの研究では、4000人以上の米軍兵士を15年追跡したデータを用いたが、同じ結果が出たとのことである。



 IQが高いから病気にかかりにくいというわけではなく、頭がいいから健康に良いことをちゃんとしようとするんでしょうね。運動の大切さ、食の重要性を分かっているといいますか。

 逆に言えばどんな人でも運動したり食生活を正しくすれば、こういった病気のリスクはなくせるということですので・・・身体においしい生活をしましょう。
posted by さじ at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理