2009年01月09日

日本人の全遺伝情報を解明するプロジェクトを立ち上げる

日本人の遺伝情報、3年がかりで解読へ…産総研が計画

 日本人の全遺伝情報(ゲノム)を解読するプロジェクトが、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)を中心に2009年から本格的にスタートする。

 今後3年間をかけ、日本人特有の病気やルーツなどの解明に役立てる

 プロジェクトは、日本人で最も標準的な白血球の型を持つ男性1人を選び、生命の設計図を構成する4種類の物質(塩基)の配列を解読し、外国人と比較する。外国人とのゲノムの差のデータを蓄積すれば、日本人に多い病気の解明、体質にあった薬の開発や投与法を突き止めることが可能になる。プロジェクト代表者の平野隆・同研究所主幹研究員は「人種間のゲノムの違いは約0・1%と考えられていたが、実際はその10倍以上の差がある。日本人がどのように形成されたかもわかる」と話す。



 例えば同じ病気であっても、日本人と欧米人では症状が異なったり、治療法に差が出たりします。

 アメリカで開発された薬であっても日本人にはあまり効かなかったり、副作用が出たりするといった不確定要素の解明のためにも、この遺伝子情報を解明するプロジェクトには大きな意義があります。

医学処:人工DNAの合成に成功する。
医学処:日本人を遺伝子で分けると本土型と琉球型に大別できる。


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13年間冷凍されていた飛騨牛の精巣からクローン牛を誕生させる

「飛騨牛」元祖のクローン牛誕生…冷凍保存の精巣で

 岐阜県特産「飛騨牛」の元祖とされる牛と同じ遺伝子を持つクローン牛を、死後13年間冷凍されていた精巣を使って誕生させることに、近畿大学と県畜産研究所の研究チームが成功した。

 米科学誌「プロスワン」に8日、発表した。

 内閣府食品安全委員会の作業部会は、クローン牛が食品として安全なことを認める方針を固めており、すでに死んだ牛から肉質のよいクローン牛を量産することに道を開く成果だ。

 使われた牛は、約4万頭の飛騨牛を誕生させ、そのブランドの立役者となった「安福号」。1993年9月に死んだが、精巣が凍結保存されていた。

 佐伯和弘・同大教授(家畜繁殖学)らの研究チームは2007年1月、精巣を解凍し、生きていた一部の細胞を培養。

 増殖させた細胞の核を、核を除去した別の牛の卵子に入れて、子宮に移植した。同年11月〜08年7月に4頭が生まれ、このうち2頭が今も育っている。

 マウスの死体からクローンマウスを作ったことがある理化学研究所の若山照彦チームリーダーは、「凍結した牛から生きた細胞が見つかったのは画期的だ。スーパーで販売されている凍結した肉からも、クローン牛が作れるかもしれない」と話している。



 日本人の食にかける情熱は異常なまでに研ぎ澄まされてますなぁ。

 まぁそのおかげでこんなにもおいしいものを食べることができるんですけど。やはり国産牛のおいしさは格別ですね。

 ただそれを、そのー、今までは努力でおいしくしていたわけで。クローン牛は科学的に考えれば食用として通用するとは思いますけれど、本当に努力して育てた飛騨牛と一緒なんだろうかという気も。やはりクローン羊ドリーの最期が頭に残ってますからね。

 あとこのコピペ思い出したのでついでに貼っておきます。

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もうずいぶん前の話だが、昔アメリカの大学に留学してた頃テレビ
でこんな感じのニュースレポートを見た。
「日本人はなぜアメリカ産牛肉を買わないのか?」

レボーターが日本と米国の食肉輸入障壁の問題を説明する。全体的にやや非難がましい口調。
そして日本での街頭インタビュー。「国産牛肉の方がおいしいから」
「アメリカの牛肉まずいから」などと答える日本人。
一緒にテレビを見ていた現地学生たち、ちょっとムッとするw
レポーター:「確かに最近ニューヨークでは日本産牛肉を売り物にした高級レストランが増えている。日本産の牛肉はそんなに美味いのか? 私は自分でそれを確かめるべく、ニューヨークで一番人気といわれるレストランXX(店名忘れた)に足を運んだ。」
レポーターの前に出されるステーキ。日本人の目から見ると結構な大きさがあるが、レポーターは「信じられるかい? こんなちっぽけなステーキが300ドルもするんだ!」と大げさに驚く。
ステーキを口にするレポーター。
しばらく沈黙。

レポーター:(神妙な口調で)「……我々がこれまで食べていたのはサンダルの底だった」

医学処:ペット犬のクローン作りを韓国が受注する。
医学処:世界最年少でクローンマウスの作製に成功した近畿大の21歳女性
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2009年01月08日

新金岡豊川総合病院の全盲患者置き去り事件、職員らを不起訴に

全盲患者置き去り、病院職員ら不起訴

 2007年9月、堺市北区の「新金岡豊川総合病院」に入院していた全盲の男性患者(64)を公園に置き去りにしたとして、保護責任者遺棄容疑で書類送検されていた同病院の職員ら4人(33〜48歳)について、大阪地検は「立ち去る前に救急車を呼び、男性は保護されており、結果は重大とはいえない」などとして不起訴(起訴猶予)にした。昨年12月26日付。

 4人は07年9月21日午後1時頃、約7年間、糖尿病で入院していた男性に退院許可が出たため、車に乗せて大阪市住吉区の前妻宅を訪ねたが、引き取りを拒まれ、同市西成区の公園のベンチに置き去りにしたとして、昨年2月、大阪府警西成署から書類送検された。



 ううむ。微妙ー。

 まぁ確かに救急車を呼んでいるということは医療的には保護されている状況ですが・・・置き去りにしたのはねぇ。医療関係者として過失があるような気もするのですが。

 とはいえ病院側が、こうした家庭的な事情までサポートしなければいけないのは難しい問題ですよね。身寄りがなかった場合、病院にずっとおいておく(費用も病院もちか)というのもおかしい話だと思いますし。

 まぁこの新金岡豊川総合病院も、救急車を呼んで、別の病院に入院させるというか、押し付ける気満々でしたからね。

医学処:入院費滞納の全盲患者を公園に放置した
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2009年01月06日

配偶者と同じ寝室で寝るという人は年代ごとに減少している。

彼女・奥さんと同じベッドで寝ていますか?

 夫婦や恋人は歳をとるほど、別のベッドや布団、部屋になる傾向がある――。パラマウントベッドの調査によると、パートナー(恋人または配偶者)と別の寝室で寝ているという人は20代で9.4%だったが、50代になると31.0%。また同じ寝室でも、別のベッドまたは布団で寝ているという人は、30代で35.4%に対し、40代では43.0%であることが分かった。

 「相手のいびきがうるさい」「(夫の)帰宅時間が遅い」などの事情はあるだろうが、年代が上がるにつれ、同じベッドよりは別のベッド、同じ寝室よりは別の寝室で寝ている人が多いようだ。

 普段眠ろうとしてから眠りにつくまでどのくらいの時間がかかるか、と聞いたところ「20分未満」と答えた人は68.8%。5分未満で眠れるという人は14.1%、年代別で見ると50代が最も多く18.3%だった。また目覚めるときの感覚を尋ねると、50代では39.0%の人が「疲れが(どちらかというと)すっきり回復し、目覚めが良いことが多い」と回答。平均が29.0%だったことから、50代では目覚めが良いという人が多いようだ。

 平日は何時くらいに寝るのか、と聞いたところ「24時まで」と答えた人は20代が35.5%、30代が37.4%、40代が43.0%、50代が63.0%。逆に「6時までに起きる」という人は20代が13.0%に対し、50代が43.3%と年代が上がるほど、就寝と起床時間が早くなるという結果が出た。

 また休日前の就寝時間を尋ねたところ、「24時まで」という人は20代が23.9%、30代が27.5%、40代が37.2%、50代が55.3%と、すべての年代で平日より遅くなる傾向がうかがえた。休日の起床時間は「6時までに」と答えた人は20代でわずか1.2%、50代でも19.7%と、やはり休みの日は遅くまで寝ている人が多いようだ。



 そりゃそうですよね。

 一緒に寝るのなんてそりゃ時間が過ぎれば。それでも愛がなくなったとかそういうわけじゃないんですけどね。親しいからといって一緒に毎日寝るかというとそういうわけではないですから。

 まあしかし、なんか微妙に鬱になるニュースでござい。苦笑

 もう寝よ寝よ。

 おやすみなさい!
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社会参加していない精神障害者は50万人に上る

精神障害者:社会不参加、50万人

 精神科に通院する以外に社会参加をしていない65歳未満の精神障害者が推定で50万人程度いることが、社団法人・日本精神神経科診療所協会の研究班による調査で分かった。

 研究班長の平川博之・日本精神神経科診療所協会副会長は「通院先に精神保健福祉士などの専門職を配置し、精神障害者に対する相談機能を強化することで、社会参加へ向けた支援を進めるべきだ」と話している。

 同研究班は、全国の精神科診療所400カ所を抽出して調査票を送った。うち109カ所が、昨年12月中旬の任意の一日に受診した障害者計3768人について回答。

 その結果、594人(15・8%)が半年以上にわたって「就学・就労」「共同作業所などへの通所」「主な家事の担当」−−のいずれもしておらず、通院以外に社会参加していなかった。期間が半年未満または不明だった人も加えると779人(20・7%)に上った。この割合を全国の精神科通院患者270万人(厚生労働省の05年調査)と比較すると、推計で42・7万〜55・9万人が社会参加していないことになるという。



 どう読むか。

 社会生活が出来ないような状態なのか、それとも社会へ入っていくまでのプロセスが構築されていないのか。

 おそらく日本では、後者なんでしょうかね。精神疾患に関する理解が進んでいるとはいえませんし、なんかいまだに平気で差別されているような気がします。

 しかし社会への適応というのは、なかなか難しいものですからねぇ。。これ解決できたらノーベル賞ものですよ。何かいいアイディアはないものか。

医学処:精神障害を持つ人が300万人を超す。
医学処:精神障害者向けサロン、運営メンバー募集中
医学処:統合失調症ってどんな病気?原因・症状・治療について。
posted by さじ at 00:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神

2009年01月05日

膿胸治療中に誤って肝臓を刺し4時間後に失血死する。

過って肝臓刺し失血死 茅ケ崎市立病院、警察に届けず

 神奈川県の茅ケ崎市立病院呼吸器外科で9月下旬、患者の胸部に特殊な管を差し込む際に過って肝臓を刺し、患者が失血死していたことが病院側への取材で分かった。病院側は「出血は、通常の手術を行った結果、起きた合併症」として過失を否定、警察に届けていなかった。

 病院側の説明によると、死亡したのは60代後半の女性で、「気胸」を患っていた。肺の穴から空気が漏れ、肺と肋骨の間のすきま(胸腔)にたまって呼吸が苦しくなる病気で、同病院で春から9月までに3回の手術を受けた。胸腔にウミがたまる「膿胸」を繰り返していたという。

 このため、呼吸器外科の医師が、「ドレーン」と呼ばれる管を胸の表面から挿入してウミを出そうとしたところ、挿入口から血液があふれ出した。ドレーンの先端の針によって肺の下にある肝臓が傷つけられており、4時間後に出血によるショックで患者は死亡したという。死亡は、仙賀裕院長らに報告され、市幹部にも報告された。病院内の医療事故などを扱う安全管理委員会で、「重症の合併症」と判定され、警察に届ける必要はないと決めたという

 失血死を重症の合併症としたことについて、安全管理委員長の望月孝俊・副院長は「担当医からの聞き取りや、カルテを調べた。医療の世界では、今回のような出血は、一般的に行われる医療行為、手術を行った時に起こる合併症とされており、ミスではない。止血の措置もちゃんとやっていた。家族にも原因を説明し、警察に届けないでいいと言われた」と説明している。



 一番理想的なのは、こういう異状死があった場合にはすぐに警察や法医学者に届け出ることなんですけどね。事件の疑いがあるというか、死因を明確にするためにも。

 法医学の重要性や、必要性が再認識されはじめています。もし国の予算がちゃんと下りて、死因究明センターが配置された場合は、こういう重度の合併症とやらも、異状死であれば全部届けられる時代になってくると思いますね。医者を守るためにも必要ですし、患者が医療事故を究明するためにも、必要ですから。

医学処:警察庁が、解剖医の育成協力を法医学会に要請する
医学処:日本法医学会、全国に死因究明医療センターの設置を提言する
posted by さじ at 22:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 呼吸

医学ちょっといい話11「筋ジス患者の笑顔を永遠に」

筋ジス患者の写真陶板化 鳴門・大塚国際美術館、徳島病院に

 吉野川市鴨島町の国立病院機構徳島病院に入院する筋ジストロフィー患者の花見の写真が陶板に焼き付けられ、鳴門市の大塚国際美術館から病院に届けられた。

 陶板化されたのは、病院で今年四月に行った花見会で、「こどもたちとの、ある日の風景の大切な記憶」と題されている。人工呼吸器を付け、車いすに乗った三−二十七歳の患者十二人と主治医の多田羅勝義副院長(58)が満開のソメイヨシノを笑顔で楽しむ様子がA4サイズに焼き付けられている。

 陶板は筋ジストロフィー病棟の廊下に飾られ、多田羅副院長は「これで患者の笑顔は永遠に残る。陶板のように、いつまでも患者が笑顔で暮らせるように努めたい」と喜んだ。

 同館は、陶板にして残したい思い出や写真を毎年募集し、「陶板名画の日」の十月八日に選定作品を発表している。

 病院の写真は、全国三十件の応募の中から選ばれた三件のうちの一つ。

医学処:筋ジストロフィーの患者の38%が、着床前診断に賛成している。
医学処:筋ジストロフィーの少年の成長記録を写真集に。
医学処:筋ジストロフィーの原因となるかもしれない蛋白「MG53」
posted by さじ at 22:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

徳島県で自治医大卒の医師の25%は県外へ流出している。

県職員に期限採用へ 「県内勤務」終了の自治医大出身者

 医師不足で地域医療の存続が危ぶまれる中、徳島県が二〇〇九年度から新たに取り組む医師確保対策がほぼ固まった。県内勤務の義務年限を終えた自治医科大学(栃木県)出身の医師を三年の期限付きで県職員に採用、うち一年を国内外での研修に充てることができる制度を新設する。産婦人科・小児科の後期研修医に月十万円の研修資金を貸与し、将来、県内で勤務すれば返済を免除する制度もスタートさせる方針だ。

 県出身の自治医大卒の医師は毎年二、三人。卒業後は県職員として原則九年間、県立病院やへき地診療所などでの勤務を義務付けられている。ただ、十年目以降の勤務先は自由に選択できるため、四人に一人は県外へ流出している。新制度は、義務年限後も県内にとどまる医師を増やすのが目的。

 新制度では任期三年のうち二年は県立海部、三好両病院やへき地診療所で勤務するのが条件。残りの一年は症例数の多い大規模病院などでの研修が可能で、専門医としてのスキルアップに役立ててもらう。

 研修資金貸与の対象は、二年間の初期臨床研修を終えて徳島大学医学部で産婦人科、小児科の専門医研修を受ける医師。貸与期間(最長三年)の一・五倍の間、県内の公的病院で勤務すれば返済が免除される。県は制度創設に必要な条例改正案を、県議会二月定例会に提出する準備を進めている。

 また、県内の地域医療を担う医師を総合的に養成する施策も推進する。医師を目指す高校生対象の「地域医療現場体験セミナー(仮称)」を開催するほか、徳島大医学部の学生に対する修学資金貸与の定員を〇八年度の二人から五人に増やす。

 初期研修医の確保対策では、研修医を受け入れている県内八病院や県、県医師会などでつくる「臨床研修連絡協議会(仮称)」を設置。▽県外で開かれる研修医合同説明会へのブース出展▽研修医や指導医対象のセミナー開催▽医学部生への情報発信−などに取り組む。

 〇八年度に始めた「とくしま医師バンク事業」の新たな試みとして、国際協力に関心がある医師を「ドクターバンク医師」に採用し、任期三年のうち一年は海外で医療活動に従事できるようにする。再就職を希望する女性医師は非常勤職員として、現場復帰に向けた研修を県立中央病院で実施する。

 勤務医不足が続く海部病院の診療支援については、ベテラン医師三人と交渉を進めている。

 徳島県の人口十万人当たりの病院勤務医師数(〇七年)は一八四・一人で高知、福岡に次いで三番目に多いが、三分の二が徳島市など県東部に集中。南部、西部は医師不足が深刻化している。今春から県立三好、麻植協同の両病院が相次いで分娩を休止するなど、産科医不足が顕著になっている。



 自治医科大学卒の4人に1人が県外へ行ってしまうというのは由々しき事態ですねぇ。自治医科大学って、県に定着させるために存在しているようなもんでしょう。なぜ入学時に分かりきったコンセプトなのに、卒後こうして県外に出てしまうのか。

 それほどまでに魅力的ではなかったということでしょうか。

 どうせなら10年以降も制約をつけるとかしないと・・・。それでも医者になりたいっていうガッツある人は多いと思いますよ。最近じゃあ、卒後すぐに親がン千万すぐに返還して、子供を自由にしてしまうケースもあるとか。本末転倒というか、一種の裏切り行為みたいなもんなんで、そういうことはやめてもらいたいですね。学費返済じゃなくて、違約金2億とかにすればいいのに。

 本当に医者になって地域の役に立ちたいと考えていても、あのツマラン受験勉強ゆえになかなか医学部に進学できない子らを自治医にいれたほうがよっぽど国のためだと思います。往々にしてそういう子らは、受験勉強はやらなくても医学部での勉強は他の人よりもやると思いますんで。

医学処:自治医科大学卒業生の地元定着率は7割
医学処:医学部全体に、僻地などへの地域勤務枠を設け、授業料を免除する
医学処:弘前大学医学部の県定着枠、10人に増員する
posted by さじ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年01月04日

地域のため頑張ってきた医師が、非協力的な町に対し退職を申し出

24時間体制の穂別診療所 医師全員が退職申し出 「コンビニ受診」で過労

 胆振管内むかわ町の国保穂別診療所の常勤医三人全員が、来年三月末の退職を申し出た。後任の医師確保の見通しはなく、四月から医師が不在となる可能性もある。同診療所は、前身の町立穂別病院の規模を縮小し、年中無休の二十四時間診療に取り組むなど、地域医療のモデルケースとして全国から注目を集めたが緊急性のない軽症患者による“コンビニ受診”の横行など過重労働が、全員退職という非常事態を招いた

 「地域医療を支えるのは使命と思っているが、限界を感じた」

 一九九八年から、前身の町立病院を含めて勤務してきた一木崇宏診療所長(44)はこう話す。

 一木所長は一月から夕張市の医療法人財団「夕張希望の杜」に移籍する。当面、三月までは派遣医師の形で勤務を継続するが、残りの医師二人も三月までに退職することになり、住民に激震が走った。

 退職の理由は過重労働だ。同診療所は二〇〇五年に六十三床の町立病院を十九床に規模縮小。一方で、常勤医三人が訪問診療や時間外診療など従来の医療サービスを維持しつつ、一木所長が住民向けの出前講座を開くなど地域と密着した医療活動が先進事例として道内外から視察が相次いでいた。

 しかし、医師三人が交代で行う夜間診療は、自宅待機で急患に対応する形を取ったが、呼び出されない日はなく、睡眠は数時間しか取れず、翌日、寝不足で日常の診察をする日が続いた。さらに症状が軽くても夜間や休日に来院する“コンビニ受診者”が多いことも医師を追い込んだ。

 一木所長は「精神的に参った。このままでは地域医療を継続できないことを住民に考えてほしかった」と打ち明ける。

 むかわ町は一木所長らの意向を踏まえ、一月から時間外診療の原則廃止を決定した。また、見通しは立っていないものの、後任医師は一木所長が移籍し、地理的にも比較的近い「夕張希望の杜」に派遣を要請する考えだ。

 むかわ町は、旧鵡川町と旧穂別町が合併して〇六年三月に誕生。旧穂別町長時代に診療所化を決断した横山宏史副町長は「医師への気配りや(医師の不満を受け止める)アンテナがなかった」と反省する。山口憲造町長は「今後の医療を考えるいい機会」と受け止めている。



 町全体を挙げて自業自得!

 医師への気配りがなかった、と認めるところは潔いのですが、実際に町民全員は反省してるんでしょうか。町で、急患なんてそんなないはずなのに、「呼び出されない日はなかった」とは大変恐るべきことです。その日の日中に行く、もしくは朝まで我慢する、ということが本当にできなかったんでしょうか。

 医師を無下に利用するだけの町なんぞに、地域医療など根付くはずもありません。むしろ、それでも頑張っていたこの3人の常勤には非常に立派。

 全国の、町全体で地域医療について考えているようなところをリストアップすることって出来ないんですかね。ここはこういう風に考えています!って。そういう町で、地域医療をやりたいという医者は多いのではないでしょうか。

医学処:勤務医の負担を考える良識ある地域に小児科医が進んで赴任する
医学処:帰ってきた村上智彦医師。夕張市で予防医学に尽力。
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免震構造を施した病院と、地震の被害報告。

医療施設「免震構造」でも医療機器転倒などの被害

 医療施設では「免震構造」でも長周期地震動を受けると、人工透析装置などの医療機器が転倒するなど、施設内部では大きな被害が出かねないことが、防災科学技術研究所の実験で確認された。防災科研は、医療機器の固定など病院の地震対策を定めた指針作りを検討する。

 実験は、兵庫耐震工学研究センター(通称・Eディフェンス、兵庫県三木市)の震動実験施設で行われた。装置の上に、診察室や手術室などを模した免震構造の「病院」(4階建て、鉄筋コンクリート)を建てて揺らした。

 東海、東南海地震が同時に発生した際に名古屋市内で想定される震度5強、最大217ガルの揺れを起こしたところ、建物内部では入力値を上回る約240ガルの揺れが観測された

 この結果、固定されていないベッドや手術用照明器具、診察台などが2〜3メートル動いたほか、透析装置が転倒した。一方、キャスターをロックした機器は、10センチ程度しか動かなかった

 実験に立ち会った国立保健医療科学院の筧淳夫・施設科学部長は「今回の実験で、免震ではキャスターの固定でも大きな効果があることがわかった。震災直後でも病院が機能できるよう、対策を考え普及させていく必要がある」と話した。



 こういう研究をやってくれることは医療者にとっては大変ありがたいことですな。

 キャスターを常にロック、か。ベッドなどはほとんど固定されているので安心ですが、他のはどうなんでしょう。常にロックを心がけるようにする必要がありそうですね、たとえ患者さんから離れているものであっても。
posted by さじ at 15:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

乳腺超音波画像コンピューター支援診断(CAD)システム

乳がんかも…画像診断 医師補助するソフト開発

 岐阜大学大学院医学系研究科の藤田広志教授(知能イメージ情報学)の研究グループが、超音波で撮影した女性の乳房画像をコンピューターで分析し、乳がんの可能性がある部位を医師に知らせるソフト「乳腺超音波画像コンピューター支援診断(CAD)システム」を開発した。医師の診断をコンピューターで補助することで、がんを見落とす確率が大幅に減ると期待される。

 CADは超音波で乳房を撮影し、3次元の立体画像にしてコンピューターで分析。乳がんの恐れがある部分を画面上で矢印などで示すことで医師に注意を促す。検診車などによる集団検診や人間ドックでの使用を想定しており、一度に多くの画像を診断する医師を補助し、乳がんを見落とす確率を減らすことを目指している。

 乳がんは女性のがん罹患率1位。現在の乳がん検診はマンモグラフィー(乳房X線撮影)が主流だが、母乳をつくる組織の乳腺が白く映るため、乳腺密度が高い若年層だとがんが見えにくく、小さながん細胞だと見落とす可能性もあるという

 藤田教授らは、超音波で撮影すると、がんの部位が黒く丸い影として映ることに注目。これまでに乳がん患者の画像データ約109症例を集め、がん細胞を識別するようにプログラムを作成した。

 とはいえ、約150枚に上る超音波の立体画像解析で、がんに似た細胞に反応する「偽陽性候補」が平均4カ所あるなど、最近の実験でCADによるがん検出率は81%

 共同研究者の福岡大輔・岐阜大准教授は「医師のうっかりミスを防ぐのが主目的なので、必ずしも検出率100%でなくてもいいが、1千症例ぐらい集め、もう少し精度を上げたい」と話す。千差万別の乳がんの形態などを記憶し、自動診断する自己学習機能の向上も課題という

 研究は文部科学省の知的クラスター創成事業の一環で、産学協同による地域経済の活性化が目的のため、将来の商業化が求められている。企業などと協力して来夏にも医療機関向けに商品化する予定。藤田教授は「人種的な特徴なのだろうが、アジア人は欧米人より乳腺密度が高い人が多い。需要はあると思う」と話す。11月30日に米シカゴであった北米医学放射線学会で研究成果を発表するなど、世界でも注目されている。

 国立病院機構名古屋医療センター放射線科の遠藤登喜子部長は「超音波は撮影画像が膨大。コンピューターで診断を支援してくれたら助かる。マンモグラフィーと補完し合えば、乳がんの早期発見に大きく役立つだろう」と期待している。



 おーこういう技術はどんどん進展してほしいですね。

 まあ今の日本では、乳癌を画像で判断できる医師はかなり多いとは思いますが、それでもうっかり見逃す可能性も無きにしも非ず、ですから。確実性を増すためにもコンピューターによる診断を導入したほうが良さそうです。偽陽性に反応するといっても、それは医師が見ればどうなのか分かりますからね。

 進歩し続ける、放射線科の技術。

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自身の幹細胞を使った世界初の気管支移植手術

気管支再生治療で回復、「奇跡の女性」にインタビュー

 患者本人の幹細胞を使った気管支移植手術で世界初の成功例となったクラウディア・カスティージョさん(30)の名前は、当地ばかりでなく、世界中に知れ渡った。父親の住む実家で順調に回復しているというカスティージョさんを訪ね、心境を聞いた。

 カスティージョさんは今年6月、移住先のスペインで手術を受けた。04年に結核にかかってから激しいせきや息切れに悩まされ、仕事や2児の子育て、家事なども困難なほどに悪化していたというカスティージョさんに、医師は「左肺を切除するか、世界初の移植手術を受けるか」という選択を示した。

 手術は、カスティージョさんの腰などの組織から取り出した幹細胞を培養し、気管支を再生したうえで移植するという方法。それまでブタの事例しかないと聞かされたカスティージョさんは、「医師の勧めで手術を受けたブタにも会いに行きました。元気だったわ」と振り返る。「確かに怖い気持ちはあったけれど、それまでの治療で医師をとても信頼していた。神様と医師を信じていたから、きっとうまくいくと思えました

 術後は15歳、4歳の子どもたちとともに故郷へ戻り、普通の日常生活を送っているという。「息をするのがずっと楽になって、階段や上り坂も平気。まだ試していないけれど、走ることもできると思う」と、明るい表情で語る。

 取材班が訪れた日は体調が万全ではなく、激しくせき込んだり、長く話すと息切れをしたりする様子もみられたが、「冬のスペインから暑いコロンビアへ移り、環境が急に変わったせいだと思う」と、カスティージョさんは説明する。

 道を歩けば「奇跡の女性」と声をかけられ、「中には抱き締めてくれたり、泣き出したりする人もいる」という。「病気に苦しむ人たちに希望を与えることができるのが、とてもうれしい」と、穏やかな笑顔を見せた。



 呼吸器の問題は、痛みというよりまさに「呼吸苦」という感じで、患者はそうとう苦しい思いをします。

 気管支を移植によって完全なものにすることができれば、多くの方の苦しみを取り除くことはできます。最初が成功して、この技術がより確立されれば。自身の幹細胞を使うことで、移植の拒絶問題も大幅に改善されますしね。

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医学処:幹細胞から作った気管支を移植することに成功。
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禁煙法を施行したところ心疾患の入院患者が4割減った。

禁煙法の施行後、心疾患による入院患者数が4割減と CDC

 米コロラド州プエブロで禁煙法の施行後、心疾患による入院患者数が約4割減少していることが、米疾病対策センター(CDC)が12月31日に発表した調査結果で判明した。

 プエブロでは2003年6月に、公共の場所などが禁煙となった。調査は禁煙法施行前の18カ月間と、施行後の3年間について、心疾患による入院患者数を比べた。

 その結果、禁煙法施行前には399人が入院したが、施行後は237人と、41%減少した。調査では、入院患者を喫煙者もしくは非喫煙者に分けていない

 入院患者数が減少した理由について、調査をまとめたCDCは、公共の場所が禁煙になって受動喫煙の被害が減ったことや、公共の場所が禁煙になったことで自宅でも喫煙量が減ってたばこの害が減少したこと、禁煙法を機にたばこをやめた人が増えたことなどを挙げている。



 うーむ、施行後からわずか3年でこんなに劇的な変化が起こるものですかね。

 確かにたばこは心臓リスクとしてはかなりを占めるものではありますが、わずか3年で4割減も。入院患者を喫煙かそうでないかで分けているわけではないみたいなんで、微妙なところですね。

 まあでも、あと数年もすればより細かいデータが集まるでしょう。おそらく、実際に効果は上がって、心疾患の割合は減っているとは思いますが。

医学処:喫煙と同じくらい健康に悪いこと
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2009年01月03日

信州大学が女性医師の支援策を実証実験へ。

信大病院が1月、女性医師支援策で実証実験へ

 信大病院(松本市)は1月、情報通信技術を活用し、子育てなどで現場を離れた女性医師らが自宅で最新の治療法を調べて勤務医に伝え、現場の負担を軽減する新たなモデルの実証実験を行う。医師不足が深刻になる中、出産や子育てで退職を余儀なくされがちな女性医師の支援は大きな課題。現場とつながりを保つことで職場復帰をしやすくし、子育てと両立しやすい働き方を探る狙いだ。

 情報技術を駆使し自宅などで勤務する「テレワーク」の普及を進める総務省が、さまざまな分野で取り組む実証実験の一環。医療分野は全国初で、同省情報高度化推進室は「医師の働きやすい環境づくりに貢献できないか、効果や課題を洗い出したい」とする。

 実験では、普段は大学でしか扱えない国内外の医療文献情報システムと医師宅のパソコンを接続。それぞれの専門分野を生かし、治療方針を考えるのに欠かせない最新の論文や報告を読み、まとめをパソコンなどで勤務医に伝えることを想定している。

 育児休業中の医師を含め、同病院小児科の男女の医師十数人が参加を予定。同科によると、1997年度以降に入局した医師計54人のうち女性は31人で6割近くを占める。同科の稲葉雄二医師は「1日数時間でも子育て中の医師の力を借りられれれば、その人のスキル維持になると同時に、常勤の私たちも助かる」と話す。

 全国でも女性医師は増加傾向で、年齢が若いほど割合は高い。29歳以下の医師では約36%(2006年末時点)が女性。県と信大が2007年に女性医師を対象に行ったアンケートでは、離職した16人のうち15人が復職の意思があると回答した。

 実験ではまた、診断書や患者の治療・経過をまとめた書類の作成など、勤務医の事務的な仕事を在宅でできるかも試験する。信大病院でも来年5月に全面導入予定の電子カルテを自宅で見られるようにすることで可能になるという。情報を暗号化し、データを持ち出せない特殊な端末を導入するなどした上で、まず架空のデータを用いて有効性や安全性を確認する計画だ。

 信大病院は、情報通信技術を活用した遠隔医療、患者や家族の支援を進めてきた。同病院での実験は本年度のみの予定だが、「終了後も検証を続けたい」と医療情報部の滝沢正臣・特任研究員。「医師が増員されても退職者が多ければ医師不足は解決しない。勤務医の仕事と家庭生活の両立や負担軽減のため、できることから取り組みたい」としている。



 育児で忙しくて病院にこれない、というのが問題ですから、要するに「勤務」以外の面でサポートできれば、双方にとって有益なわけですよね。

 よくある医療技術の進歩についていけなくなる、といった問題も、たとえばカンファレンスを中継で行うとか、そういったやりとりで少なからず補うことはできるんじゃないでしょうか。あとは女性医師のやる気次第ですかね。まずはやる気のある女性医師をサポートする土台づくりから。

医学処:現場を離れた女性医師の復帰を支援する病院に補助金を出す。
医学処:女医の育児支援と復職に理解を
医学処:産婦人科の女性医師が40代で激減する理由。
posted by さじ at 14:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

3000万円を支給する産科医療補償制度、1月1日より開始。

出産事故1月1日から補償 重度脳性まひに3000万円

 出産時の医療事故で脳性まひになった子どもに、医師の過失がなくても総額3000万円を支給する「産科医療補償制度」が1月1日から始まる。

 医師の過失の立証が困難で、訴訟が長期化しやすい出産時の事故について、早期解決と被害者救済を図るのが目的。訴訟件数が減れば、産科医不足対策にもつながると期待されている。

 制度は厚生労働省の外郭団体・日本医療機能評価機構が損害保険会社6社と契約して運営。1月1日以降に生まれ、通常の妊娠・出産にもかかわらず、重度の脳性まひとなった子ども(推計で年500〜800人程度)に、一時金600万円と20歳まで毎年120万円の分割金を支給する

 同時に、同機構に設置される第三者委員会が個々の事故原因を分析。産科医療の質の向上も目指す。

 制度には24日現在、分娩を扱う病院や診療所などの98・6%が加入。分娩機関が負担する出産1件当たり3万円の掛け金は出産費用に上乗せされるが、公的医療保険の出産育児一時金も1日から同額分が引き上げられるため、妊産婦の経済的負担は増えない。



 そうか、すっかり忘れていましたけれど、今年の元日から始まったんですねこれ。

 どうせやるなら、うまく軌道にのせてもらいたいものです。産科医を守るためにも、こういう制度が必要な時代なんでしょうねぇ。

医学処:無過失補償制度を患者のための制度と位置づけるように求める
医学処:無過失補償制度、出産時の母体死亡も対象に。
医学処:出産育児一時金を3万円引き上げ、無過失補償制度に。
posted by さじ at 04:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

2009年01月01日

医学処より新年のご挨拶。

 あけましておめでとうございます。医学処のさじです。

 医学処も2006年からはじまりまして、いやぁここまで続くとは思っていませんでしたけども。

 先ほど除夜の鐘を鳴らしに行ったのですが、まぁ寒い。防寒と、そして手洗いとうがい。最近の医学の原則は「予防」です。インフルエンザも昨年から流行してきておりますが、まずかからないためにも、予防を徹底しましょう。自分の不注意で家族にうつしてしまう危険性もあるので、日ごろから手洗いうがいを心がけることが大切です。

 今年も出来るだけ更新していきたいと思いますので、どうぞみなさま、宜しくお願いいたします。

 皆様に、医学的なご加護がありますように。

 医学処管理人 さじ 就寝前に記す
posted by さじ at 03:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
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