2009年01月30日

微量の薬で人体への効果・副作用を予測するマイクロドーズ試験

微量の薬で効果・副作用を予測 新薬開発に新たな手

 臨床試験(治験)に先立ち、開発中の薬をごくわずか飲み、人体での効果や副作用を予測する技術の確立に向けた検証が、3カ年の計画でスタートした。人体への負担が少ないうえ、成功しそうにない治験は避けられ、1千億円ともいわれる新薬開発費を圧縮できる可能性がある

 「マイクロドーズ試験」と呼ばれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で、東京大学や医薬品開発支援機構、製薬メーカーなどによるグループが実施する。

 すでに承認された約20種の薬で、服用量の100分の1以下を飲んでもらい、放射性同位体や陽電子放射断層撮影(PET)などを用いて、体内での吸収や分布、代謝などを調べる。これで実際の効果や副作用をどの程度、予測できるかを検証する。

 厚生労働省は昨年6月、マイクロドーズ試験の実施にあたって、被験者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)など、手続きや届け出のガイダンスを作製した。杉山雄一・東大薬学系研究科教授は「(マイクロドーズ試験の導入で)治験の成功確率を3割程度まで上げられれば新薬開発にとって飛躍的進歩になる」と話す。



 治験は、動物実験などで人体に悪影響がないかどうか確認はするものの、やはり実際に病気の人に投与すると副作用が生じてしまう可能性というのはあります。

 しかし100分の1というごく少量の投与で効果を判定することができれば、新薬開発の負担はかなり減ることでしょう。あとはこのマイクロドーズ試験にどれだけの精度があるのかどうか、ですね。

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体調の良い人が適度に飲酒をすると健康を維持することができる

中高年は適度のアルコールで健康維持を 米研究

 50歳以上で体調の良好な人が適度の飲酒を続けると、健康維持の効果が得られるとの研究報告が、米国でこのほど発表された。米国人男女4200人のデータを分析した結果、明らかになったという。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校で高齢者医療を研究するアルン・カーラマングラ博士らが、専門誌「米疫学ジャーナル(AJE)」の最新号に報告した。それによると、チームは米衛生当局が実施した全米健康栄養調査(NHANES)から、中高年層の追跡データを抽出。自己申請に基づく飲酒の状況と、健康状態との関係を調べた。

 この結果、日常的に少量または中程度のアルコールを摂取していた人は、まったく飲まないグループや大量に飲むグループと比べ、5年以内に介護が必要となるなどの障害を負ったり死亡したりする率が23%低いことが分かったという。ただし、健康効果が確認されたのは、体調が「良好」と答えていたグループのみで、「良くない」「まあまあ」と回答したグループでは、アルコール摂取による変化は見られなかった。

 「少量または中程度」とは、週に15杯未満、1日に5杯未満(女性の場合は4杯未満)の酒を飲むグループ。過去1年間に飲んだのが12杯未満だった人は「まったく飲まない」、週に15杯以上または1日に5杯以上飲む人は「大量に飲む」と分類された。調査対象者は白人が約92%を占め、平均年齢は60歳だった。

 適度な飲酒に健康効果があるとする説は、これまでにも多数の研究者が報告している。その理由には諸説があるが、カーラマングラ博士は「アルコールには動脈硬化を抑えたり、いわゆる善玉コレステロールを増加させたりする作用があるといわれている」と指摘。「体に良いからといってつらいことを我慢するのではなく、楽しみながら続けられる」と、飲酒の利点を強調する。博士自身も毎晩1杯のワインを楽しみ、患者らにも適度の飲酒を勧めているという。



 タバコと違って、お酒のメリットは結構報告されていますからね。

 ただ、健康的に飲むためには量を適量にすることが大事です。アルコールで肝障害などを負う人は大抵、かなりの量を飲んでいますから。

 お酒は楽しく、節度を保って飲みましょう。

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遺伝子を使わず化合物だけでiPS細胞を作ることに成功する。

安全性高いiPS細胞、遺伝子使わず作製にメド 米ハーバード大

 米ハーバード大学の研究チームは安全性の高い新型万能細胞(iPS細胞)を作製することにメドをつけたと、24日に都内で開いたシンポジウムで発表した。細胞をがん化する恐れがあった遺伝子は使わず、化合物だけでiPS細胞を作る。再生医療への実用化を後押しする成果だ。

 研究チームは、京都大学の山中伸弥教授らがiPS細胞を作るときに使った3つの遺伝子を置き換えられる複数の化合物を発見。マウスのiPS細胞を近く作製して効果を確かめる考え。作製効率も遺伝子より上がる可能性があるという。

 iPS細胞の再生医療への応用では、遺伝子を使うと細胞ががん化する可能性が指摘され、新しい作製方法の開発が課題だった。日本も含めて各国のチームが安全性の高い化合物によるiPS細胞作製研究を進めていた。



 遺伝子すら使わずにiPS細胞の作成に成功。

 がん化しないiPS細胞づくりは、再生医療として臨床応用するためには絶対に必要なものですからね。

 わずかな間に世界中で加速するiPS細胞研究ですが、2009年も飛躍的に発展しそうです。

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芸術家の独創の源を解明する、東京芸大×理化研プロジェクト

芸術家の頭の中は?独創の源を解明へ、理研と芸大が連携

 一流の芸術はどのようにして生まれるのか?東京芸術大学(宮田亮平学長)と理化学研究所(野依良治理事長)は、第一線で活躍する芸術家の脳の活動を詳しく調べる共同研究に乗り出す。芸術と脳科学という全く違う分野の専門機関が連携して研究するのは珍しく、教育手法などへの応用が期待されている。

 テーマは「独創的なアイデアがひらめく瞬間に脳はどんな活動をするか」「進化の過程で芸術や音楽は、どのようにして生まれたのか」「作品を鑑賞する脳の活動は、専門家と一般の人でどこが違うか」など。

 年度内の協力協定締結へ向けて最終調整中で、東京芸大の研究者有志が作る研究会「芸術する脳を考える会」(代表=米林雄一教授)を中心に、理研の脳科学総合研究センターと多角的に研究を進める。

 脳波のほか、磁場をかけて脳を外部から透かし見る磁気共鳴画像(MRI)やコンピューター断層撮影法(CT)、光トポグラフィーを使い、脳が実際に活動する様子を観察。今まで定義することが難しかった「美」や「いやし」「感動」といった人間の感性に及ぼす芸術の効果も探る。成果は将来の創作活動や教育に生かしたい考えで、脳科学に裏付けされた新たな表現方法や芸術の創出を目指す。



 いくら受験勉強をしても才能のない人は入れないといわれる東大以上の超難関大学「東京芸術大学」と、医学研究のトップ、理化研のコラボレーション。

 まあ絵をみてもピンときたことのない上に、自身で絵をかくと幼稚園児以下という私が言うのも何ですけど、芸術ってのはもう才能の領域だと思うんですよね。ある程度までは訓練で何とかなっても、偉大な芸術家というのはもう才能の領域。脳が違うんだと思います。

 そういう人が学業で芳しくなくても、社会で保護して一流の芸術家に育てることも、今後必要なことだと思いますね。同様に、受験勉強なんてふるわなくても、いい臨床医になる能力やモチベーションをもってる人が埋もれてしまうのは非常に残念ですな。なんとかして拾い上げるシステムを作ってほしいものです。

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医学処:ナノテク素材「フラーレン」には関節の変形を抑える効果がある
医学処:極小カプセルを注射することで肝硬変などを治療する。
医学処:先端医療に活用できる画期的蛍光剤を島根大学が開発する。
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血管内を泳ぐ極小電動ロボット「プロテウス」の開発に成功。

血管内を「泳ぐ」極小ロボット試作、将来は観察から手術まで可能に

 オーストラリアの物理学チームは、人間の血管内に挿入可能となる、極小電動ロボットの試作に成功した。英物理学研究所(Institute of Physics)の機関誌「Journal of Micromechanics and Microengineering」に20日発表した。

 研究を率いる豪モナシュ大学(Monash University)ナノ物理学研究所(Micro/NanoPhysics Research Laboratory)のジェームズ・フレンド(James Friend)准教授によると、この極小ロボットのサイズは4分の1ミリ、または「髪の毛2-3本分の太さ」だという

 将来的には、遠隔操作で観察用センサー装置を運搬して映像を中継したり、血栓の除去、詰まった動脈の拡張、損傷した細胞の修復などの外科手術も可能になると、チームは期待している。

 「鍵穴手術」など通常の低侵襲手術では現在、口腔など体の空洞部や動脈から挿入するカテーテルが使用されている。ただし、カテーテルは固いため、極細ながらも細い血管の壁に穴を開けてしまう危険性がある。

 研究結果によると、このロボットには圧電を元にしたモーターが搭載されている。圧電とは、クオーツ腕時計や高級ライターなどに使用されている原理で、陶器やガラスが機械的圧力を受けると電圧が生じる。

 今回の極小ロボットの場合、そのような素材が、内部に搭載されたコルク栓抜きのような微細構造を振動させると、柔らかい鞭毛でできた「プロペラ」が起動し、少なくとも流れがそれほど強力でない静脈では、ロボットは漂う細菌類のように血流に逆らって前進する。ただし、外部から遠隔操作される

 その後、画像やデータを送信し、最終的には手術も行う。作業が終わると、ロボットは注入口から注射器で回収される。故障した場合には、血流に乗って挿入口まで戻されるか、カテーテルによって回収される。

 この極小ロボットは、ウェブサイトの投票で、1966年のクラシック・サイエンス・フィクション映画『ミクロの決死圏(Fantastic Voyage)』に登場した特殊潜水艇にちなみ「プロテウス(Proteus)」と名付けられた

 チームは現在、ロボットの組み立て方法と、ロボットを操作するリモコンの改良について検討しているというが、臨床使用にはまだ数年はかかる可能性もあるという。



 ミクロの決死圏にちなんでいるところがなんともニクい演出。

 これが実現可能になると今まで大きな侵襲性のあった外科治療が格段にアップすることに。

 髪の毛2,3本分となると、例えば心臓の冠動脈を検査するカテーテル治療にとってかわる存在になるかもしれません。ただ、そのままステント留置などの治療は出来ないため、検査だけになってしまうかもしれませんが、それでも身体にかかる負担は大きく減ると思われます。

 小さい治療器具ができるということはそれだけでいろいろなアイディアが生まれるものです。臨床応用が楽しみ。

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2009年01月29日

医学ちょっといい話12「根路銘国昭氏の話」

238 音速の名無しさん 2009/01/28(水) 05:47:21 ID:c82jBkYi0
1993年、日本にアジア太平洋地域インフルエンザ・センターが作られた。

それまでアメリカ、イギリス、オーストラリアにしかなかったセンターが
日本に設置されることになったのは、なぜか。

インフルエンザ・ワクチンは、毎年、WHOの専門家会議で、データをもとに今年流行しそうな
インフルエンザを決定し、それに基づいて製薬メーカーがワクチンを作っている。
それまで日本はその元になるアジア各国の膨大なデータを収集し
WHOに送付する仕事だけをやっていた。

担当していた根路銘国昭氏は、これだけの仕事をやってるのに、
日本にインフルエンザ・センターがないのはおかしいとWHOに手紙を書いた。
それに対する返事は
「WHOも国連の安保理と同じで第二次大戦の戦勝国で構成している。
よって日本は入れない。」というものだった。
彼はさらに抗議の手紙を送ったが返事は同じ。
それどころか、WHOに批判的人物として、彼と日本に対し冷淡になったという。

ここで普通の日本人ならどうするだろうか。
なんとか謝罪して、今までどおりの扱いにしてもらおうと努力するか、
そもそも抗議など最初からしないかもしれない。

だが根路銘氏は違った。
なんと、日本が集めていたアジアのデータを1年間、WHOに送るのをやめたのだ。
インフルエンザの大半はアジアから発生するから、そのデータがないと
ワクチンが作れない。WHOは大騒ぎになったという。

そして翌年、根路銘氏にWHO専門家会議への招待状が来た。
その会議で、日本にアジア太平洋地域のインフルエンザ・センターを
作ることが決定され、彼が初代センター長に就任することになった。

こうしてインフルエンザセンター長になった根路銘氏だが、
WHOはアメリカの製薬メーカーの意向を受けた学者が力を持つ世界だった。

1993年フランスで開かれた国際会議で、アメリカが新開発した
生ワクチンを、まず日本で使うべしという議題があがった。
日本は生ワクチンの効果には疑問をもっていて既に使わなくなっていた。
根路銘氏は、「日本を実験台にして、うまくいけば各国で使うつもりだろう」
と感じたという。
その会議には日本の学者も数十人参加していたが誰も反対しなかった。

根路銘氏ひとりが、「日本は先進国であり、ワクチン政策に君たちの指導を
必要とする国ではない」と反論した。
そこでアメリカの学者に、君たちのデータをOHPで映してほしいと頼んだ。
そして日本のデータと比較すると、日本のワクチンの方が明らかに効果があるとわかり、他の学者からも「ネロメの方が正しい」
と意見があがった。
こうしてこの議題は流れ、日本人がモルモットにされるのを防いだ。

根路銘氏はこうも言っている。
「この会議の後、対立したアメリカの学者とすごく仲良くなった。日本人同士だとこうはいかない」

またジュネーブのWHO本部で12人の専門家によるワクチン決定の投票において、
アメリカのワクチン11票、日本のワクチン1票でアメリカ製に決まった。
もちろん1票は根路銘氏のものだ。根路銘氏は科学的に見てこの結果はおかしいと
閉会30分のコーヒーブレイクのときに、2日間の討議で使った110カ国のデータを
つき合わせてコンピュータにかけた。するとアメリカ製は日本の半分しか効果がないと出た。
彼はこの結果を見せて、居並ぶ学者たちに
「君たちは政治家か、科学者か。科学者ならこのデータをどう見る」
と問いかけた。すると議長がテーブルを2回たたいて
「私の判断で採決を取り消します。ドクターネロメが提案した日本の意見に従います」
と結果をひっくり返した。「まるで映画のようだった」と根路銘氏は言う。

関連
医学処:医学ちょっといい話11「筋ジス患者の笑顔を永遠に」
医学処:医学ちょっといい話5
医学処:医者の現実 -医療者の立場から-
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2009年01月28日

新疾患「IgG4関連リンパ増殖性多臓器疾患」

難病の一部、実は新疾患 金沢医科大・正木准教授ら確認

 金沢医科大の正木康史准教授(血液免疫制御学)らの研究グループは二十三日までに、免疫性の難病シェーグレン症候群の一部とされていた中に、抗体タンパク質の増殖で発症する新たな別の疾患が含まれていることを突き止めた。今後、適切な診断法を確立し、早期に症状の進行を防ぐ。研究成果をまとめた論文は英科学誌ネイチャーなどに紹介された。

 シェーグレン症候群は口や目が乾燥し、重度になると肺や肝臓などの内臓疾患も併発する難病で、国内の患者数は十万―二十万人といわれている。同症候群の中にはミクリッツ病と呼ばれ、特に涙腺や耳下腺の腫れがひどくなる疾患があるが、従来は同症候群の一部と考えられていた。

 正木准教授らは、ミクリッツ病が同症候群とは別の疾患ではないかと考え、二〇〇四(平成十六)年に金大や富大を含む全国の専門家による検討会を設置。全国の病院から八十四症例を集めて解析した結果、同症候群と比べ、「IgG4」と呼ばれる抗体タンパク質と、それをつくる細胞の増殖が分かった

 さらに、別の疾患である自己免疫性膵炎の中でも特に「IgG4」の数の多くなる症例があるため、これらをまとめて新たに「IgG4関連リンパ増殖性多臓器疾患」として提唱することにした。

 同検討会によると、同疾患はステロイドの投与により、腺機能の荒廃や多臓器不全の進行を防げるという。一方、副作用に注意が必要で、同検討会は適切な投与量や時期などを研究し、治療法の確立を目指す。



 シェーグレン症候群は、もともと、関節リウマチに乾燥性角結膜炎を合併した疾患として報告されていましたが、70年ほど前にシェーグレン症候群として分類されました。

 そして今回、そのシェーグレン症候群の1つと思われていたものから、「IgG4関連リンパ増殖性多臓器疾患」として分類されることになりました。膠原病はもともと原因不明のものが多いので、新たな発見によって別の疾患であるといえたわけです。

 シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺などの外分泌腺で、自己免疫によって炎症細胞の浸潤が起こり、外分泌腺の腺房が破壊され、分泌機能が低下する疾患です。

 よって症状としては口の乾燥、眼の乾燥などの他、腺外症状としてはリンパ節腫脹や間質性肺炎、原発性胆汁性肝硬変、遠位尿細管性アシドーシス、橋本病(慢性甲状腺炎)などを合併します。

 また、シェーグレン症候群は関節リウマチや全身性エリテマトーデス、全身性強皮症といった膠原病を合併します。すなわち多関節炎やレイノー現象などの症状もみられます。

 特徴的な検査は、自己免疫疾患による高γグロブリン血症、リウマトイド因子陽性、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体の出現などです。眼の乾燥を調べるSchirmerテスト、唾液腺の分泌を調べるガムテストなどがあります。

 乾燥症状だけだとステロイドは適応となりませんが、腺外型などに対しては必要に応じてステロイドを投与します。今回挙げられた疾患であるIgG4関連リンパ増殖性多臓器疾患でもステロイドの投与が治療法の1つになっていますね。

関連
医学処:医学個人メモ
医学処:医学個人メモ2
医学処:数年後に、唾液診断が一般化するかもしれない。
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相手への信頼感や絆を強めるホルモン「オキシトシン」について

見つめ合いでホルモン上昇 人と犬、きずな強める

 愛犬に見つめられると、相手への信頼感やきずなを強める働きのあるホルモン「オキシトシン」が飼い主の体内で増加することを、麻布大と自治医大の研究グループが24日までに確認した。

 オキシトシンは、哺乳類の母子関係や夫婦のきずな形成に関係しているとされるが、異種間での作用が確かめられたのは初めて。「見つめる」という行為がオキシトシン増加を招くことについて永沢美保・麻布大助教(比較認知科学)は「『目は口ほどに物を言う』と言われるが、人間と犬の間でも視線が重要なのだろう」と話している。

 研究グループは、55組の飼い犬と飼い主で実験。室内で1組ずつ、30分間触れ合ってもらい、実験前後の飼い主の尿に含まれるオキシトシンの濃度を測定した。

 すると、事前アンケートで犬との関係が「良好」と判断された飼い主13人では実験後に濃度が大きく上昇したが、「普通」の42人では変化が無かった。良好群の実験後の濃度は、普通群の約1・5倍と高かった。

 良好群の実験を撮影した映像を分析すると、犬が「遊ぼうよ」と飼い主を見つめたのをきっかけに交流した回数が多いほど、実験後の濃度が高くなっていた。

 一方、犬に顔を見せないよう飼い主が壁を向いたまま触れ合う実験では、55組すべてで濃度変化は表れなかった。



 へぇー。かわいいものをみてキュゥーンとする感覚の時に分泌されているんでしょうか。

 リラックマのぬいぐるみを見つめてかわいいーと撫で回すのとはやっぱり違うんですかね。反応のある動物だからこそのオキシトシン分泌なんでしょうか。

 いやもしかしたらぬいぐるみを可愛いーと思ってぎゅっとするのもオキシトシン分泌による反応なのかもしれませんけれど。

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コラーゲンの摂取はやっぱり美肌効果はあった。

コラーゲンやはり美肌効果あり 京都府立大など機能の一端解明

 コラーゲン(ゼラチン)の分解物のペプチドが皮膚の傷の修復を助けるメカニズムが、京都府立大などのグループの研究で分かった。コラーゲンは「肌に良い」と言われながらもそのメカニズムは不明で疑問視する声もあったが、機能の一端が初めて確かめられた。近く発行される米国化学会の学術誌「食品と農芸化学誌」の2009年第2号に掲載される。

 グループは、佐藤健司教授(食品機能学)、大学院生の岩井浩二さん、大阪夕陽丘学園短期大の重村泰毅助教ら。

 コラーゲンは皮膚や軟骨などを構成するタンパク質の一つで、食物から摂取すると分解されて体内に吸収される。これまで個々のアミノ酸にまで分解して吸収されると考えられており、「肌に良い」のがコラーゲン本来の働きかどうかは不明だった。

 佐藤教授らは、人の実験で、ブタや魚のコラーゲンを食べると、コラーゲンに多いアミノ酸のヒドロキシプロリンとプロリンが結びついたペプチド(アミノ酸化合物)が血中に長時間にわたって増えることを突き止めた。

 このペプチドの機能をマウスの皮膚細胞で調べたところ、ペプチドが再びコラーゲンになるのではなく、コラーゲンを作って傷を修復している皮膚の繊維芽細胞を傷の部分に呼び寄せるのを助けることが分かった。

 佐藤教授は「コラーゲンの一部はペプチドとして体内に取り込まれて働いているらしい。コラーゲンの摂取により血圧を降下させたり、骨密度低下を抑えることも報告されており、その機能を確かめたい」と話している。



 半分、ごめんなさい

 いや確かに食べてコラーゲンとして肌にいくわけではないから、謝るのもあれかもしれませんけど!でも一応美肌効果はあったということで。

 誘導するメカニズムを兼ね備えているということはこのアミノ酸の含有飲料が出来れば、かなりの美肌効果を期待できるのでは。

関連
医学処:人工リンパ節を移植すると免疫力が正常の20倍になった。
医学処:北大が、サケの皮のコラーゲンから人工血管を作ることに成功。
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2009年01月27日

パーキンソン病や男性不妊症に関係する蛋白質「セプチン」

世界初、たんぱく質「セプチン」の機能を名大助教らが解明

 生物の細胞質分裂や精子の形成などにかかわるとされるたんぱく質「セプチン」に様々な細胞の形を制御する機能があることを、名古屋大学の滝口金吾助教らのグループが世界で初めて突きとめ、米科学誌「カレント・バイオロジー」電子版に発表した。

 セプチンは脳や精巣などに幅広く存在し、その異常がパーキンソン病や男性不妊症などに関係していることはわかっていた

 滝口助教らが、リン脂質でできたリポソームという人工の生体膜にセプチンを加えたところ、リポソームから多数の突起が伸び、さらにセプチンが突起部分の周囲を巻くようにして糸状の線維を形成した。こうした形状は、動物の神経細胞などに見られることから、セプチンの機能が判明した。

 滝口助教は「セプチンの異常による疾患の発症原因や治療方法の究明につながる」と話している。



 人間の身体の中にはどれだけ未知の蛋白質が存在しているんでしょうか。大まかな生体メカニズムは分かっているとしても、それを支える機序は想像できないほど膨大なのでしょう。

 そしてそれのどれか1つが異常となり、その異常を他のタンパク質がカバーできなくなると、病気として症状を発現する。これからの医療はその原因究明と、治療法の確立ですね。難病とされている疾患、病気としてみられていなかった状態も克服できる時代がくるかも。
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ピロリ菌の新たな胃がん発症のメカニズムを発見する

ピロリ菌の新たな胃がん発症メカニズム解明

 慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因と考えられているピロリ菌が、がんを引き起こす新たなメカニズムを東京大学医科学研究所の研究者たちが見つけた。

 胃粘膜に感染することで病気の原因となるピロリ菌の危険因子としては、CagAタンパクが知られている。このタンパクが胃上皮細胞内でリン酸化される結果、細胞増殖にかかわる活性化補助因子であるβ-カテニンが発がん関連遺伝子の転写を促進することは、これまでも分かっていた。

 東京大学医科学研究所の笹川千尋・教授と鈴木仁・助教らは、CagAタンパクがリン酸化されなくてもβ-カテニンを活性化する新たな発症メカニズムがあることを突き止め、この新たな経路にかかわるCagAタンパクの部位を特定することに成功した
 
 リン酸化されないCagAタンパクの感染役割が分かったことで、日本人の胃がん原因の大半を占める慢性胃炎や胃潰瘍といったピロリ菌感染症に対する新たな治療薬やワクチン開発につなげることが期待できる、と研究チームは言っている。

 この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)研究領域「免疫難病・感染症等の先進医療技術」の一環として得られた。

 ピロリ菌を発見し、胃炎や十二指腸潰瘍との関連を明らかにしたオーストラリアのロビン・ウォレン、バリー・マーシャル両博士は、2005年のノーベル医学生理学賞を授賞している。



 ピロリ菌が発見されたときも医学界に激震が走りました。胃酸のなかに細菌が生息しているなど思いもしなかったためです。常識を覆す発見をしたことでノーベル医学賞も見事に受賞。

 特に日本人はピロリ菌と、胃がんの2つは切っても切り離せない関係ですから。こういった研究は自身の今後と密接にかかわってくるので期待大です。

関連
医学処:ピロリ菌が胃癌を発症させるメカニズムを解明
医学処:ピロリ菌は細胞死を抑制する
医学処:ピロリ菌は食道腺癌を予防する作用をもっていた。
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中鎖脂肪酸入りのスポーツ栄養補給食品「エネキューブ」を発売

日清オイリオグループ、栄養調整食品「エネキューブ」2品種発売

 日清オイリオグループ(取締役社長:大込一男)は、話題の『中鎖脂肪酸(『中鎖脂肪酸』は、母乳や牛乳にも含まれる天然成分です。)』を配合したスポーツ時の栄養補給を目的とした栄養調整食品「ENE−CUBE(エネキューブ)」を新発売いたします。

▼商品名

▽「エネキューブ はちみつレモン味」
▽「エネキューブ チョコレート味」

▼内容量

 33g(1本)、容器 プラフィルムピロー、入数 16袋×8

▼賞味期間

 1年

▼販売者

 日清オイリオグループ

▼発売日

 2009年3月2日(月)

▼希望小売価格

 158円(税込)

▼販売地域

 全国

▼開発の背景

 成人の約半数が、「健康・体調維持、体力維持、スタイル維持」を目的に積極的な運動を習慣化しており、年々増加傾向にあります。また、栄養調整食品市場は約330億円市場と成長傾向にあり、なかでも運動習慣のある方の購入頻度が高いことが当社調査でわかりました。当社はスポーツ時の栄養補給に着目し、スポーツ愛好家向けにエネルギー補給と栄養バランスに配慮したスポーツ栄養調整食品「ENE−CUBE(エネキューブ)」を新発売いたします。

▼商品特長

1.スポーツ栄養の新常識『中鎖脂肪酸』を配合!

 従来、スポーツ時のエネルギー補給は、炭水化物が主とされてきました。これからは、スポーツし続ける力をサポートするエネルギー源として脂質である『中鎖脂肪酸』の摂取が、スポーツ栄養の新常識として期待されます。

 当社実施のヒト運動負荷試験において、中鎖脂肪酸入りクッキーの短期間の継続摂取により、中強度の持続的運動を行う際の持続時間を延長させる可能性があることを第62回日本栄養・食糧学会大会にて発表しています。

2.理想的なPFCバランスを目指しました!

 PFCバランス(3大栄養素[(タンパク質(P)/脂質(F)/炭水化物(C)]から摂取するカロリーバランス)を、日本人の食事摂取基準およびスポーツ栄養に近い設計にしています。

3.スポーツ時に適した食べやすさ、便利な携帯性!

 しっとり感のあるソフトな食感で食べやすくスポーツ時に最適です。持ち運びに便利なバータイプ(33g)で、一口サイズの折れ線付きです。スポーツ時だけでなく忙しい方の朝食やオフィスでの残業食、小腹がすいたときの代替食にも活躍します。



 こういう食品は時代のニーズに合ってますね。

 脂肪燃焼のためにはスポーツ前に何か摂取しておいたほうが燃焼の効率が良いらしいですし、もともと運動するためにはカロリーは必要ですからね。

関連:脂肪吸収抑制「黒烏龍茶」VS脂肪消費促進「ヘルシア緑茶」
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中学女子の運動量は週60分未満。

中学女子 運動足りない!

 文部科学省は21日、全国の国公私立に通う小学5年生と中学2年生の計155万人を対象とした初の「全国体力・運動能力、運動習慣調査(全国体力テスト)」の結果を公表した。

 全体の2割にあたる28万人の運動量が1週間で60分未満であることや、都道府県で運動能力に大きな差が出ていることがわかった。

 調査は昨年4月〜7月末に実施。これまでは年に一度の抽出調査はあったが、全員参加が前提の体力テストは初めて。50メートル走、ハンドボール投げなど8種目をテストすると同時に、生活習慣などに関するアンケートを行った。

 それによると、体育の授業以外の運動量が1週間に60分未満だった児童生徒は、小5男子が全体の11%の4万3726人、中2男子は9%の3万6745人に対し、小5女子は23%の8万7173人、中2女子は31%の11万4163人に上った。文科省は「男子は体育系の部活をし、女子はしないという傾向が鮮明に出た。将来の健康にもかかわる問題で何らかの対策が必要」と危機感を示している。

 テストは各種目10点で80点満点。中2男子は千葉、福井、秋田の順で上位を占め、中2女子は千葉、福井、茨城がトップ3。下位は低い方から男子が奈良、和歌山、高知。女子は北海道、高知、奈良の順だった。一方、小5は男女とも福井、秋田、新潟の順でトップ3。下位は男子が高知、徳島、北海道の順で、女子は高知、神奈川、滋賀の順で低かった。

 例えば、中学男子の50メートル走では、トップの千葉が7秒87。最下位の高知が8秒30で、0・43秒の開きがあった。他の種目でも同様の開きが見られた。

 小中とも上位の福井、秋田は全国学力テストでも毎年トップクラスの成績を収めている。「朝食を毎日とるか」など生活習慣を尋ねる調査でも両県は高い数値を示しており、文科省は規則正しい生活が文武両道に結びついているとみている。

 女子の運動不足が浮き彫りになった全国体力テスト。跳び箱に向かって走り出したものの、踏み切り板で減速して箱の上にちょこんと座り込む――東京都心の区立中学校の体育の授業では、そんな光景が当たり前になっている。男性体育教師(52)は「20年前は大部分の子が6段の跳び箱を跳べたが、今では3割くらい」と話す。

 今回の調査で、週の運動が60分未満の中学女子が3割に上ったことについて、山梨大学の中村和彦准教授(発育発達学)は「運動で体を動かすことは、子供たちが社会性を身に着ける上でも重要なのに、この数字は危機的」と指摘する。

 今回の調査では、運動時間が多いほど能力も高いという傾向が出ているが、女子の場合、小学校時代の過ごし方が尾を引くようだ。都会の女子児童は、校庭や地域の運動場が狭いことからスポーツの機会が少なくなる。あらゆる競技のクラブがあるものの、たくさんの児童が運動するまでのスペースはない。「小学生時代に体を動かす楽しさを覚える機会がないため、中学に行ってもスポーツをしない」(中村准教授)といった悪循環があるようだ。

 一方、地方ではテニスやバドミントンなど女子児童向けのクラブが少ないのが悩みだ。テストで下位になった高知県中学体育連盟の中内康幸・土佐市立高岡中学校教諭(39)は「男子は野球やサッカーで運動しているが、女子は受け皿自体が不足している」と話した。

 読売新聞が21日、全国体力テストについて市町村別データを公表するかどうかを都道府県教委に尋ねたところ、大阪府だけが積極的な姿勢を示した。ほとんどの教委が「文部科学省が示した実施要領に従い、公表しない」と回答した。

 大阪府の橋下徹知事は20日、記者会見で「市町村が本気で改善に取り組むには公表が必要」と学力テストと同様の見解を述べた。また、学力テストは全市町村別の成績が公表された秋田県では、県教委幹部が公表する考えのないことを示した。次期学力テストを前に、学校別成績を条件付きで公表できるよう情報公開条例を改正した鳥取県教委も「体力テストは条例の対象外」とした。



 むしろ小中学生なんてスポーツしてナンボってところないですかね。バカみたいに勉強してるだけでも賢い人物にはなれませんし。

 運動オンチの私が言うのもなんですけど、確かに校庭の狭い学校はかわいそうかも。さすがにそこはちゃんとしてほしいという気が。

 でも校庭狭いなら、卓球やればいいじゃない。テニスやバドミントンやらなくても。

 いやテニスやバドミントンが華やかなのは分かりますよ。でもここはあえてスポーツ性そのものを追求した卓球を。最初から全員ラバーやラケットの種類変えてトレーニングしたら、すぐに卓球の本当の面白さに気づくのに。もったいない。

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病院を「医療センター」と改名するところが増えている。

「医療センター」へ改名続々

 最近、「病院」から「医療センター」へと名称を変える医療機関が増えている。旧国立病院や大学病院が改築・増築を機に改称することが多いが、病院と医療センターは違うの?

 一気に増えたのは、2004年の国立病院の独立行政法人化がきっかけだ。かつての結核療養所を中心に、「医療センター」への改称が相次いだ。現在、国立病院機構の146施設のうち、46施設が「医療センター」。00年以降、大学病院では8施設が新設または改称。自治体病院では20施設近くで看板が変わった。

 医療法の上では、19床以下は「診療所」で、それを超えると「病院」となる。「医療センター」という呼称に法律の定めはない

 東京医科歯科大学教授(医療経済学)の川渕孝一さんは「『センター』には、『病院より高機能』というイメージがあり、適当と思われているのでは」と話す。

 医療の現場では、00年ごろから、「患者中心」をうたい、内科、外科など専門科の壁を取り払った「消化器病センター」など疾患ごとの診療体制を作る動きが進んでいる。が、病院の名称変更は、また、別の理由のようだ。

 国立病院機構本部で広報を担当する坂口大さんは「結核療養所から始まった旧国立病院も現在は、診療科を拡充し、多くの一般患者を受け入れている。地域での印象を変えるPRの意味合いがある」と話す。

 一方、自治体病院は、統合や経営計画見直しで出直しをはかる施設が多い。県立と市立の二つの病院を統合して誕生した日本海総合病院酒田医療センター(山形県酒田市)や高知医療センター(高知市)がそれ。

 昨年4月に改称した滋賀県の甲賀市立水口市民病院は逆に規模縮小が理由だ。8人だった常勤医師が2人に減り、一般患者の入院受け入れが出来なくなり、医療法上、病院から診療所に降格。それでも5科あり、一般の診療所とは違うということで、水口医療センターとなった。

 05年10月、東京女子医大東医療センター(東京都荒川区)と改称した旧第二病院。同センター事務部次長の杉本勝則さんは「地域医療の中核にふさわしい名称にしたいという思いが医師らにあった」と説明する。

 ところで、改称で患者増など効果があったかと尋ねると、「影響はない」というところばかり。名前のイメージで病院を選ぶほど患者は甘くなさそうだ



 医療センターのほうが、より専門的な医療を提供してくれそうなイメージがありますね、一般人としてみると。

 病院、という名前は一般的になりすぎた感じでしょうか。やることは病院だろうと医療センターだと変わらないと思いますけれども、多分。

 医療センターと名乗るからには専門性を意識して患者さんもこられると思うので、その期待に応えてあげることができるかどうか、というところも。

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2009年01月26日

多発性硬化症の脳ではTIP30という分子が異常に増えていた

慶大講師ら、神経再生不良の原因解明…「多発性硬化症」治療に光

 手足のまひや視覚障害などが起きる神経難病「多発性硬化症」の治療のカギとなる、神経の再生不良の原因を慶応大医学部の中原仁講師らが解明、国際医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカルインベスティゲーション」1月号に発表した。

 多発性硬化症は、神経を覆う「さや」が壊れ、電気信号がうまく伝わらなくなる病気。健康な人の場合、「さや」が傷つくと、オリゴデンドロサイトという細胞が成長して、自然に傷が修復されるが、多発性硬化症では、この自然な再生がうまくできない

 中原講師らが多発性硬化症の患者の脳で、オリゴデンドロサイトに成長する過程を詳しく調べたところ、その成長を妨げる「TIP30」という分子が病変部分で異常に増えていることを発見した。中原講師は「この分子を抑える薬を開発すれば治療につながる可能性がある」と話している。



 多発性硬化症といえば神経の難病。神経の難病といえば、慶応大学病院です。

 難病というのは原因不明の疾患を指す言葉ですが、もしその原因が解明されれば、治療法の鍵となることは間違いありません。薬で多発性硬化症が完治する時代は、すぐそこ、なのかもしれない。

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福岡大病院で多剤耐性アシネトバクター菌の集団感染。

多剤耐性菌、23人感染…福岡大病院

 福岡大病院(福岡市城南区、内藤正俊院長)は23日、救命救急センターに搬送されるなどした入院患者23人から、ほとんどの抗菌剤が効かない耐性菌「多剤耐性アシネトバクター」を検出したと発表した。

 いずれも病院内で感染したとみられる。これだけ多数のアシネトバクターの集団感染が国内で確認されたのは初めてという。厚生労働省は国立感染症研究所の専門チームを派遣し、感染経路などを調べる。

 アシネトバクターは健康な人が感染しても発病しないが、抵抗力の弱い人が感染すると肺炎や敗血症などを起こすことがあるという

 発表によると、2008年10月20日〜今月15日、いずれも重症の内臓疾患などで入院していた10歳代〜80歳代の男性患者15人、女性患者8人のたんなどから検出。うち男性3人、女性1人が死亡した。男女2人は感染と死亡は無関係と判明したが、ほかの男性2人については「死因となった可能性は低いものの、断定はできない」とし、さらに詳しく調べる。

 同病院は当面、救命救急センターでの患者受け入れを中止する。感染者のうち22人が人工呼吸器を装着していたが、消毒して再利用していた人工呼吸器の装着器具からもアシネトバクターが検出されたため、6日から共用をやめた。



 普通の人なら何でもないのに、免疫力の低下した高齢者や免疫抑制剤を使っている人など、弱っている人に対して猛威を振るってしまう、それが日和見感染症です。

 最近この多剤耐性のアシネトバクター菌も注目を浴びるようになってきましたね。MRSAだけでなくアシネトバクターに関しても注意しなければならない…。人は菌の変異と一生戦い続ける運命にあるのでしょう。

 以下、アシネトバクターに関するニュースです。こちらも併せてどうぞ。

医療施設に広がる新たな脅威、薬剤耐性菌「アシネトバクター・バウマニ」

 「アシネトバクター・バウマニ」と呼ばれる薬剤耐性の強力な致死性細菌が、病院など医療施設で新たに広がりつつあり対策が必要だと、ギリシャの生物医学研究機関が18日、医療従事者らに警告を発した。

 これまで院内感染に関する世界の注目は、圧倒的にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に注がれてきた。しかし、「アシネトバクター・バウマニ」と呼ばれる耐性菌による脅威が拡大しつつあるとの研究報告が、英医学雑誌「ランセット(Lancet)」に掲載された。

 この細菌の流行を抑制するのはきわめて難しいことが証明されているという。またデータによると、アシネトバクター・バウマニに感染した場合、3分の1に近い感染例で、最先端の抗生物質に対する耐性がみられた。 

 この論文報告を行ったアテネ(Athens)の生物医学研究機関アルファ・インスティチュート・オブ・バイオメディカル・サイエンス(Alfa Institute of Biomedical Sciences)の2研究者は、「多剤耐性株が引き起こす施設での流行が公共衛生問題として拡大している」と語る。
 
 2004年の研究によると、米国での感染例2万4000件のうち、感染者の34%が病院内で血流感染して最終的に死亡した。集中治療を必要とした感染者では死亡者の割合は43%とさらに高かった。

 研究者らは、医療機関での緊急対策は不可欠で、細菌を制圧する薬剤や薬剤の組み合わせを突き止めることが必要だと訴えた。
 
 アシネトバクター・バウマニは健康な人を襲うことは少ないが、入院中の重症患者らの間でよく発見される。高齢者や重篤な基礎疾患を持つ患者、免疫システムの衰弱している人、大きな外傷性障害ややけどのある人などが感染しやすい。また、手術後の人やカテーテルや人工呼吸器の使用者も感染する可能性が高いという。

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がんセンターなどの国立高度専門医療センターの借金がヤバイ

がんセンター 財政は火の車 高度医療6施設 借金1700億円

 来年4月に独立行政法人化を控える国立がんセンターなど6か所の国立高度専門医療センターの累積の借入金が、来年度末までに1700億円以上になる見込みであることが23日わかった。

 新棟建設などの施設整備費、高額医療機器の導入などで、財政投融資制度からの借入金が膨らんだ。このまま独法化すれば、国内最先端の医療機関の安定経営に影響が出る恐れもある

 借入金を、施設ごとに大まかに試算すると、来年4月時点で、がんセンターで583億円、国際医療センター357億円、成育医療センター343億円、循環器病センター279億円などとなる見通し。

 このまま独法化すると、高度な医療機器の購入や先進的な臨床研究などを行う余裕がなくなる可能性もあるという。



 難しいところです。研究や患者さんのために惜しげもなく医療を提供し続けると、当然病院の借金は膨れ上がります。がんセンターだけでなく、大学病院や大きな総合病院も赤字まみれですからね。

 それをプラスにもっていくとなると、どこかを削らなきゃならない。例えば患者さんに提供している最新医療を制限するか、もしくはただでさ過重労働な医療従事者の給料を更に減らすか。カルロスゴーンあたりに頼んでも不可能なんじゃないかと思えるぐらいの状況です。

 もちろん病院としては、無駄なところを省くとか、経営努力を行うことは必要だとは思うんですけれども(大学病院といえど黒字にもっていっているところもあるわけですし)、結局は国がお金出すか、国民から集める医療費を増額するかしかないと思うんですけどね。消費税が増えたとして、その税はどこへいくんでしょうね。誰かの懐?どうせなら医療のために使ってもらえないですかね。国民もそれを望んでいると思うんですけども。

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骨髄移植用の器具の代替品600個が確保される。

骨髄移植、器具600個確保

 医療器具の在庫不足から骨髄移植が一時中断する恐れがある問題について、舛添厚生労働相は23日の閣議後記者会見で、器具の代替品600個が確保されたことを明らかにした

 6月までの当面の移植をまかなえる量で、今後、保険適用に必要な製造販売の承認を急ぐ考えを示した。

 日本では月約150件の骨髄移植が行われるが、厚労省は器具を製造する米バイオアクセス社が、日本向け製品600個を確保していることを確かめた。同社製品は米食品医薬品局が安全性を認めている。



 このニュースの続報です。

 骨髄移植に用いる医療器具が在庫不足で実行困難になるかも

 いやー、良かったですね。血液内科系の疾患は、タイミングが大事ですから。器具がないからちょっと待っていよう、なんて言っている間に、実際に苦しんでおられる患者さんは亡くなってしまうかもしれない。それぐらいシビアな疾患もあります。

 600個あるうちに、はやく工場も100%安全な器具を安定して供給できるよう整えてもらいたいものです。

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オバマ大統領、人工妊娠中絶を容認する方向へ。

米、中絶容認に転換

 オバマ米大統領は23日、人工妊娠中絶を支援する国際団体に対する公的資金援助規制を解除する大統領令に署名した

 中絶容認派の同大統領が、中絶反対派のブッシュ前大統領の方針を転換したもので、これに伴い、保守派が「中絶に使われている」と主張し、前政権時代に中止された国連人口基金への予算拠出も再開される見通しとなった。

 オバマ大統領は「規制は途上国での家族計画に悪影響を与えた」と述べ、今回の決定の意義を強調した。しかし、中絶反対派への配慮からか、署名の様子を公開しなかった。

 米連邦最高裁は1973年に中絶を合法化したが、共和党のレーガン大統領は84年、主に米国外で中絶を行ったり、相談業務を行う団体に対し、米国の税金などによる資金援助を制限することを決めた。民主党のクリントン元大統領が93年、この規制を解除したが、キリスト教右派の支持を得たブッシュ前大統領が2001年にこれを復活させた。米国で中絶は、反対派の保守と、賛成派のリベラルとの間で論争となり、大統領選のたびに党派に分かれた主要争点となってきた。オバマ氏は妊娠に関し、女性の選択権を尊重する立場を取る一方、望まない妊娠を防ぐため、性教育の徹底などを訴えている。



 アメリカは巨大な宗教国のようなものですからねぇ。別に宗教で国がまとまるのは構わないんですけど、それと中絶がどうのと言うのはなんかちょっと違う気がしますね。ブッシュのときがおかしすぎたのか。

 まあオバマ大統領も中絶を推奨しているわけではなく、あくまで容認。中絶するような妊娠は極力避けるべきであることに変わりありません。

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脊髄損傷の患者にES細胞を用いる世界初の治験を行う。

ES細胞 初の治験へ 米で承認 脊髄損傷患者に注入

 米バイオベンチャー企業「ジェロン」(カリフォルニア州)は23日、人間の胚性幹細胞(ES細胞)を応用した治療の臨床試験を、世界で初めて行うと発表した。

 脊髄損傷で歩けなくなった患者に、ヒトES細胞から作製した細胞を脊髄に注入、神経系細胞を再生させる

 AP通信によると、臨床試験の第1段階は今夏に開始。損傷から1〜2週間の患者8〜10人を対象に、中枢神経を保護する細胞に育つ細胞を注入する。治療の安全性を確かめるのが目的だが、マヒした感覚や運動機能の回復など、治療効果も同時に調べる。同社は、ラットなどの実験で治療の安全性や効果を確かめ、臨床試験の実施を米食品医薬品局(FDA)に申請。今週、承認が下りたという。

 岡野栄之・慶応大教授(生理学)の話「今回の承認は、再生医療全体にとって大きな一歩になる。ジェロンは長年にわたり動物実験を行い、安全性や有効性をきっちり確認している。日本で同様の臨床試験を進める際に、安全性を判断する参考になるだろう」



 漠然としたイメージながらも、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞を、神経の途切れ目(損傷部位)に入れてやって、うまく神経同士をつなげる糊のような役目をしてくれれば、運動神経や感覚神経のネットワークを再び取り戻せる気はしますね。

 実際に臨床で応用できるのか、というと、まだまだ未知数ですが、成功する確率はかなり高いのでは。

 脊髄損傷などのように社会的に大きく関係する疾患は、積極的にこういった治療法を取り入れてほしいですね。

 実際に研究レベルでは、再生できるジャンルは結構増えているんでしょうけれども、実際に人に行うとなるとほぼ100%近い安全性だとか副作用の考慮などがあげられますからね。臨床的に日本に普及するようになるのはもうしばらくかかりそう。

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