2008年12月12日

自分の体と他人の体が入れ替わったように錯覚させることに成功

「入れ替わり」の錯覚に成功、スウェーデン神経学チーム

 スウェーデン最大の医学系大学であるカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は3日、同大の神経学チームが、被験者に自分の体と他人の体が入れ替わったように錯覚させることに成功したと発表した。

 研究を率いた同研究所のヘンリック・エールソン(Henrik Ehrsson)氏は実験結果について「身体的自己に対する脳の知覚を、容易に変えられることを示している」と述べ、感覚的印象を操作することで、体外離脱を感じさせるだけでなく、他人の身体を自分のものと錯覚させることも可能だと説明した。

 実験の1つでは、マネキンの頭部に2台のカメラを取り付け、被験者には2つの小型スクリーンを仕込んだ眼鏡を掛けさせた。このスクリーンとカメラを接続し、マネキンが「見る」ものを被験者が見ている状態にした。そして、マネキンと被験者の頭部を同時に下に向けると、被験者は本来の自分の身体ではなく、カメラを通して見えたマネキンの体の映像のほうを自分の体だと認識した

 また、棒を使って被験者とマネキンの腹部に触れる実験では、被験者はマネキンと自分の体が入れ替わったように錯覚した。被験者とマネキンの腹部を同時に触ると、被験者はマネキンの腹部が触られているのをカメラを通じて見るだけで、自分の腹部が触られているところは見なくても、自分の腹部も触られていると実感した。被験者は「マネキンの体が自分のものだと強く感じた」という。

 もう1つの実験では、カメラを別の人物の頭部に設置し、被験者にはスクリーン付きの眼鏡でその映像を見せた。この人物と被験者が互いに向き合って握手をすると、被験者はカメラが映しだす自分の姿ではなく、カメラを付けた別人の体が自分のもので、自分自身と握手をしたように錯覚した。この錯覚は、被験者と別の人物の性別が異なっても起きたが、いすなどカメラを取り付けた対象が物だった場合には起きなかった

 研究結果は、バーチャルリアリティーやロボット技術で実用化が可能で、さらにほかの分野で利用できる可能性もあるという。「自分自身を知覚する仕組みや、自分が一定の集団に属していると考える仕組みについて疑問を呈することができる。先入観を打ち砕くことも可能かもしれない。教育・医療分野からゲームにまで使用できる可能性がある」とエールソン氏は指摘した。



 おっもしろい。

 何でしょうね、この不思議感覚。人間といえど生き物だからこそ、入ってくる情報「だけ」で自己を認識しているということでしょうか。

 バレエのダンサーがぐるぐる回っているだけの錯覚動画(gif?)をみたことがおありでしょうか。右回りにも左回りにも見えるアレです。PET画像でも似たような感じになります。なんか不思議な錯覚ですよねぇ、アレ。

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2008年12月11日

9200年前の歯垢から、古代人の食生活を分析する。

「歯垢」を分析、9200年前の食生活が判明

 約9200年前の人々がどんな食生活を送っていたのか?米国の研究者が遺跡から見つかった歯に残っていた「歯垢」を分析することで、当時の人類が食べていた穀物の種類などが判明したと、米科学アカデミー紀要(PNAS)電子版に12月1日、発表した。

 米スミソニアン熱帯研究所と米国立自然史博物館の研究チームは、南米ペルー北部ナンチョク谷付近で、約5500─9200年前に暮らしていた人々の遺跡から発掘された、6─8人の歯39本を調査。歯の表面に残っていた「歯垢」から、食べていたものを割り出した

 その結果、カボチャや豆、ピーナツ、地元の果実「パカイ」などを食べていたことが判明した。また、ほとんどの歯には穀物由来の「デンプン」が付着しており、調べた歯の3分の1のデンプン量はかなり多かったという。

 この結果から、この時代の人々が穀物を栽培し、定住していたことがわかるという。また、栽培された穀物が調理されていたこともわかった。

 研究チームは今後、穀物の種類などを突き止めて、ネアンデルタール人や初期の人類との食生活の違いを比較したいと話している。



 色んなことが分かるんですねぇ。

 藤子F不二雄のSF短編で、人間が一人でも生き残れば、遺伝子の進化過程を逆に辿って地球上の全生物を再生することも可能、という話がありましたが、何かこう、似てますね。

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老化防止クリームに含まれる抗酸化物質には効果が無い。

老化防止クリームに効果なし?

 若返りを望む多くの女性の頼みの綱となっている、老化防止クリームやビタミン補助食品だが、有効成分として加えられている「抗酸化物質(antioxidants)」にはほとんど効果がないという研究結果が報じられた。

 ロンドン大学で行われたこの研究では、抗酸化酵素の体内生成をあえて抑えるよう改良したミミズと、普通のミミズを比較して観察。その結果、抗酸化酵素の少ないミミズはすぐに死んでしまうと考えられたが、虚弱傾向が見られたのみで、寿命には何ら影響がなかったという

 細胞組織は「フリーラジカル」と呼ばれる、老化やがん細胞の発生要因のひとつとされている酸化分子によって損傷を受ける。抗酸化物質であるビタミンCやEなどは、この「フリーラジカル」を取り除くことで細胞の損傷を抑える効果があるとされ、老化にも効果があると考えられてきた。だが今回の研究によって「抗酸化物質=(イコール)老化防止の鍵」という考えは誤りであることが証明された形になる。

 研究を行ったデヴィッド・ジェムズ博士は「若さのためには、食べ物に含まれる抗酸化物質の量を考えるよりも、食事の量を適度に抑えることの方が重要」とコメント。また飼い犬の散歩に出掛けるなど、充分な運動も大切であると語っている。



 あらら。ないんですねぇ。イメージとして、単純な話、好酸化物質があれば細胞は長生きする感じでしたけど、まあクリームとして塗ったりビタミンを食べたからといって老化とはそもそも関係ない、ということで・・・。

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2008年12月10日

筋ジストロフィーの原因となるかもしれない蛋白「MG53」

細胞膜直すタンパク質を解明

 穴が開いた細胞膜を修復するときに働くタンパク質を、京都大薬学研究科の竹島浩教授ら日米の研究グループが突き止めた。タンパク質の異常が筋ジストロフィーの原因の一つである可能性があるという。英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」で1日に発表する。

 竹島教授らが見つけた細胞膜近傍のタンパク質MG53の機能を調べた。MG53は、心臓や筋肉の絶えず動いて傷つきやすい細胞で作られている

 MG53を作れないマウスは、成長とともに細胞が壊れ筋細胞が貧弱になり、筋ジストロフィーと同じ症状を示した。MG53が作れない細胞は細胞膜に穴を開けても穴はふさがれないが、外からMG53を入れると修復できるようになった。

 MG53は、細胞膜と同じ成分のリン脂質でできた小胞と結びついており、細胞膜に開いた穴に集まり、リン脂質が穴をふさぐように働いていた。

 筋ジストロフィーはさまざまな遺伝子の異常によって引き起こされるが、症例の半数近くは原因遺伝子が分かっていない。MG53の異常も原因である可能性があり、日米で確認を進める

 竹島教授は「MG53が働くようにする筋ジストロフィー治療も期待できる。潰瘍や炎症も細胞の損傷が関係しており、MG53やMG53に似た他のタンパク質の役割を調べたい」と話している。



 あの代表的難病である筋ジスに治療法が出来るかもしれない、と。この研究が大成したら遺伝疾患で苦しむ人の希望となるのでは。

 たんぱく質、遺伝子、この2つが解明されるようになってきて、疾患に関してのより深いレベルでの認識が進んだ2008年でした。来年はどれだけ進歩するのか、期待ですね、と12月っぽい忙しさに追われながら考える。

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研修医の違法バイトは61病院、278人に上る。

研修医278人 違法バイト…厚労省全国調査

 大学卒業後の初期研修中に違法なアルバイト診療をしていた研修医が、臨床研修制度が義務化された2004年度から昨年度までに、研修医の所属する61病院、278人に上っていたことが8日、厚生労働省の調べで明らかになった。

 経験の浅い研修医のアルバイト診療は、医療事故につながる危険性が高いことなどから、04年施行の改正医師法で禁止されている。違法バイトの全国的な状況が判明したのは初めて。今回の結果は、保健所の定例検査で偶然見つかったケースや研修病院の自主報告を集めたもので、氷山の一角の可能性もある。

 04年度に導入された臨床研修制度では、研修医は国の指定基準を満たした研修病院のプログラムに基づき、指導医のもとで研修、それ以外の診療はできない。

 今回判明したのは、厚労省の地方厚生局が07年度中に把握したケース。それによると、違法バイトは04年度から07年度にかけ、近畿地方の39病院で161人、関東信越の19病院108人、九州の1病院5人、北海道の1病院3人、東北の1病院1人が確認された。いずれも所属する研修医が、プログラムにない別の病院や診療所に出かけ、単独で当直などをしていた。病院の当直代は1日5万円程度が相場とされる。

 違法バイトが確認された研修病院は、大学病院が16施設、一般病院が45施設だった。聖マリアンナ医大病院(川崎市)では、30人の大量違反があった兵庫医大、大阪大などでも確認されている。厚労省は「研修病院側が組織的に関与したケースはない」としている。

 厚労省は違法バイトのあった研修病院に対し、研修医の管理徹底を指導。08年度からは、研修医の定員を削減する罰則を科することにしたが、今のところ違反は確認していないという。07年度以前の違反に対しては罰則は適用されない。

 制度創設の検討に携わった東大病院総合研修センター長の北村聖教授は「制度本来の趣旨を無視したもので、極めて問題だ。病院側の管理にも問題がある。違反者を出した病院は、研修病院の指定を取り消すなど厳正な処分が必要だと思う」と指摘している。

 臨床研修制度 専門に偏りがちだった従来の研修を見直し、総合的な診療の基礎を身につけることを目的に、卒業後2年間、内科、外科などを幅広く回る初期研修が04年度から義務化された。全国に2か年度分を合わせて約1万5000人の研修医がいる。

給与格差や医師不足

 研修医の違法アルバイトの背景には、処遇改善が不十分な研修病院や、医師不足のため、労働力としてアルバイト派遣を求める地域病院などの現状がある。

 04年度に義務化された研修制度には、それまで低収入で酷使され、アルバイトで生活費を稼いできた研修医の処遇を改善し、研修に専念させる狙いもあった。国は、給与の目安を月30万円程度とし、昨年度まで、病院に対し、研修医数に応じて教育指導費名目の補助金も交付してきた。ただ、実際の給与は病院の裁量に任され、格差が大きい。医師不足に悩む地方では、月50万〜60万円に加え宿舎を用意するところもある一方で、都市部では20万円に満たないところもある。

 大量違反が発覚した聖マリアンナ医大病院では、給与は月19万円。病院側は「問題発覚を受け増額した」としているが、これでも「最低額の部類」(厚労省医事課)。違法バイトを20〜30回繰り返していた一部の研修医は「生活費が足りなかった」としているという。

 よい医者を育てることは、すべての国民にかかわる重要な課題だ。



 大学病院が、こういう違法バイトを黙認してはいけないです。研修医なんて猫の手みたいなもんですから、それを単独で当直させるなんて論外。30人もの違反者を出した聖マリアンナ医科大学病院は大いに反省すべきだと思います。

 しかも昔と違って食べていけないほどの安い給料ではないわけですし。少なくとも十数万円は貰っていて、これで生活費が足りないというのは、おかしな話だと思うんですよね。給料に見合った生活ってものが出来ないんでしょうかね。

 とはいえ大学病院の研修医の給料が安すぎるということも問題です。まぁ昔は月4,5万とかで働かされるというありえない状況でしたけれど、今は最低限は確保されているわけで。別に騙されているわけじゃないんですから、甘んじて受けるべきだとも思うんですけどねぇ。給料高いほうがいいならそれなりの病院に勤めればいいだけの話で。

 国ももっと現実を見据えて、本当にこういう問題を正したいなら、大学病院の薄給っぷりを改善するような医療システムを作るべきだと思いますが。労働基準法などはるかに無視した労働時間、それでいて献身的なまでの薄給。大学病院に勤めている人のほぼ100%近くが「給料が安すぎる」と感じていると思います。

 医師の数を増やすという今の政府の作戦が当たったら、数年後には医師不足も解消して、違法バイトなど行わなくてもいいようになるのかもしれませんねぇ。お金の問題ではなく、単純に人材として足りていないために研修医を駆り出す地域もあるでしょうから。

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口呼吸する人は集中力がなく、肌荒れも起こしやすい。

そのイライラはストレスではなく口呼吸が原因?

 発熱や頭痛、咳も辛いが、中でも意外とやっかいなのが鼻づまりだ。鼻で呼吸ができず、口で呼吸するためなぜか息苦しくて熟睡できず、夜中に何度も目を覚まし、その結果、風邪が長引く、なんてこともある。

 英国系製薬企業グラクソ・スミスクライン社の「鼻呼吸に関する意識調査」によると、口呼吸をしている人の2人に1人が「1週間に1回以上」鼻づまりを経験し、口呼吸者の6割以上がアレルギー性鼻炎で、過半数が花粉症ということがわかった。ということは鼻づまりを悪化させている原因は呼吸方法にもあるのだろうか?

 同社の調査によると鼻呼吸する人に比べて口呼吸をしている人は集中力の持続時間が短く、精神的にイライラしがちで、しかも肌荒れしやすいという結果がでている。呼吸の仕方でこんなにも差がでるものなのだろうか。

 ブリーズライトのホームページを見ると、鼻呼吸の大切さが書かれている。

 それによると、実は、生き物にとって自然な呼吸とは、口呼吸ではなく鼻呼吸なのだという。口で呼吸をすると、ウイルスや細菌を含んだままの空気をそのまま肺に送り込むことになってしまうのだ。また、喉に負担をかけたり、口の中が乾燥して唾液の分泌が追いつかず、唾液で流されるはずの細菌が口腔内に残り、口臭や歯の病気を引き起こすことも。

 一方、鼻呼吸の場合、鼻毛や鼻の粘液に含まれるさまざまな成分が抗菌作用を発揮し、空気を吸い込んだ際、細菌やウイルスが身体の中に入るのを防いでくれるのだ。

 どこで呼吸するかが身体に大きな影響を与えるからには、やはり鼻呼吸を心がけたいところ。その手助けとして鼻孔を拡げるテープの活用があげられる。よく駅伝選手やアスリートが試合などで鼻に貼っている、あの肌色のテープだ。これには「アスリートがつけるもの」というイメージが強かったが、鼻で呼吸できない人が多い昨今、日常的に使っている人もいるようだ。



 鼻呼吸は慣れですね。慣れるまでが大変ですけれど・・・。胸式呼吸、腹式呼吸と同じように、呼吸の仕方の違いを慣れるようにするのは至難の業です。ちなみに武道家は通常でも腹式呼吸だとか。丹田(へその下)に力を入れるからですかね。

 やはり鼻に問題があると、鼻呼吸はしにくいです。そういう方は一度耳鼻科で見てもらうといいと思います。鼻の疾患、例えば慢性副鼻腔炎とか蓄膿症とかは、治してもらったほうが快適な一日を過ごせると思いますよ。

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2008年12月09日

CT検査は癌になる確率を高めるか?

CTスキャンは癌のリスクを高める!?

 CTスキャンを受けると、癌になる確率が高まるという。アメリカの研究員が2日に発表した。

 ボストンのある産婦人科病院の研究員がシカゴで行われた北米放射線学会の会議で述べたところによると、彼らは現在、患者がCTスキャンを受けたことによる癌発症のリスクを見極める新しい方法を研究しているという。

 CTスキャンは疾病や怪我の具合などを調べることができる医療機器で、癌の進行状況の検査によく使われているが、最近の研究で、CTスキャンの放射線により患者が癌になるリスクが増加する可能性もあることが指摘された。

 今回の研究は、CTスキャンを受けた患者を対象に実施された。研究員は次のように述べている。「患者の約7%で、癌発症率が癌の基準発症率より1%高くなったことが確認された」。

 研究員は今後、患者の過去のCTスキャン使用暦に基づいてその患者の癌発症率を算出し医師に警告することができる機器を開発したいとしている。



 本当でしょうかね。

 そりゃCTも放射線を使うわけですから、害がないとはいいませんが。癌発症のリスクとして考慮されるほどのものではないような気がします。

 というか、何か異常があるかどうか、CTを施行しなければ分からないものですからねぇ。そりゃやりすぎは良くないですけど、日本の保険システムなら、期間ごとの回数制限があるので、やりすぎることは無いでしょうし。

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海馬を切除し、脳研究に協力していた男性が死去。

「海馬」切除後、脳研究に協力 米男性「H・M」氏死去

 脳の一部を切除する実験的治療を受けて新たな記憶ができなくなったあと、脳機能の研究に積極的に協力し、学習や記憶の仕組みの解明に多大な貢献をした米国の男性患者が82歳で亡くなった。ニューヨーク・タイムズなど米主要メディアが5日、報じた。

 この男性はヘンリー・モレゾンさん。米コネティカット州の老人ホームで2日、呼吸不全のため亡くなった。研究論文などではプライバシー保護のために「H・M」という名前で呼ばれ、脳研究分野では世界的に知られていた。

 モレゾンさんは9歳のときに自転車とぶつかって頭を強く打ち、原因不明のけいれん発作に悩まされるようになった。18年後の1953年、脳の「海馬」などを切除する手術を受けたあと、昔のことは鮮明に覚えているのに、新たな記憶がほとんどできなくなる「超記憶喪失」になった。

 その後認知科学や脳科学の研究に進んで協力。当時はほとんどわかっていなかった脳機能の解明に貢献した。現在、海馬は学習や記憶で重要な役割を担っていることがわかっている。



 アメリカ的だなぁという感じですね。

 海馬を切除するという実験的手術を行ったのも凄いですが、その後実験に積極的に協力した点もなかなかできることではありません。

 しかしおかげで研究が進んだわけですから。ありがたいことです。

 そういえば胃のもつ作用を初めて解明したのも、銃が暴発して腹部に穴が開いた人を観察したのが初めてだったとか何とかいう話がありますね。胃が外側に貼り付いて、外からでも胃の仕組みが見えるようになったとか。まぁその人は度重なる実験を苦痛に感じて最後は逃げてしまったらしいですけれど。

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HIV研究でノーベル賞受賞者「HIVの感染を数年で根絶する」

HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏

 エイズウイルス(HIV)の発見で今年のノーベル医学生理学賞を受賞する世界エイズ研究予防財団のモンタニエ理事長(76)は6日、ストックホルムで記者会見し、ワクチンの開発により、HIV感染を数年以内に根絶することは「不可能ではないと思う」と述べた。ロイター通信が伝えた。

 モンタニエ氏は「生きている間に、エイズ根絶は無理としても、少なくとも感染の根絶は見届けたい。それは可能だろうと思う」と話した。

 同氏は長年エイズ治療ワクチンの開発に取り組んでおり、会見では4、5年以内に治療ワクチンを開発することを望んでいると述べた。



 HIVワクチンが出来たら革命的ですね。

 でも性行為感染症なのですから、一人一人が心がければ感染はなくなると思うんですよね・・・。感染力の甚大な天然痘ですら根絶できたというのに、何故粘膜感染なんていう非効率な媒介方法のウイルスが根絶できないのか。うーむ。

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iPS細胞研究に、国は来年度も予算を確保する構え。

iPS細胞 研究に予算確保

 麻生総理大臣は、政府の総合科学技術会議に出席し、新型万能細胞・iPS細胞の医療への応用を1日も早く実現させるため、来年度、実用化に向けた研究に必要な予算を確保したいという考えを示しました。

 政府の総合科学技術会議は8日、総理大臣官邸で開かれ、新型万能細胞・iPS細胞の医療への応用を目指した研究を続けている京都大学の山中伸弥教授が講演しました。

 この中で、山中教授は「医療への応用が可能になれば、難病の治療や病気の原因の解明などに役立てることができる」と強調し、政府が研究費用を引き続き支援することや、関係省庁と研究者が開発段階から連携できる仕組みを作ることなどを求めました。

 これに対し、麻生総理大臣は「iPS細胞の研究は効果が目に見えやすく、難病対策に役に立つ可能性は高い。1日も早い実用化が待たれており、来年度の予算編成にあたっては、メリハリのある予算を積極的に付けていきたい」と述べ、iPS細胞の実用化に向けた研究に必要な予算を確保したいという考えを示しました。



 山中教授は素晴らしい方で、iPS細胞研究に関しても、アメリカなどと競争することで技術が進歩していくものだというスタンスだそうです。

 しかし日本とアメリカじゃ、アメリカのほうが予算を使っていると思います。せっかく日本が発見したiPS細胞も、アメリカにリードされっぱなしでは・・・。予算を惜しげもなく提供しても絶対に損がない技術だと思うので、国にも寛大な援助をお願いしたいですね。

 そして頑張れ研究している方々。世界中で苦しんでいる難病の人たちも待っています。

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posted by さじ at 20:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

キスが口内圧力を低下させ、鼓膜が引っ張られて聴覚障害に

世界の雑記帳:中国の男性、情熱キスで恋人の聴力失わせる

 中国で20代の女性が、恋人からの過剰に情熱的なキスで鼓膜が破れ、片耳の聴力を失うという事故が起きた。チャイナ・デーリーが地元紙の報道として8日伝えた。

 同紙によると、広東省珠海市の20代の女性は病院に行ったが左耳の聴力を完全に失った状態。

 同病院のLi医師は、同紙に「キスが口内圧力を低下させ、鼓膜が引っ張られて聴覚障害を引き起こした」と説明。この女性の聴力は、2─3カ月後には正常に戻る見込みだと話した。

 同紙は、キスは通常、非常に安全なものであるが、医師らはキスをする際は注意して行うよう勧めていると報じた。



 こういうニュースはもっと情熱的なイメージの国で起こってほしかった。笑

 いや、イタリアとかブラジルとかでも起こっているのかもしれませんが。

 しかしどれだけ吸ったら鼓膜に障害が出るんでしょうね。鼻が詰まっていて、鼓膜が慢性的に弱い状態にあることが条件でしょうけれど。相手を気遣った甘いキスが何よりですね。

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2008年12月08日

20歳以上の日本人の8割が歯周病になっている。

細菌減らして歯周病予防

 日本では20歳以上の8割前後に歯周病の可能性があり、50代の半数は何らかの義歯を使っています。歯周病は進行すると、出血や歯のぐらつきなどの症状が出ます。しかし、自覚症状がないまま進行することが最大の特徴です。症状が現れてからでは遅いのです。

 歯周病の原因は細菌です。細菌は歯の表面や歯と歯茎の間で繁殖し、細菌の塊である歯垢を形成しますそれが唾液中のカルシウムにより石灰化し歯石になります。細菌の数が増えて、体の抵抗力でカバーできなくなると病気になります。歯周病は進行すると、歯を支える骨がなくなってしまい、最終的には自分の歯を失うことになりかねません。適切な歯磨きはもちろんのこと、数カ月に1度、定期検診を受けることをお勧めします。

 残念ながら、口中の菌を“ゼロ”にはできません。しかし、減らすことはできます。ブラッシングだけでは磨けない場所もあります。検診でチェックと細菌の繁殖を抑えるためのクリーニングを受けて下さい。定期的に歯の検診を受けていれば、自分の歯を残しやすいことが統計でも裏付けられています。

 気になるのは、口の中の環境を知らない方が多いことです。例えば、自分の歯が何本あるか把握されていますか。すべてそろって28本、“親知らず”を含めれば32本です。即答できる方は珍しいですね。まず、口の中を知っていただくことが予防の第一歩です。歯並びも人によって違います。並び方が違えば、磨き方も変わります。自分に合った歯の磨き方も含めて気軽に相談してほしいと思います。



 日本人の歯の並び方は結構特有だとか。それに対応した電動歯ブラシなども出ているようですけれど。

 歯は大事ですからねぇ。将来、年をとっても、自分の歯で物を噛み、自分の力で歩きたいものです。そのためには若い頃からの「維持」が必要ですね。

 たかが歯磨きといえど、毎日しっかりと行うことで、確実に予防することはできます。これからの時代は「予防医学」です。将来歯周病になって悩む前に、まずはきちんと歯磨きの習慣をつけましょう。

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福島県で、死者も出るほどのツツガムシ病による被害が続出。

ツツガムシ病 県内で被害多発 全国最多45件、1人死亡

 福島県内でツツガムシの被害が多発し、全国で最多となっていることが1日までに県医療看護課などの調べで分かった。ツツガムシ病は狂犬病や鳥インフルエンザなどと同じ感染症法の四類に指定され、死に至る危険もある。先週までに45件の被害が報告され、1人が死亡している。12月は例年、被害が多く、同課などは県民に注意を呼び掛けている。

 本県で発症が多い理由として、福島市の大原綜合病院付属大原研究所の藤田博己主任研究員は「県の面積が広いことと、(刺されやすい環境となる)農業が盛んなことなどが要因」とみている。

 県内の発症報告は4−6月と10−12月が多い。保健所別では県中が12件で最も多く、次いで郡山、県北がそれぞれ10件、県南9件、会津3件、南会津1件で、中通りを中心に発生している。刺された状況は「農作業中」が最多の28件、「森林作業中」が2件など。4月には、農作業中に刺されたとみられる県北地方の80代男性が死亡した。

 ツツガムシ病に予防ワクチンはないが、感染後に抗生物質を投与すれば完治する。藤田主任研究員は「死につながる危険な病気だということを認識してほしい。感染が疑われたら、すぐ病院に行くことが大事」と指摘する。県医療看護課の結城永子主幹は「山に入ったり農作業をしたりする際は肌の露出を少なくし、帰宅後は服から虫を払い、体を洗うことなどを心掛けてほしい」としている。



 オリエンタル・ツツガムシ。

 以前もこの記事で取り上げました。死に至る可能性があるということを認識した上で、「発熱、刺し口、発疹」の3主徴があったら、ツツガムシ病かもしれない、という意識を持ってください。

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繊毛の異常が生じる原因遺伝子を東大が突き止める。

東大、繊毛病の原因遺伝子を確認−患者のDNAも解析

 東京大学大学院理学系研究科の武田洋幸教授らの研究チームは、人間の遺伝病である繊毛病の新しい原因遺伝子を突き止めた。繊毛の異常により内臓の配置が変異したり、腎臓が肥大したメダカを分析したところ、遺伝子の変異を見いだした。さらに繊毛病患者のゲノムDNAを調べてみると、その遺伝子の変異により発症していたことが分かった。

 変異をきたしたその遺伝子は、人間を含めた脊椎動物、昆虫、単細胞生物と、繊毛や鞭毛を持つ生物に広く存在している。詳細な解析により、この遺伝子の異常によって繊毛などの運動に必要なたんぱく質の一種「ダイニンアーム」が形成されず、運動性を失うことが判明した。

 実際にクラミドモナスという単細胞生物でこの遺伝子を破壊してみると、ダイニンアーム前駆体の形成阻害が生じたことからも、その結果が裏付けられた。



 繊毛病って何でしょうね。Kartagener症候群のことでしょうか?

 Kartagener症候群は、気管支拡張症、内臓転位症、慢性副鼻腔炎を三主徴とする先天性の繊毛運動機能障害です。

 これは、Immotile Cilia症候群と言われる繊毛不動症候群の中のひとつで、色んなところの繊毛のダイニンアームの欠損が見出されている病気です。

 簡単にいえば、繊毛の運動性を喪失する常染色体の劣勢遺伝病で、ダイニンの合成ができないために、繊毛の運動性が喪失し、繊毛運動が重要な役割を果たす気管や臓器に問題を引き起こします。繊毛の機能が悪いためにこれらの3主徴を呈するといわれています。また、精子が動かないために男性不妊症などの原因ともなるようです。

 先天疾患であるKartagener症候群の治療法が出来るかもしれませんね。
posted by さじ at 22:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

国が禁止にしている病気腎移植、修復腎移植への理解を求める。

「病腎移植への理解を求める会」あす宇和島で講演会

 ドナーに恵まれない腎臓の移植待機患者への支援と修復腎(病腎)移植を国が認めるよう広く訴え続けている「移植への理解を求める会」(向田陽二代表・会員数約1300人)は7日、愛媛県宇和島市栄港のえひめ南農協JA会館で講師を招いた記念講演会を開く。

 講演会は同日午後1時〜同2時20分まで。長崎医療センター泌尿器医長の松屋福蔵医師を招いて「修復腎移植・その可能性と問題点」というテーマで開催。国が原則禁止としている修復腎移植の現状について、多くの市民に理解してもらうことなどを目的にしている。また、同会は来春以降、NPO法人の立ち上げを目指しており、同日に総会を開催して、今後の活動方針などを決める。



 日本のような風土で、献腎移植もろくに進まず、脳死による臓器提供も数が伸びず、

 そして妻や親戚などからの生体腎移植にばかり。それにも期待できない人は血液透析などを行い続けるしかありません。

 このような状況を打破するためにも、病気腎でいいから移植してほしい、と願う方々が大勢いるのです。

 病気の腎臓だから体に悪いとか何とか、そんなレベルの話ではなく、命そのものを助けてほしいという話なのです。腎臓のない苦しみは現場を見ないと分からんでしょう。国は早急に認めるべきだと思いますね。

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posted by さじ at 22:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植

食生活が欧米化して大腸がんが急増している。

食生活欧米化で急増

 大阪医科大学付属病院(高槻市)は、15年前から大腸がんの腹腔鏡手術に取り組み、件数は1500件を超えた。日本内視鏡外科学会の技術認定医で、同大学一般・消化器外科准教授、奥田準二医師(50)に大腸がんの治療法や課題を聞いた。

 ――状況は。

 食生活の欧米化などに伴い、近年、増えています。罹患数は年間約10万人で、胃がんに次いで多く死亡率は女性では最も高い。死亡者数は年間4万〜5万人。2015年には、がんの中で罹患数が最多になると予想されています。

 ――治療法について。

 大阪医大病院では手術の8割以上が腹腔鏡で、開腹手術に比べて傷が小さく、痛みや入院日数も半分程度で済みます。直腸がんでは、肛門、排尿や性機能をつかさどる自律神経の温存を基本としています。直腸は狭い骨盤内にあるため、手術では医師の技量が問われます。

 ――大阪医大病院について。

 合格率が40%と難関の内視鏡外科技術認定医(大腸)を7人輩出し、全国トップクラスです。また、放射線科と共同で、がんや腫瘍とつながる血管などを立体的に表示する「統合的3D―CT画像」を世界に先駆けて考案し、導入しました。「おなかの地図」と呼んでいますが、より安全で的確な手術を追求した成果と言えます。患者数が増えた今も、一つひとつの症例に検証と反省を繰り返す姿勢は変わりません。

 ――強みは。

 診療科を超えたチームワークを背景に、数多くの症例を重ねてきた実績と技術力です。週に8〜10件、大腸の手術ができるのは、プロ意識にあふれた麻酔科医の支えが大きい。腫瘍が他の臓器に及ぶこともあるため、泌尿器科、婦人科も心強いパートナーです。抗がん剤治療を行う化学療法科との連携も抜群です。

 ――直腸のがんは手術が難しいと聞きます。

 肛門の括約筋を全切除すれば永久人工肛門になるので、患者さんは「残したい」と望みます。以前は、がんが肛門から5センチ以上離れていれば温存の対象でしたが、大阪医大病院では2〜3センチが目安。括約筋の一部を残す「超低位直腸切除術」も積極的に行っています。

 ――心がけていることは。

 高い治療水準や安心感を求めてくる患者さんに応えることです。安全で負担の少ない治療を施すことはもちろん、初診にじっくり時間をかけ、患者さんと向き合います。「ここで手術してよかった」と元気に退院していく姿が何よりの励みです。退院後、かかりつけ医にスムーズに橋渡しすることも大切です。

 ――メッセージを。

 検診で便鮮血が陽性であれば、必ず内視鏡で精密検査を受けましょう。機器も進歩し、痛みも少なく短時間で済みます。患者さんには、「医師にお任せ」ではなく「自分の体は自分で守る」よう心がけ、健康管理を徹底してほしい。



 食の欧米化で、大腸が癌化しやすくなっております。

 血便といいますか、便に血が直接混じっていなくても、黒色便などの異常を呈する場合もあるので、便に異常を感じたらすぐ病院へ。早期発見、早期治療が原則です。

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posted by さじ at 21:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化

司法解剖されたことで遺族の怒りや悲しみは強くなる。

司法解剖 「遺族への説明」是非、医師交え議論

 事件や事故の被害者に対する司法解剖について、遺族がどのように感じているかを調べた東京大学法医学教室が6日、東京都内で開かれた日本賠償科学会研究会でその結果を報告した。8割が解剖担当医の説明を望んでいたことを受け、同教室では今後、解剖後に担当医が捜査に差し支えない範囲で遺族に説明する方針を明確にしたが、参加者からは異論も出た。

 「遺族から見た司法解剖」と題された調査は大学院生伊藤貴子さんが遺族にアンケートをし、126人から回答を得た。解剖したことで「怒りや悲しみが強くなった」という人が4割、「和らいだ」という人は1割にとどまった。伊藤さんは「不安や、知らされなかったという思いが増大して不満や不快に変わっていた。説明の重要性を痛感した」と話した。

 説明する方針に対しては、参加した医師から「解剖の責任者である警察が説明すべきだ」「被害者支援に理解のある人が説明し、医師は傍らにいるくらいが適当では」といった意見があった。

 同教室の吉田謙一教授は「これまで一番の当事者である遺族に情報がきちんと伝わっていなかった。司法解剖の価値をもう少し理解してもらいたいという思いもあり、担当医が説明する姿勢を打ち出した」などと答えた。



 これからは、遺族に対しても解剖して分かったことをお伝えしたほうがいいのかもしれませんね。心情的に教えてほしくないものかと思っていましたが・・・。

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posted by さじ at 21:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

元モー娘。加護亜依はメニエール病ではなかった。

加護ちゃんのメニエール病、実は“ただの疲労”だった!

 加護亜依 「よかったぁ〜!」−。内耳の病気である「メニエール病」を患っていることを告白した元モーニング娘。の加護亜依(20)が5日、病院で精密検査を受けた結果、病気ではなく“ただの疲労”だったことを自身のブログで明らかにした

 先月15日付の書き込みでは「悪くならないことを祈ります」と不安をのぞかせていた加護だったが、メニエール病でないことがわかるやいなや「ホッとしてテンションあがってますからぁぁぁ」とヒートアップ。「睡眠をたくさん取れば大丈夫」と持ち前の明るさを取り戻した。またファンに向けて「みんなにも心配かけてしまったこと謝ります。ゴメンナサイ」と謝罪した。

 メニエール病は女性に多くみられる内耳の病気で、めまいや耳鳴り、難聴といった症状が現れる。精神的・肉体的疲労、ストレス、睡眠不足などの状態にある人に起きやすい傾向があるとされる。加護は最近まで耳の調子が悪く、体調を崩していたという。先月に病院で診察を受けた時点では、メニエール病と診断されていた。



 これの続報です。

元モー娘。加護亜依がメニエール病であることを告白

 良かったですね。でも女性で似たような症状がある人は、上記の記事を参考にして耳鼻科へ。
posted by さじ at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

介護職員の半数が仕事を辞めたいと思っている。

介護職員半数「辞めたい」 医労連アンケ 低賃金、激務理由に

 県内で介護職に就く人の約半分が「仕事を辞めたい」と思っていることが、県医療労働組合連合会(富山市)のアンケート調査で分かった。低賃金や激務などが背景にあるとみられ、同連合会は労働環境の改善を訴えている。

 調査によると、「仕事を辞めたい」と思ったのは、「いつも」「しばしば」「時々」を合わせ、全体の51・1%。理由としては「賃金が安い」(42・3%)が最多で、「仕事が忙しすぎる」(38・7%)、「家族に負担をかける」(26・3%)と続いた。

 また、健康状態に不安を持つ人は56・9%に上り、「腰痛」を訴える人は53・8%、「倦怠感」が29・3%と、多くの職員が日常的に体調不良や疲労を感じていることをうかがわせた。

 同連合会の嵯峨猛書記長は「対策として介護報酬が引き上げられる予定だが、今後、高齢化は進展する一方。継続的に介護現場を支える取り組みが必要だ」と話した。

 調査は今年1〜3月にかけて実施。同連合会加盟の労働組合や県内の介護事業所275施設にアンケート用紙約2200枚を配布し、介護福祉士や介護ヘルパーら290人から回答を得た。



 んー、やはり現状は厳しい。

 日本は欧米のようにベビーシッターのようなシステムも満足に機能していません。介護も同様に、今までないがしろにされていました。親の面倒は子供が見るもの、それはそうなのですが、今の社会で無理にでも実行しようとすると、本人負担が計り知れないものになります。税を上げて福祉にまわす、欧米型のスタイルになってくるのかもしれません。

 まあ今の日本の政治じゃあ、税を上げてもわけのわからないところで使われそうですが。立ち上がらない国民のいる国で、理想論は通用しそうにありません。

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posted by さじ at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

新型インフルエンザ対策で注目を集める「ダチョウ抗体」

新型インフルエンザ対策で注目 「ダチョウ抗体」とは?

 「ダチョウ抗体」が、新型インフルエンザ対策の“目玉”として注目されている。京都府立大学大学院生命環境科学研究科の塚本康浩教授らは、ウイルスや病原菌を撃退する抗体をダチョウに作らせて、卵黄から分離、精製する大量生産技術を確立。低コスト化の実現に伴い、抗体を塗布したマスクも商品化された。世界規模の大流行(パンデミック)が懸念される新型インフルエンザ対策をはじめ、ダチョウ抗体はさまざまな感染症予防に威力を発揮しそうだ

 抗体は、外部から体内に侵入してきたウイルスや病原菌と結合し、感染力を奪う役割を果たす。

 従来は、マウスやウサギ、ニワトリに抗原(無害化したウイルスなど)を注射し、体内で作られた抗体を血液や卵黄から分離、精製していた。しかし、生産コストは極めて高く、これまでは医療、研究目的に用途は限定された。

 塚本さんは家禽の感染症を研究していた獣医師。ダチョウの病気治療や健康管理に携わったことが、ダチョウ抗体開発のきっかけだった。

 「感染症に強く、ニワトリの約25倍の卵を産むダチョウなら、抗体の大量生産が可能かもしれない

 着想から約10年、本格的に研究を始めてからは5年でダチョウ抗体の大量生産技術を確立。新型インフルエンザへの変異が懸念される高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)や従来型のインフルエンザ、食中毒を起こすノロウイルスなどの抗体を作り、従来の抗体よりも高い効果が得られることを確認した

 「1個の卵から、4グラムの高純度の抗体が採れる。半年で100個ほどの卵を産むので、ウサギ800匹分に相当する抗体が1羽のダチョウから半年で作れます

 注射する抗原の量はウサギと同じで、ダチョウは飼育コストも安い。最初は卵の大きさだけに着目していたが、できた抗体はウイルスや病原菌に対する感度が極めて高く、熱にも強い。さらに、1羽のダチョウから多くの抗体が作れるので、品質のばらつきも小さいなど「予想外の長所」を備えていた。

 これらのメリットを生かして、用途に応じて抗体を加工できるので、工業製品としても広く使える。塚本さんは今年6月、大学主導のベンチャー企業「オーストリッチファーマ」を設立し、ダチョウ抗体の商品化に乗りだした。その第1弾が抗体を塗布したマスクで、福岡県のベンチャー企業「CROSSEED」が今秋から一般向けにも販売を開始した。

 従来のマスクは、ウイルスや病原菌を網目で捕まえて侵入を防ぐだけだが、「抗体マスク」(商品名)では捕まえたウイルスの感染力を奪うので、通り抜けたウイルスによる感染リスクも低減される。「マスクは医薬品として扱えないので、感染予防効果を大きくPRするわけにはいかないのですけどね」(塚本さん)

 従来の抗体で同じようなマスクを作ると、1枚が数十万円になってしまう。約4000分の1という驚異的な低コスト化によって、1日ごとに使い捨てられるマスクへの利用が可能になった。

 マスクに限らず、これまで考えられなかった抗体の利用が可能になる。たとえば、病院などで空調設備のフィルターに使えば、院内感染の防止になる。食中毒をもたらすノロウイルスの抗体を錠剤に加工すれば、トイレの貯水槽などで使えそうだ。

 今後、新型インフルエンザの危険度が高まれば、抗体の需要は爆発的に高まると予想されるが、「ダチョウ抗体の生産能力は、全世界の需要にこたえられる」と、塚本さんは話している。



 凄い!久々の、目の付け所がシャープなニュース。

 身近にあるものを、着眼点を変えて応用することでこんなにも素晴らしい効果を得ることができるとはねぇ。そもそもダチョウが半年で100個も卵を産むことに驚きました。鳥類なんですねぇ、やはり。

 飛べない、でかい、しかし感染症の救世主になってくれそうなダチョウに医療業界の注目は集まりそうです。

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posted by さじ at 02:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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