2008年11月27日

医学ちょっといい話9「患者さんの物語に耳を傾ける」

患者さんの「物語」に耳を澄ます 宮崎仁・宮崎医院院長

 「センセイ、腰になぁ、ご先祖様の霊が憑いてしまって困っとるのよ。何とかならんもんかねぇ」

 夏のある日のこと、90歳にもうすぐ手が届くキクさんが診察室にやって来て、わたしの耳元で打ち明けた言葉です。手元に回ってきた問診票には、ナースの字で「腰痛(2週間前から)」としか書かれていませんでしたので、「ご先祖様の霊」が出てくるとは思いもよりませんでした。彼女は認知症ではなく、精神状態も正常なかたですから、よけいに面食らってしまったわけです。

 「腰にご先祖様の霊が憑いて動けなくなった」というキクさんの悩みを、「医師の論理」で処理するならば、型通りの問診と診察をして、採血やレントゲン撮影などの検査を行い、「腰部変形性脊椎症」とか「骨粗鬆症」といった病名を付けて、消炎鎮痛剤の内服や湿布を処方すれば任務終了です。

 しかし、キクさんが診察の最後になって、「ご先祖様の霊のほうは、治してくれんの?」と、当初の「主訴」に関する問題解決を迫って来たらどうしましょう。普通の医者ならおおいに困惑するにちがいありません。だって、医学の教科書や診療マニュアルには「除霊」の方法なんてどこにも書いてありませんから。

 医師は病気を「客観的事実」としてとらえ、科学的に理解するように訓練されています。この「論理実証モード」の世界では、病態生理から導かれる「原因→結果」という因果律が王様のように君臨しています。

 キクさんの場合なら、「加齢による腰椎の変形→腰痛」という因果律が証明できれば、医師はとりあえず自分の任務を果たしたと考えて満足します。こんな医師独特の思考プロセスを、このリレー・エッセーにも寄稿されている尾藤誠司先生(国立病院機構東京医療センター)は「医師アタマ」と命名されました。お察しの通り、イシアタマ、ですから、硬くて融通がきかないところがあります。

 一方、患者さんは自分の病気を「主観的な体験」としてとらえるために、物語的に理解しようとします

 主観的な体験としての「病の物語」は、当然のことながら自然科学のような一般性や普遍性はなく、個別性や恣意性に満ちているので、マニュアルやガイドラインの通用しない世界となります。キクさんの腰に憑いたご先祖様の霊を何とかするためには、医師アタマを「論理実証モード」から「物語モード」に切り替えて、彼女の病の物語に耳を傾ける必要があるのです

 「解釈モデル」とは、発病の原因や病態などについての患者さん自身の考えのことで、とくに「症状に関する患者さんの意味づけ」を聞くことは、物語的理解を知るうえで重要です。そこで、さっそくキクさんにも解釈モデルを尋ねてみました。

 「なぜ、腰にご先祖様の霊が憑いたと思いますか?」

 「お盆も近いのに、体のあちこちが痛んで、お墓の掃除に行くのもままならない。嫁に掃除をしておくれと頼んでみたが、相手にしてくれない。お墓が荒れていることに腹を立てたご先祖様が腰にとり憑いて、わたしにバチを与えているに違いない」

 この解釈モデルを子細にながめてみると、信心深いキクさんの気持ちや、お嫁さんとの人間関係などが、「ご先祖様の霊」というかたちになって、彼女の腰痛や抑うつ的な気分に影響を与えていることがよくわかります

 さて、「治療者(医師)の論理/物語」と「当事者(患者)の論理/物語」がすれ違ってしまうと、そこにコミュニケーション不全が生じて、患者さんは医療に大きな不満を抱くことになってしまいます。そこで、両者を統合する作業として、対話による「すり合わせ」が必要となります。

 医師の物語(診断/見立て)が開示され、患者さんの物語との慎重な「すり合わせ」が対話により進められると、まったく「新しい物語」が浮上する、という現象が生じます。物語の「ささやかな変容」という場合もあるでしょう。それが医師と患者さんの双方に共有されると、「腑に落ちた感じ」が生まれ、患者さんは安心し納得することができ、問題は解消することになります。患者さんが安心し納得することは、すなわち医療者側の安心・納得にもつながるのです。

 キクさんの場合も、対話による「すり合わせ」のプロセスを経て事態は展開しました。キクさんはわたしとの対話のなかで、自分の「腰が痛い、体が動かない」という症状が、息子さん夫婦との関係に影響されていることに気づき、「自分にもわがままなところがある」という新たな物語が浮上して来たのです

 わたしは顔見知りである息子さん夫婦に連絡して、お墓の掃除を依頼するとともに、キクさんの心情についても説明しました。しばらくして、キクさんから、体の痛みにより動けないという訴えや抑うつ的な気分は、しだいに解消されてゆきました。ご先祖様の霊のほうも、診察室での会話のなかに登場しなくなったので、どこかに去っていってしまったようです。

 患者さんが語る病の「物語(ナラティブ)」を尊重し、治療者と患者さんの間で交わされる対話を、治療の重要な一部であると見なす医療を、ナラティブ・ベイスト・メディスン(Narrative Based Medicine、NBM)と呼び、日本語では「物語と対話に基づく医療」と訳されています。「NBMの実践」なんて言葉を聞くと、何だか小難しいことのように感じられるかもしれませんが、これまでご紹介してきたキクさんの事例のように、わたしのような町の開業医の診察室でも、ごく日常的に行われているものです。

 もし、キクさんの「物語」に耳を傾けず、痛み止めと湿布を押しつけるだけの「医師アタマ」式診療で終わっていたならば、彼女の体にご先祖様の霊はずっと居座ることになり、腰痛や抑うつといった症状も解消しなかったでしょう。「物語と対話に基づく医療」を上手に使うと、ご先祖様の霊は去っていき、キクさんとお嫁さんが仲良くなったりするのですからすてきですね。

 患者さんたちが診察室に持ちこむ問題は、ますます複雑になっており、マニュアル的な対応だけでは解決が困難な場合が増えています。これからは患者さんの物語を感受する能力を有する医師こそが、対話を通じて複雑な問題を解きほぐして、医師と患者さんの双方が安心と納得を得るような、「温かな医療」の担い手になってくるのではないでしょうか



 医療現場ではこういうこともあるのです。そういうときに病状ばかりをみるのではなく、患者さんそのものをみることも大事なことです。それが医師患者関係を良好なものにすることもあれば、患者さんの悩みの本質を見極めることもあります。

 久々に、良い話を伺いました。このお医者さんのように親身になってくれる医者であれば、患者さんも安心して病気の相談をすることができるでしょうね。

関連
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2008年11月26日

腎臓移植と血液透析と腹膜透析について

「人工透析で疲れました」と猟銃自殺

 23日午後10時45分ごろ、埼玉県越谷市南越谷5丁目の公園で、男性が倒れているのを近くの住民が発見、110番した。男性は既に死亡しており、遺体のわきに猟銃と遺書があった。「警察に迷惑を掛け申し訳ない。人工透析で疲れました」と書いてあった。越谷署は男性が頭を撃ち自殺したとみている。

 調べでは、越谷市内で1人暮らししている無職の57歳男性で、東京都公安委員会から猟銃所有の許可は得ていたという。



 うああ。

 人工透析というのは、血液透析のことでしょうかね。週3回、4時間ほどかけて血液を機械にかけて、綺麗にする技術です。本来なら腎臓がやってくれます。ですので腎臓というのは、かなり大事な臓器なんです。

 透析をやっていない、腎臓が健常な方、あなたがもし明日から透析をしないと死ぬとしたら、血液透析をやらざるをえません。週3回、1回4時間。仕方ないにしても、、、透析で疲れてしまう気持ちも分かるかと思います。

 ですので本来なら腎臓移植をしたいところなんですが、日本では残念ながら伸びません。どうも日本人は移植に抵抗を示すようです。脳死移植(脳死になったときに腎臓を提供すること)、献腎移植(死んだときに腎臓を提供すること)、色々ありますが、どれも数は伸びていません、残念ながら。

 最近では生体腎移植のほうがスムーズですね。術後成績もいいですし。でも出来ることならば、脳死移植や献腎移植のほうの数が増えてくれることを望みます。

 また、透析にはもう1つ、「腹膜透析」というものがあります。この技術は欧米ではかなり広がっていますし、韓国でも広くやられていますが、日本ではまだまだといったところです。腹膜透析のいい点は、血液透析のように週3回病院に通って4時間拘束されなくてもいいというところです。具体的には、おなかのなかに透析液を入れて、老廃物を液に出して、その液を交換すればいい。朝液を入れて会社へ行き、昼交換し、夜交換するということもできれば、夜の間じゅう液の交換を自動的に行うだけの方法もあります。画期的な治療法ですが、腹膜透析の知識をもった医師がなかなかいないのが残念なところ。

 腹膜透析にも当然弱点はあります。これは、何十年も行える治療ではないということが挙げられます。腹膜を介して老廃物の除去を行うため、長期に渡って行うと、被嚢性腹膜硬化症などの合併症が出現する可能性もあります。こういった合併症が起こる前に血液透析へ移行するのも、大事なことです。

 移植を行うか、血液透析を行うか、それとも腹膜透析を行うか。これらは患者さんの状態や今後やりたいこと、生活の質などと絡めて決定されるものです。そのことを把握した上で、十分に情報提供をし、選んでもらいたいと思います。

関連
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いじめっ子の脳には他人の苦しみを喜ぶ回路があるかもしれない

人の災難を喜ぶいじめっ子の脳John Roach

 脳のfMRIスキャンを使用した最新の研究によると、すぐにけんかを始める、うそをつく、物を壊してはしゃぐ、そんないじめっ子の脳には、他人の苦しみを見ると喜びを感じる回路が備わっているかもしれないという。今回の最新研究は、「Biological Psychology」誌の最新号に掲載される。

 研究チームの一員でシカゴ大学の心理学者ベンジャミン・レイヒー氏は、「この発見は予想外だった」と話す。研究チームでは、いじめっ子は他人の苦痛を目撃したときになんの反応も見せないだろうと予想していた。なぜなら、彼らは冷酷で、感情を高ぶらせることがないために、例えば良心の呵責を感じることなくおやつ代を盗むことができると考えていたからだ。

 レイヒー氏は、「人が他人の苦痛を目にすると、自身が苦痛を経験したときと同じ脳内領域が光ることはこれまでの研究で判明していた。感情移入を示す反応だ」と話す。今回の最新研究では、いじめっ子の脳の場合、該当領域がさらに活発に活動を行っていることが判明した。

 しかし、いじめっ子が示す感情移入反応は、扁桃体と腹側線条体の活動によってゆがめられたものだと思われる。扁桃体や腹側線条体は脳内領域の中で報酬や喜びに関係すると考えられている部位である。「つまり、いじめっ子は人の苦痛を見るのが好きだと考えられる。この考えが正しい場合、彼らは弱い者いじめをして他人を攻撃するたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進んでいることになる」とレイヒー氏は話す。

 今回の最新研究では、うそや窃盗、公共物破損、弱い者いじめといった経歴を持つ16〜18歳の少年8人の脳活動を検査した。8人の少年は臨床分野で攻撃型行為障害(aggressive conduct disorder)と呼ばれる症状を持っており、そのような経歴を持たない同年代の少年グループとの比較を通じて調査が行われた。

 検査では、苦痛の状況を描く短いビデオ映像数本をいじめっ子グループに見せた。映像には、つま先に金づちが落ちるシーンなど不慮の事故を描くものと、ピアノの演奏中にふたを閉め演奏者の指を挟むシーンなど意図的な行為を描くものが含まれていた。

 脳のfMRIスキャンを行った結果、喜びに関係する脳内領域と、苦痛に関係する脳内領域の活動が判明し、さらに、感情の統制に関係する脳内のある部位が、いじめっ子の脳では活動していないことが明らかになった。言い換えると、いじめっ子は、例えば昼食の列に並んでいるときに子どもが誤ってぶつかってきた場合などに、自分を抑制するメカニズムを欠いていることになる。

 「自己制御を欠いている点を処置する、あるいは埋め合わせる治療法を開発する必要があるだろう。いじめっ子が自己制御を欠いているのは事実だと考えているし、他人を傷付けるたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進む可能性がある」とレイヒー氏は語る。

 クレムゾン大学家族・近隣生活研究所でオルヴェウスいじめ防止プログラムを担当するマレーネ・スナイダー氏は次のように話す。「今回のテーマについて脳撮像による科学的調査で次第にさまざまなことが発見されるのは驚くことではない。脳がどのように機能しているのか、その解明は始まったばかりなのだ。脳の仕組みの理解が進めば、有意義な関与方法を見いだすことができるようになるだろう」。



 怖いですね。もし自分の子供がこんな回路もってたら。社会的には不適合、と。

 しかし何故そのような報酬系が発達してしまうんでしょうね。先天的なものなのでしょうか?それとも家庭などの環境によるんでしょうか。

 まあでも思うんですけど、いくらそういう報酬系があったとしても、よほど酷い場合以外は、自制させることはできると思うんですよ。そりゃ人間ですから、高次に発達した「知能」があるわけです。脳がどういうものを好もうと、自制することはできるはずです。そのための教育、そのための家庭環境だと思います。

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posted by さじ at 00:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

2008年11月25日

元モー娘。加護亜依がメニエール病であることを告白

加護亜依、ブログでメニエール病を告白

 タレントの加護亜依(20)が15日、自身のブログで、めまいや耳鳴りなどの症状を伴う難病「メニエール病」と診断されたと報告。



 わーお。

 浜崎あゆみが突発性難聴になった、というニュースもありましたけれど、このメニエール病は相当キツいもんです。

 何よりこのメニエール病は、耳鳴りだけでなく、めまいを伴います。メニエール病のめまいは「回転性めまい」といって、グールグルまわる感じがするのです。相当酷くて、吐き気に苛まれたりします。しかもメニエール病は原因不明の疾患です。内リンパ水腫という病態が大きく絡んでいることまでは分かっているのですが。

 治療としては、水ぶくれを軽くする目的で、利尿剤を使います。中でも、「イソソルビド」が広く使われています。

 うまく治療が行われないと症状が出てキツい疾患だと思いますが、表で芸能活動していく加護ちゃんがどこまで頑張れるのか、心配ですね。

 一説によればメニエール病は煙草を吸うと悪化するとのことですので、今後は控えたほうがよろしいでしょう。
posted by さじ at 23:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

注射液の起こす痛みはワサビの刺激と同じ仕組み。

注射液の痛み=ワサビの刺激 アルカリ溶液の反応仕組み解明

 アルカリ性の注射液が起こす痛みはワサビの刺激と同じ仕組み――。自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の富永真琴教授らの研究グループがこうした研究結果をまとめ、13日付の米医学実験雑誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版に論文が掲載された。

 抗けいれん剤やヘルペスの化学療法剤の注射剤はアルカリ度が高く鋭い痛みを感じる。酸による刺激の解明は進んでいるが、アルカリへの反応の仕組みを解明したのは初めてといい、「痛くない注射」の開発に役立つ可能性がある。

 富永教授らはワサビなどの辛み成分によって活性化する「トリップ・エーワン」というたんぱく質に注目。このたんぱく質は細胞表面にあり、刺激されると、痛みを伝える電流が流れることがわかった。



 夢の技術ですねぇ。

 痛くない注射が出来れば患者さんも相当助かるでしょう。薬による痛みを緩和して、あとは針を刺すときの痛みを緩和することが出来れば・・・。

 糖尿病の自己注射も、針がめちゃくちゃ細くなることで痛みをほとんど感じないまでになりましたからね。医療技術は患者さんのためのもの。痛みをできるだけ無くす方向に進化してゆく・・・。

  /l、
 (゚、 。 7   
  l、~ ヽ      
  じし' )ノ 

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posted by さじ at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖

女性の手は男性よりも多くの細菌が付着している。

人間の手は細菌いっぱい 米大グループが調査

 女性の手は、男性よりも多くの種類の細菌が付着している―。

 米コロラド大のグループが、こんな調査結果を米科学アカデミー紀要で発表した。グループは大学生51人の手から細菌の遺伝子を検出して調査。計4742種類が見つかり、片手からは平均150種、いることが判明。

 さらに、片手から採取したDNA配列をランダムに抽出し、細菌の種類を男女で比較すると、女性が男性を上回っていることが分かった男性の方が皮膚の酸性度が高いことや、汗や皮脂の分泌などの影響が考えられるが、理由が分かっていないという。

 ただし、病原性のある細菌はごくわずかだった。



 へー。女性のほうが細菌数は多いんですねぇ。男性のほうが不潔にしていそうなイメージがあるといえばありますが(失礼)

 しかしこれをみると分かりますように、抗菌グッズとか、全く役に立たないでしょうね。いくら手を洗おうと綺麗にしようと細菌は存在しますし、それは他者でも一緒でしょう。あまり神経質にならないほうが良いと思います。

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先端医療に活用できる画期的蛍光剤を島根大学が開発する。

蛍光ナノ粒子:島根大が開発…先端医療に応用可能

 島根大は18日、がん細胞の早期発見など先端医療に応用できる蛍光剤「酸化亜鉛ナノ粒子」を開発したと発表した。医療分野では今年のノーベル化学賞の受賞対象となった「緑色蛍光たんぱく質」(GFP)が広く活用されているが、酸化亜鉛ナノ粒子はGFPより安全で、蛍光が安定しているという。10年度中に臨床試験をする。

 酸化亜鉛は、ベビーパウダーなどに使われる毒性のない無機物。同大学の中村守彦・産学連携センター教授と佐藤守之・総合理工学部教授らの研究チームは超微細加工技術(ナノテクノロジー)を使い、がん抗体などのたんぱく質と結合できるようアミノ基を持った粒子に加工した。

 中村教授によると、ナノ粒子は24時間以上蛍光が持続する安定性を持ち、製造コストもGFPの100分の1以下。無機物なため、拒絶反応がないとみられるなど人体に対する安全性が高い。

 今月上旬には蛍光剤を付着したたんぱく質がマウスの細胞に取り込まれ、光る様子の動画撮影に成功。製法などの特許を申請している。



 検査のために人体に何かを入れるときには、アレルギーなどに気をつけないといけませんが、安全性の高い技術ということはそれが無くなるのでしょうかね。そうだとすればかなり素晴らしい。

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幹細胞から作った気管支を移植することに成功。

欧州医療チーム、患者の幹細胞を使った気管支移植に成功

 患者自身の幹細胞を使用して作られた気管支を移植するという画期的な手術に成功したと、スペイン・イタリア・英国の医療チームが19日、発表した。

 移植手術を受けたのは、結核を患っていたコロンビア人のクラウディア・カスティージョ(Claudia Castillo)さん(30)。カスティージョさんは、気管支の組織が感染症で治療不能になり、左肺を切除する以外に方法がないという事態となった。

 これに対し、医師らは気管支移植手術を提案。カスティージョさんの同意を受けた後、スペイン・イタリア・英国の各医療チームが移植手術に向けて行動を開始した。

 チームはまず、51歳のドナーの遺体から取り出した気管を高度な技術で洗浄し、表面の細胞などを除去して「骨格」だけの状態にした。次に、カスティージョさんの骨髄から採取した幹細胞を培養して気管支の構造の基礎となる軟骨細胞や上皮細胞を生成。それらを骨格だけになった気管の表面でさらに培養し、気管支を再生した。

 その後、医療チームはカスティージョさんから症状の悪化した気管支を除去し、新しい気管支を移植。手術の4日後、移植された気管支はほかの臓器と見分けがつかないほど正常に機能していたと、チームは報告している。



 おおー、この技術が臨床的に成功するとは。

 今後何年か様子をみてみて、大丈夫なようであればいずれは日本でも出来るかもしれませんね。気管支の表面の細胞群だけを再生する、再生医療の1つの形ですが、成功したことは大いに称賛すべきことであります。

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医学処:兵庫医大によって成人の難治性喘息の仕組みが解明される。
posted by さじ at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

おむつの尿漏れを検知してパソコンに知らせるシステム開発

おむつの尿漏れ検知します 新布とシステム開発

 愛知県産業技術研究所の尾張繊維技術センター(一宮市)が地元繊維業界などと連携し、放尿を検知するセンサー機能を持つ布と小型無線装置などを組み合わせた通信システムを開発した。放尿があると、無線で近くのパソコンなどに知らせる。おむつを使う人の精神的なストレスを減らし、おむつ交換のタイミングや効率性を考えた。福祉分野での活用が期待されている。

 センサー機能を持つ布は、銀とアルミニウムの2種類の糸を一般の糸に織り込んだもので、おむつの吸水シートと外側のカバーシートの間に取り付ける。銀とアルミニウムの間には液体に浸すと電圧が生じる。この原理を利用し、放尿があると電圧から信号を発生させ、小型無線装置を経由して近くのパソコンに知らせることができる。放尿2回ほどで信号が発生するという。

 センサー機能を持つ布はこれまでも開発されているが、金属線や金属シートを利用していた。今回は糸状の金属を使っているため、通常の布地とほとんど変わらず柔らかくて通気性もあり、長時間着用しても違和感がないという

 同センター開発技術室によると、洗濯物を干している時に雨が降ってきたことを知らせるシステムにも応用が可能という。すでに福祉や繊維関係の企業などから引き合いがあり、実用化に向け共同研究する企業の参加を呼びかけている。

 問い合わせは、同センター技術開発室(0586・45・7871)。



 こりゃいいですね。

 尿漏れの不快感をそのままにしておくのも嫌ですし、言い出せないような人もいるでしょうから。高齢者の自己を尊重する形で介護が出来れば、よりスムーズに行えるでしょう。

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2008年11月24日

恋愛している相手を見ると中脳の腹側被蓋野が活性化する

愛を司る脳の部位が特定される

 米国ラトガース大学の人類学者、Helen Fisher氏が、脳機能マッピングを使って恋愛を司る脳の部位を特定しました。

 現在熱愛中のボランティアを対象に、恋人の写真と知らない人の写真を見たときの脳活動の違いを半年間に渡って観察したところ、恋人の写真を見たときは中脳の腹側被蓋野にある特定領域が活性化することがわかったそうです。

 米国人と中国人で活性化する部位に違いは見られなかったとのこと。また、自分の伴侶を現在も愛しているという結婚20年以上の男女17人を同様の手法で観察したところ、同じ部位が活発化したものの、こちらの場合は脳幹のセロトニンやバソプレシンを多く含む部位も活性化したそうです。

 Helen Fisher氏は「恋愛は伴侶を引き合わせるためだけにあるのではなく、二人の関係を長く保ちより強めるためにも作用することが示された。」と結んでいる。



 これはあれなんですかね。良く知ってる人と知らない人じゃ、そりゃ脳の活性部位も違うと思うんですけれども。恋人と、異性の友人と、同性の友人と、知らない人でも全く違うんでしょうか。

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ネット販売の医薬品で肝障害の副作用を来たす。

「医薬品のネット販売規制は非論理的」と楽天・三木谷社長

 楽天は7日、2008年第3四半期決算の説明会の中で、医薬品のネット販売規制の問題をあらためて説明し、反対していく姿勢を示した。同社の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は「全くロジカルでない規制を厚生労働省がやろうとしている」と述べ、ユーザーの不満の声などを伝えながら、この規制を阻止していきたいとした。

 この規制は、改正薬事法を受けた省令により、一般医薬品のうち第1類と第2類のネット販売が全面禁止されるというもの。2009年6月1日の施行予定となっている。楽天では8月、ヤフーや医薬品のネット販売に携わる事業者100社と連名で、規制反対の意見書を厚生労働大臣宛に出している。また、10月には省令改正案についても厚労省にパブリックコメントを提出している。

 規制対象となる第1類には、「ガスター10」などのH2ブロッカー含有薬、「リアップ」などの発毛薬、「ウィンダム」などの水虫薬などが該当し、一般医薬品における市場規模は4%だという。一方、第2類には、「ルル」などの風邪薬、「コーラック」などの主な便秘薬、「ボラギノールA」などの痔薬をはじめ多数の種類が該当し、市場規模比率は63%(いずれも富士経済の調査による2007年の構成比)。

 楽天によれば、「楽天市場」で一般医薬品を扱っている出店者は地方を中心とした薬局がほとんどで、ほぼすべての種類の一般医薬品をネットで販売しているという。前述の数値から、ネット売上額のうち第1類・第2類合計で67%が減少することになると説明し、ネットが重要な販路となっている中小の薬局にとって、甚大な影響を及ぼすと訴えている。

 また、楽天では、ネットで医薬品を購入した経験のある人を約852万人と推計。病気で外出が困難な人や妊婦、地理的に近隣に薬局がない人、多忙で薬局の営業時間中に購入できない人、人目が気になる商品を買う場合といった利用者のニーズも無視しているとし、消費者のネット購入という重大な権利を制限するものだと指摘する。

 このほか、10月7日に開かれた政府の規制改革会議と厚労省の公開討論では、ネット販売に起因する健康被害の実例は1件も把握していないと厚労省が回答したこと、また、省令でネット販売を禁止する法律上の根拠がない点も指摘している。

 三木谷社長はまた、処方せんを必要とする薬品ではなく一般医薬品であることから、「薬剤師が丁寧に説明して販売していく分には、対面販売よりもネット販売のほうがむしろ向いている」とも述べ、「あらゆることに関して、厚労省にもしっかりと現状を認識していただけるように、いろいろな意味で努力していきたい」とした。



 と、このように反対の姿勢をとっていたようですが・・・

 そもそも薬というのは安易に手に入ったりしてはいけないものだと思いますし、ネット販売が横行すれば当然副作用などが出ることも容易に想像つくので・・・個人的にはネット販売というのは規制すべきだと思いますね。

 ↓↓↓



ネット購入薬で副作用 30代女性、肝障害で一時入院

 インターネットで購入した医薬品を服用した30代の女性が肝障害を発症し一時入院していたことが21日、厚生労働省の調査で分かった。ネット販売の市販薬で副作用被害が確認されたのは初めてで、ネット販売の規制を巡る議論に影響する可能性もありそうだ。民主党の前原誠司前代表の質問主意書に対する答弁で明らかにした。

 同省によると、女性は昨年8月、生薬「カシュウ」を主成分とする滋養強壮薬を服用。肝障害のため2、3週間入院したが回復したという。

 製薬会社からの副作用被害報告書に「ネットを通じ購入した」との記載があった。服用状況や購入時の説明の有無などの詳細は書かれておらず、同省の担当者は「ネット販売特有の被害なのか、通常の対面販売でも起こりうる被害なのかはわからない」と話している。

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「或る病院の一生」から、病院というものについて考える

『或る病院の一生』がネットで反響 病院の内情を克明に

 現在ネット上で「或る病院の一生」という文章が小さな話題を呼んでいる。

 この文章はもともと或るブログ上に「病院のライフサイクル」という題名で2005年4月にアップされたものに加筆修正を加えたもののようだ。

 文章の書き出しは、新しい病院への需要が高まり200床ほどの小さな病院が開業するところから始まる。最初は診療科を増やしどんどん患者数を増やしていくこの病院だが、徐々に患者が高齢化し経営の雲行きが怪しくなっていく。そうした病院業務の流れをまるで実際の病院関係者が書き記したように克明に記している内容となっている。

 現代の病院経営への問題提起をしているこうした記事に対し、個人のブログでは、「儲からない患者はヨソへ、おいしい患者だけウチで。と病院は患者を平気で病院を選別する」、「本当かどうかは分からないが、充分有り得る話だ」などの感想が書かれ、興味深く読まれたようだ。



 或る病院の一生。去年ぐらいに話題になって読んだことがあります。かなり凄い文章です。

 この話は、なんだか実際にあった話を元にしているような気がしてなりません。それほどまでにリアルで、病院というものに対する問題が密集している、そんな文章です。

 是非一度、みなさんに読んでいただきたい。そんな思いで、今回取り上げてみました。以下が「或る病院の一生」の全文です。


或る病院の一生

救急を取る病院がまだまだ少なかった頃。

地域の基幹病院は県立病院。救急車で30分。救急対応も今ひとつ。

地域に「住民のための」新しい病院への欲求が高まった頃、200床程度の規模でその病院は開院した。

何もない開院したての病院。外来の棚の中は空っぽ。買ったばかりの備品は全てダンボールの中。事務も看護もみんな初対面。場所によっては、誰かが梱包をあけて棚に備品を並べてくれていたりするけれど、どれもビニールがかかったまま。洗面台の水は妙にシンナー臭い。

新しい病院を立ち上げる仕事は楽しい。医師の派遣元にも十分な人手はいないので、みんな交代で出張。

新しい病院。新しい町。医局の引継ぎノートには、新しく作った約束処方、備品のありか、地元に詳しい事務の名前や電場番号、近所のコンビニの場所などが記載されていく。遊びに行くにもどこにいっていいのか分からないから、医局の冷蔵庫には魚肉ソーセージと酒の瓶。毎晩野郎ばっかりの飲み会。

立ち上げ当初は、食事も宿泊も全て病院内。3食病院食は、2週間もすると飽きてくる。もっと身体に悪いものが食べたくなって、医局に周辺の出前リストがそろう頃には、外来にもだんだんと患者さんが増えてくる。

まず集まるのは、「主訴:腰痛」の整形外科の患者さん。理学療法室の常連を徐々に増やして、高血圧の人、咳のひどい人などを外科に紹介して、外来の人数はだんだんと増えていく。

そのうち、軽症の交通外傷の患者さんが救急車でやってくる。病院にも、若い患者さんが増える。もともとの設立の動機は「地元のための」病院。病棟はきれいで、居丈高な公立病院を反面教師に、時間外でも笑顔で診察。

開院2年目。待合室には若い人が増え、活気を帯びてくる。外科、内科とも常勤のドクターが増える。スタッフの数が充実すると、皆もっと高度なことがやりたくなる。

「24時間救急を取ろう」「研修医を育てよう」スタッフが若ければ、気合だけで施設が充実する。病院で行えることはだんだんと高度になって、救急車の数も増えていく。

「あの病院はよくやってくれる」。地域の信頼が集まると、もっと若い患者さんが通院するようになる。

病院は忙しくなる。患者さんの年齢層が変化して、皮膚科や耳鼻科といった、若い患者さんが得意な科も充実してくる。

眼科が入ると、病院の経営は一気に好転する。白内障の手術の得意な眼科医は、内科医3人分の収益を一人で稼ぎ出す。黒字科が増えることで、病院にはもっと大規模な設備が導入される。

「カテ室を作ろう」。開院8年目。常勤できてくれる循環器のドクターも決まり、循環器外来が始まる。患者さんの数はますます増え、救急外来にも救急車の音が毎日鳴り響く。

病院は、名実共に地域の基幹病院になっていく。

雲行きが怪しくなるのは10年目頃。10年もすると、町にも高齢者の数は増えてくる。救急外来に来る患者さんも、外傷や脳出血、急性腹症といった年齢層の若い救急患者だけでなく、転倒による大腿骨骨折、近所の老健からの誤嚥性肺炎の紹介といった人が目立つ。

病棟の業務は変わる。夜間に不隠になる患者さんが増え、重症患者のための個室は、いつのまにか不隠部屋に。重症の患者さんは大部屋。徘徊老人は個室。不隠の強い高齢者はなかなか退院しないから、若い患者さんの個室への移動希望はかなわなくなる。

「あの病院はうるさい」「いつも廊下で叫び声が聞こえる」。病院へのクレームが増える。

「四肢抑制」「不隠時セレネース静注」、今までは書かれることのなかった指示が指示簿に当たり前のように記載されるようになった頃、日中のナースルームは不隠の強い高齢者であふれ返り、医者は叫んで暴れる年寄りの相手をしながらカルテを書く。かつてラクテックがぶら下がっていた点滴台には、経管栄養のバッグが目立つ。PNツインもまだ棚に置いてあるけれど、滅菌期限寸前でほこりをかぶったまま。中心静脈栄養なんて、もう半年ぐらい処方してない。

病院が止めを刺されたのは、近所に新しい老健が出来てから。「○○病院がすぐそば」を宣伝文句にして人を集めたその施設は、嘱託の医者が帰る5時以降になると患者をどんどん連れてくる。少しでも熱が上がると、「うちでは見られません」「入院させてください」の一点張り。

もともと「24時間、患者さんを断ることはしません」との宣言を出していた施設。開院して12年、それでも気合で守ってきたそんな宣言は、病院とは縁もゆかりもない業者に美味しく利用される。外来には車椅子に拘束衣で来院する年寄りが増え、以前から通院していた若い人は外来からいなくなる。

地元の評判は、「あの汚い病院」にいつのまにか変わっていた。

夜中によく来る喘息のお姉さんに「今度、午前中の私の外来に来てください」とお願いしたことがある。「私は○○病院にかかっているので、ここはちょっと…」と、マスコミによく出る施設の名前を出された。

市民のための病院。市民に見放された病院。ここはいつのまにか賎民のための病院に変わっていた。

病棟はもはや、行き場のない高齢者でいっぱい。若い人の肺炎や喘息といった病気は外来で何とか診るしかない。病棟業務は連日の転院先探し。患者さんもご家族も、「一生ここにいさせてください」と願う人がほとんど。やっとの思いで転院させても、2週間もすると37度の発熱で救急車で帰ってくる。もう二度と転院に応じるものか、という決意を持って。

手術の症例も減った。病棟ナースにも離職者が相次ぐ頃、引き上げた医師にも後任が決まらなくなり、病院は慢性期疾患を細々と診るだけの施設へと変貌した。

地域の若い人たちはもっと新しい病院へ。

「あの病院に行くと死ぬ」。こんな評判が地元に立つ頃、病院は死に体になった。

間違ったことはしていないつもりだった。より高度な医療サービス。より簡単なアクセス。地域の医療需要に応えつづけた結果、病院は地域から見放された。

病院組織は、自己進化の果てに崩壊する。

より広い需要に応えたい。より高度な医療をしたい。患者さんのための医療をしたい。力をつけようと努力し、進化を続けた結果、「強い」病院にはより弱い立場の患者、慢性疾患の末期の人、行き場のない高齢者が集中するようになった。

90年代に救急外来を一生懸命やっていた民間病院の大半は老人病院化し、急性期疾患を搬送する救急車は、以前は急患を断っていた市立病院や日赤病院に集まるようになった。そして現在、そうした病院すらもだんだんとベッドが回らなくなり、一昔前なら救急車が素通りしていた大学病院にも、寝たきりの高齢者が搬送されるようになっている。

恐竜絶滅寸前の時代。爬虫類全盛期、さまざまな大きさの恐竜が覇を競い合った後、気候の変化とともに体の大きな恐竜しか生き残れなくなった状況。市中病院が高機能化し、救急外来を充実させて「恐竜」化する一方、「恐竜」化した大手市中病院は、進化の果てに絶滅しそう。

その影で数を増やしているのは、小さな哺乳動物。小規模病院。老健業者。元気がなくなる恐竜達を尻目に、誕生したばかりの哺乳類はきれいな施設、専門特化した医療技術を武器にその勢力を増している。

時代は変わる。恐竜が闊歩していた時代は去ったあとは、小型ですばしこい哺乳動物の時代が来る。医療の無駄は減り、効率のいい医療、効率のいい経営が実現できるようになる。

問題なのは「恐竜」クラスの力がないとどうしようもない患者さんはいつの時代にも存在することで、哺乳動物を目指した施設は、最初からそうした人を相手にする意思は無い。

主役の交代は、すでに小児科、産科の領域では確実に進行している。産科のいない市は、もはや珍しくなくなった。

恐竜だって絶滅したくて進化したわけじゃない。医者だって絶滅する恐竜と心中したくはない。結果として哺乳類が生まれ、「食べられない」患者は見捨てられる。

病院。患者。マスコミ。みんな死にたくないから頑張ってる。

誰かが悪くてこうなったというわけではないと思う。
posted by さじ at 04:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

緊急の救急かどうか迷うときは「#7119番」を使用しよう

救急外来モンスターペイシェントに困惑する病院職員

 東京都では昨年より救急車の不適切な使用を減らすため「救急相談センター」のサービスを拡充。緊急時には、これまで通り「119番」を使用し、緊急を要するか判断に迷ってしまうような場合は「#7119番」を使用するように進めている。

 これまで東京都では緊急を要さない「119番への」問い合わせも数多く、本当に緊急を要する重態患者の問い合わせが遅れてしまう例もあった。そうした混雑を解消し、緊急時の問い合わせを確保するため同サービスを昨年より導入している。

 そこで、ある病院の夜間事務当直を担当する男性(21)にその実情について尋ねてみた。「私が勤めている病院は小規模のため、重体患者はほとんど来ないのですが、それでも夜間でも10人は救急外来として来ます」。しかし、本当に緊急を要するような事例もあれば、その中には目を疑うような救急外来も多いという。「救急で来たのに、ただの下痢だったり、夜中の3時に泥酔したカップルが救急を要さぬようなかすり傷で来たこともありました

 もちろん、事態は急を要することもあるが、適切な対処を受けるため、そして本当に救急車を必要な人が助かるためにも、「7119」の存在を覚えておくのも良いだろう。



 本当に、夜間救急には、医療関係者ではなく一般の人でも「ありえない」症例というのが数多く来ます。

 普通だったら翌日来るであろう病状で、夜間の救急がうまってしまうのはなんだかやるせないです。自分のことしか考えてないような人たちばかり、そういうことをする傾向にあって、本当に必要な人たちが助けられないというのは・・・。

 #7119。活用していきましょう。
posted by さじ at 03:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

2008年11月23日

心臓移植は異性間だと生存率が低下する。

心臓移植、異性間だと生存率低下 米大の研究チーム

 米国で行われた心臓移植では、臓器提供者と患者の性が同じ場合、異性間の移植に比べて患者の生存率など手術後の成績が良いことがわかった。米ジョンズ・ホプキンス大の研究チームが米心臓協会の学術集会で発表した。

 98〜07年にあった1万8千例あまりの心臓移植の全米臓器分配ネットワーク(UNOS)の記録を分析し、移植後の生存率などを調べた。

 その結果、症例の71%を占める同性間移植では、手術から30日以内に患者が死亡する確率が、異性間移植に比べ25%低かった。手術から1年以内に拒絶反応が起きる確率も13%低くなるなど、さまざまな指標で同性間移植の方が成績がよかった。

 チームは、異性間移植では心臓の大きさに差があることが短期的な成績の差に関係しているとみているが、「長期的な差の原因は別にあるかもしれない」としている。

 チームのエリック・ワイス博士は「同性の提供者が現れるまで移植を待つべきではないが、1人の患者に対して複数の提供者がいる場合は、性を合わせたほうがよい」と言っている。

 日本の心臓移植患者選択基準では、提供者と患者の体重差が「マイナス20%からプラス30%以内」とされているが、性の組み合わせは直接には考慮されていない。



 へー。やはり男性と女性の心臓の大きさの問題なんですかね。単純に大きさだけでなくても、例えば血流の速さとか、圧力とか、そういうことも関係してきそうです。

関連
医学処:死んだ心臓に細胞を注入して再生することに成功
医学処:心臓を摘出した状態で16日間生存し、心臓移植に成功する。
医学処:心筋の成長を促すたんぱく質IGFBP-4を発見する。
posted by さじ at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

肝臓に刺激を与えると膵臓β細胞が増えることを東北大が発見

インスリンつくる細胞が増えた 東北大などマウスで成功

 インスリンをつくる膵臓のβ細胞を増やすことに、東北大の片桐秀樹教授(代謝学)、岡芳知教授(同)らがマウスの実験で成功した。肝臓を刺激すると、神経を通してこの刺激が膵臓に伝わり、β細胞が増えた。糖尿病の新たな治療法につながる成果だ。21日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 片桐教授らは、遺伝子導入でマウスの肝臓に特定のたんぱく質をつくらせると、肝臓が「肥満状態」だと感知これが刺激となり、膵臓でβ細胞が増えることを見つけた

 刺激がどのように伝えられるのかを調べるため、肝臓と脳をつなぐ神経の働きを妨げたり、脳と膵臓をつなぐ神経を切ったりしたところ、β細胞は増えず、肝臓から膵臓に神経を通して刺激が伝わり、β細胞を増やす仕組みがあることがわかった。

 インスリンの分泌を悪くした「糖尿病マウス」の肝臓を遺伝子導入で刺激したら、インスリン分泌が増え、治療に効果があることも確かめた。

 糖尿病は、インスリンの分泌が減ったり、インスリンの効きが悪くなったりして、血糖値が下がりにくくなる。また、一般に肥満になるとインスリンの効きが悪くなる。

 片桐教授は「肝臓が肥満状態を感知し、神経を通してβ細胞を増やす仕組みが体に備わっていることがわかった。この仕組みを利用して治療につなげたい」と話す。



 身体は、各臓器同士で連絡しているのかもしれませんね。確かに血糖をコントロールしている膵臓と、糖を出したり保存したりしている肝臓には密接な関わりが・・・。

 肝臓に肥満状態だと誤解させてやることで、膵臓がヤバイヤバイとβ細胞をつくる仕組み。作りすぎるとまた低血糖になってしまうので、そこらへんのさじ加減をうまくすれば臨床応用もはやそうですね。

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医学処:糖尿病についてのまとめ
医学処:遺伝子を注入するだけでβ細胞を作り出す技術。
posted by さじ at 12:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

首のコリを治せば、自律神経失調症の9割が治る。

自律神経失調症 首の凝りが影響

 持続的なめまいや頭痛、体調不良などを訴える自律神経失調症患者に対し、首の筋肉の凝り、異常などを解消すると、9割以上の患者で症状が治まることを、東京脳神経センター(東京都港区)の松井孝嘉理事長(脳神経外科)が7日の日本自律神経学会で発表した。

 松井理事長は、長期に症状を訴える自律神経失調症の患者は、重い頭を支える首の筋肉に痛み、硬さなどの異常が多いことに着目。2006年〜08年5月にかけて同センターに自律神経失調症で入院した265人に対し、首の筋肉の異常をなくす治療を実施したところ、92・5%が1〜3か月で治癒した

 治療は、痛みや異常が首のどこにあるか36か所をチェック。それに基づいて低周波治療器、温熱療法、はり・きゅう、ビタミンB群投与などを組み合わせる。外来での治療も可能だ。

 松井理事長は「自律神経失調症は30〜40歳代の首の細くて長い、なで肩の女性に多い。長時間のパソコン作業などは首に負担がかかるので、15分おきに休むことが大切」と話している。



 全身にはりめぐらされている交感神経と副交感神経。それらの活動が低下したり、または過敏になったりすることで、嫌な症状が出ることがあります。

 交感神経は胸髄の1番目から腰髄の2番目までの間から出ています。副交感神経は、3,7,9,10番目の脳神経と2,3番目の仙髄から出ています。

 首のコリ、とは要するに首の部分の血流障害などによって、自律神経がうまく働いてないということですかね。ですのでその部分を改善してやることによってかなり症状は緩和されるということでしょうか。

 現代人のデスクワークは、腰や首に大きな負担をかけますからねぇ・・・。15分ごとに休みをとれといっても、難しいといえば難しいでしょう。それ以外のこと、例えば運動やら入浴やらで、十分に首周辺をいたわってやることが大事のようです。

 ただこれはあくまでも首の凝りに原因がある場合。自律神経失調症は、神経の問題であったり糖尿病やアルコール依存症やアミロイドーシスの可能性もあるので。

関連
医学処:長時間パソコンを使う女性は自律神経失調症状が出やすい
posted by さじ at 00:20 | Comment(9) | TrackBack(0) | 脳神

2008年11月22日

急患のたらい回しをなくすため、「東京ルール」を導入する。

救急医療体制「東京ルール」を来年度からスタート

 東京都は、急患の「たらい回し」をなくすため、病院間で受け入れ先を探す新たな救急医療体制「東京ルール」を来年度から始める。

 都内の24病院を「地域救急センター」に指定し、患者を受け入れられる病院を見つける。急患の受け入れで、病院同士で連絡を取り合って決める試みは全国初。都は「地域救急の新たなモデルになる」と期待している。

 急患は東京消防庁の救急隊が病院に照会し、搬送先を決めている。

 都救急災害医療課によると、東京ルールは、都内を12地域に分け、手術や入院が必要な重症患者を扱う2次救急病院の中から、1地域で2か所をセンターに指定。救急隊の受け入れ先探しが難航した場合、センターが救急隊に代わって患者を受け入れる病院を探したり、受け入れたりする。

 地域のほかの2次病院は、センターに空きベッド、当直医の専門や人数などの情報を提供する

 それでも受け入れ先が見つからないケースでは、東京消防庁指令室の救急救命士が務めるコーディネーターが、ほかの地域のセンターと調整する。

 都救急災害医療課は、「たらい回しを防ぐには、地域の病院が責任を持って救急を支えるしかない」と話している。

 急患の搬送を巡っては、病院が「ベッドは満床」「当直医が専門外」「処置中」などと受け入れを拒否するケースが後を絶たず、10月に出産間近の妊婦が8病院に断られて、出産後に死亡する問題も起きている。

 都内では10年前と比べ、救急医療機関数は2割減少し、335か所(2008年)。一方、救急搬送患者数は3割増え、62万人余(07年)となっている。「夜間・休日になると、当直医が1人しかおらず、休業状態になる2次病院も多い」(公立病院医師)といい、より高度な医療を行う3次救急病院にしわ寄せが行っている。

 全国でみると、2次病院の当直体制(07年)は、1人が4割、2人以下が7割に上り、手薄な状況にある。

 救急医療体制の「東京ルール」で、急患受け入れに、地域の病院が責任を持つことになる。地域救急センターが、2次救急病院の当直医の専門や空き状況を把握することで、効率性も増し、「たらい回し」対策につながるとされる。

 地域と病院の違いはあるが、東京ルールは、すべての患者を救急医が受け入れて診療科の医師へとつなぐ北米型ER(救急治療室)の地域版に一歩近づけようという試みとして、成否が注目される。

 しかし、たらい回しの原因である医師不足が改善されるわけではない。医師を急患受け入れの基幹となる病院に集約するのでもない。センター病院の負担ばかりが増え、新ルールが絵に描いた餅になる恐れもある



 救急医療を再度円滑に進めるようにするためには、医師の増加と労働条件の改善が絶対的に必要です。

 いわば東京ルールはそれまでの間の代替案のようなものです。医師らのギリギリのスキマをも埋めてしまうという感じですかね、悪い言い方をすれば。

 うまく使えば助けられる患者さんは増えると思うので、今後に期待していきたいと思います。ただ、いつまで持つのか、という気はしますが・・・。これによって更に医師一人あたりの負担が広がらないようにうまく利用していけば・・・。

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医学処:福島市内で、交通事故から救急搬送できなかった。
医学処:自民党が救急医療基本法を提言してる。
医学処:救急たらい回し問題で、舛添厚労相と石原都知事がバトル。
posted by さじ at 03:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急

低身長を治療する成長ホルモン製剤ジェノトロピンが承認される

「低身長」広がる治療法

 極端な背の低さは、いじめ被害や引きこもりにつながる場合もある。原因によるが、治療の可能性も広がっていることを親は知っておきたい。

 医学的に低身長とは、同年齢の背が低い方から約3%以内をさす。現時点では低くても伸びが良ければ追いつけるが、伸びも悪い場合は治療対象になる可能性がある。

 国立小児病院(現国立成育医療センター)で検査入院した低身長児284人を原因別で分けた結果によると、最多が、特に病的な原因がない「特発性低身長」で38%。親も背が低い「家族性低身長」は8%いた。これらは病気ではなく、治療できない

 治療対象の代表的なものは成長ホルモンの分泌不足で18%を占めた。そのほか、女性だけの先天的な病気ターナー症候群などの染色体異常が5・6%あった。これらは明らかな病気であるため、成長ホルモン製剤で治療できる。

 同調査で16%を占めたのが「SGA」。SGAは子宮内発育遅延の英語の略で、母体にいた期間を考慮した上で、身長と体重が小さい方から10%以内の場合をさす。その9割は2〜3歳までに身長が正常範囲に入るが、1割は追いつかず、「SGA性低身長症」と呼ばれる。ホルモンは正常なことが多く、病気と扱うべきかで議論があったが、欧米同様、日本でも10月、成長ホルモン製剤「ジェノトロピン」が治療薬として初承認された。

 日本小児内分泌学会理事長で旭川医科大教授の藤枝憲二さんは「子供の背が低くてもいいと考える親もいるだろう。ただ、背の低さは病気ではないと最初からあきらめている親も多い。治療の道もあることを知ってほしい」と話す。

 治療は早期に行い、思春期前に正常身長に近づけるのが理想的だ。低身長の程度にもよるが、平均5年の治療で患者の5〜6割は正常身長に達する。ただ、糖代謝の異常や骨年齢の老化を早めるなどの副作用の報告もされている。

 藤枝さんは「成長ホルモン製剤はあくまで治療用。単に、もっと背を伸ばしたいという美容整形的な目的では使えない」と乱用を戒める。



 ホルモンが分泌されてない、もしくは反応しない、または病気のせいでそのような状態になったりします。これらの病気で背が伸びない場合には、治療の対象となります。

 逆に言えば単に背が低いだけ、という場合には治療対象とはなりません。治療用以外に、成長ホルモンを投与すれば背が伸びるから使いたい、となってしまうと、副作用などで怖いことになってしまいますから。

 ホルモンというのはそれだけ全身に関わってくるものなのです。

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医学処:日本人の身長は、もうこれ以上伸びることはない。
医学処:出生児に低身長だった男性は自殺企図が高い。
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posted by さじ at 02:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

介護福祉士や社会福祉士を目指す学生に資金の貸付を行う

介護職を目指す学生に支援 介護福祉士・社会福祉士、40万円貸し付け

 介護人材の確保を目指し、厚生労働省は19日、介護福祉士や社会福祉士を養成する大学や専門学校で学ぶ学生に対し、入学時に20万円、卒業時に20万円の計40万円を無利子で貸し付ける財政支援策を実施する方針を決めた。

 介護職の国家資格である介護福祉士を養成する専門学校などの入学者が定員の半数を割るなど人材不足が深刻化しているのを受け、学費を援助することで入学者増を目指す。

 支援策の対象となるのは、2009年度から11年度までの入学者で、3年間で約300億円の事業費を見込んでいる。

 現在、介護福祉士などを養成する学校の学生に対しては、月3万6000円を上限に無利子で貸し付ける都道府県の「介護福祉士等修学資金貸付事業」があり、これを拡充する形で導入する。この毎月の貸付額についても、月5万円を上限に引き上げる。これらの融資については、卒業後5年間、貸し付けを受けた都道府県内の介護施設などで働いた場合、返済を全額免除する方針だ。



 うーむ。安いんだかオイシイんだか。

 介護職に就く若者を増やすためには、もっとこう、日本全体の介護に対する考え方を変えるしかないような気がします。具体的に言えば介護職についてもちゃんと収入が安定するようなシステムを構築するとか。

 やはり今から労働条件を良く整えないと、将来の介護領域が不安ですね。需要はかなりあるのでうまくやれば人気職になれると思うんですが。

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posted by さじ at 02:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

抗炎症薬サクシゾンと筋弛緩剤サクシンを間違えて投与してしまう

筋弛緩剤を誤投与で死亡…徳島の病院

 徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で、肺気腫の疑いで入院していた男性患者(70)に、抗炎症剤ではなく、誤って名前の似ている筋弛緩剤を点滴し、急性薬物中毒で死亡させていたことが19日、わかった。病院側はミスを認めており、県警は業務上過失致死容疑で調べている。

 病院や遺族によると、男性は今月17日夜に容体が急変し、体温が40度近くになった。当直の30歳代の女性医師は、抗炎症剤「サクシゾン」を出そうとしたが、データベースでヒットした筋弛緩剤「サクシン」をサクシゾンと思いこんだ。サクシンを受け取った看護師から「本当にサクシンでいいのですか?」との問い合わせがあったが、医師には「サクシゾン」と聞こえたため、「いいよ」と答えたという

 サクシンは、麻酔時や気管に管を挿入する際などに使用。使用を誤ると、呼吸停止を起こす場合がある。



 なんだか色々ありえないですね。これ。

 電子カルテでサクシと入力して出てきたサクシンを入力してしまった医師に問題はありますが、看護師も疑問に思いつつも筋弛緩剤を投与しているあたりが、う〜んという感じです。

 医療においては知識ってホント必要ですね。無知は罪です。確実な知識を持ち合わせた医師、看護師でないと人の命は預かれません。

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posted by さじ at 02:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理