2008年11月30日

色んな症状が出る低血圧のこと、理解してあげて下さい。

見過ごされがちな「低血圧」。低すぎるのは問題!

 血圧は低ければ低いほどよいと思っていませんか? 低血圧が原因でめまい、立ちくらみ、吐き気、だるさなどの症状が現れることもあります。自律神経失調症やうつ病などと間違えられることもあるので、注意が必要です。

 血圧が高いと「高血圧」と言われ、たとえ症状が出なくても動脈硬化の危険因子となり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めることはよく知られています。一方、「低血圧」は、せいぜい「寝起きが悪い」などと言われても、とりたてて病気とは見なされないことが多いものです。しかし、時に低血圧によって、めまい、立ちくらみ、吐き気、倦怠感、頭痛、肩こり、不眠、食欲不振など、さまざまな症状が出てくることがあります

 低血圧に詳しい東邦大学医学部の中野弘一教授(卒後臨床研修/生涯教育センター長)はこう話します。

「一般に、上の血圧(収縮期血圧)が100mmHg未満を低血圧といいますが、数値が低いだけでは病気とはいえません。低血圧が原因で毎日のようにめまいや吐き気などがあって、社会生活を送るうえで不自由さを感じるときに病気と見なされます。つまり、低血圧は症状で困っていることが病気の条件なのです

 低血圧には、何らかの病気が原因で起こる「症候性低血圧」、原因がよくわからない「本態性低血圧」があります。特に問題なのが後者。原因となる病気を見つけて治療すれば改善する症候性低血圧とは異なり、本態性低血圧は診断からして難しいのだそうです。

「低血圧によるさまざまな症状は、自律神経失調症、軽いうつ病、不安障害などでも見られます。本態性低血圧と診断するためには、これらの似た症状を訴える他の病気ではないという鑑別診断が必要です。実際は他の病気と重なっていることも多いですし、逆に低血圧が見落とされるケースもあります。自律神経失調症やうつ病などと診断されて精神安定薬などを投薬され、全然よくならないと悩んでいる人も少なくないのです」(中野教授)

 もともと低血圧の人では、立ち上がるなどしたとき、あるコンディションで急に血圧が下がり、立ちくらみなどを起こす「起立性低血圧」になりやすいものです。原因は、「心臓のポンプの働きが弱いのではなく、血圧を調節している脳の視床下部にある血圧調節中枢の応答が悪いこと」と中野教授。

 人は急に立ち上がると血液が足にたまります。通常は、血圧調節中枢の指令を受けた交感神経を介して心拍数を増やしたり、足の末梢静脈を収縮させたりして、足にたまった血液を押し上げ、脳が血液不足にならないようにします。しかし、調節中枢からの指令が遅れると、足に血液がたまったままで脳の血液量が減ってしまいます。その結果、脳の血液が不足して立ちくらみやめまい、失神などを起こしてしまうのです。つまり、起立性低血圧は、血圧調節中枢の応答が悪いことが主要な原因と考えられているのです。

 起立性低血圧はこれまで小児や思春期の子供の病気と考えられてきましたが、最近は高齢者にも多いことがわかってきました。起こりやすいのは食後。食事をすると血液が胃に集まり、脳の血液が不足してクラクラしてしまうのだそうです。

「高齢者では、転倒して骨折し、寝たきりの原因になったりします。クラクラしたら頭を下げて、心臓の位置にすると脳への血流が回復します。また、食べると気持ちが悪くなって食欲がなくなり、栄養不足で衰弱する原因になることも問題です。食後低血圧に対処するためには、食後にコーヒーやお茶を飲むとよいでしょう。これらに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があり、血圧を上げるのに役立ちます」(中野教授)

 実は、中野教授自身も低血圧。そのこともあって、低血圧の対処法をいろいろと研究してきました。いちばん効果的なのは運動だそうです。「低血圧の原因は血圧調節中枢の応答の悪さ。その状態を改善する薬はありません。血管収縮薬が使われることもありますが、効き過ぎてしまうのが問題です。運動は交感神経と副交感神経のチャンネルの切り替えを早くするのに役立つのです

 中野教授が勧めるのは、心拍が少し上がる程度の運動で、ジョギング、自転車こぎ、エアロビクス・エクササイズ、水中ウオーキングなど。ただし、もともと低血圧の人は血の巡りの調節がうまくいかないので、運動前にはウオーミングアップ、運動後はクールダウンを充分に行うことが大切だと強調します。運動が苦手でも、徐々に、できる範囲で負荷を普通の人並みにするぐらいの気持ちで、運動と言えないような運動からはじめましょう。水中ウオ−キングは低血圧の人には一番いいそうです。



 低血圧ってなかなか他の人に理解されづらいですよね。寝起きが悪いとかそういうイメージしかなさそう。でも記事にあるとおり、症状が出て辛い人もいるのです。

 運動が効くんですね。無理しない程度の運動を習慣づけることで改善するようですので、是非生活の中に組み込んでみて下さい。
posted by さじ at 23:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 循環

2008年11月29日

夜間に人工透析を行ったほうが、死亡率は大幅に低下する。

夜間の人工透析で死亡率が大幅に低下

 腎疾患患者の死亡リスクが、従来の1回4時間、週3回の透析治療に比べて、夜間に1回8時間の透析を週3回行うほうが大幅に減少することが示され、米フィラデルフィアで開催された米国腎臓病学会(ANS)年次集会で発表された。

 報告を行ったトルコ、エーゲEge大学腎臓病学科のErcan Ok博士によると、透析技術や医療は向上しているものの、従来の4時間、週3回の透析治療を受ける患者の死亡率は依然として受け入れ難いほど高いという。透析は腎不全患者の水分除去措置としては最も一般的な方法で、入院、外来のいずれでも実施されるが、通常は何らかの医療機関で行われる。患者の多くは、週3回、1回3〜5時間の処置を受けている。

 今回の研究では、従来の方法から、週3回、夜間8時間の透析に切り替えたトルコ人患者224人(平均45歳)を追跡した。研究グループによると、患者が処置を受けながら眠れるようになるまでには、通常1カ月の「適応期間」を要したという。

 1年後、夜間治療群と、従来の週3回4時間の治療を継続した同様の患者群とを比較したところ、夜間治療群は死亡率が78%低かったほか、血圧管理に顕著な改善がみられ、降圧薬の使用が3分の2減少した。また、リン酸塩濃度が正常値まで低下し、リン酸塩吸収を抑える薬剤の使用が72%減少。

 さらに、食欲向上、望ましい体重増加および血中蛋白濃度の増大がみられたほか、患者の多くが仕事に復帰し、業績や精神状態も改善されたと報告している。「このデータによって、医師、患者、保健当局、社会保障機関をなど社会全体が長時間の透析の必要性について納得してくれると期待している」とOk氏は述べている。

 米セント・ジョンSt.John病院のRobert Provenzano博士は今回の研究について、称賛できるものだが、腎臓は1日24時間働いており、透析時間が長ければ長いほうがよいのは明白と述べている。より頻繁な透析が健康状態全般を向上させることは、欧米の研究ですでに示されているという。今回の研究では患者が自己選択されており、無作為化対照試験となっていない点が問題と指摘。トルコ、中国、インドなどの発展途上国では、透析などの治療を受けることのできる患者は比較的裕福で健康状態もよい傾向があり、このことが研究結果にどのような影響を及ぼしているのかわからないことからも、無作為化研究が必要であると同氏は述べている。



 うーむ。夜間8時間の透析。これは血液透析なんでしょうけれど、実際にはどうやるんですかね。病院で寝てやるんでしょうか?

 日本でもし夜間8時間行う場合には、病院でやるしかないんでしょうけれど、社会生活をしながら行うには無理がありますし。しかも記事中で言われているように、そりゃ1日8時間も透析したら、結果がよくなるのは当然といえば当然です。社会生活があるから4時間ほどにしているだけで。

 夜間に行うのが良い、ということは、夜間に自宅で行える腹膜透析は死亡率が下がっているんですかね?確かに人には概日リズムというものが備わっていて、夜、早朝、昼、夕によって分泌されているホルモン量が異なります。その影響で血圧が上がってしまったりするので、夜に透析を行うというのは理にかなったものだろうとは思います。

 腹膜透析についてはこちらをご覧下さい。

関連
医学処:腎臓病早期発見のためのプログラム始動。無料です。
医学処:生体細胞を用いた人工腎臓が実用化するかもしれない。
医学処:腎臓移植と血液透析と腹膜透析について
posted by さじ at 19:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

脳のニューロンを活性化して麻痺した四肢を動かす。

脳ニューロンから麻痺した四肢を直接動かすことに成功

 麻痺した四肢を動かすための最新の取り組みの中で、脳の個々の単一ニューロンを活性化して麻痺した手首を動かす方法が突き止められたという。米ワシントン大学(シアトル)の研究グループは、サルを用いた実験で、脳−コンピューターインターフェースという装置を用いて脳細胞と接触し、麻痺した神経部位を迂回して、腕の筋肉に刺激を与えることに成功した。この研究は、脊髄損傷、脳卒中をはじめとする運動障害の治療や、人工装具の開発につながる可能性があるという。

 同大学生理学・生物物理学のChet Moritz氏らが今回用いた方法は、麻痺した筋肉を刺激する研究においてほかの方法とは異なる。ほかの方法は、実際の運動や運動イメージに関わる脳細胞を利用しようとするものであったのに対し、Moritz氏らは、生体フィードバックを用いて多数のニューロンを、筋肉を刺激するように再訓練できることを突き止めた。この報告は、英科学誌「Nature」オンライン版に10月15日掲載された。

 今回の研究では、一時的にサルの腕を麻痺させ、サルの脳から腕の筋肉へ運動制御シグナルを伝達する人工的な迂回路を作った。「運動皮質と呼ばれる脳部位の個々の単一ニューロンを記録し、コンピューターを通じて経路を作り、このニューロンの活性を用いて麻痺した筋肉を刺激した」とMoritz氏は説明する。サルはこの刺激方法を用いて、あらかじめ教えられた手首の曲げ伸ばしを要するテレビゲームをすることができたという。

 「いったん麻痺させると、サルが手首を動かす唯一の方法は脳の個々のニューロンの活動を変えることで、サルは筋肉への刺激を制御した」とMoritz氏はいう。研究グループは、試験したニューロンの3分の2が筋刺激の制御に利用されることを突き止めたほか、サルが極めて短時間で、別のニューロンを制御して筋肉を刺激できるようになることも明らかにした。

 研究共著者で同大学教授のEberhard Fetz氏は、今後の研究ではこの脳−筋肉インターフェースの持続時間を延長することに焦点を当て、最終的には、脊髄を刺激して筋肉群に調和した動きをさせることを目指したいとしている。別の専門家もこの研究を有望視しており、「装置の長期間の脳への埋め込みや小型化など、いくつかの問題を克服すれば、筋肉の運動を回復させることも可能になるかもしれない」と述べている。



 最近麻痺した腕を動かしたり、無くなった腕を機械で動かしたりするニュースが増えてきました。

 この分だと再生医療の分野は、神経をも克服した存在になるでしょうね。機械を介してでも動かすことができれば、脊髄疾患などの神経の異常を患う方は社会復帰可能なまでに回復するかもしれません。

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posted by さじ at 19:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

嗅覚の受容体を大量に作り出すことに成功する。

「人工鼻」の実現に手がかり

 嗅覚受容体を実験室で大量に作り出すことが可能となり、「人工鼻(artificial noses)」の実現にも可能性が出てきたという。

 米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に10月7日掲載の論文によると、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、市販の小麦胚芽抽出物をもとに、無細胞合成によって特殊な受容体を作成。その後、いくつかの精製段階を経て、においを検知する蛋白を単離することに成功した。この技術によって、嗅覚受容体を短時間で大量に産生できるようになり、嗅覚がどう働き、なぜ多くの異なるにおいを感知できるのかという嗅覚の謎の解明につながる可能性がある。

 「嗅覚の研究で大きな障壁となっていたのは、十分な量の受容体を作れず、またそれを均質に精製できなかったことである。今回ようやく受容体が原料としていつでも利用できるようになったことで、嗅覚に関する多くの新しい研究が可能になるだろう」と、この研究に基づいてMITの博士論文審査を受けたばかりのBrian Cook氏は述べている。研究チームによると、人工鼻を作ることによって、最終的には麻薬・爆発物探知犬に代わるものができるほか、医学的にも利用できる可能性があるという。

 ヒトは400個に近い機能遺伝子を含めた広大な嗅覚系をもっており、多様な受容体によって何万種類ものにおいを嗅ぎ分けることができる。論文の著者であるLiselotte Kaiser氏によると、嗅覚研究の鍵となる蛋白を単離することは困難とされていたが、数年かかってMITのチームは、疎水性洗剤溶液の利用により蛋白の構造および機能を維持したまま単離、精製することに成功した。今後は、多数のにおいを特定できる携帯型のマイクロ流体装置の開発に取り組む予定だという。



 おおお。凄い。

 医療的な応用といっても嗅覚を失った場合に復活させるぐらいしか思いつきませんが、それ以外の分野でかなり活用できそうです。

関連
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posted by さじ at 19:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

iPS細胞から精子や卵子をつくる研究が容認される。

万能細胞から精子など 容認へ

 あらゆる組織や臓器になることができるとされるiPS細胞やES細胞などの万能細胞から精子や卵子をつくる研究について文部科学省の専門家委員会は禁止していた、これまでの方針を改め、今後、認めていくことを決めました

 ヒトの万能細胞から精子や卵子をつくり出す研究は倫理的な問題があるとして、国はガイドラインで禁止していますが、不妊症や先天性の難病などの治療につながると期待されることから文部科学省の専門家委員会が検討を進めてきました。

 その結果、27日の会合で、これまでの研究を通じて研究機関の間では生命倫理に関する理解が深まっているなどとして万能細胞から精子や卵子をつくりだすことを認めるとしました。しかし、これらの精子や卵子から受精卵をつくり出すことについては、さらに慎重な議論が必要だとして引き続き禁止としました

 文部科学省では今後、ガイドラインの改正などの手続きを進めることにしています。委員会の主査で理化学研究所の豊島久真男研究顧問は「万能細胞への期待は大きいが、高い倫理が要求される問題なので、社会的に許される部分を慎重に判断していきたい」と話しています。



 お。これは期待。生殖細胞にも応用されれば、不妊症や遺伝的疾患で悩む方の救いになることは間違いありません。

 ガイドラインづくりは難渋するかもしれませんが、早いうちにやらねばならないことでもありますからね。「慎重に判断する」というのは議論に議論を重ねることであって、決して「議論を放棄する」ことではありません。どうも日本はこういう倫理的に難しい問題に対しては考えることをやめてしまう傾向にあるような気がするので(臓器移植問題然り)、この件に関しては期待です。

関連
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posted by さじ at 18:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 生殖

肺や気管支の患者団体が、たばこ税増税を訴える

患者団体“たばこ税増税を”

 たばこによる健康被害を訴えている呼吸器の病気の患者団体が27日、厚生労働省を訪れ、たばこ税を増税して病気の対策に取り組むよう訴えました

 厚生労働省を訪れたのは、肺や気管支の病気を患っている患者やその家族でつくる団体のメンバーら6人です。6人は舛添厚生労働大臣と面会し「日本のたばこ税は欧米の先進国に比べて低いため、喫煙者がなかなか減らない。たばこ税を増税して喫煙者を減らし、健康被害を減らすべきだ」と訴えました。

 そして、たばこ税の税率の引き上げや税収を活用した病気の対策強化などを求める文書を手渡しました。これに対し、舛添大臣は「国民の健康が第一で、たばこ税の増税は世界的な流れだ」と述べ、前向きに検討する考えを示しました。記者会見した患者団体の遠山和子さんは「私の夫も、呼吸器の病気で先月亡くなりました。増税によって健康被害に歯止めをかけてほしい」と訴えていました。たばこ税をめぐっては、超党派の議員連盟が増税を求める決議をする一方、「たばこ産業が壊滅的な打撃を受ける」などとして増税に反対する意見もあり、議論が続いています。



 煙草を吸うのは個人の勝手ですけれど、例えばその人と一緒に暮らしている家族とかにも影響を与えてしまうわけですよね。その点を考慮しないで、がんになろうが自分の勝手と言ってしまう人の浅はかさ。

 自分では吸っていないのに、副流煙のせいで癌になった人などを見ると、なんともやるせない気持ちになりますね。

関連
医学処:禁煙へ挑戦するためのまとめ
医学処:煙草値上げ案に反対している人たちの意見について。
医学処:喉頭癌で人工喉頭になった人が禁煙教室を開く。
posted by さじ at 17:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸

便秘薬の酸化マグネシウムは高マグネシウム血症の副作用がある。

<酸化マグネシウム>便秘薬など副作用15件、うち2人死亡

 便秘や胃炎に広く使われている医療用医薬品「酸化マグネシウム」の服用が原因とみられる副作用報告が05年4月〜今年8月に15件あり、うち2人が死亡していたことが、厚生労働省のまとめで分かった。高齢者に長期間処方しているケースも多いことから、厚労省は血液中のマグネシウム濃度の測定など十分な観察をするよう、製薬会社に使用上の注意の改訂を指示した。

 酸化マグネシウムは腸の中に水分を引き寄せて腸の運動や排便を助ける効果があり、各製薬会社の推計使用者は年間延べ約4500万人に上る。

 15件の副作用は、服用が原因で意識障害や血圧低下などにつながった可能性が否定できないケースで、全員が入院した。このうち認知症などの病気を持ち、他の薬と併用して長期投与を受けていた80代の女性と70代の男性が、ショック症状などを起こし死亡した。15人中13人は、服用を半年以上続けていたとみられる。

 酸化マグネシウムは薬局で買える市販薬にもある。厚労省はこの成分を含む製品を副作用の危険が最も低い3類から、薬剤師らに情報提供の努力義務が課せられる2類に引き上げることを決めた。市販薬での副作用報告は今のところないという。



 よく使われる薬ですから、今までにものすごい数の人たちが酸化マグネシウムを飲んだことがあると思います。その凄い数の投与機会のうち15件、ということはかなり少ない頻度で副作用は生じていると分かります。

 ですが少ないとはいえ起こっている事実は軽視できません。副作用のない薬なんてないのですから。酸化マグネシウムはほとんどの場合においては問題ないのですが、万が一異常が起こった場合と、その対処法を知っておく必要があります。

 女性は、血清マグネシウム値が「17.0mg/dL」と高く、ショック状態のため、カルシウム製剤投与と急性血液浄化(HD)が行われた。しかし、血清マグネシウム値は徐々に低下したものの、敗血症を併発。腹水から「bacteria」を検出したため、腸管壊死が疑われたが、手術に至ることなく死亡した。

 厚労省は「酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症については、添付文書の『副作用』の項に『高マグネシウム血症』を記載し、注意喚起を図ってきた」とした上で、「医療関係者におかれては、酸化マグネシウムの投与中においては、高マグネシウム血症の初期症状に十分注意するとともに、特に長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、異常が認められた場合に適切な処置が取れるよう、さらなる注意をお願いする」と呼び掛けている。

 厚労省によると、「高マグネシウム血症」が表れると、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。このため、「悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」を求めている。


参考:CB 酸化マグネシウム

関連:全ての病気を治すと言って塩化マグネシウムを売っていた男
posted by さじ at 17:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

医療崩壊を食い止めるために医学生が話し合う。

医療崩壊を食い止めるのは医学生

 医学生らが自身のキャリアについて学び、意見を発していくことを目的につくられた「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は11月27日、「日本版総合医」「医師不足」をテーマにした第2回勉強会を慶大信濃町キャンパスで開催した。講師として招かれた渡辺賢治・慶大漢方医学センター准教授は、「医療崩壊は始まったばかり。崩壊が10年続くか、50年続くかは君たちに懸かっている」と、学生たちにエールを送った。

 渡辺氏は初めに、「医療崩壊がなぜ起こったと思うか」と学生らに質問。学生の間からは、「医療費の無計画な削減」「医学が進歩したため、医学が万能と患者が考え、訴訟などに発展しやすくなった」「総合医が不足しているため、大学病院などに軽傷でかかる患者が増え、負担が増大した」などの意見が上がった。こうした意見に対して渡辺氏は、「日本人のメンタリティーが不老不死を目指して、究極のところに来ている。医療崩壊をつくった原因の一つは、社会で医師を支えようとする姿勢が足りない、ということもあるのかもしれない」などと述べた。また、「医師と患者のコミュニケーションが崩れている。同列で医療を良くしようと考えなくてはいけない」と訴えた。

 続いて、渡辺氏は「総合医」について言及した。日本の今後について、「超高齢社会を迎える人類史上初めてのケース」と指摘し、特に老人医療費が伸びている現状などを紹介。その上で、以前は生産者人口を支え、高度成長を支えてきた臓器別専門医を中心に、病気を治すことが最優先とされていたのに対し、今後の高齢社会では病気と共存させ、QOLを保つことを目指した「全人医療」の医師が必要だとして、総合医の必要性を強調した。

 渡辺氏は最後に、「一つの治せる疾患を相手にすることも重要だが、複数の治らない疾患を有する高齢者と向き合えるコミュニケーション能力も必要」とした上で、「人類史上初の超高齢化社会の中で、全人医療を担う医師が社会を支える」と締めくくった。



 うーむ、難しい。

 渡辺氏の言っていることはご尤もなのですが、結局それってお金の問題なのでは。

 モチベーションの高い大学病院や大手総合病院の医師は、専門医でありながらも総合医であると思うんですよね。1つの疾患を治しつつも、慢性の病気も考慮してコントロールするという。

 いやそれはそうなんだけれども、この話は、いわゆる開業医がもっと全身をしっかり診れるようにならなければいけない、という話なのでしょう。そうなるためには、医師ひとりひとりのモチベーションの問題か。

関連
医学処:良質な慢性期医療がなければ日本の医療は成り立たない
医学処:「医師不足と深刻化する地域医療崩壊」を話し合う。
posted by さじ at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

扁桃摘出術後の再手術で、胃内の大量血液を誤嚥して死亡。

医師2人を起訴猶予=患者死亡、「経験不足」−新潟地検支部

 JA新潟厚生連刈羽郡総合病院(柏崎市)で、扁桃摘出手術を受けた男性患者=当時(28)=が死亡した医療事故で、新潟地検長岡支部は28日、業務上過失致死容疑で書類送検された執刀医(40)と麻酔医(31)について、いずれも起訴猶予処分にしたと発表した。

 両医師は2004年3月3日深夜、前日扁桃摘出手術を受けた男性に出血が見られたため、再手術する際、胃の中にたまっていた血液を抜く措置を講じずに全身麻酔をかけ、手術時に逆流した血を誤飲させ男性を死なせたとして、書類送検された。

 地検は執刀医は整形外科、麻酔医は耳鼻咽喉科が専門と指摘。起訴猶予について「胃腔内は空虚だと判断したのも無理からぬことで、経験不足を問うのは酷。遺族との間で示談が成立していることなども踏まえた」と説明している。



 なるほど・・・。んー、経験不足を問うのは酷かー。何で専門外の人がやったんでしょうね。夜間の緊急か何かだったんでしょうか。

 しかし患者さんも28歳ですからね、本人も家族も、まさか死ぬとは思っていなかったでしょう。

 専門でなければ、胃内に大量の血液があって、それが誤嚥(記事中では誤飲となってますけど、誤嚥が正しいのでは)するとは思わなかった、とすると、根本の原因は麻酔科医不足ではないでしょうか。
posted by さじ at 16:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

群馬大学が医師を引き上げ、中核病院の常勤医が不足する

群大医師引き揚げ、中核病院深刻

 群馬大による医師引き揚げを機に、県内の中核病院で常勤医が不足し、診療科閉鎖の危機を迎えるケースが増えている。

 館林厚生病院(館林市)は、来年度の小児科医2人の引き揚げを先月に打診された。小児科は、群馬大からの派遣2人、研修医1人、非常勤1人の態勢で外来や入院に対応している。同科は館林市・邑楽郡では唯一入院が可能で、小児救急も行う。同病院の飯塚好美事務部長は、「小児科を続けるのはこの病院の使命だが、このままでは閉鎖せざるをえない」と語る。

 群馬大医学部総務課によると、同大には関連病院への派遣も含め、77人の小児科医が所属。出産や開業などで今年度末には十数人の離職者が出るとみられ、中核病院としての機能を維持するため、同病院など複数の病院から6人前後を引き揚げる方針だという。

 公立碓氷病院(安中市)も、年度末で整形外科の常勤医2人のうち1人は開業し、1人は群馬大に引き揚げを打診され、眼科の唯一の常勤医も今年度末に開業予定。このため、両科では大きな手術ができなくなる可能性もあるという。

 こうした現状に対し、県医務課は、「研修生への奨学金などで医師確保に努力しているが、医師が辞めたり、産休に入ったりするのは止められない。群馬大以外からの医師確保も必要になるだろう」としている。



 難しい問題ですよねぇ。開業するなともいえませんし。しかし開業って選択肢結構多いんですかね。日本で開業医って飽和状態じゃないんでしょうか。

 より高度な医療を行う大学病院だからこそ、医師数はある程度確保されてほしいですし、その関連病院もかなり高度な医療を行っているので、医師は必要ですし・・・。うーむ。

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posted by さじ at 04:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年11月28日

乳児と一緒に添い寝→体で圧迫されて窒息死。

添い寝の乳児が窒息死、元託児所職員に有罪判決

 福岡県久留米市の民間託児所で生後6か月の女児が死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた同市荘島町、元託児所職員徳永富美子被告(58)の判決が28日、福岡地裁久留米支部であった。

 長倉哲夫裁判官は、徳永被告に禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)の有罪判決を言い渡した。

 判決によると、徳永被告は1月29日午後10時頃、勤務していた託児所で女児に添い寝中、眠り込んでしまい、女児の鼻などを体で圧迫して窒息死させた

 長倉裁判官は「責任を免れようと、女児が死亡したことを知らせずに母親に引き渡すなどしており、刑事責任は重い」と指摘した。



 正直に伝えていれば、また判決も変わったんでしょうね。子供が死んでいるのに、嘘をついたという点で大きい罪となったのか。

 似たような事故って、家庭では報告されているんですかね。案外ありそうで怖いです。

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posted by さじ at 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸

病院に寄贈したカリヨンに癒し効果がある。

カリヨンの音色に癒やし効果

 病院や福祉施設などで、時を告げるカリヨン(組み鐘)の活用が広がってきた。軽やかな音色が心身に安らぎをもたらすのでは、と注目されている。

 カリヨンは中世のヨーロッパで生まれた。複数の鐘をハンマーで打って、メロディーを奏でる。最近のものは、コンピューターで制御され、設定された時間に、自動演奏される仕組み。現在、日本には、数百のカリヨンがあるという。

 高度専門医療を行う長野県安曇野市の県立こども病院は、昨年11月、オランダ製のブロンズ鐘16個を時計台に設置した。朝夕は作曲家・三善晃さんの曲「母子のための音楽」が流れ、昼は、季節ごとに民謡などの曲が演奏される。NPO法人「いのちと平和の森」(同県松本市)が「子どもたちを元気づけたい」と寄付を募ってカリヨンを購入、寄贈した。病院には約140人が入院しており、演奏は子どもたちに好評という。

 滋賀県甲賀市の水口病院には12月中旬、筒状のベルを並べるチューブラー・カリヨンが設置される。鐘形のものより音量が小さく、優しい音色を奏でる。病院敷地の中央に位置する介護老人保健施設の壁に設置される。筒状のベル12本で約20曲を演奏する。「やすらぎを与える音楽を提供できれば」と同病院。

 カリヨンの輸入販売を行っているカリヨン・センター(東京)の田村紘三さんは「カリヨンはこれまで、商業施設や公園、駅前広場で主に時報のために使われていた。病院などでの設置が増えてきたのは、鐘の音色の癒やし効果が期待されているからだろう」と話している。



 こう、医療のことを色々取り上げていますけれど、こうやってみてみると、病院に寄贈したり寄付したりして、陰ながら患者さんを支えている人たちが結構いることを、嬉しく思います。

 病院ボランティアとして、病院内でボランティアを行う方々もおります。医療従事者では出来ないようなことをやってくれているので、病院としても大助かりですし、患者さんにとっても需要のあることをやってくれているので、ボランティアをしてくれている人は凄いな、と。活動といっても催しものなどといったものではなく、例えば病棟に貸本を届る活動ですとか、患者さんと一緒に散歩に行ったり、色々なものがあります。興味のある方、一度やってみてはいかがでしょうか。大きな病院なら結構あると思いますよ。

 って全然関係ないコメントになってしまいました。すみません。

  /l、
 (゚、 。 7   
  l、~ ヽ      
  じし' )ノ 

外来患者さんへの援助

・玄関案内 受付案内 
・車椅子介助
・外国語・手話通訳
 
入院患者さんへの援助

・入院案内 小児科病棟での遊び相手 学習指導
・配茶 配膳 洗濯 買い物  
・ベッド周りの整理整頓 お花の手入れ
・話し相手 散歩の付き添い

手仕事ボランティア

・縫製 修理 
・衛生材料作り
・介護用品の手作り

地域医療連携サービス

・紹介患者さんの案内 
・医療情報コーナーでの患者図書の貸し出し
・パソコン・ビデオの視聴援助

イベントボランティア

・ひな祭り お花見 七夕会 夏祭り お月見 
・クリスマス会 音楽会 など
・各種行事の企画・運営・お手伝い

グリーンボランティア

・患者さんの心なごむハーブ園 花壇を育てる
・院内各所に飾る切花を育てる
 
その他の活動

・地域で介護用品など製作、バザーの開催などにより、院内で活動するボランティアに資金援助をする。


参考:日本病院ボランティア協会

病院ボランティア募集の検索結果

関連:心の病を研究してきたアメリカのベノア医師が初来日
posted by さじ at 23:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS

茶カテキンの抗がん作用を増強させた薬を開発する。

茶カテキンの抗がん作用増強

 緑茶の渋みの元で健康食品としても使われている茶カテキンの成分から、がんを抑える作用の強い化合物を作ることに成功したと、京都大再生医科学研究所の玄丞烋准教授(医工学)と松村和明特任助教たちのグループが26日、発表した。食用成分を原料に使っていることから「副作用の少ない抗がん剤の開発が期待できる」という。

 茶カテキンの主要成分であるエピロガロカテキンガレート(EGCG)は、抗がん作用や抗酸化、抗ウイルスなどの働きがあり注目されている。しかし、体内ですぐに分解されるなど、そのままでは薬剤としては十分に作用が発揮できない

 玄准教授は、EGCGと脂肪酸の合成物質(EGCG−C16)を作製した。この合成物質は体内でも壊れにくく、がん細胞に結びついて増殖を抑えることを実験で確かめた。

 マウスの結腸がんの近くに合成物質を注射すると、EGCGのみを注射したマウスに比べ、1カ月後のがん組織の成長を約1割に抑えることができた。



 お、これはご当地モノじゃない!!・・・と思ったら京都か。これももしかしてご当地モノかもしれませんね。お茶といえば静岡、でも京都もお茶ですもんね。お茶メーカーが絡んでるかどうかは分かりませんが。

 でもこれはお茶メーカーが絡んでもしょうがないもんかもしれないですね。お茶に含まれている物質を薬として使えるようにした、というものですので。がんに効くといわれているカテキンを更にパワーアップさせたもの。抗がん剤としての効果に期待です。

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posted by さじ at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

麻生首相の度重なる医師医療関連失言について。

麻生首相:「医師常識欠落」発言 県保険医協会が抗議 /広島

 県保険医協会(長谷憲理事長)は21日、全国都道府県知事会で麻生太郎首相が「(医師は)社会的常識がかなり欠落している」などと発言したことを受け、抗議文を内閣総理大臣あてに提出した。

 麻生首相は、19日に開かれた知事会で地方の医師不足への対応を問われ、「お医者さんを『減らせ、減らせ』と言ったのはどなたでしたか」などと医師側に責任があるかのような発言をした。抗議文は、発言について「公の場における客観的な根拠に基づかない自らの経験と記憶だけの発言は、その影響力から考えても首相としての資質が問われる。断じて許すことはできない」と批判。医療費抑制策を根本から見直し、医療費を適正に増やすよう早急な政策転換を求めた。



 麻生首相発言に医師団体から批判の声

 麻生太郎首相の「医師は社会常識がかなり欠落している人が多い」という発言に関連して、医師の団体からは批判や反発の声が相次いだ。

 病院勤務医を中心に約800人が加盟する「全国医師連盟」の黒川衛代表は「驚いた。一国の首相の言葉とは思えない配慮のない発言で残念だ」とした上で、「一生懸命働いている医療者のことを真剣に考え、社会全体で医師不足対策を考えてほしい」と注文を付けた。

 また開業医が多い全国保険医団体連合会の住江憲勇会長は「日本の医療費が低水準にある中で、地域医療を守っている医師の気持ちを全く理解していない」と切り捨て、「二階俊博経産相が、相次ぐ妊婦の受け入れ拒否は『医師のモラルの問題』と発言したのを撤回したばかり。医師不足に関する麻生内閣の認識はどうなっているのか」と批判した。

 定例記者会見中に首相発言が舞い込んだ日本医師会の中川俊男常任理事は「信じられない。これから確認したい」と述べ、あぜんとした表情を見せた。



「何もしない人の分何で私が払う」 高齢者医療に首相不満?

 「私の方が税金は払っている。たらたら飲んで食べて(健康維持に)何もしない人の分の金を何で私が払うんだ」。麻生太郎首相が社会保障を議論した20日の経済財政諮問会議で医療サービスを受ける高齢者にこう言及していたことが、内閣府が26日に公開した議事要旨で明らかになった。

 首相は「67歳、68歳になって同窓会に行くとヨボヨボして、医者にやたらかかっている者がいる」と指摘。「彼らは学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかっていない。それは毎朝歩いたり何かしているからだ」とも語った。



 首相失言問題。まぁ野党みたいに、寒いあげ足とり合戦みたいなことをするのは恥ずかしい限りというか、ちゃんと仕事しろといいたいほどですが。

 でも医師って、何だかんだ言っても育ちの良い人が多かったり、勉強も出来る人が多いと思うんですよね。職業別に並べたら、医師は常識人ばかりなのではないですかね、とマジレスを。常識ないと患者さんとのコミュニケーションも務まりませんし。

 勿論医師にもそうではない人はいます。いますし、そういう人は問題を起こしますけれど、一国の首相が医師全体を一括りにして「常識がない」と言ってしまうのは、短絡的というか、表現が安易すぎるよなぁと。

 言いたいことを言ってしまう、というのはどうでもいいんですけれど、その時に表現が適切であればあるほど、カリスマ性のある首相になれるんじゃないですかね。ボキャブラリー的に成長してほしいかなと思います。

 3つめのやつは、失言ではないと思うんですよね。健康な人が思っている本音みたいなものでしょう。でも病気ってちゃんとした生活をしていてもなる人もいるので、配慮がないといえばそれまでですが。実際に不摂生で病気になって、病院にかかっている人は大勢いますし。そういう人たちへの「予防医療」の意味も込めて、発言したまで、では。こちらも表現の問題で、「何で私が払うんだ」とぶっちゃけ過ぎなんですよね。笑
posted by さじ at 00:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | NEWS

2008年11月27日

補助人工心臓を永久装着して歩けるようになるまで回復する。

補助人工心臓の74歳女性退院、永久使用目的は国内初

 補助人工心臓のバッテリーなどを手に笑顔を見せる南元子さん(26日午前、大阪府吹田市の大阪大病院で)=里見研撮影 重症の心臓病で、体内埋め込み型の補助人工心臓を装着した高齢女性が26日、歩行できるまで回復し、入院先の大阪大病院で記者会見した。

 補助人工心臓を移植までのつなぎではなく、永久使用目的で装着するのは国内初。心臓移植の適応外の患者の在宅治療などに道を開く医療として注目される。

 退院するのは、奈良県の主婦南元子さん(74)。昨年7月に心筋梗塞の後遺症で、血液が逆流して心不全を起こすなど重い虚血性心筋症になった。ほとんどベッドに寝たきりの状態だった。

 国内の心臓移植の適応基準は60歳未満とされているため、南さんは国内で治験中の補助人工心臓(ジャービック2000)の装着を決めた。今年8月、スクリューが回転して血液の流れを補強する親指大のポンプ式の人工心臓を左心室に埋め込む手術を受けた。現在は、500メートルほど歩けるまで回復した。

 記者会見した南さんは「半分死んだ状態から助けてもらい世の中が開けた感じで、希望が出てきた。退院したら演奏会や演劇にも行きたい」と喜びを語った。

 補助人工心臓を装着すれば機能回復可能な患者は日本でも年間1000人程度いると推定される。澤芳樹教授(心臓血管外科)は「移植だけに頼らない治療が世界的に必要とされている。ほとんど治療法のなかった高齢患者に新しい可能性が期待できる」と話している。

 補助人工心臓は、装着することで心臓の負担が軽くなり、心機能そのものが回復する場合もある。南さんが装着した人工心臓を埋め込んだ例は欧州を中心に数百例ある。



 おおお。これは凄い。

 確かに移植によって助かる人はいますが、高齢者であったりすると、移植の適応から外れてしまうんですよね。そうすると高齢者は寝たきりにならなきゃいけないのか、ということにも。ですが人工心臓をつけることで歩けるようになるまで改善するとは。凄いですねぇ。

 日本は移植が進んでいませんし、人工心臓の技術がより発達してくれればいいと思うのですが・・・。残念ながらお金が足りていない。小児用の補助人工心臓とかもっと発達してくれればいいと思うんですけどね。移植数を増やせないのならば、そちらの方面に資金を与えても良いような・・・。変な道路だとか公共施設だとか、何の意味も成さない天下り先の委員会とかなくして。

参考:補助人工心臓

全置換型人工心臓

 全置換型人工心臓は、空気圧駆動型のジャービック7が1980年代にアメリカで臨床応用されたが脳卒中などの合併症で使われなくなった。最近、電磁駆動のアビオコアの臨床も行われたが現在は中断している。 症例数から計算すると、補助人工心臓だけで救命できる症例数のほうが多く、全置換型人工心臓は開発しても採算が取れないと言う試算もあり、現在地球上には、開発プロジェクト自体があまりないのが現状である。その中において日本は、東京大学などの研究チームは科学研究費を元に全置換型を目指して開発を進めている。

補助人工心臓

 補助人工心臓は、心臓の働きの一部を助けるもので、空気圧駆動型のものでは、日本ゼオンと東洋紡の補助人工心臓が臨床応用されている。心臓移植までの患者の生命を維持するためにはどうしても必要な人工臓器である。 日本では、世界に先駆けて、空気圧駆動型の補助人工心臓の製品化が許可されたこともあったが、保険収載の認可が圧倒的に遅れ、埋め込み型の補助心臓への企業のアプローチに対し、行政が結果として、認可審査の世界的に見ても非常識なまでの遅滞を行ってきた。これにより、厚生省の認可が、日本の補助人工心臓開発を叩き潰したという定説が、現在日本人工臓器学会の一大問題になっている。

 埋め込み型の補助人工心臓も開発されており、2006年、ロータリーポンプを応用したサンメディカルのエバハートの臨床が開始され良好な成績を収めている。エバハートはモックの耐久性試験や慢性動物実験で良好な成績を収め、特に動物実験では世界記録レベルの耐久性を持ち、欧米であれば、既に臨床で市販されるだけのデータを持っているが、日本では認可が遅れている

 同じくロータリーポンプを応用したテルモのデュラハートは、欧米でのみ、臨床が行われている。

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posted by さじ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

塩分過剰は腎臓の細胞膜のコレクトリンを活性化させ血圧を上げる

高塩食で血圧上昇 岡山大が仕組み解明

 食事などで塩分を取りすぎた際に、「コレクトリン」というタンパク質が腎臓で働いてナトリウムを体内に取り込み、血圧を上昇させているのを岡山大の和田淳講師(代謝内科学)らの研究チームが25日までに突き止め、米医学誌に発表した。

 食塩に含まれるナトリウムが血圧を上げるのはよく知られているが、体内調節の詳しい仕組みは分かっていなかった。和田さんは「コレクトリンの働きを調節する物質が見つかれば、新たな高血圧治療法につながりそうだ」と話している。

 チームはラット実験で、高塩食による代謝の変化を観察。塩分が乏しい時にナトリウムを体内に取り込む仕組みとは別に塩分が多いと腎臓の細胞膜の表面にあるコレクトリンが活性化し、血圧を上げる仕組みがあるのを発見した。

 高血圧は脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病の一因だが、発症には個人差がある。和田さんは「人によってコレクトリンの働きが違うのが理由ではないか」とみている。



 うおおおこれは根本にまで踏み込んでますね。

 塩分摂りすぎで高血圧になるメカニズムとしては、ナトリウムが水をひきつける状態になって循環血液量が上がると単純なものかと思っていましたが、実はコレクトリンが活性化して血圧を上昇させるという機序もあったのですね。

 この作用を抑制する薬が出来れば、新たな高血圧治療薬として脚光を浴びると思います。大きな発見です。

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posted by さじ at 20:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

腎機能障害を引き起こす蛋白質Rac1を発見する

腎機能障害招くたんぱく質発見=新薬開発へ応用期待−東大

 腎機能障害を引き起こす新たなたんぱく質をマウスの実験で発見したと、東京大大学院医学系研究科の柴田茂特任研究員や長瀬美樹特任助教らが24日、米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。このたんぱく質「Rac1」の働きを抑える薬を開発できれば、慢性腎臓病の治療に使えるという。

 長瀬さんらは、塩分によって腎臓細胞でRac1が活性化すると、ナトリウムの排出を抑えるホルモン「アルドステロン」と結び付いたたんぱく質「ミネラルコルチコイド受容体」が細胞核内に入りやすくなり、腎機能障害につながることを突き止めた。



 臓器って色々ありますよね。心臓とか肝臓とか。一般の方にとっては、おそらく腎臓っていうのは中でもランクの低いものだと思いがちなのではないでしょうか。劇的な病態を来たすものといえば心臓だったり、肝臓だったり、消化管だったり。いえ事実私も若い頃は、脾臓の次ぐらいにどうでもいいもんなのかなぁと思っていたものですよ。

 でも実際には全身を司る、大事な大事な臓器なのです。当たり前ですが、おしっこが出るということは生きていく上で大事なことなんですよね。身体に貯蔵される水分量も、腎臓が管理しているわけで。塩分や何やらの因子をコントロールしているのも、ココです。

 腎機能障害、といっても、なんかピンときませんよね。心筋障害だと一発でヤバイもんだと思うのに。ですが腎機能障害は何年か先に大きく影響してくるものなのです。腎臓のこと、大切にしてあげて下さい。

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posted by さじ at 19:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

スポーツや音楽でトップになるには1万時間の練習が必要

天才アスリート、アーティストになるのに必要な時間

 ドイツ・ベルリンのある音楽院が発表した最新研究の結果によると、スポーツ界でのトップアスリートや音楽界のトップアーティストになるには、少なくとも1万時間の練習時間が必要だという。

 イギリスのデイリーメールが23日に報じたところによると、この音楽院は1グループのバイオリン練習者を研究対象に選んだ。彼らは5歳からバイオリンの練習を始め、毎週2-3時間練習してきたという。練習時間は年齢とともに増え、20歳になった時、グループ内で優秀と呼ばれるようになった人の練習時間は1万時間前後に達していたとのこと。アーティストとしての能力が優秀者よりやや劣ると判断された人の練習時間は8000時間だったとのことだ。

 研究者はこの結果を受け、「インスピレーションや才能も重要だが、天才と凡才を分ける決定的要因は練習時間」との結論を出したとのこと。

 またある神経学者はイギリスBBC関係の科学雑誌の取材に対し、「脳は物事を消化吸収するのに1万時間を要する。一つの技能を完全にものにするには1万時間の時間が必要なのだ」と話しているそうだ。



 結局、才能があっても、努力をしないと芽は出ないということでしょうねぇ。

 遺伝的な素因などで才能があった、親が子にそれを習わせた、子は大きくなってもそれを嫌がらずに続けた、その3つが重なって初めて、世でいう「天才」になるのかもしれません。

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posted by さじ at 19:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

肺がんの新たな治療薬を自治医大が開発する

自治医大:マウスの肺がん消失に成功

 肺がん遺伝子が作る酵素の働きを抑える化合物で、マウスの肺がんを消失させることに、自治医科大などの研究チームが成功した。肺がんの新たな治療薬として期待される。25日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。

 チームは昨年、肺がん男性患者から、がん化にかかわる遺伝子「EML4−ALK」を発見。肺がん患者の約5%がこの遺伝子を持っていることが分かっている

 この遺伝子が肺がんを起こすことを確かめるため、肺だけで遺伝子が働くように操作したマウスを作ったところ、生後1〜2週間で両肺にがんができた。

 さらに、この遺伝子が作る酵素の働きを阻害する化合物を作り、肺がんマウス10匹に1日1回経口投与した。投与開始から25日ですべてのマウスのがんが消失した。投与しなかった肺がんマウス10匹は、がんが両肺に広がり、9匹が1カ月以内に死んだ。

 肺がんの治療薬としては「イレッサ」があるが、副作用がある上、効く患者が限られる。この化合物は別のタイプの肺がんへの効果が期待できるといい、既に複数の製薬会社が治療薬開発に着手している。間野博行・自治医科大教授は「投与したマウスの臓器や血液を調べたが、副作用はみられない」と話している。



 さすがに副作用がない、ということはないのでしょうけれど、イレッサのように重篤な副作用が出なければ大きな治療法になりそうです。

 遺伝子の作る酵素を選択的にブロックする化合物ということは、これも分子標的薬のくくりになるのでしょうか。分子標的治療薬は、特定の分子を狙い撃ちして、腫瘍が増殖するシグナルを抑制したりすることのできる薬です。慢性骨髄性白血病に対するイマチニブ(グリベック)などが有名ですが、分子標的治療薬は劇的な効果をもたらすものが多いので、この薬も期待できそうですね。

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posted by さじ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

男性用ブラジャーが爆発的な人気を示している。

男性用ブラに注文殺到 発売から3週間で500枚

 今週最もアクセスを集めたのは、男性用ブラジャー「メンズプレミアムブラ」の記事だった。楽天市場のメンズインナー「その他」部門の売れ筋ランキングでは、2週続けて首位をキープ。ロイターが「男性向けブラが日本で売れているよ」と報道、世界的存在になった。

 発売元のウィッシュルームによると、製造が追いつかないほどの人気。11月8日の発売から約3週間で500枚の注文を受けた。1カ月に製造できる枚数は160枚で、12月発送分までほぼ完売している。

 「男性用ブラを作ってほしい」という要望は2000年ごろから同社に寄せられていた。特に今年6月ごろから、ブラジャーを着用する男性から「集中力が上がる」「リラックスできる」「落ち着く」といった意見が寄せられるようになったため、開発を決めたという。

 今後は、フロントホックタイプやレースをあしらったタイプなどラインナップを増やしていく計画だ。

 ちなみに、メンズプレミアムブラにパッドを入れて着用すると、胸板が厚く見せる効果もあるとのこと。「体をもっとがっしり見せたい」とお悩みの男性は、試してみてはいかがでしょうか?



 コレですか。強烈なフォルム。笑

 確かにこれを着けて服を着れば、胸はがっしりして見えるでしょうけれど、何かの拍子に誰かに見られでもしたら変態の烙印を押されてしまう危険すぎるアイテムではないでしょうか。

 しかし需要はあるのですね。昔どこかで、男性でもブラジャーをつけると集中力が上がるという話をみたことがありますが、実際どうなんでしょうか。胸に引き締まるものをつけるので集中できるのでしょうか。キツめのタンクトップでも同じような気がしますが。

 もしこれが大ブレイクして世間で広く認知されるようになったら、試してみたいと思います。笑

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posted by さじ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚
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