2008年10月19日

世界最年少でクローンマウスの作製に成功した近畿大の21歳女性

21歳女子大生、クローンマウス“世界最年少”で成功

 日本人の相次ぐノーベル賞受賞が話題の科学界で、また快挙があった。近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)の21歳の女子学生が、体細胞クローンマウスの作製に国内最年少で成功した。しかも生まれたマウスは「三つ子」だった。

 体細胞クローンマウスの“生みの親”は、遺伝子工学科4年の西山有依さん(21)。4月に研究に着手し、6月26日に1度の出産でメス3匹が誕生。9月末までにそれぞれが7〜10匹(計25匹)の子供を出産し、正常な生殖能力の保持が証明されたことから15日、大阪市内で発表した。

 このクローン技術は、指導に当たった三谷匡准教授が「熟練した技術者でも、1匹を産む成功率は2%ほど」という困難さという。

 西山さんは、研究中は朝7時から実験に没頭。講義やテニス部の活動からも遠ざかり、「合コン? 全然、行ったこともないですよ」と研究一筋の生活を送ったと笑った。

 三谷准教授は「クローンマウス作製で最年少である可能性がきわめて高く、ギネスブックに申請できないか検討している」という。



 凄いですね。生活も研究者って感じです。

 若いからといって偉大な成功をしないかというと、そういうわけでもないです。医学的な発見は、若者でも出来ます。独創性や着眼点の違いなんですかね。

 少年老い易く学成り難し
 一寸の光陰軽んずべからず

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2008年10月17日

漏斗胸の手術でモニターを全く装着せず、女子中学生が死亡

胸の手術後中学生死亡、医師ら業務上過失致死の疑いで書類送検

 胸の整形手術をした中学3年生の女子生徒(当時15歳)を術後の経過観察などの措置を怠って死亡させたとして、警視庁は7日、東京都渋谷区恵比寿南の「代官山整形外科医院」院長の男(66)と元准看護師の女(29)の2人を業務上過失致死の疑いで東京地検に書類送検した。

 発表によると、2人は2006年3月24日午前10時半から午後1時半までの間、女子生徒に対し、太ももの脂肪を吸引して胸に移植する手術を施した後、鎮痛剤などを投与したが、脈拍や体温、呼吸などを監視するモニターを装着しなかったうえ、継続的な経過観察も怠り、鎮痛剤などの副作用で女子生徒を呼吸不全に陥らせ、窒息死させた疑い。遺族によると、女子生徒は胸の骨の変形による「漏斗胸」だった。

 同庁幹部によると、院長らは「(術後の経過観察を)安易に考えていた」と容疑を認めているという。



 モニターを何も装着せずに手術って、凄いですなぁ。普通じゃ考えられませんね。安易に考えすぎです。医療ミスに他なりません。

 漏斗胸というのは、みぞおちの部分が陥凹してしまう骨の変形疾患です。見た目が悪いだけでなく、胸郭が陥凹しているために肺が通常よりも広がらなかったりします。

 骨の変形によるものなので、治療としては骨をうまく接ぎなおせばいいわけです。この記事にあるような脂肪を胸に移植するやり方もあるようですが、どうなんですかね。胸を大きくして相対的に陥凹した部分を目立たなくしようというものなんでしょうか。美容形成に近いジャンルなんですかね。ちょっと良く分からないです(漏斗胸といえば胸郭修復が一番と思っているため)

 こういう、見た目が悪い、という疾患についても、皆様の理解が深まってくれれば、と思います。
posted by さじ at 16:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸

激増する高齢者虐待。4割が息子による虐待。

高齢者虐待、家庭内6%増…施設内は15%増

 2007年度の高齢者への虐待件数は、家庭内で1万3273件(前年度比6%増)、介護施設内で62件(同15%増)あったことが、6日公表された厚生労働省の調査でわかった。

 いずれの場合も被害者の8割が女性。家庭内虐待では、4割が息子による虐待だった

 調査は、高齢者虐待を見つけた人に通報を義務付けた高齢者虐待防止法(06年度施行)に基づくもの。全区市町村、都道府県に、虐待件数や対応状況を聞いた。

 それによると、家庭内虐待の被害者は77%が女性で、40%が80歳代。認知症の症状が認められた人が少なくとも4割いた。加害者は息子(41%)が最も多く、次いで夫(16%)、娘(15%)の順だった。

 虐待の種類では、暴力を加えるなどの「身体的虐待」(64%)、暴言を吐くなどの「心理的虐待」(38%)、「介護放棄」(28%)、財産を奪うなどの「経済的虐待」(26%)の順で多かった。

 一方、施設での虐待は、グループホーム、特別養護老人ホームで発生した事例がそれぞれ3割を占め、虐待者の84%が介護職員だった

 区市町村が把握した虐待による死亡例は、前年度より4件減って27件に。13件が介護者による殺人で、7件が介護放棄による死亡、4件が心中によるものだった。



 難しい問題です。高齢者虐待の一因は、家族の介護疲れではないかとも思うのですが。

 この高齢者虐待の中で、何割の高齢者が認知症を呈しているのか、少し気になるところです。頭がしっかりしていて、ただ寝たきりというだけなら虐待は起こらないような気がするんですよね。認知症で勝手な行動を抑制し続ける日々に、介護者のストレスが溜まって、危害を加えてしまうのではないか、と。

 気持ちは分かるんですがね・・・。

 でも病気でそういう風になっているわけですから、じゃあどうすればいいかというと、社会が家族をサポートして、介護疲れを軽減してやるしか解決策はないんじゃないですかね。

関連:医学処:高齢者虐待の加害者は息子が37%。
posted by さじ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

手足を動かしやすくなるロボットスーツ、量産体制に。

自立支援用ロボットスーツの量産工場が完成

 体が不自由な人や高齢者が装着すると、手足が動きやすくなるロボットスーツ「HAL」の量産工場が茨城県つくば市に完成し、7日の落成式でデモンストレーションが行われた。

 筋肉が発生する電気信号を皮膚から読み取り、体の動きに合わせて動く。山海嘉之・筑波大教授が開発し、自立支援用に世界で初めて実用化した。

 当面は、介護・福祉施設向けに、下半身タイプが月額22万円でリースされる。山海教授は「社会に貢献する技術の実用化がいよいよ始まった」と、力強く語った。



 需要は確実にあるでしょうけれど・・・。リースで月22万かぁ。まぁどんなものでも出た当初は高いものですけどね。月5万でリースになれば、利用したいという人はワンサカいるのでは。

 富裕層なら月22万でも問題なく借りるでしょう。やはり自分の力でどこかに行くというのは衰えてからでも想うものです。

 量産工場が出来たということで、普及してほしいですねぇ、コレ。「男の子回路」を刺激されますね、パワードスーツって。

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がん化する危険のない、新世代iPS細胞誕生。

ウイルス使わず「安全iPS細胞」…山中教授ら成功

 様々な細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を、発がんなどの危険性があるウイルスを使わずに作ることに、京都大の山中伸弥教授らのグループがマウスで成功した。

 10日付の米科学誌サイエンスに掲載される。

 山中教授らは、これまで皮膚の細胞に3〜4種類の遺伝子を組み込んだレトロウイルスを感染させる方法でiPS細胞を作っていた。しかし、このウイルスは細胞の染色体を傷つけ、がんを起こす恐れがあった。

 研究グループは、染色体を傷つけず、細胞内で2〜3日で分解されるプラスミドと呼ばれる環状のDNAに注目。4遺伝子のうち三つと、一つを別々のプラスミドに組み込み、マウスの胎児の皮膚細胞に導入、iPS細胞を作ることに成功した。山中教授は「新世代のiPS細胞といえる」と話している。



 山中教授はもはや100%ノーベル賞を受賞しますねってレベルにいますな。まさに至高。

 iPS細胞による新医療時代の幕開けはもうすぐそこまで来ているのかもしれません。いざ臨床応用の世界へ。

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2008年10月16日

臓器提供意思表示カードを全国に置いたローソンに感謝状。

臓器移植で感謝状 ローソンへ

 厚生労働省は、臓器提供意思表示カードの普及に協力した大手コンビニエンスストアチェーンのローソン(本社・東京)に、舛添厚労相の感謝状を贈ることを決めた。

 ローソンは1999年1月から全国約7000店のレジ脇などに意思表示カードを置き、今年3月までに計680万枚を配布した。



 これはもっと褒め称えられるべき。

 ・・・とは言うものの、私自身一度も見たことないんですよね、ローソンしょっちゅう行くのに。もしかするとあの申し込み用紙が沢山あるところにあるんでしょうか。

 だとしたら私が見たことないのも当然というべきか・・・。

 臓器提供意思表示カードは、所持してナンボです。提供する人だけが持てばいいのではありません。提供しない人も、提供しないという意思を書いて所持すべきなのです。お近くのローソンにはあるらしいので、是非みなさん寄ってみて下さい。お願いします。

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防衛医科大学病院の眼科部長が汚職。

医療機器汚職、収賄容疑で防衛医大教授逮捕へ

 国立障害者リハビリテーションセンター病院(埼玉県所沢市)の医療機器選定を巡る汚職事件で、新たに、防衛医科大学校病院(同)の現職の眼科部長(49)が、医療機器販売会社「ヤマト樹脂光学」(東京都、破産)社長の久保村広子被告(74)(贈賄罪で起訴)から現金二百数十万円を受け取った疑いが強まり、警視庁捜査2課は15日午前、収賄容疑で眼科部長の取り調べを始めた。

 容疑が固まり次第、逮捕する。一連の疑惑は、他の公立病院にも広がったことで、構造的な汚職事件の様相が深まった。

 捜査関係者によると、防衛医大医学教育部の教授も務める眼科部長は、ヤマト樹脂光学の医療機器の納入に便宜を図った見返りに、久保村被告から複数回にわたり、計二百数十万円のわいろを受け取った疑いが持たれている。

 同大によると、ヤマト樹脂光学は昨年度までの5年間に、同大と同大病院に総額約2億7000万円分の眼科用医療機器を納入した。このうち、2004年2月には、一般競争入札によって眼科用レーザー装置(499万2750円)を受注したが、予定価格と同額だったほか、落札率(予定価格に対する落札額の割合)99%という受注も複数あったという。警視庁は、これらの不自然な入札に眼科部長が関与した疑いがあるとみて捜査している。

 同社を巡っては、昨年11月、防衛医大庶務課に在籍経験のある防衛省の調達担当の中堅幹部を中国旅行に招待していたことが明らかになっているほか、久保村被告の指示で、長年にわたって複数の公立病院の幹部らに現金や商品券を贈るなどしていたことが元社員らの証言で判明している。



 「ここだけはあるまい」と思っていた天下の防衛医大でも汚職。

 もう日本にはクリーンなところは残っていないのか。国の中枢を担っているといっても寡言ではない防衛医大でこんなことが起こるとはねぇ。人は人か。いや厳しく追及すべき事態ですね。

 防衛医科大学校病院:自衛隊の医官を養成する防衛医大の診療・教育施設として1977年に設置された。31の診療科があり、病床数は800。厚生労働省が承認した特定機能病院で、一般患者も受け入れる。2005年度の外来・入院患者数は延べ約55万人。

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2008年10月13日

良い歯科医を患者の立場から紹介する相談所。

良い歯科医 教えます

 患者の立場で歯医者を紹介できないか。調布市の須藤哲生さん(59)は、30年以上に及ぶ歯科技工士としての経験を生かし、7年前から渋谷区でそんな仕事に取り組んでいる。50歳をすぎての挑戦は、ようやく軌道に乗り始め、今月末には、大阪に初の分室を開設する。医師選びに第三者の視点を役立てようと、還暦を前に意欲はますます盛んだ。

 青森県のリンゴ農家に生まれた須藤さんは、2歳のころに父が他界。小学生のころに母親も亡くなり、親類に引き取られて育った。

 進学して教師になりたかったが、経済的事情から中学卒業後に、歯科技工士の専門学校に入校。23歳のころ、歯科技工士の会社に就職した。約50人にも及ぶ歯科技工士がいるその会社で、最後は社長にもなった。

 だが、ずっと「歯科治療は患者本位ではないのでは」という問題意識がくすぶっていた。歯科技工士は、歯科医が患者から取った歯形をもとに差し歯や入れ歯を作るが、「高額の割には長持ちしない差し歯を、歯科技工士に作らせている利益優先のケース」を見聞きしたからだ。当時は、「医師の下請けで弱い立場。生活のためにやりたくないことも請け負った」。

 01年、52歳のときに「本当にいい歯医者を患者に紹介したい」と独立し、歯科医の紹介業を始めた。中立的な立場を確保するため、自らは歯科技工士の仕事は辞め、紹介業に徹することにした。

 紹介する医師は厳選。自薦、他薦の医師について、自ら訪問し、治療の技術や医院の設備など約180項目をチェックする。保険が利かない差し歯や入れ歯などの高額治療をする場合は、2年間の保証や治療計画、治療費を事前に患者に書面で出すことを条件に、首都圏と関西を中心に約20の医院を紹介している。

 最初はほとんど関心を呼ばなかったが、徐々に口コミで広がり、最近は年間1200人が利用するようになった。

 昨年秋からは、後継者を育成しようと、紹介業の養成講座も始めた。10月に開設する大阪の分室を任される教え子の河上博子さん(50)は、須藤さんを「年齢を感じさせないバイタリティー。違う目線で社会にもの申すところがすごい」という。

 須藤さんは「歯科の業界に風穴を開けたかった。今後も後継者を育て、技術が確かで患者の立場にたった歯医者を紹介する仕事を広げていきたい」と意気込む。

 須藤さんの紹介業「あいぼりー歯の相談室」の紹介料は、相談費込みで5千円。60分ほど相談し、治療が終わるまでサポートするという。問い合わせは、ホームページか同相談室(03・5308・6487)へ。



 相談代と、紹介料、サポート代、そして何より確実な良い歯科医を受診できて5000円は激安ですね。私も利用したくなります。ただこの事業は須藤さんが自分の足で歩いてやっているから良いのであって、慢性的な事業になってしまって歯科医と癒着するとオワリですね。
posted by さじ at 23:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科

医療用麻薬を自分に注射して急性循環不全で死亡した医師

麻薬使用改ざんか 患者に投与装う  死亡麻酔医 書類送検

 さいたま市見沼区の「東大宮総合病院」に勤務していた男性麻酔科医(5月に死亡、当時42歳)が、院内で医療用麻薬を自身に注射したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で書類送検された。麻酔医は、自分で使った麻薬と同じ量の別の液体を麻薬と偽って病院に戻したり、麻酔記録を改ざんするなどの「偽装工作」を重ねていたとみられる。医療用麻薬の管理体制のあり方も問われそうだ。

 県警薬物銃器対策課の発表によると、麻酔医は5月12日、医療用麻薬のフェンタニルとレミフェンタニルを手術室のトイレで自分に注射した疑い。その直後、トイレ内で急性循環不全のため死亡した。

 麻酔医が死亡直前に担当した手術では、生理食塩水で希釈するなどしたフェンタニル4ミリ・リットルと、レミフェンタニル40ミリ・リットルが用意された。麻酔医が記した記録によると、フェンタニルは3ミリ・リットル、レミフェンタニルはすべて使ったことになっていた。

 しかし、手術室にあった「フェンタニル」のラベルが張られた注射器内の液体1ミリ・リットルを調べたところ、液体はフェンタニルではないことが判明。一方、倒れた麻酔医のそばに落ちていた使用済みの注射器内には、レミフェンタニルが残っていた。

 県警は、麻酔医がフェンタニル1ミリ・リットルを自らに投与した後、別の液体を注射器に入れて手術室に戻した上、レミフェンタニルを一部投与しながら、すべて患者に投与したように記録を改ざんした可能性が高いとみている。

 捜査幹部によると、麻酔医の両ひじにあった複数の注射跡は一部が硬化しており、長期間にわたり、常習的に麻薬を注射していた可能性があるという。麻酔医の自宅を捜索した結果、未使用の注射針5本が見つかった。

 同病院を含めほとんどの病院では、薬剤部が医療用麻薬を保管しているが、使用する麻薬量の帳簿上の管理は、麻酔医の自己申告に基づく。書類送検された麻酔医は2007年4月から同病院に勤務。鴻巣保健所(鴻巣市)は同年10月、同病院を立ち入り検査し、麻薬の保管状態や使用記録を調べたが、問題は見つからなかったという。

 麻酔医が医療用麻薬を持ち出して自ら使った例は、宇都宮市や大阪府吹田市の医療機関でもあった。日本麻酔科学会では「医療用麻薬の管理体制に不備がある」とし、麻酔医だけでなく、看護師や薬剤師なども監視できるダブルチェックを推進しているという。

 今回の事件では、医師が死亡するまで、行政や病院は実態を把握できなかった。麻酔医の自己申告で麻薬の使用量が管理される現行のシステムでは、この種の犯罪を未然に防ぐことは難しいと言える。

 東大宮総合病院を立ち入り検査した鴻巣保健所の検査担当者は「(麻薬使用量を記した)書類だけで医師の不正を見抜くのは難しい」と話す。県警の捜査員も「患者にどれだけ麻薬を使ったかは、麻酔医しか分からない。高い信頼関係に基づく管理システムで、他は誰もチェックできない」と指摘する。

 薬物依存の医師がほかにもいるとすれば、最も不利益を被るのは治療を受ける患者だ。「医師個人のモラル違反」では済まされない。医師や病院、行政が協力し、複数のチェックの目が入る仕組みを早急に構築すべきだろう。



 難しいですねぇ。麻薬を自在に使える環境にいる人に邪まな考えがあった場合、それをチェックするにはダブルチェック・トリプルチェックするしかないですからね。

 しかしまぁ、麻酔科の重労働をみれば、麻薬にすがりたくなる気持ちも分からんでもない・・・ってこんなこと口が裂けても言っちゃいけませんね。

 しかし麻酔科医本人よりも、重大な問題として、麻酔を受ける患者さんに対することがあります。医師が患者さんに使う薬から少量抜いて使っているわけですから、手術を受けたあとの患者さんの術後疼痛が増えたりとか、そういう問題も懸念されるわけです。普通患者さんのことを考えたら、麻酔を減らして自分に使うなんて考えないと思うんですけどねぇ。。。医者の良心に期待したいところです。

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カンボジアから救急医療を学ぶために研修医が来日。

カンボジアから研修医、知事を訪問 抱負語る 香川

 救急医療技術などを学ぶため香川県を訪れたカンボジアの医師2人が8日、県立中央病院などでの研修を前に県庁に法兼義信・知事公室長を訪ね、受け入れに謝意を表すとともに研修に臨む抱負などを語った。

 2人は、オク・ナリスさん(39)とソク・サムアーさん(44)。いずれもプノンペン市内の公立病院に勤務する救急医療の専門医。

 法兼公室長が「香川県の医療技術が(カンボジアのために)役立てばうれしい」と歓迎。オクさんは「カンボジアは内戦で疲弊し、医療分野は非常に遅れている。香川の優れた医療システムを学び、国をよくしたい」と意欲を語った。

 研修は、同県が平成13年度から独立行政法人国際協力機構(JICA)と共同で実施している国際協力事業の一環。カンボジアとの医療分野での事業は今回が初めて。カンボジアで長年、救急医療のため活動を続けている高松市のNPO法人「セカンドハンド」などの協力で実現した。研修期間は1カ月間を予定している。



 全国レベルでの医療技術でいえば世界トップクラスにある日本ですが、何といってもそれを担っているのは国民皆保険制度の存在でしょう。誰もがどこでも良質な医療を受けることができる、素晴らしいことです。

 でもその良質な医療も、やはりお金がないとなんとも出来ないわけで。難しいところです。日本より不安定なカンボジアでも、当然医療は必要とされているわけで・・・。命に違いなんてないとはいえ、今こうして存在している国の違いによっての、医療の質で生死に差が出てしまうというのは何ともいえませんね。そういうものを変えていくにはやはり政治なのかもしれません。ですが医療従事者は現場で「直接」命を追うのが使命なのです。政治家は現場を考慮しつつ国を変えていってほしいですね。
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2008年10月09日

精神科の後期研修の医師を県の正規職員として採用する試み

県:「後期研修」の医師、正規職員に採用へ 精神科医確保に

 精神科医の確保を目指す県は来年4月から、専門診療科で研修する「後期研修」の医師を県の正規職員として採用することを決めた。従来は嘱託職員として採用されていたが、正規職員として身分や収入を保障することで精神科医を確保するのが狙い

 県医師確保対策室によると、県立病院で研修する後期研修医は現在、県嘱託職員として採用している。来年度からは正規職員として採用して県立こころの医療センターに3年間配置、研修修了後は2年間の県内勤務を義務付ける。毎年度2人を採用する予定。嘱託職員の年収は約520万円だが、正規職員だと約870万円になる。

 県内の60病院と39公立診療所を対象に、昨年10月に実施した調査では、必要とする精神科医が89・7人(前年度比0・7人増)なのに対し、実際に勤務しているのは79・3人(同2・8人増)だった。

 公立雲南総合病院(雲南市)では、04年度から精神科常勤医が不在となり、06年度まで非常勤医が病棟を維持していたが、昨年4月から病棟を一時閉鎖(外来診療は継続)となっている。隠岐病院(隠岐の島町)では今年7月から、来年3月までの予定で県立こころの医療センターから常勤の精神科医の派遣を受けているが4月以降のめどは立っていない。



 ほー。精神科医も不足問題に・・・。

 でも救命や小児や産婦人科と一緒で、精神科というジャンルも、人の命に関わる大事な側面ですからね。ある意味では外科医より厳しい日常かもしれません。

 こういう採用の工夫はかなりアリだと思います。後期臨床研修で、専門的な経験を身につける修行の場として5年間しっかり提供されているわけですし、金銭的にも以前より潤いますし。県側のうまい裁量ですね。
posted by さじ at 22:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

女性産科医の過半数は、妊娠をしても当直は減らず。

女性産科医:過半数、妊娠中も当直減らず 育休制度4割なし

 産婦人科で働く女性医師の3分の1は妊娠・育児中であるにもかかわらず、病院が子育て支援のために当直を減らしたり、院内保育所を設けているケースが半数以下であることが、日本産婦人科医会の実態調査で分かった。法律で義務付けられた育児休暇制度も約4割の分娩施設が「ない」と答えており、医会は「女性医師は医師不足にあえぐ産科の貴重な戦力なのに、管理者の意識が低すぎる」と嘆いている。

 産婦人科の女性医師の割合は2割を超え、一般の診療科(約15%)よりも高いが、免許取得後10年で半数が分娩から離れており、職場の育児環境整備が急務になっている。今回、全国853カ所の分娩施設から回答を得た調査では、女性医師の33%が妊娠・育児中で、リスクが高い妊娠を扱う大学病院や日赤病院でも3割を超えていた。

 こうした女性医師に配慮し、当直回数を減らしている施設は、妊娠で46%、育児で41%と、いずれも半数以下。特に国公立病院は、育児中でも6割以上が通常の当直を余儀なくされていた。代わりの医師を手当てする制度がある施設も13%だけだった。

 院内保育所を設けている分娩施設は47%で、日本医師会調査による全病院平均(31%)よりは対応が進んでいる。ただし病児保育や24時間保育があるのは1割程度しかなく、利用者は約4割にとどまっていた。また育児休暇については、38%の施設が育児休業法に反して「ない」と回答しており、実際に3割の女性医師が休暇を取れていなかった。



 24時間の病院内保育所か・・・。

 いや問題解決は簡単な話、国がちゃんと労働対価を支払えばいいんですよ、産婦人科医に。医師不足でどれだけ勤務医が働いているのか分かってるのかって話です。お金さえちゃんと出してくれれば、保育所は容易いと思うのですが。

 まぁ医師になった時点で、休暇などは諦めざるをえないような境遇ですからねぇ。それが医師の運命、と物分り良く分かってしまっている現状がおかしいのであって、それを変えるためには国がちゃんと動いて医療従事者を尊重してくれないと・・・。
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臓器提供意思表示カードを持っていれば、助かる命がある。

腎臓移植:理解を 患者ら、街頭で呼びかけ−−中京区 /京都

 腎臓移植への理解を求めようと、京都腎臓病患者協議会(梅田保夫会長)は5日、中京区の河原町三条交差点などで、臓器提供意思表示カードの携帯などを呼びかけた。臓器移植普及推進月間に合わせた全国一斉街頭キャンペーンの一環。同交差点では、腎臓病患者ら約25人が買い物客らにチラシや意思表示カードなどを手渡した。

 同協議会によると、腎臓病の対症療法として人工透析療法が普及しているが、年間約500万円の費用負担と週3回(1回4〜5時間)の治療が一生続く。腎臓移植を求める患者も多いが、97年の臓器移植法施行後も依然として臓器移植が定着していないのが現状という。梅田会長は「臓器移植への抵抗感はまだまだ根強いが、小中高の教育に移植問題を取り入れるなどして理解を深めてほしい」と話していた。



 透析にかかる週3回の時間を見るだけでも、いかに腎臓が大事な臓器なのかが分かります。今の生活から、透析のためだけに週3回、1回4,5時間、あなたは取れますか?

 臓器提供意思表示カードが普及していないのは残念ですねぇ。まぁカードがなかなか分かりづらいところにあるというのは分かりますが…。でも1度所持したらずっと持っていられるものなので、どこかで大規模に配布するのが最も得策かなぁと思うのですが。

 理想をいえば、免許証や保険証の裏にでも書けるといいんですけどね。ちなみに私も記入して以来、財布に入ってますよ、臓器提供意思表示カード。

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医学処:臓器提供意思表示のインターネット登録が全然増えていない。
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2008年10月08日

噛む回数を増やすことでダイエット効果が生まれる。

やせたきゃ噛め

 「しっかり噛むと脳の満腹中枢を刺激し、食べすぎを防ぐことができます。ダイエットが難しい人は、まず、噛むことを見直してはいかがですか?」というのは、和洋女子大学家政学群健康栄養学類の柳沢幸江教授。20年以上も前に食物の固さと、人間の頬にある咀嚼筋の活動量を測定し、「食物かみごたえ早見表」を作るなど“噛む”と健康を研究し続けている。

 噛む効用は次の3つ。

(1)唾液が多く出ることで消化・吸収を助けると同時に、食物に含まれる細菌や発がん性物質を軽減する 
(2)脳の満腹中枢を刺激し肥満を防ぐ
(3)脳の血流量が増え、記憶に関係する海馬という脳の一部の物質も増加する

 「これまで高齢者の方や子ども向けの食育では、噛むことの効用を広めてきましたが、中高年の方々への啓蒙は抜け落ちています。噛むことの大切さを知っていただきたい」

 しっかり噛むポイントは、別項のとおり。あまり噛まずにいると、咀嚼筋は衰えるという。そのサインは頬のたるみ。歳を取って太ったからたるんでいるのではなく、よく噛んでいない証

 「なるべく固いものをしっかり噛むといった習慣を身につけると、咀嚼筋を鍛えることができます」と話す柳沢教授は、昨年11月、「米菓かたさ度表示」のプロジェクトを立ち上げた。カレーのルーに、中辛や辛いとの表示があるように、せんべいやあられに、5段階の固さを示す表示をつけようとの試み。今年9月からこの表示のついたせんべいなどが店頭に並び始めた。

しっかり噛むポイント

・一口の量を減らす(かき込まない)
・食事時間はゆっくり長く取る
・口の中の食べ物をアルコールで流し込まない
・味わう意識を持つ
・一口を、これまでより”5噛み”多くする



 しっかり噛んだほうが健康に良いとは重々承知なのですが、なかなか「味わって食べる」って出来ないですよねー。いつの食事もタイムリミット付きのようなものです。

 せめて1口1口を少なくすることから始めますかね・・・。噛む回数を増やすのってなかなか難しいですから。

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2008年10月07日

京都大学病院で患者情報入りのUSBメモリがひったくりに

患者情報入りメモリー紛失=院生、ひったくりで−京大病院

 京都大医学部付属病院は6日、同大大学院生の30代女性がひったくりに遭い、同病院の患者280人の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失したと発表した。同病院は該当患者に文書で謝罪。院生は研究に使うために持ち出していたという。



 ひったくりか・・・これは厳しい。

 ですが個人情報は本来、電子カルテ上から持ち出すべきではないものですからね。研究のためとはいえ。

 電子カルテから別媒体に移す時は、個人を特定できるような情報をぼかすようなシステムが出来ればいいのですが。少なくとも名前だけはイニシャルに置き換えるとか…。

 「うっかり」や「突発的なこと」とはいえ、患者さんは信頼して個人情報を医師に提供しているわけですからね。そこらへん、再度認識しなければならないでしょう。

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2008年度の慶應医学賞に京都大学の坂口志文教授ら

慶応医学賞に坂口教授ら

 慶応大学は2日、医学・生命科学分野で優れた業績をあげた研究者に贈る「慶応医学賞」の今年の受賞者に、京都大学の坂口志文教授(57)と、米ソーク研究所のフレッド・ゲージ教授(57)の2人を選んだと発表した。

 それぞれに賞金2000万円が贈られる。

 坂口教授は、免疫系が自分自身の体を攻撃するのを抑制する「制御性T細胞」を発見、機能を解明した。

 ゲージ教授は、これまで再生しないと考えられていた哺乳類の脳の特定部位で、生涯にわたって神経細胞が新たに生み出されていることを発見した。



 おめでとうございます!

 本当は慶應大学という表記なのに、何故慶応医学賞なのか、という疑問はありましたが、実際は「慶應医学賞」が正しいようです。そりゃそうか。

 坂口志文教授とフレッド・ゲージ教授の受賞内容は下記のとおり。

坂口志文教授 授賞研究テーマ :制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義の解明

 正常な免疫系は外来異物に反応しますが、正常な自己組織には反応しません。この自己と非自己を識別する免疫自己寛容の維持機構の解明は、免疫学、医学生物学の重要課題です。特に、免疫抑制機能に特化したT 細胞が存在するか否かについては長年議論がありました。

 坂口志文博士は、1980年代に、正常動物から特定のT 細胞を除去すると自己免疫疾患が発症することを示し、その機序の解明に取り組んだ結果、自己免疫を抑制する特異なT細胞を発見されました。この細胞は、のちに制御性T細胞(Regulatory T cell)として確立され、免疫自己寛容の維持に重要な役割を果たすことが明らかになりました。

 坂口博士は、制御性T細胞の発見に続き、自己免疫病・アレルギーを特徴とするヒト遺伝性免疫疾患IPEX症候群の原因遺伝子であるFoxP3が制御性T細胞のマスター調節遺伝子であることを発見されました。

 さらに制御性T細胞による免疫抑制の分子機構の解明および自己免疫疾患・移植・がんなどの免疫関連疾患における制御性T細胞の意義の解明に一貫して多大な貢献をされました。現在、制御性T細胞は、免疫制御の新しい標的として、世界中で活発な研究が行われています。


フレッド・ゲージ教授 授賞研究テーマ :哺乳類の成体脳におけるニューロン新生の生理的役割の解明

 中枢神経系の疾患や傷害は根治が難しく、成体哺乳動物においては、中枢神経系が一度損傷を受けると二度と再生しないと信じられてきました。ニューロン自体に分裂能がないことに加え、成体脳内にはニューロンを新しく産み出す幹細胞が存在しないためと長らく考えられてきたからです。

 ゲージ博士は、ヒトを含む哺乳類の成熟脳の特定部位では生涯にわたってニューロン新生が起こっていることを発見されました。空間認識や記憶の中枢である海馬の歯状回には、持続的に分裂し、ニューロンやグリア細胞を生む神経幹細胞が存在し、恒常的に新しい脳細胞を生み出していることが示されました。

 ゲージ博士の研究により、成体脳におけるニューロン新生が脳の構造と機能にとって重要な役割をしている事が明らかになるとともに、豊かな環境での生活や身体的運動によって成体脳ニューロン新生が活性化することも示されました。これらの研究は、神経系の再生医療実現への基礎となり、脳や脊髄の傷害および疾患に対する新しい治療戦略の確立に貢献すると期待されています。

 
参考:慶應医学賞

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病気腎移植を禁止することは、生存権の侵害である。

「病気腎移植禁止は生存権侵害」、腎臓病患者ら国提訴へ

 治療のために摘出した腎臓を別の腎臓病患者に移植する「病気腎移植」を厚生労働省が原則禁止としたのは患者の生存権侵害にあたるなどとして、愛媛県内などの腎臓病患者らが4日、国を相手取り、損害賠償と病気腎移植の容認などを求める訴訟を松山地裁に起こすと発表した。

 病気腎移植を否定した日本移植学会幹部に対する損害賠償請求訴訟も行う予定で、ともに今月中にも提訴する。

 愛媛や広島など5県の9人が原告になる予定で、原告のうち、6人は病気腎移植を望んでいた患者で1人当たり1000万円程度、残り3人は移植経験者で1人500万円程度の賠償を求める方針で、総額約7500万円を見込んでいる。



 難しい問題ですな。国に責任があるかというとどうかなーという気もします。病気腎は確かに異常な腎なわけで、移植したらよろしくない効果が出てしまうかもしれない、じゃあ国としてはどちらに傾くかとなると、そりゃ病気腎移植廃止の方向でしょう。もしOKして、例えば病気腎から転移とかしたら、そりゃ大事ですし。

 ただ、腎臓というのはあまりにも重要な臓器なものですからね。イメージとしてはやはり脳や心臓が命には大事っていう感じはあるかもしれませんけれど、老廃物の除去や体を流れる物質の調整を行っているのは腎臓なので、これが機能していないというのは本当につらい状況なんですね。ですので、病気の腎臓でもいいから移植してほしいという人がいるのも分かりますし、そういった希望を断ってしまうのが酷だというのも分かります。

 日本はお国柄なのか、脳死による臓器移植が発達していないので、このように病気の腎臓すらも数に入れなければならなくなっているんですよね。逆に病気腎移植を禁止にしたところで、じゃあ金持ち日本人がフィリピンやインドネシアに行って臓器を買ってくるのは良いのか、と。自己責任なだけ病気腎移植のほうが倫理的に問題ないような気もしないでもないです。

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2008年度のノーベル医学生理学賞は「HIV&HPV」

ノーベル医学生理学賞にウイルス発見の独仏研究者ら

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、子宮頸(けい)がんを引き起こすウイルスを発見したドイツのハラルド・ツアハウゼン氏と、エイズウイルスを発見したフランスのリュック・モンタニエ氏ら2人に対し、2008年のノーベル医学生理学賞を授与すると発表した。



仏独3氏にノーベル医学賞=エイズ、子宮頸がんウイルス発見

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2008年のノーベル医学・生理学賞を、エイズウイルス(HIV)を発見した世界エイズ研究予防財団(本部パリ)のリュック・モンタニエ名誉教授(76)と仏パスツール研究所の女性研究者フランソワーズ・バレシヌシ教授(61)、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を発見したドイツがん研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授(72)の3人に授与すると発表した。

 授賞式は12月10日にストックホルムで行われる。賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億4400万円)はハウゼン氏に半分、モンタニエ氏ら他の2人に4分の1ずつ贈られる。



ノーベル医学・生理学賞 エイズウイルス発見などの3氏に

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2008年のノーベル医学・生理学賞を、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)の病原体であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)を発見した世界エイズ研究予防財団のリュック・モンタニエ氏(76)とフランスのパスツール研究所の女性研究者、フランソワーズ・バレシヌシ氏(61)、子宮頸(けい)がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)を発見したドイツがん研究センターのハラルド・ハウゼン氏(72)の3人に授与すると発表した。

 モンタニエ氏ら2人の授賞理由について同研究所は「エイズが1981年に報告されたあと病原体をいち早く発見し、世界的な疫病の拡大を抑制した意義は大きい」と説明。ハウゼン氏には、「世界中のがんの5%を引き起こしていたウイルスを見つけ、がん予防に貢献した」と評価した。

 モンタニエ氏ら2人は83年、エイズ患者からレトロウイルスの単離に成功。86年にはエイズの病原体であるHIVと特定。HIVに感染しているかを調べる血液検査が可能になった。病気の進行を抑制する3剤混合薬も開発され、“死の宣告”同然だったエイズが管理できるようになった。

 フランス通信(AFP)によると、HIV発見25年を記念して今年5月にパリで開かれた国際シンポジウムでモンタニエ氏は「HIVの形状は多様で、われわれが考えていたよりも複雑だ。人類は完全には理解していない」と語っていた。

 一方、子宮頸がんの発生は昔から性行為が関係しているとされてきた。だが、ハウゼン氏は83年、がん組織の中からHPVの1つを発見。このウイルスとがん発生の関係を証明した。



 まさかの、ウイルス受賞。しかもダブル。

 今や一般人でも知っている性行為感染症の二台巨頭、HIVとHPVです。

 しかし・・・このウイルスは発見されてから二十数年経っても、未だに根治できるような代物ではありません。症状を半永久的に抑えることはできるようになりましたが。

 まぁ、大発見ですからね。妥当なところではないかな、と。。。山中教授のiPS細胞も、いつかは受賞するんでしょうけれど、何十年後になるかは分かりません。

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2008年10月05日

雄が求愛の歌を歌っている時は報酬系神経回路が活性化している。

独立行政法人 理化学研究所

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、オスのトリがメスに求愛の歌を(恋歌)歌っている時、オスの脳内の報酬系神経回路が活性化していることを発見しました。理研脳科学総合研究センター(田中啓治センター長代理)発声行動機構研究チームのへスラー・ニール(Hessler A. Neal)チームリーダーとフワァン・ヤ・チュン(Huang Ya-chun)研究員の成果です。

 コミュニケーションを含むヒトの社会性は、日常生活を快適に送るとともに、精神の健康を維持するために重要な行動です。研究チームは、社会性行動をつかさどる脳機能を研究するため、鳴き鳥(Songbird)の1つ、キンカチョウを研究しています。キンカチョウは、高度な社会性を有し、オスはメスへの求愛のために恋歌を歌い、この歌が、種の存続に必須となっています。

 研究チームは、オスのキンカチョウがメスに対して恋歌を歌っている時、報酬にかかわる脳部位(報酬系神経回路)の活動が著しく上昇することを明らかにしました。特に、ドーパミンという神経伝達物質を含んだ細胞(ドーパミン作動性神経細胞)の活動が高まることを観察しました。

 一方、オスが、自分だけで歌を歌っている、ただ単なるさえずりの時には、この活動上昇は観察できませんでした。このことは、従来から考えられていた、報酬系神経回路の活動はドーパミン作動性神経細胞がかかわっている、という説を実証し、キンカチョウの重要な社会性行動である恋歌が、オスのトリの脳では報酬として認識されていることを明らかにしました。

 一方、アンフェタミンやコカインといった麻薬により、哺乳動物における脳内の報酬系神経回路のドーパミン作動性神経細胞が活発になることが知られています。今回、麻薬によって活性化される神経回路が、自然な社会性行動(恋歌)に伴った脳内報酬によっても、同様に活性化されることが明らかになりした。社会性行動によってもたらされる、脳内報酬に導かれたヒトの行動への理解や、ゲームなどによる習慣性や麻薬の依存性の脳機能および行動への影響を知る上で、このキンカチョウのオスの求愛行動と脳内の報酬系神経回路のさらなる研究がヒントを与えると期待できます。



 理化研ニュース。最近、記事にしたいような理化研ニュースが多いです。しかし理化研ってホントに色々なことをやってるんですねぇ。

 鳥の求愛行動から、報酬系神経回路の解明に至るところなど、目の付け所が素晴らしいほどシャープです。

 報酬系回路については↓の文章が詳しく書かれているかなと思ったので転載。



快感の生物学的意義とは、「学習結果に基づいて接近行動を選択させ、より価値の高い結果を獲得するための内的報酬」ということになると思います。

このような「満足感・幸福感」といいますのは、我々の脳内では「中脳・腹側皮蓋野A10DA含有核―大脳皮質・前頭前野」という「DA(ドーパミン)投射経路」の働きが亢進されることによって発生すると考えられています。

この投射経路は俗に「報酬系回路(幸福回路)」などと呼ばれており、何らかの報酬刺激の入力がありますと「腹側皮蓋野A10」から「皮質・前頭前野」に対する「DAの一斉投射」が行われ、我々の脳内には幸福感が発生します。そして、この回路を活性化させるメカニズムはふたつ発見されており、ひとつは「大脳辺縁系の情動反応」、もうひとつは「β―エンドルフィン」の脳内分泌がこの回路の脱抑制機能を持つとされています。

大脳辺縁系の情動反応とは知覚入力に対して発生するものです。ここでその知覚入力が「報酬刺激」と判定され、「快情動」が発生しますと、その信号が腹側皮蓋野A10に送られることによって前頭前野に対するDAの投射が開始されるというものであり、これが報酬系の基本回路となります。これに対しまして「β―エンドルフィン」といいますのは脳及び身体の自律的な生理状態に基づいて「視床下部」や「下垂体」などから分泌され、報酬回路の抑制機能に脱抑制と掛けることによってその働きを活性化させます。

では、大脳辺縁系の情動反応といいますのは知覚入力に対して発生するものです。ですから、この場合は何らかの情報が自分にとっての利益と判定されているわけですから、我々の脳はそれに対して幸福感を発生させているわけですね。これに対しまして、「β―エンドルフィン」といいますのは環境からの入力に対して分泌されるものではなく、身体の自律作用として発生するものです。従いまして、こちらの場合は身体が何らかの理由でそれを要求するならば、具体的な報酬が与えられなくとも我々の脳内には自然と幸福感が発生してしまうことになります。このため、「β―エンドルフィン」は「脳内麻薬」などと呼ばれています。

我々動物は、環境からの知覚情報を基に「利益・不利益の価値判断」を行い、「報酬刺激(接近刺激)」の判定に対して「報酬行動(接近行動)」を選択します。この「利益・不利益の価値判断」は中枢系に獲得された「反応基準」に基づいて行われ、知覚情報として入力された環境の変化に対応する適切な行動を選択し、生命活動をより有利に実現するためにあります。

我々高等動物の脳内には、このような知覚入力に対して価値判断を下し、行動選択を行うための中枢が全部で三系統ありますが、この内「本能行動」を司る「生命中枢」の価値判断といいますのは遺伝的にプログラムされた反応規準に従う「無条件反射」でありますから、その結果は全人類に共通であり、生涯に渡って絶対に変更することはできません。では、この系統ではその動物にとって何が報酬であるかは生まれながらにして定められていることですので、「利益」と判定されるものには無条件で確実な接近行動を選択することが可能になるわけですが、その利益獲得の結果を学習し、次の行動に再び役立てるということができません。これに対しまして、学習機能を持つ「大脳辺縁系」や「大脳皮質」の価値判断規準といいますのは生後環境から学習体験に基づいて獲得されるものであるため、次々と新たな経験を積み重ねてゆくならば様々なチャンスを物にすることができるようになりますし、失敗例もちゃんと学習されます。

我々動物は「報酬刺激」に対して「報酬行動(接近行動)」を選択し、利益の獲得を実現します。そして、この「報酬」といいますのは「外的報酬」と「内的報酬」に分けられます。

通常、「外的報酬」といいますのは知覚入力によって与えられますが、「内的報酬」といいますのは「内在的な欲求」として発生するものです。摂食行動の場合、「餌」という知覚刺激が外的報酬に当たり、空腹状態における「食欲」が内的報酬となります。そして、この二つが組み合わされることによって初めて接近行動が選択され、動物は「満腹」という利益を獲得することになります。

さて、「満腹」とは「快感・達成感」であります。ならば「快感」とは「報酬」でしょうか。実は、この時点ではまだそうはなりません。何故ならば、我々動物にとって「報酬」といいますのは「接近行動」を選択させるためにあるものだからです。欲求が満たされ、満腹になってしまってもまだ摂食行動を続ける動物がいるでしょうか。
このように、満腹といいますのは摂食行動に対して「回避行動」を選択させるためのものです。従いまして、「報酬」とは接近行動を選択させるものでありますから、「満腹・快感」とは報酬刺激ではないということになります。

では、この「快感・達成感」を「報酬」とするためには必ずや学習が必要です。「快感・達成感」が成功報酬としてひとたび学習されるならば、次の行動からはそれが接近行動を選択するための「未来報酬」として働くことになります。脳内に「快感・達成感」が発生するのはこのためです。

大脳辺縁系の情動反応やβ―エンドルフィンの分泌によって我々の脳内に発生する「満足感・幸福感」といいますのは「内的報酬」に当たります。ですが、これは「食欲」や「性欲」などとは違い、このままでは接近報酬としては使えません。ですが、これが実際の利益獲得として実現され、ひとたび「快感・達成感」として学習されるならば、それは行動選択のための立派な未来報酬として運用することができるようになります。我々はこのようにして向上心を獲得します。従いまして、「快感の生物学的意義」とは、「学習結果に基づいて接近行動を選択させ、より価値の高い結果を獲得するための内的報酬」ということになります。

さて、高い学習能力を持つ我々高等動物の脳内では、「β―エンドルフィン」は中脳・腹側皮蓋野「A10DA(ドーパミン)報酬回路」に対して比較的高い作用を持つことが指摘されています。

生命中枢における「食欲」や「性欲」といったものとは違い、「A10報酬系」によってもたらされる「快感」といいますのは学習が成されなければ実際の報酬としては使うことができません。では、我々の脳内には、どうして「学習を前提とした欲求」などというものが存在するのでしょうか。これは、与えられた生後環境の目まぐるしい変化に柔軟に対応し、生命活動をより有利に実現するためです。これが生後学習による環境適応能力であり、我々の向上心であります。

「知覚入力―大脳辺縁系―A10―前頭前野」という報酬系の基本経路ではA10は大脳辺縁系を介して環境の変化と繋がっています。ですからこの場合、発生する幸福感は知覚入力によってもたらされた実際の幸福体験と対応しています。そして、この回路であるならば食欲や性欲など、予め定められた報酬刺激に対しても反応は発生しますし、それを成功報酬として新たに学習することも可能です。

ですが、「視床下部・下垂体―βエンドルフィン分泌―A10―前頭前野」この系統では実際の幸福体験が伴わなくとも我々の脳内には強制的に幸福感が発生してしまいます。従いまして、こちらの系統では「達成報酬の学習による向上心の獲得」という説明は成立しません。では、β―エンドルフィンとはいったい何のために分泌されるのかということになりますと、それは強い鎮痛・覚醒作用を持つ自律反応であり、いざというときの保護・遮断回路としての機能を果たすのではないかと解釈されます。ですが、もしこの反応が実際の幸福感と一緒に学習強化されてしまうならばどうなるでしょうか。それは常習性の強い覚醒効果を持つことになり、我々は向上心を持つことはおろか、生命活動を全うできるかどうかも危うくなります。従いまして、我々の脳内には何故このような「脳内麻薬」が存在するのか、また、如何なる理由でこれが学習機能を有する「A10報酬系」に強く作用するのかといったことは、まだはっきりと説明を付けることができないと思います。
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2008年10月03日

ナルコレプシーの関連遺伝子を東大が発見する。

「過眠症」に関連遺伝子、東大教授らのグループが発見

 日中に著しい眠気を感じる病気「過眠症(ナルコレプシー)」に関連した新たな遺伝子を、東京大の徳永勝士教授(人類遺伝学)らのグループが発見した。

 過眠症の原因解明や治療法開発に結びつく成果だ。29日、科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載される。

 過眠症は日本人の約600人に1人が発症し、日中に激しい眠気を感じたり、突然全身が脱力したりする病気。遺伝的な原因とストレスなど周囲の環境が発症の原因と考えられているが、詳しい仕組みは不明で、根本的治療法もない。

 研究チームは健常者と患者との間で、50万か所のDNAのわずかな差(1塩基多型=SNP)を網羅的に調査。その結果、22番染色体の1か所に変異があると、過眠症に約1・8倍なりやすくなることを突き止めた。韓国人でも同じ変異が過眠症と関連していた。

 この変異があると、睡眠に関係のある遺伝子「CPT1B」など2個の遺伝子の働きが悪くなることも分かった。



 これは明らかな病気ですけれど、睡眠を多くとらないとやっていけないひと、徹夜できる人の違いも、もしかすると遺伝子レベルなんですかね。

 以前だったら遺伝子が分かったところでどうしようもなかったかもしれませんが、今だったらもしかすると・・・。

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posted by さじ at 17:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神
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