2008年07月31日

電源の入らないAED2万台を回収する。

AED2万台回収へ、過去最大規模

 自動体外式除細動器(AED)の電源が入らなくなる恐れがあるとして、医療機器輸入販売会社「日本メドトロニック」(東京都港区)は29日、全国の公共施設や医療機関などに販売した2万682台を自主回収すると発表した。

 国内に設置された12万9475台(2007年末)のAEDの1割強にあたり、都によると、AEDの自主回収としては過去最大規模。



 一般に広く普及してきたAEDですが、まだまだ使い方という面でいうと、認知されていないのが現状だと思います。

 まず基本は「胸骨圧迫心臓マッサージを出来るだけ長く続けること」です。1分間に100回のリズム(ドラえもんのEDの『あったまてっかって〜か』のリズムなど)で30回強く押し、人工呼吸を1秒に1回のペースで2回吹き込むこと。

 たとえAEDを身体に設置するときでも、移動させるときでも、心臓マッサージを止めてはいけません。ここポイント。10秒以上マッサージを止めないように動かないといけないのです。

 さて、AEDに関してですが、まずは到着したら電源を入れます。そしてパットを身体に貼ります。体が濡れていたらパットを貼る部分だけ水を拭きます。貼り薬があったら取ります。

 パットを貼ったらコネクターをAED本体につけましょう。コネクターをつける前にパットを貼るのがポイントです。すると心電図を勝手に解析してくれます。この一連の動作の間はマッサージを続けること。

 心電図解析のために「体から離れてください」とアナウンスされてからはじめて、マッサージを止めます。

 ショックが不要、とアナウンスされたら、すかさず心臓マッサージを行います。救急隊が到着するまで、これをずっと繰り返すのです。

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posted by さじ at 02:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

被虐待児の心のケア「あまえ療法」について。

「あまえ療法」を発表へ

 県内乳児院の「あまえ療法」実践などが8月1日、横浜市で開催の乳幼児精神保健学会世界大会で発表される。

 おんぶや添い寝で、被虐待児に心のケア。



 あまえ療法、どんな療法なのでしょう。

思春期やせ症の家族療法 佐賀大学医学部小児科 藤田一郎

 子どもの心身症が増加しているが、その原因には家族、学校の機能不全と心身症に取り組む小児医療の不足がある。思春期やせ症は、自分らしく生きることができずに苦しんできた児が最後に逃げ込んだ砦であり、治療には親との愛着関係を深める家族療法が必要である。早期発見が望まれるが、不健康やせの指標として成長曲線(急な体重減少)、肥満度(-15%以下のやせ)、徐脈(60/分未満)、無月経(3ヶ月以上)のチェックが役に立つ。

 家族療法が有効であった早期発見症例を紹介する。10歳女児、3ヶ月で7kgの体重減少があり、肥満度-24%で当科に入院。親子の信頼と情緒の交流を育み直す「あまえ療法(育て直し療法)」を行い、母親はできる限り病院で子どもと過ごして添い寝や食事介助を行った。行動療法や経管栄養は行わなかった。-30%までやせてパニック状態も生じたが、徐々に母子関係が親密となり本音が話せるようになった。自宅外泊を契機に食欲が回復し始め、入院53日目、肥満度-18%で退院。家庭と学校でのストレスが原因と思われるが、母親に甘えることにより心理状態が落ち着いて食欲が回復した。退院後5ヶ月の肥満度は-5%である。母親の理解協力が得られれば効果的な方法と考える。
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ドラマーの体力は、一流サッカー選手と同等。

ドラマーの体力

 ドラマーはプレミアシップのサッカー選手並のスタミナを必要とする事が今回の調査で明らかになりました。

 ロックの第一印象は不健康なイメージがありますが、チェスター大学のマーカス博士らの研究によると、ベテランドラマーが90分の演奏をすると心拍数が190まで上がり、非常にスタミナを必要とする事がわかりました。

 1時間のコンサートで400kcal〜600kcalを消費するそうです。

 今回の研究に参加したドラマーは「この研究が運動に興味の無いデブの手助けになれば」とコメントを寄せています。

 また、教授はサッカー選手は週に1〜2回の出場だが、ツアー中のドラマーはほぼ毎日で、年間に直すとサッカー選手は年に50回、ドラマーは年に100回のライブをこなしてると付け加えました。



 ドラムとベースはバンドの中で最も才能を必要とするとか。

 ネットに、有名なドラマーのプレイ動画が転がっていますけれど、その手さばきたるや、常人では真似のしようがないほどです。そりゃ汗だくにもなりましょう。

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ガンプラを作ることで前頭葉が活性化する。

ガンプラ 組み立てて脳活性化

 79年に始まったテレビアニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル「ガンプラ」の最新作が26日、発売される。縮尺100分の1では7代目。首、脚、腕、腰などを相当な範囲まで動かせる。最終話で見せた真上にビームライフルを放つポーズなど、アニメでの動きをリアルに再現できるという。

 こんな話を聞いて胸を躍らせた人は、ガンプラで脳の活動をアップさせる可能性があるかもしれない。

 諏訪東京理科大の篠原菊紀教授が論文にまとめた実験だ。男子学生にガンプラを15分程度作らせ、その後、単純な計算問題を解かせたところ、何もしなかった時と比べ、1〜2割程度計算にかかる時間が短くなった。脳内の血流などを調べる装置を使ったところ、ガンプラを作っている間、前頭葉が活性化していることがわかった。

 完成形をイメージしながら作る模型などでも似たような成果が期待できるが、この実験ではガンダム好きの学生の成績アップが顕著だった。篠原教授は「好きなものを作るのでモチベーションが上がる。それに、ガンダムは単なる模型ではなく、背景に、アニメなどで描かれる膨大な物語があり、そうしたことをプラモデルを作りながら想像することで、更に脳が活性化するのだろう」と話す。



 へぇ。

 日本の歴史モノが好きな人は壮大な城プラモを作ることで脳が活性化されるかも。

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通販の化粧品クリームから、通常じゃありえないレベルのステロイド

化粧品から薬並みのステロイド 「効く」口コミに注意

 「ステロイド不使用」をうたい通信販売されていた化粧品から、医薬品並みの濃度のステロイドが検出されていたことが今月、明らかになった。東京都は「薬事法違反で、健康被害が出る恐れがある」として、商品の回収と販売中止を指示した。化粧品は全成分表示が義務づけられているとはいえ、正しく表示されているかどうかの確認は業者側に任されている。消費者が購入前に実際の成分について知るすべは事実上なく、被害をどう防ぐかが課題となっている。

 この商品は販売会社「ラバンナ」(東京都新宿区)が、今年3月から通販などで売っていた化粧品クリーム「NOATO(ノーアト)クリーム」。米国から輸入していたという。インターネットの口コミサイトなどで「ステロイドが入っていないのにアトピーの肌がよくなった」と人気に火がつき、約4カ月間で5691個を売り上げた。

 同社の商品紹介サイトでも「ステロイド剤などの成分は一切含まれておりません」としていたが、国民生活センターが調査したところ、プロピオン酸クロベタゾールというステロイドの一種が検出された。このステロイドは、5段階に分けられているステロイドの効果で最強ランクに属し、医師の処方箋がないと使えない医療用医薬品とほぼ同一の含有量だった。

 近畿大医学部付属病院皮膚科学教室の医師、小西奈津子さんは「治療でステロイドを使うとき、顔には中程度ランク以下のものを使い、最強ランクのものは使わない」といい、「化粧品クリームなら顔に使った人もいるのでは。強いステロイドはリバウンドも大きいので、使った人は専門医に相談してほしい」と呼びかける。

 実際、同センターに寄せられた購入者の苦情の中には「使用してみるとあまりの即効性に怖くなり、使うのをやめたところ、使用前より悪化した」(30代女性)といった被害もあった。

 化粧品は輸入品であっても全成分表示が義務づけられている。ところが、表示が正しいかどうかの確認は企業責任で、実際に確認しているかどうかをチェックする機関はない。同社は「自社の委託検査で検出されなかった」などと主張しているというが、検査機関では「検査は医薬部外品として認められているステロイドを調べたもので、今回検出された医薬品のステロイドは引っかからない。医薬品のステロイドは化粧品に含まれるものではないので、通常は検査しない“想定外”のもの」と説明する。

 東京都福祉保健局健康安全部薬事監視課では、「化粧品の全成分表示は消費者が商品を選択するためのものだが、必ずしも表示が正しいとは限らないことが明らかになった。ネットの口コミを信じて購入した人が多くいたようだが、口コミはあくまでも個人の感想なので、内容を指導するのは難しい」という。

 ステロイドは開発から約60年たつ薬で、効き方や副作用について、現在ではかなりよく分かっている。今回のクリーム購入者の多くはアトピー性皮膚炎の患者だったが、「ステロイド不使用」をうたうことで商品が売れたのは、それだけステロイドに拒否感をもつアトピー患者が多いことのあらわれともいえる。

 小西さんは「重症の患者さんほど、ステロイドへの不信感が強い」と治療の難しさを感じてもいるが、「ステロイドは医師の指示で使えば決して怖い薬ではない。ただ、アトピーは完治が難しいのも事実。患者さんは現実を受け止めることも大切で、口コミ情報に惑わされないでほしい」と話している。



 ステロイドというだけで恐ろしいイメージがありますが、ちゃんとした知識をもった医師と調整していけば、決して怖いものではありません。

 むしろ今回のように、ネットで購入、とか輸入品を使うほうが恐ろしい。何が起こるかわかりません。下手すると悪化することも。

 確かにアトピーは治りづらいものですし、病院にかかったからといってすぐに良くなるわけでもありませんが、それでも治療法を模索するなら医師に従ったほうが無難です。本当にネットで購入できるもので効果があるなら、保険適用された医薬品で良くなるはずですから。

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2008年07月24日

北京五輪の大気汚染を考慮して各国選手団がマスク対策を施す。

米国、五輪選手団にマスク支給…中国は反発

 8月に開催される北京オリンピック(五輪)期間中、米国・英国などの外国選手が大気汚染遮断用マスクを使用する可能性が高まっている。 特に、全世界の数十億人が見守る開幕式で、外国選手がマスクを着用した場合、主催国の中国にとって大きな侮辱になるのは確かだ。

昨年北京で行われたサッカー試合で待機中だった選手らがマスクを着用すると、中国サッカーファンは「中国を侮辱する行動だ」と抗議したという。

米国オリンピック委員会(USOC)は北京の大気中の塵と煤煙から600人の国家代表選手を保護するため、マスクを配ったと、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が21日報じた。 選手団には‘かん口令’が下され、正確な形態・性能はベールに包まれている。 ただ、2年間かけて特別開発されたこのマスクには、炭素フィルターが装着され、カラフルに制作されている、ということだけが伝えられている。

USOC所属の生理学者ウィルバー氏はマスクを公開しないことについて「われわれの戦略や装備は1級秘密」とし「公開すればライバルが真似をするだろう」と述べた。

米国がマスクを準備することになったのは「北京の大気汚染は深刻」と判断したからだ。 昨年11月、米ボクシング選手11人が北京で8キロほど走ったが、その結果5人が気管支炎にかかり、他の3人は医師の治療が必要だったという

マスクを準備したのは米国だけでない。 英国は先端バルブがついて競技中にも使用できる最新型マスクを用意した。 WSJは「その間、中国人も大気汚染のためにマスクを使っていたが、数十億人が見守る開幕式にマスクが登場するのは完全に別の話」と指摘した。

中国当局はこれに対し、車両運行の制限と汚染工場の閉鎖などで大気汚染は解消され、マスクを使用する必要ない、と主張している。 ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)委員長も「マスクを使用しても特に効果はないというのが専門家らの意見」と不使用を勧告している。

しかし一部は「屈辱を経験することが中国の環境改善に助けになる」とし、マスクの使用を主張している。 米国のトライアスロン代表選手は「北京五輪に参加する間はマスクを使う計画だが、着用が認められるかどうかは分からない」と語った。



 そりゃ中国側からしたら不快に思うかもしれないけれど、世界最高のアスリートたちが集うわけだから…この日のために結果を出そうと最高のコンディションでがんばってきた選手たちが、大気汚染にやられたら、駄目でしょう。

 それほどまでにひどい、中国の環境。国家の威厳より選手の体調を優先してこそのオリンピックだと思いますけどね。日本の選手団も一応用意しておくべきでは。

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メタボ向けの運動は、短い時間で激しい運動を。

毎日の運動を考え直す:メタボリックシンドロームには、毎日は行わない高強度運動インターバルトレーニングがもっとも有効

 有酸素インターバルトレーニングを含めた運動療法がメタボリックシンドロームの者にベネフィットがあるらしいという小規模パイロット試験の結果が出た。

 ノルウェーの研究チームが2種類の運動療法の処方を比較したところ、メタボリックシンドロームのリスク因子のほとんどが高強度運動で実際に改善した。たった16週間の運動プログラム終了時には、この処方に割り付けられた患者のほぼ半数が、食事内容はいっさい変化していないにもかかわらず、すっかりメタボリックシンドロームから脱していた。定常的な中強度の運動ではこれほど印象的な成果は得られなかった

回数は少なく、運動は激しく

 筆頭著者であるDr Ulrik Wisl遵kff(ノルウェー科学技術大学)はheartwireに対して、今回の運動処方は週に3回で総時間120分であったことを強調した。

「この試験は、メタボリックシンドロームの者の心血管系に運動強度が及ぼす実際の効果を比較する初めてのものだ」と博士は言う。「この試験に参加した者が行った運動は、それぞれ強度は異なるが1回の運動セッションで消費するエネルギーは同じであった。」

 heartwireの前回の報告にあるように、メタボリックシンドロームの者32例をランダム化して、中強度の連続運動、有酸素インターバルトレーニング、特に推奨する運動なしのいずれかに割り付けた。16週間の試験期間と追跡検査を完了したものは全部で28例だった。中強度運動群の被験者は、インターバル群よりも運動時間を若干長くして、エネルギー消費量は群間で差がないようにした。

 ランダム化プロトコルに従った週3回の運動を16週間行ったところ、2つの運動群の被験者の体重と胴囲は、対照群に比べてだいたい同じ程度に減った。しかしインターバル群の被験者のほうが、内皮機能、血圧降下、インスリン感受性、空腹時血糖値、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール、ミトコンドリア形成(活動のための燃料を細胞が産生する能力の指標)が大きく改善した

 16週間終了時にメタボリックシンドロームの基準に該当しなくなった者は、インターバル群では46%いたが、中強度運動群では37%だった。対照群の被験者は全員が追跡時もメタボリックシンドロームの基準に合致した。

 著者らは、高強度インターバルトレーニングが一定した中強度運動よりも優れているのは、インターバルトレーニングのほうが高い心拍数を必要とすることに関係があるとしている。インターバル群の患者は、酸素吸収能が35%向上したが、中強度運動群の患者の酸素吸収能は16%しか向上しなかった。

 メタボリックシンドロームの者のほとんどは過去5年から10年以上にわたって日常的な運動をしておらず、現行の運動推奨を順守すること自体が大きな壁であると、博士は考えている。

 「トレーニングを1週間の大半の日に行うのは困難だと多くの人は感じており、こうした人々にとっては現行の推奨はやる気を起こさせるというより、うざったいものでしかない」。

 「我々が伝えたいのは、そうした人々は今回の論文に記載されているインターバル運動の処方を週に2回で10週から14週をぜひ試してほしい、ということだ。皆、すぐに体形がしぼられ、この『医療』で観察される副作用は、今のところ、トレーニング日以外の日も身体を多く動かすようになることしかない。運動強度を運動時間数で代替することは不可能であることを、我々は明らかにした。健康を増進し、既知の心血管系リスク因子を正常化するには、短めで強めのトレーニングセッションが優れた療法であると考えられる。



 なんだ、やっぱりジョギングより卓球のほうがメタボには良かったんですね。

 毎日継続して運動、なんて目標を軽く達成できるような人ならば、そもそもメタボにはなっていないはずですしね。

 そういう人は、週に2、3度でいいので、しかも短い時間でいいので、激しい運動を、どうでしょうか。

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蚊を中途半端に駆除するほうがデング熱は重症化する。

蚊の駆除で重症者が増加? デング熱、意外な研究結果

 蚊が媒介するデング熱の流行地域で蚊を中途半端に駆除すると、駆除しない場合に比べ、重症化して死に至ることもある出血熱の発症が増える恐れがあるとの研究結果を、大阪大やタイなどの国際チームがまとめ、16日付の米科学誌に発表した。

 絶えず蚊に刺されていると免疫が高い状態で維持されるが、刺される間隔が空くと危険なタイプの再感染が起きやすくなるのが原因らしい。

 調査した八尾徳洲会総合病院の長尾吉郎医師(熱帯病学)は「東南アジアなどの流行地域では、徹底した蚊の駆除とワクチン投与を併せて行うなど工夫が必要かもしれない」と指摘している。

 デング熱は多くが軽症で済むが、4タイプある原因ウイルスの別の型に間隔を置いて再感染すると、激しい出血熱が起きることがある。

 研究チームは2002-04年にタイの100万世帯を調査。貯水槽などに蚊の幼虫がいる世帯の割合が地域内で増えるにつれて出血熱の発症が増えるが、割合が30%を超えると逆に出血熱が少なくなることを確認した

 蚊の密集度によって出血熱が起きやすい条件が変わり、タイの住宅地では30%前後が最も高くなるとみられる。



 公衆衛生的問題。

 免疫の問題となると、麻疹と同じで、やるなら一気に根絶しないといけませんよね。ですが蚊という生物を一気に根絶することなど、遺伝子操作でもしないと無理ですし、生態系が狂ってしまう可能性もありますので、実行にうつすのは難しい。

 となると「現状維持」か?

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2008年07月23日

外国人患者と医療者を繋ぐ、医療通訳者について知ろう。

第17回びわ湖国際医療フォーラムでMICかながわが報告

 海外の医療事情や外国人患者への医療などを話し合う「第17回びわ湖国際医療フォーラム」が5日、大津市で開かれ、神奈川県の特定非営利活動(NPO)法人・多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)が医療通訳の派遣システムについて紹介した。MICかながわでは県や地元の病院、医師会を巻き込んだ派遣システムを構築。この6年間でおよそ1万件の派遣を行った。通訳内容に関して、医療従事者、外国人患者の双方から高い評価を得ているという

 神奈川県は、1980年代のベトナム、ラオス、カンボジアからの難民受け入れの影響で、定住外国人の数が比較的多い。県内の外国人登録者数が16万7600人(166カ国)で、人口比率は全国平均より0.2ポイント高い約1.9%。

  このような環境を背景に99年、県社会福祉協議会ボランティアセンターと地元診療所、通訳ボランティアらが、MICかながわの前身となる任意団体「外国人医療とことばの問題を考える会」を発足した。同会は県の医療通訳派遣制度検討委員会のメンバーに加わり、地元医師会や薬剤師会、行政に協力を求めてきた。

  2002年にMICかながわを設立し、県医療通訳派遣モデル事業に着手。NPO法人と県との協働事業に対して資金を支出する県の「かながわボランタリー活動推進基金21」に採択され、03年度から県事業としてスタートした。

●協定医療機関17病院 通訳ボランティア142人

 医療通訳を必要とする病院は、MICかながわの医療通訳派遣コーディネーターに電話で依頼。コーディネーターが適当な医療通訳に連絡し派遣する。この派遣システムに関して、県医師会、病院協会、県、MICかながわで基本協定を交わしており、派遣できる協定医療機関として現在、済生会神奈川県病院、東海大医学部付属病院、横浜市立市民病院、聖マリアンナ医科大病院など17病院が参画している。

  スタッフ数はコーディネーター13人、医療通訳ボランティア142人で、スペイン語、中国語、タイ語、タガログ語、カンボジア語など10言語に対応可能。医療通訳には1回の派遣で3000円(交通費込み)の通訳料を支払う。

  新人通訳のレベルは、MICかながわがロールプレイを交えた研修を実施しチェックする。一定の水準に達している新人を県に推薦。県は医療通訳として登録し、身分証を発行する。02-07年度の県事業としての派遣件数は9555件に上った。

医療従事者、患者ともに評価

 医師や看護師、医療ソーシャルワーカーら医療従事者を対象に昨年行ったアンケートでは、およそ9割が「満足」と医療通訳を評価。派遣システム開始前から医療通訳を導入している医療機関に通訳レベルを尋ねたところ、9割近くが以前より優れていると回答した。

  医療場面別に見た通訳の信頼度では、「初診時の主訴聞き取り」「治療方針説明」「重病告知・手術説明」などすべての場面で訓練された医療通訳が、友人や家族、言葉のできるボランティアを上回った。MICかながわの取り組みを発表した西村明夫プログラム・アドバイザーは、「やはり訓練された通訳はどうしても必要」と付け加えた。

  また、患者向けのアンケートでは、通訳を利用した感想は「満足」「まあまあ満足」のみで不満がなかった。通訳内容への理解度や、自分の言いたいことを医師に伝えられた外国人患者の割合も高かった。西村氏はこれらの結果から、「いいシステムだということが分かった」と述べ、県からも高評価を得ていることを披露した。

 一方、県からの協働事業負担金(940万円)は最長5年間で打ち切られることから、MICかながわは07年度、試験的に病院が通訳料のうち1000円を負担する仕組みを導入した。すると、07年度派遣実績は前年度より767件増え2928件となった。

  このような試みを踏まえ、今年度から派遣先病院の通訳料全額負担に踏み切ったところ、4-5月の派遣件数は過去3年間と比べて伸長。年間件数も前年度を上回る勢いという。ただ5病院は、患者に1000円の負担を求める制度を取り入れた。

  今後の課題としては、医療通訳のレベル維持を取り上げた。通訳料を負担する病院側からはさまざまな要望が出てくることが予想されるものの、3000円の負担ではベテラン通訳の獲得は難しいとの認識を表明。通訳への報酬を海外の先進地域並みに現在の3倍に引き上げるとともに、診療報酬で加算を設けることがシステム持続に不可欠であるとした。



 外国から来た方、日本語も英語も喋れない人は、とても不安だと思います。異国の地で、病気になっただけでも心細いはずです。

 医療通訳のレベルに合わせて報酬を上げるのは歓迎だと思います。むしろ1回1万円払っても安いぐらいでは?ただどこが負担するのか、となると、「病院側」なのはちょっとオカシイ気も。1万円の報酬の出ない治療なんていくらでもありますからね。ボランティア精神で、赤字になる医療を提供しつづけなければいけないのかというとハテナです。だからといって患者が払うとなっても大きな負担となるような。

 ですが、外国から来た方には、出来るだけ親切にしたい。そういう気持ちを忘れずに日本人が考えて行動していけば、きっと良い解決策に繋がるはずです。医療通訳の方がいることで、確実に患者さんは安心しますし、医師も最高の医療を提供できますからね。ここは、寄付とかそういうもので成り立つと、より楽なんですけどねぇ。なかなか日本じゃ難しいか。
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2008年07月22日

脳脊髄液減少症の治療可能な病院名をリストアップ

脳脊髄液減少症、診察・治療へ 和歌山県、可能な病院名を公表

 交通事故やスポーツ、転倒などの外傷で発症するとされる脳脊髄液減少症について県は15日、診察・治療が可能な病院名を公表した。昨年3月、県に調査・公表を申し入れていた和歌山市のNPO法人、脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表理事は「この病気は経験しないと分からない苦しみがある。対応に感謝したい」と話した。

 脳や脊髄を衝撃から守っていると考えられる液が漏れ、脳の位置が下がり、頭痛やめまい、けん怠感などの症状が出るとされる。

 県は、この症状に関する研究の報告書がまとまったことなどを受け、県内全92病院を対象に、有効とされる硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)療法の実施の有無などを調べた。県医務課は「同意を得た病院だけ公表した。体制が整えば、より多くの病院が公表できると思う」としている。

 調査結果は次の通り。

ブラッドパッチ療法ができる病院
今村病院(和歌山市)
日赤和歌山医療センター(同)
橋本市民病院(橋本市)
国保日高総合病院(御坊市)

診療可能な病院
琴の浦リハビリテーションセンター付属病院(和歌山市)
稲穂会病院(紀の川市)
白浜小南病院(白浜町)



 マイナーだった疾患が広く世に伝わるのは良いことだと思います。特に脳脊髄液減少症のような、今まで病態が分かっていなかった疾患を診ることのできる病院がわかれば、その病気で苦しんでいる人も大いに助かることでしょう。

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2008年07月19日

ハンチントン病の新しい遺伝子治療の研究。

ハンチントン病の新しい遺伝子治療の可能性、研究発表

 スイス・ジュネーブ(Geneva)で12日から5日間の日程で開催されている欧州神経科学連合学会(Federation of European Neuroscience Societies、FENS)主催のフォーラムで15日、フランスの研究チームがまだ動物実験の段階ではあるものの、ハンチントン病の遺伝子治療の有効性を示した。

 ハンチントン病はおよそ1万人に1人の割合で発症する神経系疾患で、主に30-50代で発症する。10-20年かけて症状が進行し、けいれんなどの不随意運動や、人格変化や認知症を引き起こす。死に至る場合もある。

 この病気は 第4染色体にある「IT15」と呼ばれる1つの遺伝子の損傷が原因で、ハンチンチン(huntingtin)と呼ばれるタンパク質に変異を引き起こし、それが過剰に活性化すると大脳基底核の線条体の細胞を殺してしまう

 フランス原子力庁(Atomic Energy Commission、CEA)の生物医学イメージング・分子イメージング研究所(Institute of Biomedical Imaging and Molecular Imaging Research Centre)の研究チームは、改変したウイルスを使って矯正した遺伝子を脳細胞に送り込み、ハンチントンの影響を防ぐ天然のシールドを強化する実験を行った。

 送り込まれた神経保護分子は、毛様体神経栄養因子(ciliary neurotrophic factor、CNTF)と呼ばれる。脳に障害や損傷が起きた場合、CNTF合成が促進されて神経細胞の生存を助けるが、研究チームが線条体に送り込んだウイルスは、このCNTFを作る遺伝子を脳細胞に感染させるものだ。

 研究チームはまずモルモットで、その後霊長類で実験した結果、この手法で線条体の細胞を保護できることが判明。今後は、ヒトでの臨床実験を行っていくという。



 治療法の確立というより、なんでしょうね、予防に近いものでしょうか。遺伝子によって神経細胞の崩壊を防ぐ技術。もし完成すれば、治療できなくても、いわゆる「寛解」の状態までもっていくことも可能かもしれません。

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実はせっかちな人のほうが心筋梗塞になりにくい。

せっかちは心臓病少ない? 男性、欧米と逆の結果

 「せっかち」「怒りっぽい」などの特性がある男性は、比較的のんびりした人より、心筋梗塞などの虚血性心疾患になりにくい可能性がある−との疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が18日、発表した。

 欧米の研究では逆に、せっかちな方が日常のストレスが大きく、心疾患のリスクが高いとされている。今回の調査でも女性は、欧米と同様の傾向がみられた。

 研究班の磯博康大阪大教授(公衆衛生学)は「日本では、せっかちな男性の方がストレスを意外にうまく発散し、のんびり型の男性が内にストレスをため込む傾向があるのかも」と話している。

 調査は1990年以降、岩手など8県の40−69歳の男女約8万6000人を、平均で約11年半追跡。この間に約670人が心疾患を発症した。またアンケートでせっかちさや怒りっぽさ、競争心の強さなどを尋ねて結果を数値化。数値の高さで4つのグループに分け、心疾患との関連を分析した。



 へぇー。案外活動的にストレスを発散できているんですかね。せっかちな人って常にイライラしてる印象ですが。

 怒りっぽい人がストレス発散できるというのは、なんとなく分かりますね。彼らは理不尽に人に怒り散らしているので。笑

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研修医が一人も来ない病院が結構あるらしい。

研修医の充足率が約5割 県内の指定病院

 研修医を受け入れる指定を国から受けた県内の28病院で、募集数に対する受け入れ数を示す「充足率」が本年度、53・9%にとどまり、うち7病院は研修医が1人もいないことが14日、信濃毎日新聞社の調べで分かった。医師が少ないことなどから「自分が望む研修が受けられない」として、医学生が敬遠する例が多いとみられる。研修医不在の病院からは、今後の医師不足につながる恐れを心配する声が出ている。

 県内28病院が受け入れた研修医は、計204人の募集に対し、4月1日現在で計110人。4月の全国の平均充足率の69・4%を下回り、東京(86・7%)とは大きく差が開いている。

 研修医がいない7病院は中信3、南信2、東信1、北信1。1年目の研修医がいないのは10病院、2年目がいないのは9病院に上った。充足率100%は6病院だった。

 医学生は、研修先として複数の病院を希望。財団法人が仲立ちとなって病院との希望を結び付ける「マッチング」で研修先が決まる。ただ、病床数や入院患者などを基に算出される全体の募集数が、医学生の数を上回る「売り手市場」になっており、医学生の希望が大きく左右しているのが現状だ。

 研修医がいない県内の病院の担当者は「指導する医師や症例数が少ない地方病院は、学生にアピールするのに限界がある。研修医が選ばない病院は将来の職場として選択される可能性も低く、東京や県内の大規模病院との差はますます開く」と懸念している。



 まぁ8000人の卒業生を、12000の枠で取り合うわけですから、必然的に人気のないところには1人も来ないことにはなりますが…。

 大変可笑しい話なのですが、何故かマッチング病院にも「ブランド」というものがあります。別にブランドだからといって、とびきり優れた研修が出来るというわけではなく、単に立地条件が良いとか、上層部に凄い医師がいる(けど研修医に構ってくれるはずがない)といった理由でここ数年人気のところです。

 なんか可笑しいものが転がっていたので転載。誰が決めたんですかねコレ。

【関東圏マッチング研修病院ランキング(人気、難易度)2009決定版】

87 順天堂医院
79 順天堂浦安
74 順天堂練馬
70 順天堂静岡
68 NTT
66 聖路加 虎ノ門
65 日赤医療センター
64 都立駒込 旭中央 亀田
63 都立墨東 東京医療センター 武蔵野赤十字
62 都立府中 横浜労災 JR東京 
61 都立広尾 公立昭和 厚生年金 三井記念 みなと赤十字
60 東大 東京警察 東京逓信 社会保険中央 都立大塚 成田赤十字 済生会中央
59 川崎市立川崎 関東労災 けいゆう 関東中央
58 災害医療センター 青梅市立 川口医療センター 河北 都立豊島
57 東京労災 国際医療センター 
56 慶大 船橋医療センター 同愛記念
55 横浜市立市民 大久保 東京臨海 板橋中央 国際医療(三田)
54 横浜医療センター 厚生中央 町田市民 三樂 藤沢市民 荏原 湘南鎌倉
53 横浜市立大 横浜南共済 横須賀共済 平塚市民 都立松沢
52 医科歯科大 埼玉赤十字 さいたま市立 練馬総合 国際親善 川崎市立井田 厚木市立
51 横浜市南部 日本鋼管 癌研 横浜市東部
50 東京北社会保険 松戸市立 海老名総合 うわまち 横浜東部 相模原 市立青葉
49 練馬総合 江戸川
48 川崎協同 小張総合
45 女子医大
posted by さじ at 14:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS

何故勤務医はこんなにも清貧なのか。

勤務医の見果てぬ夢

 「メシを抜いてまで、手に入れた医学の洋書が一夜にして盗まれたんですよ…」。偉い先生が涙目で訴え始めた。

 数十年前のことなのに、よほど悔しかったらしい。こちらは噴き出すのをこらえるのに苦労したが、医師は国立病院の勤務医として、清貧に甘んじてきたことを言いたかったのだ。

 先生は「こんなことだから、若い人は30半ばをすぎると開業してしまう」と続ける。多い理由は「ウチの嫁が…」だという。「医者に嫁いだのに、この給料か」というわけだ。先生は「日本の医療は大丈夫でしょうか」と肩を落とす。

 「日本どころか、世界の損失ですよ」と全国医師連盟の黒川衛代表は力説する。連盟は今年6月、勤務医の“医師会”として発足した。日本医師会は開業医が主なメンバーだからだ

 そういえば、洞爺湖サミットの直前に招かれたサラ・ブラウン首相英国夫人のお茶会で、夫人は「妊産婦死亡率の削減で世界は日本から多くを学ぶ」と、医療保健分野での日本の貢献に期待した。同席した途上国支援団体によると、「日本の医師は腰が低く、献身的で重宝がられている」らしい。

 連日の激務にぼやく勤務医をそんな話で慰めた。勤務医は「5年先に生きていたらオレも途上国へ行こうかな。無条件に感謝してもらえそうだし」。うつろな表情に、思わず心で手を合わせたのであった。



 何故大きな病院ほど、勤務医の給料が安いのか。とても不思議です。日本屈指の、専門性に特化した最高の医療を提供しておきながらも、開業医のほうが数十倍も稼ぐことが出来るというのがよくわからん話です。

 確かに大学病院だったら、惜しげもなく医療を提供している。しかしそれは患者さんのためであるにもかかわらず、何故か「無駄遣い」ということになってしまう。

 命を助けるために全力を尽くす、少しでも多くの情報を得るために検査することが、無駄なのだろうか?そういう医療を行っているところが赤字になるぐらいなら、国が補助金を出してやればいい。

 国だけでなく企業でもいいと思う。日本の医療が衰退しないためにも、皆で考えてほしいと思う。

関連
医学処:勤務医が中心となる新団体「全国医師連盟」を発足へ。
posted by さじ at 14:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

産婦人科や小児科に特化した臨床研修プログラムを大学病院で

臨床研修で産科、小児科特化も 研修医制度で厚労省方針

 若手医師の臨床研修制度の見直しを検討していた厚生労働省は18日、大学病院に限り医師不足が顕著な産婦人科や小児科などに特化した研修プログラムを認める方針を決めた。来春からモデル事業として始める。

 地方の大学病院で研修希望の若手医師が減っていることから、プログラムを柔軟にすることで人を集め、特定の診療科や地方の医師不足を解消するのが狙い。同日開かれた医道審議会部会に提案し、了承された。

 厚労省によると通常、研修医は医師免許取得後の2年で各診療科を経験するが。しかしモデル事業では例えば、一部の大学病院では産婦人科を1年間集中的に研修した後、残り1年で他の診療科を経験する「集中プログラム」実施が可能になるという。

 著しい医師不足で地域医療への影響が指摘されている救急、外科なども対象とする方針。



 成功するのかな?最初から産婦人科に行くと決めている人ならば、魅力ある気もします。例えば島根大学で、全国で唯一、小児科に特化したプログラムを行うとすれば、小児科にやり甲斐を感じる優秀な人は島根大学へ行けばいい。そういう地方ならではのメリットを作れば、都市部に偏在することもなさそうです。

 でも初期臨床研修なんて、どこでやっても同じ、ならばより学びやすい環境でやったほうがいいと思うんですけれどね。渋谷や新宿に近いから、というだけで病院を選んでしまうような人の気が知れない。その大学がどれだけ本気で研修医に教えたがっているのかを知るべきです。人気のある病院であっても、単なる安い労働力としてしか扱っていないようなところは、明確に達成目標を提示していないところが多いのも問題だと思います。
posted by さじ at 13:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

母乳にはビフィズス菌を増やす成分が含まれていた。

母乳にビフィズス菌増やす成分=粉ミルク改良期待−京大など

 腸内の代表的な善玉菌とされるビフィズス菌を増やす具体的な成分を母乳内に発見したと、京都大、東京大、石川県立大、食品総合研究所(茨城県つくば市)の研究グループが9日、発表した。

 人工乳より母乳で育てられた赤ちゃんの方が腸内のビフィズス菌が多い。この成分を添加することで、母乳に近い粉ミルクの開発が期待される

 母乳にはミルクオリゴ糖が含まれ、これがビフィズス菌を増殖させると考えられている。

 研究グループはミルクオリゴ糖の構成成分を分析し、ラクトNビオースという2つの糖の結合体に注目。ビフィズス菌がこの結合体を取り込み、増殖していることを突き止めた。

 ラクトNビオースを大量生産することにも成功。健康食品などの実用化を目指す。



 母乳には、赤ちゃんが生まれてきてすぐに外敵から身を守るために必要な成分を供給してくれます。

 ビフィズス菌が増えることで、赤ちゃんの腸内細菌叢も安定してくるでしょう。生物って、うまくできてるものですねぇ。

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posted by さじ at 01:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

母親がわが子の笑顔を見たときの高揚感は計り知れない。

わが子の笑顔は麻薬と同じ?=母親の脳活動を測定−米大学

 初めて赤ちゃんを産んだ母親がわが子の笑顔を見たときには、麻薬を服用した際と似たような脳の領域が活発に働き、自然に高揚した状態になるとの実験結果を、米ベイラー医科大の研究チームが13日までに米小児科学会誌の電子版に発表した。

 母親の子への愛情を脳科学で分析すれば、育児放棄や虐待の背景にあるかもしれない病理の解明に役立つと期待される。 



 生まれたらすぐに母親の近くへもっていくのが良いとされています。あと、母乳で育てたりとか。赤ちゃんと早い段階から接することで、母親に良い影響が現れるようです。

 しかし笑顔を見ただけで脳の領域が顕著に活発になるとは。生命って凄い。
posted by さじ at 01:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

水素水を飲むと記憶力の低下を抑制でき認知症予防に。

認知症予防に道、水素水が記憶力低下を抑制

 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、一定時間、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、その記憶力が、「水素水」と「水素を含まない水」を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった

 さらに記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞による脳障害を半減させることを確認。

 認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。



 水モノって怪しい商品が多いですよね。そんな水ごときで何が変わるんだよという感じです。中には「がんに効く水」とかもあるそうで、バカなことを言うんじゃないよと。そんなものを売るほうにも買うほうにも、やるせない感情を抱いてしまいます。

 昨年は「酸素入りの水」がブレイクしました。酸素の入った水。それが健康に良いという。んなこた〜ない。ちょっと考えればすぐわかる。何故考えないでキャッチコピーだけで購入してしまうのか。

 「水素水」は、日医の教授の研究による根拠を得ています。まだ動物実験の段階ですが、効果はあるということです。「効果のある水モノ」として期待は高まるところですが、果たして。
posted by さじ at 01:15 | Comment(1) | TrackBack(0) | 介護

2008年07月18日

掃除機の排気に含まれる微粒子でアレルギーを来たす可能性。

掃除機の排気にご注意…微粒子でアレルギーのおそれ

 東京都が行った家庭用電気掃除機の商品テストで、機種によって0・3マイクロ・メートル(1マイクロ・メートルは1000分の1ミリ・メートル)以上の微粒子が、1リットルの排気中に約120万個含まれていることが分かった。健康被害を引き起こす可能性があり、都生活安全課は、部屋の十分な換気を呼びかけている

 同課は、国内6メーカーの6機種と海外2メーカーの2機種(約1万3000円〜約8万4000円)のテストを実施。日本工業規格(JIS)では、家庭用電気掃除機に関し、排気中の5マイクロ・メートル以上の粒子を測定することを規定している。ところが、アレルギーを引き起こす物質の粒子はさらに小さく、韓国では今年1月から0・3マイクロ・メートル以上の粒子を測定するようになった。

 そこで同課では、テスト用のちりを掃除機に吸引させ、排気1リットル中に、0・3マイクロ・メートル以上の微粒子がどれだけ含まれているかを調べた。

 「微粒子を捕集可能」と表示してある3機種では、165〜約10万個を測定。一方、そうした表示のない5機種は約12万〜約120万個の粒子を排出しており、機種により最大約7000倍の差があった。掃除機から排出される微粒子が、建築物中の粉じんの量に関する国内基準の5000倍を超す機種もあった。微粒子は、呼吸時に気管を通り抜けて気管支や肺に達し、様々な健康への影響が懸念される。

 また、微粒子を多く排出する掃除機を使った場合、換気をしても、排気された微粒子が室内を30〜60分程度浮遊していることもわかった。同課では「掃除機の使用後も窓を開けておくなど、換気を徹底してほしい」と話している。



 うっ…。

 蚊が大嫌いな私は、出来るだけ窓を開けたくないんです…えぇ不健康であることは重々承知の上で…。

 蚊が絶対に入らない網戸を誰か開発してくれないものですかね。

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医学処:兵庫医大によって成人の難治性喘息の仕組みが解明される。
医学処:樹木の多い場所に住む小児は喘息の比率が低い。
posted by さじ at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸

iPS細胞を使った再生医療はまだ出来ないので、そっとしておいて。

iPS細胞使った「再生医療実現まだ先」…京大が専属広報

 「新型万能細胞(iPS細胞)を使った再生医療はずいぶん先」――京都大は山中伸弥教授が世界に先駆けて開発したiPS細胞の研究について、患者らの過剰な期待や誤解を解消するため、専属の広報スタッフを配置することを決めた。

 昨年11月、人のiPS細胞作製成功の発表以来、患者や家族からの問い合わせが山中教授のもとに数百件寄せられている。iPS細胞を利用した再生医療がすぐにでも受けられると誤解している人も少なくない。だが、iPS細胞は研究途上で、安全性などの観点から、医療応用の見通しは立っていない。

 京大では「国費を使った研究で、社会への説明責任がある」として、iPS細胞研究の広報戦略を練るスタッフを全国から1人公募。今年10月以降、広報誌を年4回作成したりして、研究成果を正しく普及させる。

 2004年の国立大の法人化以降、広報機能を強化する国立大が増えているが、特定の研究分野に限った体制整備は極めて珍しい。



 iPS細胞は、可能性を秘めた研究です。

 数十年後には、どんな疾患でも治してしまうのではないか?特に神経の欠落や内分泌異常など、iPS細胞でその部位を再生してやれば治るんじゃないのか?といった期待があります。

 今現在病気で苦しんでいる患者さんやそのご家族が、その研究に飛びつきたい気持ちは大変良く分かります。

 しかし医療は、確実性を重視されるのです。治るかもしれない、というだけで、段階を踏まずにバンバン臨床応用してしまえば、失敗もその分出るでしょうし、場合によっては取り返しのつかないことになるかもしれません。

 昔だったら、試しにやったかもしれません。しかし今は倫理を重視するのです。

 もし私が、現在の医療では治療不可能な疾患を患って、iPS細胞を応用すれば治る可能性が数パーセントあるとします。正直、私だったら、倫理なんてクソ食らえ、先生にご迷惑は絶対におかけしませんから、どうぞ私で実験して下さい、と申し出たくなります。

 しかし、いくら申し出ても、出来ないのです。人体実験は、絶対にしてはいけないのです。(一部例外的な人体実験として、医者自らやる、というものがあります。例えば心臓カテーテルの技術を確立したヴェルナーは、当時の医学会が全く取り合わなかったために、自分自身の心臓カテーテルを入れて、安全・確実であることを証明しました。後にノーベル賞を受賞しています。種痘によって天然痘の予防に成功したジェンナーは、「自分の息子に牛痘を植え付けた」ことで大変有名ですが、実際には自分の子供ではなく、自分の家で働いていたジェームズ・フィップスという8歳の少年に植え付けました。こちらはまさしく人体実験ですので、評価はできません)

 待ちましょう。山中教授と全世界のiPS細胞研究者が、誰にも煩わされることなく研究に専念し、動物実験を終えて、万全の状態で臨床研究を行うその時まで。

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posted by さじ at 23:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植