2008年06月02日

遺伝子操作を加えた蚊を自然界に離す計画。

マレーシア、遺伝子操作を加えた蚊の自然界放出を計画

 マレーシア政府が蚊を媒介とした伝染病対策のために遺伝子操作を加えたオスの蚊を自然界に放出する計画であることが25日までに地元紙の報道により明らかとなった。

 26日付けのニューサンデータイムズ紙の報道によりと、マレーシア政府は近くクタム島(Ketam island)で遺伝子操作を加えた蚊の放出実験を行う予定だ。

 報道によると蚊に対する遺伝子操作は英バイオテクノジー企業、Oxiter社が製作したもので、このオスの蚊と交配した自然界のメスの蚊が生んだ幼虫は生後まもなく死亡するとしている。

 遺伝子操作を加えた穀物は一部で生産や食用が認められているが、遺伝子操作を加えた生物を自然界に意図的に放出するというのはこれまでに行われたことはない。



 漫画でありそうな話が、実際のものとなる日も近いのかもしれません。

 しかし100%の安全性がないと、厳しいのでは。全世界が反発すること必至な気もします。だって下手したら絶滅するわけですよ。人がそこまでやっちゃっていいものかという気も。天然痘ウイルスとは違うのですから。

 ですがマラリアの被害が深刻というのも事実。大勢の人が亡くなっている現状を考えれば、被害を受けている国民にとってはそれでも蚊の根絶を願っているのかもしれません。日本でぬくぬくと暮らしている私には何も言えないですね。

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posted by さじ at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

ひげ脱毛をする男性が増加中らしい。

男だって“脱毛”夏だからアソコをツルツルに!!

 暑くなってくると、見た目にも涼しい装いが好まれる。が、ヒゲや腕、胸毛などがモジャモジャ。それをツルンとする人が、今の時期、多くなるという。脱毛だ

 「男性の場合、女性よりもホルモンの関係でヒゲや胸毛、腕の毛などが多くなりやすい。特に薄着の季節になると、気にする方が増えます」と、美容形成の赤坂CSクリニックの猪熊勉院長はいう。

 最も多いのは、ヒゲ脱毛。人によっては、朝剃っても午後に生えてくるため、営業マンの中には、客先から「ヒゲぐらい剃ってこい!」といわれることがあるそうだ。「みなさん忙しく、昼食時にもう一度ヒゲを剃るという時間もない。それで、1日1回剃ればいいようにしてほしいとの要望が多い」(猪熊院長)

 ヒゲのみならず、半袖になったときに目立つ腕の毛、胸や足、中には、“アソコの毛”まで、薄くしたいという人が、来院しているという。

 「陰毛の形を整えたいというのは、女性の方が水着のシーズンに増える。欧米の女性は当たり前のように行っているので、日本もそれに近づいてきた」と、猪熊院長。

 脱毛はレーザー治療で行われる。毛根の周囲の毛細血管を一時的に分解することで血流を止めると、栄養不足になった毛根が自然に消滅する仕組み。毛細血管は修復するが、毛根は失われ、脱毛につながるというわけだ。

 「ヒゲ脱毛の時間は5−10分程度。約1カ月ごとに1回ずつ行い、ヒゲの生え具合を見ながら回数を重ねます」(猪熊院長)。およそ10回のレーザー治療で、ヒゲはツルツルになるそうだが、途中の1日1回のひげそりで済む程度のところで、止める人がほとんど。ちなみに、ひげセット(口周り、ホホ、もみあげ)は同クリニックでは1回1万7000円。今やオトコもツルツルの時代なのだ。



 私の知人でひげ脱毛した人がいますけれど、めちゃくちゃ痛いそうです。あまりに痛くて途中で止めたとか・・・。

 でも将来、ひげが中途半端に生えてくるようになると困ると思うんですけどね。一生モノですから、面倒でも髭剃りしたほうがいいのでは。将来たくわえる楽しみにも繋がりますし。

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posted by さじ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

2008年06月01日

筋弛緩剤事件の守大助に5000万円の損害賠償。

筋弛緩剤事件で5千万円賠償命令、被害の少女は依然意識不明

 仙台市泉区の北陵クリニック(2002年廃院)で2001年に発覚した筋弛緩剤事件で、被害者で現在も意識不明の同市の大島綾子さん(19)と両親が、元同クリニックの准看護師、守大助受刑者(37)=殺人罪などで無期懲役確定=を相手取り、計5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、仙台地裁であった。

 潮見直之裁判長は「医療行為を装った凶悪な犯罪行為で、被害者の恐怖や苦しみ、絶望は計り知れない」として、請求通り守受刑者に計5000万円の支払いを命じた。守受刑者側は控訴する方針。

 潮見裁判長は、大島さんの症状は、守被告が筋弛緩剤を投与したことが原因だと認定した。

 判決によると、当時11歳だった大島さんは腹痛を訴えて同クリニックに入院した2000年10月31日、守受刑者に筋弛緩剤を混入した点滴をされた後、ろれつが回らなくなるなどして呼吸困難に陥った。大島さんは低酸素脳症となり、自宅で寝たきりの状態が続いている。



 あの事件からもう7年も経ったのですね。

 被害者も11歳から19歳へ。一番華やかな時期を1人の心無い医療者によって啄ばまれてしまいました。ご家族もさぞかし悲しんだことでしょう。

 5000万。久々に、請求どおりの額の支払いを命じられ、その点では評価できます。しかし5000万は安すぎますよね。クリニックもすぐ廃業して、責任逃れか。

 あってはならない事件として、今後も医療従事者の記憶に留めておかなければなりません。
posted by さじ at 01:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

テレビで放送した「ティッシュ箱飛ばし」で骨折。

「ティッシュ箱飛ばし」で骨折=毎日放送「ランキンの楽園」が紹介

 毎日放送は26日、同社が制作しTBS系で23日に放送された「ランキンの楽園」の中で紹介した健康チェック「ティッシュ箱飛ばし」について、千葉県に住む60代の女性が試したところ、手首を骨折したと発表した。

 ティッシュ箱飛ばしは、足のむくみ具合を調べる方法として紹介。両足で箱をはさんで3メートル飛ばせるかどうかを見る。この女性は誤って転び、右手首を骨折したと、TBSを通じて連絡してきたという。



 これは・・・。

 誤って転んだだけであって、ティッシュ箱飛ばしそのものには何の悪い点もないような・・・。

 足の浮腫を調べる方法は、足を指で数秒押して、離したときにへこみがあるかないかで見たりしますね。

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posted by さじ at 01:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

組長、情報提供と引き換えにアメリカで肝移植。

暴力団組長、米で肝移植 「情報提供と引き換え」と米紙

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は30日、山口組系暴力団「後藤組」の後藤忠正組長がC型肝炎を患っていた01年、カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の付属病院で肝移植を受けていたと報じた。後藤組長は当時、米入国を禁じられていたが、米連邦捜査局(FBI)が情報提供と引き換えにビザ発給を手助けしたと伝えている

 同紙によると、米国では外国人や犯罪歴がある患者への移植を禁じる規定はないが、報道は後藤組長が01年5月に渡米してわずか2カ月後に移植手術を受けた一方で、同時期に同病院の待機リストに載っていた患者のうち、3年以内に移植を受けられた人が34%にとどまっていたと指摘。執刀医が後に訪日して後藤組長の診察を行っていたことにも触れ、扱いの公平性に疑問を投げかけた。

 UCLAは「臓器移植機関ネットワークが定めるガイドラインを順守しており、移植患者の評価は米国人でも外国人でも同じ」との声明を出したが、後藤組長の手術を行ったかどうかはプライバシーを理由に明らかにしなかった。

 捜査当局筋の情報として同紙が報じたところによると、ビザ発給は、米国内での日本の暴力団の活動実態についての情報を提供することと引き換えだったという。また、00年から04年にかけて、後藤組長のほかに3人の日本人がUCLAで肝移植を受けた。3人ともその後、犯罪歴や犯罪組織との関係を理由に米国入国を禁じられた



 そういう「裏」の移植もあるのか・・・。

 しかも情報提供が、移植リストより優先されるとしたら、とんでもない話です。まぁ、アメリカならありそうな話ではありますけれどね

 さすがロサンゼルスタイムス。見事なスクープでした。
posted by さじ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

メタボリックシンドロームは肌にも悪影響を及ぼす。

メタボは美肌の敵!? カネボウ化粧品の研究で解明

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は肌にも悪いことが、カネボウ化粧品の研究で明らかになった。

 皮下組織は、主に脂肪細胞で構成されている。カネボウ化粧品は、この脂肪細胞が分泌する善玉因子「アディポネクチン」が、肌にハリや潤いを与えるヒアルロン酸の合成を促進することを突き止めた。

 アディポネクチンが肌のみずみずしさやハリ、弾力性に深くかかわるヒアルロン酸の合成酵素遺伝子の発現を増加させる働きをするのだという。

 一方、肥満になればアディポネクチンの分泌量は減少する。つまり、肥満が進むと結果的にヒアルロン酸も少なくなり、肌に悪影響を及ぼすことになる。

 これまでアディポネクチンが減れば、糖尿病、高脂血症、高血圧を引き起こすことなどが分かっていた。太りすぎはこれらの病気にとどまらず、肌にも大敵との言い方ができるようだ。

 カネボウ化粧品は今後、アディポネクチンを使って物質の活性化や合成を促すことで、新たなスキンケア化粧品やサプリメント(栄養補助剤)などの開発につなげる方針だ。



 ひそかなブームとなりそうな、アディポネクチン関連。

 肥満などの代謝異常が起こっておきながら、敏感な肌が正常、とはやはりいかないようです。見事に肌も影響を受ける、と。

 やはり運動って大事ですね。私も最近運動不足で、調子がどうも悪いのですが、疲れているときこそ運動すれば翌日は元気になる気がします。

 脂肪に打ち勝ちましょう。

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posted by さじ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンは脳神経の再生を促す

そううつ病の薬、脳神経再生促す効果・生理研が発見

 自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の等誠司准教授らの研究グループは27日、そううつ病の薬に脳神経の再生を促進する働きがあることを世界で初めて見つけたと発表した。脳の万能細胞である神経幹細胞の働きを薬が活発にする。新型万能細胞(iPS細胞)が注目される一方、体内の万能細胞を薬で活性化する新たな再生医療としての可能性が出てきた。

 神経再生の働きを見つけたのは、そううつ病患者の感情の起伏を安定させる薬として広く使われているリチウムバルプロ酸カルバマゼピンの3種類の薬。患者に投与するのに相当する量をマウスに3週間与え、変化を調べた。これまでの同様の研究に比べ、薬の投与量を10分の1程度に抑えて微細な変化を観察した。

 薬を飲ませ続けると、神経幹細胞の働きを活発にする特殊なたんぱく質が増えて増殖が盛んになる。これにより幹細胞が5割程度増え、細胞全体の数も増える



 ほう。この発見は大きいのでは。

 今までうつ病に効いていた薬。しかしその効果は、予想以上に優れていた。

 ということは薬を飲み続けなくても、治すことは可能、ということでしょうかね。細胞全体がストレスなどで減少しているところに、薬を長期間投与して活性化してやることで、元の働きを取り戻すことも可能、か?現実的には難しいかもしれませんけれど、将来このメカニズムを使って治療することもできるかもしれません。
posted by さじ at 00:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神

社会不安障害と行為障害、人格障害の名称を変更する。

社会不安障害を「社交不安障害」に…精神神経学会が用語改定

 日本精神神経学会は、社会不安障害を「社交不安障害」、行為障害を「素行障害」に変えるなど、誤解や偏見を招きやすい用語の改定を決めた。

 人格障害は「パーソナリティ障害」、外傷後ストレス障害(PTSD)は「心的外傷後ストレス障害」とする。31日の総会に報告し、約20年ぶりに改定した「精神科用語集第6版」を近く発行する。

 社会不安障害は人前で緊張しすぎるケースだが、引きこもりなどと誤解されやすい。行為障害は青少年期に窃盗や暴力などの問題行動を繰り返すことを指すが、不器用で動作がうまくいかないことと勘違いされやすい。外傷後ストレス障害は身体のけがの後の心理症状ととられることがある。

 人格障害は性格の極端な偏りを指すが、人格否定の印象があり、変更した。

 同学会は2002年8月に精神分裂病を「統合失調症」に変更。行政主導で変更された認知症(痴呆)も取り入れ、これらを踏まえた新しい用語集にする。



 精神分裂病を統合失調症と言い換えたり、痴呆を認知症と言い換えたりするのは、結果的にみればかなり成功した部類だと思います。その人の人格に関わってくる以上、ナイーブな単語は変えたほうがいいですからね。

 人格障害なども、今ではかなりメジャーな精神疾患となってきました。そのため、人格障害という名前よりはパーソナリティ障害のほうが、確かに「しっくりくる」かなという気がします。精神科のようなナイーブな科だからこそ、疾患名の変更を余儀なくされるのは仕方ないことだと思います。

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posted by さじ at 00:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神