2008年06月05日

太陽発電ブラジャー登場。パットから飲料を飲める機能付き

ブラジャーで発電、パットはミニボトルに トリンプのすごい下着

 女性用下着の老舗メーカー、トリンプ・インターナショナル・ジャパンがスゴい下着を開発した。その名も「太陽光発電ブラ」。その名の通り、ソーラーパネルが腹部についており、着用して日光を浴びれば、配線を通じて電子機器に通電することが可能なブラジャーだ。しかも驚いたことにこのブラジャー、なんとパット部分が携帯ミニボトルとして使える仕様になっており、好きな飲み物を入れて、ストローで飲むことができるという。その様子を想像すると、かなりおもしろい状態になるのだが……。

 「これは私どもが半年に一回発表している、そのときどきで話題になっているトピックや、世相を反映したデザインの下着なんです。87年から始めて、過去には『投票率アップブラ』や『マイ箸ブラ』といった製品を作りました。今回は、洞爺湖サミットなどに向けて盛り上がりを見せているエコロジーをテーマにしています。製品を発表することで消費者の方に、その問題に目を向けてもらうことが狙いです」(トリンプ・インターナショナル・ジャパン広報室)

 とはいえ、パットがドリンクホルダーになっているというのは、いくらなんでもやり過ぎなのでは……。これはウケ狙いなんでしょうか。

「ペットボトルや空き缶といったゴミを減らす、エコロジーな生活をしよう、という提案が目的です。消費者の方に考えてもらうためには、インパクトが大事だと思うので、デザインの奇抜さは重視しています。『トリンプが面白いことをやっている』と思って見ていただければ」(同)

 確かに、女の子が洋服を脱いだときにこんな下着を着けていたら、インパクトは十分。しかし残念なことに実はこのブラジャー、非売品。是非とも商品化してほしいところだ。

「実際に商品にするには、製品テストをいくつも乗り越えなければいけません。洗っても壊れないとか、色落ちしないとか。なので、販売は難しいですね」(同)

 うーん、残念! せめてパット部分だけでも販売してくれたら、「ブラの脇からドリンクを飲む女の子」という新たな夏の風物詩が生まれると思うのですが……。



 これは是非実用化してほしい。いや、実用でなくても、販売してくれれば、ウケ狙いで使う女の子が結構いる、のでは。

 なんでしょうね、この太陽電池を使ったお助けメカ的な要素。男の子回路を刺激しまくりです。

 「太陽電池搭載パンツ扇風機付き」とかだったら、どんなに奇抜でも男の子なら買うと思います。そういう、ジョークグッズといいますかね、使うかどうかわからないけれど、何だか便利そうな代物って、そそりますね。特に意味はなくとも扇風機を可動させながら街をブリーフで濶歩すると思います。

 いえ変態じゃないですよ決して

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posted by さじ at 21:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

脳の酵素の働きを阻害して空腹感を抑制する薬。

究極のダイエット法、脳酵素を阻害することで空腹感を抑制する実験に成功

 米研究者がマウスを使った実験で特定の脳酵素の働きを阻害することで、空腹感を抑制させることに成功していたことが6日、米学術専門誌「Cell Metabolism」に掲載された論文により明らかとなった。

 この研究を行ったのは米デューク大学医学部のトニー・ミーンズ(Tony Means)研究員を中心とする研究グループ。

 研究グループは空腹時に分泌されるグレリン(ghrelin)というペプチドを脳酵素を使って阻害することができないか、研究に着手。その結果、遺伝子操作により「CaMKK2」を欠落させたマウスを使った実験により、「CaMKK2」の働きを抑制させることにより空腹感を和らげたり、満腹時の満足感を持続させることができること突き止めた。

 研究グループでは将来的には、「CaMKK2」の働きを抑制させる経口摂取薬を開発できないか、今後も研究を続けると述べている。

 グレリンは1999年に国立循環器病センターの児島・寒川らによって発見されたペプチドホルモン。視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ役割があることが知られており、グレリンをコントロールすることで肥満や糖尿病予防につなげることができないか、世界中の研究機関で研究が行われている。



 まあ身体に悪いからバカ食いはよくない、とは分かっていても、空腹のときだとそんな倫理はどーでもよくなってしまいますよね。

 本当はイカンのでしょうけれど、ラーメン大盛り食べた後に調子にのって焼肉弁当まで食べてしまってます。今。

 この1食1食が、確実に脂肪を蓄積し、将来的にアテローム性の動脈硬化症とか、糖尿病とか、引き起こされるんでしょうけれど、欲求にはなかなか抗いがたいものです。

 欲求をストレートで抑える薬は、結構怖い気もしますけれど、私のような食の欲求に負けるような人には良いかもしれませんね。できれば使わずに自制したいですけど。。
posted by さじ at 20:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化

2008年06月04日

胸が大きくなる錠剤を販売していた健康食品会社社長を逮捕

「胸大きくなる」錠剤販売、社長ら逮捕

 「胸が大きくなる」などと薬効をうたって健康食品を販売したとして、神奈川県警は28日、東京都新宿区新宿、健康食品販売会社「ファイナルジャパン」社長、明石まゆみ容疑者(41)と同社の実質的経営者で関係会社「アートン」社長の郭充良容疑者(52)(韓国籍)ら4人を薬事法違反(医薬品の無許可販売・貯蔵)の疑いで逮捕した。

 県警は押収した書類の分析などから2007年11月までの2年間に約2万6500人に販売、約7億4000万円の利益を不法に得ていたとみている。

 発表によると、明石容疑者らは、医薬品販売業の許可を受けずに07年7〜11月に、11都県の女性17人に「Dカップになる」などと薬効をうたい、錠剤「アップゴールドインパクト+2006」59個を約53万6000円で販売するなどした疑い。商品は180粒入り1万2800円で、06年1月から雑誌やインターネットで販売していた。購入者のほとんどは効果がなかったと話しているという



 「ファイナルジャパン」

 異常なまでのネーミングセンス。コンプレックス商法をメインに扱う胡散臭い会社の名前としては最高です。ファイナルジャパン(笑)

 おそらく、経口摂取で胸が大きくなるようなものっていうのは、健康食品のレベルではほとんどないと思います。女性ホルモンなどに頼っても、素人が摂取したところで他の色々な副作用が出るだけで豊胸にはならんでしょうし(なるなら既に美容形成の分野で使われているはずです)

 今世の中に出ている豊胸系のサプリメントの類は、ほぼ間違いなく効果がないと思いますよ。中国産だったらわけのわからない薬が混入されていて、副作用が出る恐れもありますので、ご注意を。現実としてはやはり、「運動」というか「マッサージ」をするしかないでしょうねぇ。自己の女性ホルモンが分泌促進されるような食生活・運動を行って、規則正しい生活をすることです。

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posted by さじ at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

自民党が救急医療基本法を提言してる。

自民党が「救急医療基本法」を提言

 自民党の「救急医療と搬送に関するプロジェクトチーム」は30日、救急患者のたらい回し防止など、救急医療体制を再構築する「救急医療基本法(仮称)」の制定を求める提言をまとめた。

 政府に早期の法制化と必要な予算の確保を要請する。

 高度な専門知識を備えた救急医を育成するセンターの設置が必要と明記。すべての救急患者を受け入れて初期診療を行った上で、専門の診療科に速やかに振り分ける米国の「ER方式」の日本版の導入についても、検討を進めるなどとしている。



 なんだかなあ。まるで今の救急医療が駄目みたいな。

 いや勿論必要なんですけれど、法律を制定するからには、救急医療に携わる人たちの今の地獄のような労働環境も改善してくれるんでしょうか。

 救急医を優遇するようにして、更に医療従事者を増やすような策をとれば、何もわけのわからん育成センターを設置しなくても、高度な知識を備えた救急医が数多く育って、文字通り「全ての救急患者を受け入れることができる」ようになると思いますけれど。

 過労な職場、しかも医療従事者が不足しており、ベッド数すら足りないような状況で、どうやって全ての急患を受け入れるというのか。机上の空論とはまさにこのことではないですかね。

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posted by さじ at 23:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

移植後の肝がんを防ぐ、NK細胞の培養投与について。

NK細胞で移植後の肝がん防ぐ

 正常な肝臓にある強い抗がん作用を持つナチュラルキラー細胞(NK細胞)を培養・投与することで、肝臓がんで臓器移植を受けた後の患者で、再び肝がんができるのを防ぐことに、広島大の大段秀樹教授(外科学)らが成功した。

 肝臓がん患者に移植を行った後、体内に残るがん細胞で、移植した肝臓に再びがんができる場合がある。

 大段教授らは2年前、移植用の肝臓に通した後の保存液から、強い抗がん作用を持つNK細胞を発見。2日間培養し、肝臓がんを殺す能力を高めたNK細胞の投与を移植患者に始めた。

 その結果、2000〜2006年に移植を受け、NK細胞を投与されなかった患者42人のうち4人に再びがんができたが、細胞を投与した14人には現在、がんはできていない。

 培養したNK細胞の表面には、肝臓がんを殺す働きを持つたんぱく質が多数生成されるという。

 また、肝臓がん患者の7割以上がC型肝炎だが、培養したNK細胞は肝炎ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンを作り出す働きも持つ。大段教授らが移植後の患者にNK細胞を投与したところ、何もしない場合と比べ、ウイルスの量を一時100分の1まで減らすことが出来たという。



 これはナイス。

 あ、これはアレですよ、いわゆる免疫療法っていうんですか、癌の患者の免疫細胞を取り出して培養して注入すると治るとかいう、うさんくさい医療(?)とは違います。実際免疫療法ってどこまで効くんですかね。根拠はまるでないですし、末期のがんを免疫で治せたらそりゃどこの病院でも取り入れますし。

 あくまで、肝がんが「出来るのを防ぐ」だけ。がんを治すというわけではないので。
posted by さじ at 23:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | がん

果たしてうつ病にブログ療法は効くのか?

ブロガーがうつの"駆け込み寺” ネットでリアルに助け合い

 元うつ患者の野口敬さんが立ち上げた「“うつ”に悩む方々のためのブログ」は、24時間いつでも駆け込める「心の避難所」だ。2006年8月に開設、これまで延べ6万人が避難してきた。ここでは自分のブログ内に苦しみを書き込むと、ほかの誰かがそれに対してコメントを書き込む――という相互の書き込みをすることで、書き込む皆が苦しみを共有し、最終的には自立していくことを目指している

 野口さんはこれを「ブログ療法」と呼ぶ。ネット上のブログは「バーチャルな避難所」だが、定期的にオフ会を開いたり、重い症状や切迫している人には協力者などの「リアルな避難所」に避難させる場合もある。

 野口さんは、うつを「心の地震」と捉えている。そして、症状の軽重を7つにレベル分けする「心の震度階」という基準表を作った。これは医師が「ペインスケール」という表を使い、患者の痛みをレベル分けするのと同じだ。こうして症状を客観的に把握しておくことで、症状の見解差による治療の差異を避けることにつながる。誰もが同じスケールを元に、標準化した治療を患者にすべきだと考えているのだ。

 「普通は震度4〜5ぐらいで気付きます。3までは気が付かないから普通に日常生活を送ってますね」。ブログに集まってくる人たちも震度4〜5の人が多いという。一生懸命頑張っても上司から叱責され、部下から文句を言われる中間管理職の人、家庭内暴力に悩む人、失恋や離婚の痛手から立ち直れない人――など発症する原因はさまざま。性別を問わず多くの人たちが逃げてくる。

 彼らは避難所に逃げてきて、どうやって立ち直っていくのだろうか。

 心の避難所には診療時間というものがないから、急に不安になったり落ち込んだりしたら、いつでも駆け込める。実際は夜中に来る人が多いという。まずやることは、「心の苦しみを吐き尽くす」こと。すると「誰かが必ず読んでくれ」て、読んだ人たちが苦しみに共感し、皆で苦しみを共有する。「分かるよ、辛かったんだね」など優しい言葉をかけてもらうと、苦しみが和らぐ。具体的な解決策の意見交換もされる。そうするうち、徐々に自分から立ち上がろうという気力がわいてくるのだ。

 「ブログ療法」では心情を吐き出すからカウンセラーに話を聞いてもらうことも兼ねているし、自分で書いた文章は、最も詳しいカルテになる。

 病院に行く勇気や時間、気力や体力がない患者の命綱になる時もある。例えばブログ内で積極的にアドバイスする人たちが、新しく駆け込んできたある患者に対して、「このまま家にいたら、もっと心が追い詰められてしまう」と判断したとする。こうした場合は、野口さんと一緒に実際に患者がいる場所まで行き、「リアルな避難所」に泊めることもあるからだ。彼らは、自らのうつ病の貴重な体験を生かして、苦しむ患者にアドバイスをしている人たちだ。

 リアルな避難所とは、アドバイスする人の家や患者の親戚などの家。追い詰められてしまうのは、家族の理解が得られずに孤独と絶望に陥り、うつがどんどん悪化して震度6あたりまで行っている人たちだ。症状にもよるが、こうした重度の患者には、短くて1週間、長くて3カ月間をリアルな避難所で過ごしてもらう。ビジネスパーソンの場合は、症状が軽くなってきた場合はこの避難所から通勤するのだ。

 野口さんによると、うつになる原因は4つある。孤独、絶望、不安、そして、「自分はなんて情けないんだ。自分がすべて悪いんだ」と自分を責めることだ。特にこの「自責がうつ病発症の強い引き金になる」という。「孤独には優しさや仲間を、絶望は希望と支えを、不安には安心と支えを、自責には、仲間からのいたわりが必要。これら全部をグループで実践できるのが、ブログ療法なんですよ」

 患者が相談してくるのは夜中。対応する野口さんは完全に夜型の生活になってしまっている。還暦間近で自分の健康だって気になるはずの野口さんは、なぜそこまでしてうつの人に手を差し伸べるのだろう。

 現在、「意識構造/社会構造アナリスト」という肩書きで活動中の野口さん。これまで専門誌の編集や人材派遣、システム開発などに従事してきた。激しいうつに襲われたのは20年以上前。子どもが生まれたばかりで働き盛りの32歳だった。ある日突然、「激しい心の揺れ」に襲われて倒れる。当日も直前まで普通に働いていたが、急遽入院、休職、退職して療養したという。「まさか自分がうつになるなんて全く思わなかったですね。俺の頭はどうなっちゃったんだろう、これは自分じゃないってパニックになりました」

 野口さんの知る限り、薬を処方する医師は体の症状には対応するが心はケアしてくれない。かといって心をケアするカウンセラーは、話はよく聞いてくれるものの、具体的な解決策を提案してくれない。もどかしさを感じた。

 そこで「具体的な解決ツールが必要だ」と思い立った野口さんは、自分の実体験などを元にうつ病を客観的に分析。その結果、「ブログ療法」というツールが効果的なのでは、と思うようになった。

 もともと自分が強い人間だという自覚はあった。「うつでもっと強くなりましたね。うつの苦しみに比べたら、ほかの苦しみなんてどうってことないですよ」。そんな野口さんでも、いまだに症状が出ることがある。「年2〜3回。震度3くらいかな。でも日常はちゃんとこなせますから大丈夫です」

 今後は北海道や沖縄など全国7〜8カ所に、誰かの家ではない正式な避難所を作る予定だ。「だって自然の中にいたら、気持ちが晴れるしょう? 全国に7〜8カ所作りたいですね。もし協賛できる方がいたらぜひご連絡ください」。その後はどうするのだろう。「あとは後進の人たちに任せるかもしれません……まだ未定です」。ブログ開設から3年。バーチャル、リアルの避難所を作り、治療の仕方を標準化し、人材を育成する――そんなうつ病全面サポート体制を実現するために奔走する日々は、しばらく続きそうだ。

 パートナーや家族などが回りにいなかったり、いても「甘えてる」などと言われてしまい、理解が得られない人、孤独な人には、バーチャルな「ブログ療法」が、リアルな救いの手になるかもしれない。



 う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・

 実際これ、どうなんでしょう。小規模なら成功するかもしれないけれど、大規模になると確実に失敗する気がします。

 うつの苦しみを他のうつで悩む人に吐き出したところで、自身の症状が落ち着くかというと、まぁ落ち着かないだろうなというのが正直なところです。それならば、うつ病ではない人に吐き出したほうが良い。うつ病患者が10人集まって話し合ったら、みんな元気になるどころか、症状が悪化しかねないのでは?

 苦しかったね、辛かったね、とその人を「認める」ことは、同じ病気の人であればできるでしょうけれど、良いことばかりではないですよね。「その医者の処方はおかしい。○○という薬には××な副作用もある。私は変えてもらった」とか「容量が多いから少し減らしてみたら?」とか、すごく自分勝手な意見を安易に提供できてしまうのが、ネットの怖いところです。本人は意識していなくても、医者不信に繋がり、それによって治療も滞ることも。

 このブログ療法最大の欠点は、専門家がいないということと、ブログ療法を行う人、閲覧する人のほとんどがうつ病で不安定であるという点です。

 野口さんのように、うつから立ち直った人がボランティアでカウンセラー的役割を果たしていれば、うまく行くのかもしれませんけれど、ブログを書く人がうつ、見る人・アドバイスする人がうつで、どうして症状が軽快できましょう。

 いわゆる「集団認知行動療法」のようなもので、患者間でディスカッションすることで、出来事や状況に対する認知の仕方を少しずつ修正していこうとするような療法はありますが、これも進行は精神科医やカウンセラーなどの、正しい認知が出来る人、ですよね。

 まぁでも、孤独感とかはブログ療法のほうが改善できる、のかな。集団自殺のように、悪い方向へ働かないといいんですけれど。

 今まで何度も言ってきましたけれど、何と言っても、「薬を処方する医師は体の症状には対応するが心はケアしてくれない」、これですよね、問題は。やはり精神科医全体のレベルの向上が求められていると感じます。
posted by さじ at 23:14 | Comment(10) | TrackBack(0) | 精神

樹木の多い場所に住む小児は喘息の比率が低い。

樹木の多い地区では小児の喘息が少ない

 近隣に樹木が多い場所に住む小児は、樹木の少ない地域に住む小児に比べて喘息の比率が低いことが新しい研究で示され、医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」オンライン版に5月1日掲載された。

 研究グループは、米ニューヨーク市の42地区を対象に、4〜5歳の小児の喘息罹患率および15歳までの喘息による入院件数を調べ、各地区に生えている樹木の数のほか、汚染源、人口密度、人種および民族の構成との比較を行った。同市では、喘息が15歳以下の小児における入院の主要原因となっている。

 調査の結果、対象となった小児の9%が喘息であり、市内には1平方キロメートルあたり平均613本の樹木が生えていた。343本/平方キロメートルに相当する樹木密度の標準偏差増大につき、喘息率がほぼ4分の1減少することが明らかになった。このパターンは、汚染源、社会経済的地位および人口密度について補正した後も認められた。しかし、樹木密度と年長児童の喘息による入院との間には関連はみられなかった。

 研究グループによると、樹木密度が小児の喘息率に直接関連しているわけではなく、樹木が多いことにより子どもの屋外での遊びが促進されたり、大気の質が改善されたりするために喘息が減少している可能性もあるという。ニューヨーク市では2017年までに新たに100万本を植樹することを計画しており、樹木密度が喘息に及ぼす影響をさらに正確に研究できると研究グループは述べている。



 ただ「大気汚染がどうの」というより、もしかすると樹木との間に何らかの関係があるのかもしれませんしね。

 樹木から喘息を抑える成分でも放出されていたりすればいいんですけどねー。実際は屋外で遊びやすいからっていう説が有力か。

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posted by さじ at 22:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸

喫煙者が飲酒すると肺癌の危険率は更にアップする。

飲酒で肺がん危険度アップ=喫煙者の場合「拍車」

 たばこと肺がんの関係はよく知られているが、酒を飲む量が多いとさらに発症リスクが高まることが30日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。非喫煙者ではこうした関係がみられなかった

 飲酒と肺がんについては多くの研究があるが、たばこの影響が大きいため、はっきりした結果は得られていない。

 研究班は1990年と93年、東北から沖縄まで全国10地域で、40〜69歳の男性約4万6000人の生活習慣などを調査。2004年まで追跡し、この間に651人が肺がんになった。

 飲酒量で「飲まない」「時々飲む(月1〜3回)」と、1日当たり「1合未満」「1〜2合」「2〜3合」「3合以上」に分け、喫煙者と非喫煙者を別々に解析。喫煙者では、飲む量が多いほど肺がん発症率が高くなる傾向があり、「2〜3合」「3合以上」では時々飲む人の1.7倍だった。 



 実際、酒もがんのリスクにはなりますけれど、肺癌の場合、煙草の害がダントツすぎて今まで調査のしようがなかったというだけでしたからね。

女子中高生が煙草を吸う原因は、母親にあった
posted by さじ at 22:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

肝斑などのシミ治療に使える化粧品が増えている。

諦めないシミ治療 品ぞろえ拡大中

 東京の「マツモトキヨシ銀座5th店」では、売り場中央にシミ治療薬がドーンと20種近い品ぞろえ。「1日50個以上出ます。シミ対策化粧品やサプリメントとのセット買いも多く、悩みの切実さを感じる」と志田睦店長。治療薬のなかでも女性特有の「肝斑」に特化した「トランシーノ」はリピーターが8割近くを占め、売り上げを牽引。志田店長は「あきらめていた人たちに、治療を意識させたことが大きいですね」。

 有効成分はトラネキサム酸。CMでは人気ヘア・メイクアップアーチストの藤原美智子さんが「肝斑なら治せます」と語りかけ、昨年9月の発売から1カ月で出荷額14億円の大ヒット。今年度は50億円を見込む。

 肝斑は左右のほお骨に沿って薄く広がるシミだ。女性ホルモンバランスやストレスが原因とされ、家庭や職場で働き盛りの30〜40代女性に多く発症する。「国内に約560万人いるとみられ、そのうちおよそ8%がトランシーノのユーザー。まだまだ需要は掘り起こせる」とは、販売元・第一三共ヘルスケアのマーケティング担当。肝斑を自己診断するためのリーフレットを100万部発行。肝斑モデルオーディションも行い、約80人から選ばれた「わかりやすい肝斑シミ」を持つ女性5人を使っての普及活動も6月末から展開予定だ。

 気になる効果は? 同社の臨床試験では8週間内服したモニターの76・8%に改善がみられたという。「化粧時間が短縮できた、自信が持てて明るくなった…などの声を多数いただいている。シミひとつで女性の生活の質は大きく変わるんですね」と開発担当の輪竹麻美さん。

 医療現場でもシミ治療は大衆化。「シミ治療相談の来院は1カ月あたり約250人で、昨年より3割増えています」とは、東京のシロノクリニック銀座、卯辰哲也院長。保険適用外の光治療も一般的な老人斑なら、5ミリ以内で1個2500円からと手が届きやすくなってきた。レーザーは禁忌とされている肝斑も光治療や薬液導入などで積極的な治療を展開。「以前はあきらめるしかなかったシミも治療可能になり、成果を出している」と卯辰院長。男性患者も1、2割。社会的地位や収入が高い人が中心とはいえ、営業マンや定年後に再就職を目指す普通のおじさんたちまでが、痛くもかゆくもないシミの治療に精を出しているのだ。

 隆起したシミ(老人性いぼ)を炭酸ガスレーザーで取った男性にきっかけをたずねたら、「気持ち悪いと孫に言われたから」と心中察するお答え。見た目に容赦のない時代になったものだが、確かにシミは老け具合だけでなく清潔感も左右する。トランシーノの冊子では前出の藤原さんが、「(魅力的なしわと違って)残念ながら魅力的なシミはありませんね」の追い打ち…。シミの大敵、紫外線が強まる季節。せいぜい予防はしっかりと! 



 肝斑!

 妊娠すると50%以上に出現するといわれています。まぁ妊娠性のものは数ヶ月でなくなるのでいいんですけど。

 要するに女性ホルモンや黄体ホルモンによってメラノサイトが活性化されるために起こるそうです。あとメラノサイトを活性化させる日光も増悪因子。

 境界明瞭な淡褐色の色素斑が額、頬、口の周囲に左右対称にみられ、目の周辺が抜けるのが特徴です。慢性の経過をとりますが、高齢になると軽快、消失します。

 まぁ出来てしまったものをどうこうするというより、日光などのリスクをいかに防ぐか、ですね、肝斑は。
posted by さじ at 22:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

エネルギー消費を増やすタンパク質、KLF5を発見する。

エネルギー消費の異常解明/東大、肥満薬開発に期待

 筋肉でエネルギー消費の異常が起きる仕組みを、東京大の永井良三教授らのグループがマウスを使った実験で解明し、25日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。

 エネルギー消費の異常は肥満やメタボリック症候群の原因となることから、これらを治療するための新たな薬の開発につながると期待される。

 肥満は、食事によるエネルギーの摂取と消費のバランスが崩れた場合や、筋肉でエネルギーの消費がうまくできなくなった場合に起きるとされる。

 グループは、血管や心臓の病気に重要な役割を果たしているタンパク質「KLF5」に注目し、働きを弱めたマウスを使って実験した。

 その結果、このマウスは食べるえさの量が多いのに太りにくく、KLF5は筋肉で脂肪酸の燃焼(分解)やエネルギー消費を進める遺伝子の働きを調節していることが分かった。グループはさらに、遺伝子を働かせるメカニズムも突き止めた。



 いわゆる「やせの大食い」状態?

 褐色脂肪細胞の量とかで、痩せているのに多く食べ、しかも太らない状態になるとか。それとはまた違った、細かい機序での脂肪酸燃焼メカニズムですかね。

 でもやっぱり「沢山食べて運動しないで痩せる」のは夢物語だと思うので、健康体になるには運動することが第一だと思いますね。
posted by さじ at 20:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化

医療費を定額化した病床が、45万床を越える。

入院費定額病床が45万超/収入保証で5年間に7倍

 病気や治療方法ごとに1日当たりの入院医療費を定額にしている一般病床が2007年12月時点で準備段階を含め08年度は45万7000床に増え、定額制でない病床も合わせた全一般病床の半分を超えることが30日、厚生労働省の調査で分かった。

 医療費の定額化医療費抑制などが目的だが、09年度までは病院の収入を保証する措置が続けられる見通しで、定額病床数は制度が本格導入された03年度の約6万7000床から約7倍に急増する。

 病院数で見ると、入院費を定額としているのは準備中を含め1428病院。全国に約9000ある一般病院のうち16%を占めるにすぎないが、400床超の大病院が3割を占めており、結果的に入院費定額の病床数を増やす形となった。

 検査や診療を重ねるたびに報酬が増える現行の出来高払い制度は、医療費の無駄遣いを招きやすいとされており、医療費の定額化で増え続ける医療費を抑制し、併せて患者負担の軽減を図ることが期待されている。



 うーん、確かに「無駄遣い」をするところはあるでしょうけれど、、、大きな病院であればあるほど、患者さんのために赤字覚悟で検査や治療、アフターケアを行っているような気も。

 しかし無駄遣いを抑制する意味では全体的に科した上で、大手病院は何らかの形で補助金を出すのがいいのかなぁ。難しいところですね。
posted by さじ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

2008年06月03日

iPS細胞を用いて未熟児脳症を治療する。

未熟児脳症の治療法開発へ/iPS細胞使い名古屋市大

 未熟児の脳性まひの一因になる脳症によって失われた神経細胞を、新型万能細胞の「iPS細胞」や、脳内にもともと存在する幹細胞を使って再生させる研究に、名古屋市立大の沢本和延教授(神経再生医学)らが6月から乗り出す。

 この脳症は、主に妊娠33週未満の早産児に起きる「脳室周囲白質軟化症(PVL)」。

 脳への血流障害が原因で、脳室の周囲にある運動神経が失われる。生後2週間ごろから画像診断できるが、足のまひなどの症状が出るのは生後4、5カ月ごろから。33週未満で生まれた新生児の約1割がPVLを発症しているという

 現在は治療法がないが、沢本教授は症状が出る前に正常な神経細胞を移植すればまひを防げる可能性がある点に着目。

 計画では、慶応大と共同で、ネズミやサルのiPS細胞から神経細胞のもとになる神経幹細胞を作製。それを、脳への血流を一部止めPVLの症状を再現した生後数日のネズミやサルの脳に移植して神経再生を目指す。



 iPS細胞の概念上、「新生児+iPS細胞」の組み合わせは、まさに何でもアリな状態だと思います。

 神経細胞のもとになる細胞を移植してやれば、生まれたての赤ん坊と同じように、外界からの多数の情報を得て成長していくにつれて、iPS細胞も正常の神経細胞になりうるのでは。

 ただ実際はなかなか厳しいんでしょうけれどね。どうやってそれをコントロールするのか、未だに不明ですし。しかし1筋の光であることには違いありません。

関連
医学処:iPS細胞を用いて、脊髄損傷の症状が改善する。
医学処:難病の解明のために、iPS細胞を用いる。
posted by さじ at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

煙草値上げ案に反対している人たちの意見について。

「たばこ1000円」論争に火 「税収増」「主張安易」

 「たばこ1箱を千円に」。日本財団会長の笹川陽平さんの「たばこ値上げ運動」が波紋を広げている。税収は増え医療費は減らせるという提言だが、「国を救う名案だ」「いや喫煙者への差別だ」と賛否の論争に火がついた。31日は世界禁煙デー。
  
 発端は、笹川さんが3月からインターネットのブログなどで訴え始めたアイデアだ。

 1箱約300円という日本のたばこの値段は安すぎる。1箱千円にすれば9兆5千億円の税収増が見込め、仮に消費量が3分の1になっても3兆円超の税収増が見込める。社会保障の財源として、消費税より先に議論すべきだ。千円になれば多くの人が喫煙をやめるので、健康被害が減って国民医療費を抑えられる。未成年の喫煙抑制や防火にも役立つ、と説く。

 提言はメディアで報じられ、ネットでも話題に。「身近な問題として大いに議論を。私は国会議員に働きかけて立法をめざす」と話す。

 タクシーの禁煙化や路上禁煙条例の制定など、たばこをめぐる環境は厳しくなっているが、こうした動きを「禁煙ファシズム」として批判する声もある。

 ジャーナリストの斎藤貴男さんもその一人。「私はたばこが嫌い」としつつ、「健康を害して高い医療費がかかるから高い税金を払えというのは、後期高齢者医療制度と同じ論法。世の中はお互い様なのに人の生き方や好みを監視し排除するのはおかしい」。

 「タバコは神様の贈り物」の著書がある医師、橋内章さんも「禁煙推進で医療費が抑制できると言うが、果たしてそうか。仮にたばこが有害ならば、やめると寿命は延び、高齢者医療費も増える。安易な主張だ」と批判する。

 製薬会社ファイザーが4月、喫煙者9400人へのアンケートで「価格がどれぐらいになれば禁煙するか」と尋ねたところ、「500円」で54%、「千円」で79%の人が禁煙すると答えたという。

 値段について、日本禁煙学会の作田学理事長は「国際的に合わせるなら、千円ぐらいがいい。未成年も買いにくくなる」と笹川案に賛成だ。神経内科医としてたばこの害を実感する。「40〜50代のくも膜下出血の多くは喫煙者。がんだけでなく他の病死のリスクも高く、周りで煙を吸わされる人も含めて健康被害は明らか。税金でなく罰金を科したいぐらい」という。

 こうした論争に、売る側のJTは「喫煙は特定の疾患のリスクを高めるが、吸うか吸わないかは個々人が判断すべきだ」と主張。喫煙者率と肺がん死亡率の相関関係も認めておらず、笹川案にも「特定の商品に過大な負担を強いる増税には断固反対。業界一丸となって反対運動に取り組む」(広報部)と構える。

 さて、政府はどうするのか。税制を考える首相の諮問機関である政府税制調査会の香西泰会長に取材を申し込むと、その答えは「税制の論議はこれから。現時点では答えられない」だった。



 こういったメディアに出る人ならともかく、一般の喫煙者の多くは「まぁ煙草は身体に悪いもんだし本当なら吸わないほうがいい」と認識してるんじゃないでしょうかね。

 煙草の面倒なところは、「吸っていない人にも副流煙の可能性がある」ことや「往々にしてマナーが悪い」というところでしょう。はっきり言って、個人の自由と片付けられないレベルです。個人の自由と主張したいのなら、煙草の吸殻が1本も落ちていない街でも実現させてからにしてはいかがでしょうか。

 喫煙による害を受け入れてでも、煙草の値上げに反対するのならば、煙草によるリスクが明らかな疾患に対して、喫煙者は「保険適用外」とされても文句は言えないのでは?食道癌とか肺気腫とかになって入院したとして、その費用を非喫煙者と喫煙者の両方から得た保険料で支払われるのはフェアではないですよね。「自分の生き方だ」とか「好みの問題だ」とカッコイイ御託を並べるのならば、それによって蒙った疾患の治療費ぐらい自分で払って然るべきだと私は思いますけれど?

 それを「差別」というのなら、より話は早いです。煙草代を値上げして、その分を医療費に充てれば、喫煙によってかかるであろう疾患の治療費を、喫煙者からより多く得た保険料で支払われるわけですから。フェアでしょう?

 所詮、煙草値上げに反対している人たちは「煙草を買う分、自分が損する」などと目先のエゴイズムにとらわれているだけなんじゃないですかね。私は少なくとも今まで、「一理ある」と思わせるような意見を目にしたことはありません。

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40過ぎても未だに喫煙してる人の余命は4年短い。

40歳時点で喫煙…余命は4年短く 30万人調査で判明

 40歳の時に、たばこを吸っている人の平均的な余命は、吸わない人と比べて男女とも4年近く短いことが、約30万人を対象にした厚生労働省研究班の調査でわかった。結果をまとめた京都府立医科大の小笹晃太郎・准教授(疫学)は「余命への影響は、実際にはもっと大きいかもしれない。さらに禁煙対策を進めていくべきだ」と指摘する。

 喫煙者の平均余命については、昨年、40歳時点で男性は3.5年、女性は2.2年短いという別の研究班の調査が公表されたが、対象は約1万人だった。今回は国内で進められている四つの疫学調査データを使い、90年代に40〜79歳の男女約29万7千人に喫煙習慣などをたずね、約10年間追跡した。約2万6千人が亡くなっていた。喫煙率は男性54%、女性8%だった。

 データから年代ごとの余命を計算すると、40歳の男性でたばこを吸う人の余命は38.5年で、吸わない人の42.4年より3.9年短かった。40歳の女性では、喫煙者が42.5年で、吸わない人の46.1年より3.6年短かった。

 早めに禁煙すれば、影響は少なくてすむことも確認された。喫煙者の多かった男性で比較すると、40歳の喫煙者の余命は、40代でやめる場合は42.2年、50代でやめる場合は40.1年だった。

 たばこの本数と余命との関係では、1日に1〜14本吸う40歳男性は38.3年、15〜24本では38.7年、25本以上では37.9年で、あまり変わらなかった。

 こうした調査は一般に、追跡期間が長いほど、吸う人と吸わない人の差が広がるといわれ、英国で50年間追跡した研究では両者の差が10年ほど開いた。また、吸わないという人も、実際には他人の煙にさらされる受動喫煙による健康被害で、本来よりも余命が短くなり、差が小さく見えている可能性もあるという。



 医療が進んできて、死因といえば自然死か癌か、みたいな感じになってきました。

 そう、どんなに医療が進んで、早期発見・早期治療が可能になっても、未だに癌を乗り越えることはできないというのが現状です。

 そのリスクNo1といわれる喫煙。そりゃ余命にも関わってくるという話ですよ。

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秋田県内の研修医の定着率は67%。この数値をどう読むか。

県内研修医の定着率は67% 前年比6人増、秋田大出身は32人

 県内の病院で3月に2年間の卒後(初期)臨床研修を終えた研修医70人のうち、47人が県内の医療機関を進路先に選んでいたことが県の調査で分かった。定着率は67%で前年とほぼ同じだったが、人数は6人増えた

 進路の選択は、進路先での研修の内容や指導医の資質のほか、研修医の出身地や出身大学の所在地などに左右されることが多いとされる。卒後臨床研修を県内病院で終えた3期生70人の出身大学別内訳は秋田大が42人。研修後の進路に県内医療機関を選択した47人のうち、秋田大出身者は32人だった。

 一方、医大生と卒後臨床研修の受け入れ病院双方の希望を基に研修先を決める「マッチング」の状況をみると、充足率は1期生51・5%、2期生46・6%、3期生51・9%で推移。病院の希望が満たされている状況からはまだまだ程遠い。

 県医務薬事課医師確保対策推進チームは「研修を終えた医師の県内定着率向上とともに、まだまだ改善の余地はある」としている。



 ん?これはちょっとよくわからない。

 もし地元で医療を行いたいと思っているならば、普通は研修先から地元の病院にすると思います。研修を地元で行うメリットは、地元で開業とかするときにコネクションが作りやすいというのはありますからね。

 逆に研修を自分の大学付近でやって、研修を終えてから別の病院に行くというのはどういうわけなんでしょう。例えば入局して、関連病院へ修行として行った病院が「たまたま県外だった」のなら分かりますけれど。

 一番怖い、「研修先として選んだけれど『残念な病院』だったので別のところに行った」のでなければいいですが…真相は果たして。

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総合病院の精神科病棟が緊急事態に。

精神科医、総合病院離れ 病床2割減、閉鎖も相次ぐ

 地域の中核病院などの総合病院で、医師不足から精神科病棟の閉鎖が相次いでいる。02年から4年間で、精神病床がある病院数は1割、病床数は2割近く減った。総合病院の精神科は、通常の治療だけでなく、自殺未遂者やがん患者の心のケアなど役割が広がっている。事態を重く見た関係学会や厚生労働省は現状把握の調査を検討している。   

 日本総合病院精神医学会の調査によると、02年に272あった精神病床を持つ総合病院は06年末に244に、病床数も2万1732床から1万7924床に減った。調査後も休止したり診療をやめたりする病院が続いている。

 廃止になっているのは主に地方の公立病院だ。自殺率が12年連続全国1位で自殺予防に取り組む秋田県でも、精神病床がある八つの総合病院のうち、3カ所が入院病棟を閉鎖中。非常勤で維持してきた外来診療も、大学医局の医師引き揚げで厳しい状況にあるという。宮崎県では、四つの県立病院に十数人いた精神科医が昨年末に3人になった。

 精神科専門の医師数は微増傾向だが、厚労省調査では、この10年で診療所と精神科病院に勤める医師数は増加したのに対し、総合病院などは1割減。夜間休日の救急対応などの忙しさから敬遠されたとみられる。また、他科より診療報酬収入が少なく、経営側に負担感が大きいという。

 厚労省は、精神障害者が入院中心から脱して地域で生活できるよう単科精神科の病床数削減の方針を打ち出した。一方、自殺未遂で入院した患者を精神科医が診察すると診療報酬が加算されたり、がん対策基本法で緩和ケアチームに精神科医の関与が求められたりと、総合病院での精神科医の役割は増している。

 水野雅文・東邦大医学部教授(精神医学)は「イタリアは精神科病院を全廃し、代わりに全総合病院に精神病床を置いた。日本は、精神科病院の病床削減は進まず、総合病院の病床が減るという正反対のことが起きている。総合病院の精神科医療の診療報酬を手厚くするなどの対策が必要だ」と話す。



 要するにアレですよね。こうストレートに言ってしまっていいのかは分からないんですけど、「ただ投薬だけしてろくに診察もしないクソみたいな精神科開業医が増えすぎたせいで総合病院の精神科は廃れるし精神疾患を抱えた患者は治らず自殺に繋がる」と。

 まぁ実際うつ病とかは、まずは「良い精神科医を見つけること」から、なんて言われます。ただうつ病だから「抗うつ剤出しときますねー」とかではなくて、長期的スパンで薬の量を調節したり患者と向き合うことを当たり前のように行える精神科医が少ない。

 由々しき問題です。本来ならどの病院に行っても、同じように良い医師であるべきなんですが、残念ながら金儲けに走る開業精神科がかなりありますからね。適当に薬出しといてあとは素知らぬ顔、なんてね。恐ろしいわ。

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2008年06月02日

採血器具の使い回し問題で、医療機関名を非公表にする?

医療機関名非公表に 器具使い回しで保険医協が要望

 厚生労働省通知に反した採血器具の使い回し問題で、島根県が医療機関名を公表することについて、県内の開業医ら約七百五十人でつくる県保険医協会は三十日までに、公表しないように県に要望した

 古沢正治会長が県庁で、山根成二健康福祉部長に要望書を提出した。協会は針以外の部分を複数患者に使うことについて「肝炎などが感染する危険性はほとんどない」と指摘。「県が厚労省通知を各医療機関に伝えるのを怠りながら、一方的に医療機関名を公表されては制裁になる」と主張した。

 院内掲示による自主公表や、患者への通知と結果報告を県が各医療機関に義務付けるべきだとした。県は「県民の不安解消のため」として公表に理解を求めた。



 まぁ気持ちは分かりますけどね。「島根県おちハートクリニックが採血用の針を使い回していた。」←これと違って、針はちゃんと取り替えて、周辺部を消毒していたのだから、大丈夫だと思うもんですから。

 しかし感染の可能性がある以上、公表するのは仕方ないことかも。勿論県にも責任はありますけどね。
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東海大学東京病院でカテーテル挿入口に空気を流し込むミス

男性医師を書類送検

 東海大東京病院(東京都渋谷区)で03年、男性医師がカテーテル検査で空気を誤って注入、患者が脳障害になった医療事故で、警視庁原宿署は29日、業務上過失傷害容疑で医師を書類送検した。

 医師は03年10月、心筋梗塞のため入院していた男性患者=当時(60)=の動脈にカテーテルを挿入し造影剤を流し込んで血管を調べる検査をした際、止血具に入れる空気を誤ってカテーテルの挿入口につながる穴に入れたという。



 動脈から空気を注入してしまったのか…。これは書類送検されても仕方のないレベルのミス…。

 ここまで単純なミスになってくると、対策すら難しくなってくるでしょう。ルーチンワークとして医療を行うのではなく、緊張感を持ち続けて行わなければなりません。

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posted by さじ at 01:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

佐賀大学病院が、検査データとは別人の前立腺を摘出する。

がんでない前立腺摘出

 佐賀大病院は29日、前立腺がんではない60代男性から前立腺を全摘出する手術ミスがあったと発表した。

 男性が受診した民間医院で同じ日に組織検査を受けて前立腺がんが疑われた別人の検査結果とデータが入れ替わっていたことが原因。ただ、間違って摘出された前立腺から、偶然、がんになる恐れがある病変が見つかったという。病院の釘宮隆患者サービス課長は「再発防止策を考えたい」と話した。



 佐賀大学やっちゃったなぁ。

 検査して、前立腺がんかと思ったら似たような違う病変だった、というのではなくて、「データが他人のものと入れ替わっていた」というのは痛すぎる。こういったことが二度と起きないように、どの病院も対策を練って実行しているだけに残念。今後二度と起こらないよう、再発防止に全力を注いでもらいたいです。

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posted by さじ at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

フリーランスの医師の日給について。

フリー医師「1日20万円」 なぜそんなにもらえるのか

医師不足の中で、人材紹介会社に登録する非常勤の医師が、急速に増えている。完全なフリーランスの医師もおり、数千万円の年収がある人もいるという。収入がいいからフリーが増えるのか。

麻酔科医は1日あたり10〜20万円が相場

 「非常勤のお医者さん」と題した求人サイトをのぞくと、ビックリするような数字が目に飛び込んでくる。それは、医師の高額給与ベスト5を特集するランキング表においてだ。

「日勤 1日当り 200,000円」

 これは、東京・新宿のある美容外科で非常勤の医師に1日で与えられる給与の額だ。このほか、東京・葛飾の皮膚科で15万円、千葉の整形外科で12万円と続く。

 このサイトを運営しているのは、医師の人材紹介会社「リンクスタッフ」。同社によると、給与額は専門分野の内容に合わせて高額になる。医師紹介事業部の部長は、「健康診断などに比べ、生きるか死ぬかという場に居合わせ、時間もかかる麻酔科などの医師の方が給与は高くなります」と話す。給与がトップクラスの麻酔科医では、1日あたり10〜20万円が相場になるという。

 リンクスタッフによると、登録する医師の数は、年々増えている。理由の一つが、研修医の制度が2004年に変わったこと。研修医が自由に病院を選べるようになり、病院側が求人に頼るようになったためだ。現在の登録者数は、約1万人で、04年に比べて倍以上になったという。この中には、非常勤の仕事もこなす勤務医や完全なフリーランスも含まれている。

 非常勤の医師が高収入なのは、医師不足という事情もある。登録者が増えている理由の一つは、この高収入にあるとみられるが、リンクスタッフ医師紹介事業部の部長は、別の理由を指摘する。

 「一つには、女性医師が増えていることがあります。主婦や子育てもしている場合、非常勤でないと勤めにくい。また、激務続きの常勤で疲れ果ててという場合もあります」

 特に高収入の麻酔科医は、完全なフリーランスの人も現れ始め、メディアで脚光を浴びるようになった。

 毎日放送(大阪市)は、5月21日放送の番組で、勤務医時代に比べて収入が倍近くになったというフリー麻酔科医の男性を取り上げた。この男性医師は、掛け持ちした10か所以上の病院を飛び回る毎日。勤務は週4日だが、人手不足で緊急依頼も多く、休日も携帯電話を手放せない。「昼間でも時間関係なく手術が入ってくるんですよね」と男性医師。収入も倍になったが、仕事も倍になった

 なぜ麻酔科医がそれほど不足していて、引っ張りだこなのか。

 医師紹介大手のメディカル・プリンシプルの広報担当者は、以前は外科医が代行する場合が多かったが、最近は麻酔科医の資格が求められるようになってきたことを挙げる。

 さらに、麻酔科医のなり手がいない事情があるようだ。「登録者には、内科が一番多いのですが、外科や麻酔科よりも皮膚科や眼科の方が多いんですよ。当直業務もありませんし、人が死にません。産婦人科のように医療過誤の訴訟が増えているということもありません。つまり、手術のようなものは敬遠されつつあるということです」(広報担当者)。

 ただ、完全なフリーランスは、まだごくまれにしか見られないという。メディカル・プリンシプルによると、登録医師は、時間のあるときに働く勤務医がほとんどだ、としている。

 医療関係者の間では、非常勤やフリー医師は、必ずしも医師不足の解決策にはならない、と指摘する声も強い。常勤より非常勤の方がコスト高になることや、非常勤の場合、人数を多くしなければならず、不安定でもあるからだ。地方では、常勤が減ったために、閉鎖に追い込まれる病院も相次いでいる。



 スキマ産業なんですよね、フリー医師って。かけもちして、値段の割高な場所(オイシイところ)をうまく手繰り寄せていく。

 基本、地方の病院で当直すれば10万は貰えます。しかし自分の睡眠時間を削っているわけですし、日中業務は当然こなさなければいけませんから、オイシイかというとそういうわけではないでしょう。大きな病院だと当直しても1万程度と、かなり安くなりますし、それでもこなしている先生方には本当に頭の下がる想いです。彼らがいるから、日本の医療の水準は深夜でも保たれているわけです。

 麻酔科医の給料が高いのは、いいと思うんですよね、個人的に。全身麻酔をかけている間中、傍で管理していなければならないわけですから、1つ手術に入ると6時間とか12時間とか傍で見てるだけという。『やり甲斐』、という面で、なり手が少ないのが最大の実情だと思いますからね。

 と書いている間にも救急車の音。救急隊員の方、当直している医療従事者の方、お疲れ様です。
posted by さじ at 00:49 | Comment(1) | TrackBack(0) | 救急