2008年05月20日

京都大学がiPS細胞の関連特許を管理する会社を設立。

iPS知財を一括管理、京大などが会社設立

 さまざまな臓器や組織に変化する新型万能細胞(iPS細胞)の研究成果を、再生医療や創薬などに生かすため、京都大は16日、大和証券グループ本社や三井住友銀行など金融機関3社から最大約12億円の出資を受けて、関連特許などの知的財産の管理・活用を行う会社を来月設立すると発表した。

 今後、iPS細胞研究を行う国内の大学や研究機関にも参加を呼びかけ、関連の知財を一括管理し、オールジャパン体制を目指す。大学が中心になって、特定の研究分野の成果を基にした知財を束ねて管理・運営する会社を設立するのは、国内では初めて

 大学での研究で確保した、特許などの知財は、大学ごとに学内で管理し、企業への使用の許諾を判断するのが一般的だ。しかし、京大では「民間組織の方が、研究成果を迅速に産業界に技術移転できる」(松本紘副学長)として、金融機関3社からの申し出を受けて、学外にiPS細胞研究の知財を一括管理する管理会社を設立することにした。

 具体的には、新会社は当面、創薬や再生医療への応用を計画している企業から申し出があった場合に、京大に代わって、知財の使用許諾の判断や使用料の受け取りなどの業務を行う。

 今後、他の企業にも出資を募るほか、製薬業界などから知財に詳しい人材の派遣なども求めていく。

 また、国内で各大学・機関がバラバラにiPS細胞の知財を管理していると、産業界への技術移転が進まないため、京大では、共同研究している慶応大や東京大などと、新会社での知財の一括管理について協議する方針という。

 京大は今月2日、新会社の運営方針を決める上部組織「iPSホールディングス」を発足させている。



 ん、これは必要ですね。

 何しろ、iPS細胞の発見というのは、医学界のほぼ全ての科の難病疾患が治るかもしれないほどのインパクトを兼ねていますから。精神科ぐらいでは。(精神科も、セロトニン分泌細胞をiPS細胞で作るとかそういう具合に、治療法に繋がるかもしれないけれど)

 それを大学1つで管理しろといっても無茶な話です。大学は研究するところ、それ以外は別の会社にやってもらったほうが手っ取り早い。ならば会社作ってしまおう、とそういう話ですね。今後こういった形の会社は増えると思いますよ。

関連
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2008年05月19日

医療の事故防止キャンペーンを開催。

「いのちをまもるパートナーズ」医療事故防止運動

 医療の安全確保と質の向上を目的に、病院や関係団体が共同で対策に取り組む全国キャンペーン「いのちをまもるパートナーズ」が17日、始まった。

 米国で2004〜06年に実施し、事故防止に成果を上げたキャンペーンの日本版で、医療の質・安全学会、日本病院団体協議会、日本医師会など5団体が提案した。2年間で全病院の3分の1に当たる3000病院の参加を見込み、医療行為に伴う何らかの傷害(有害事象)30万件、入院死亡者1万人の低減を目指す。

 行動目標として、〈1〉危険薬の誤投与防止〈2〉医療関連感染症の防止〈3〉急変時の迅速対応――など8項目を掲げ、参加する各病院が取り組む目標を選んで実践。定期的に実施状況と入院死亡数、死亡率を報告する。

 米国では、有害事象の半分以上が、ミス防止策が整っていれば避けられた事例で、年間4万4000〜9万8000人が本来は死なずに済んだケースだと推定されている。

 日本では、厚生労働省研究班が03〜05年度の調査で、入院患者の6・4%に有害事象が起こったと報告している。

 参加登録は19日から。詳細は、ホームページ



 近年ではミス防止のために、医療器具なども改良を重ねられています。医療従事者を感染から守るためにも、針1つにしても様々な工夫が施されていますし、患者さんへの誤投与や感染予防などの対策もかなり幅広く行われています。

 しかしそれでも、どうしてもおこってしまうものです。日本はアメリカよりは酷くないとは思いますけれど、まだまだ突き詰めれば減らせるところだと思います。そのためにはまず事故の報告をしっかりすること、そして事故を起こした当事者を責めないこと、改善策を考えること、その策を全国の病院で共有すること、これに尽きます。

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風疹の免疫のない若い女性が増えている

風疹への免疫不十分 妊婦4〜5人に1人

 風疹に対する免疫が不十分な妊婦が4〜5人に1人の割合でいることが、武蔵野赤十字病院産婦人科の神部友香理医師たちの調査でわかった。特に25歳以下の若い妊婦では半数近い人が免疫が不十分だった

 妊娠初期に風疹に感染すると、胎児に感染して、心臓病や難聴、白内障などを引き起こす先天性風疹症候群になる危険があり、神部さんは「妊娠前に風疹の抗体検査をして、免疫がなければ予防接種を受けてほしい」と呼びかけている。

 神部さんたちは、2005年4月から08年2月までに、武蔵野赤十字病院で妊娠初期検査を受けた1743人の風疹の抗体の保有状況を調べた=グラフ=。うち49人(2・8%)が抗体がない「陰性」で、342人(19・6%)が抗体が十分でない「弱陽性」であることがわかった。特に25歳以下では、87人中10人(11・5%)が陰性、30人(34・5%)が弱陽性で、免疫が不十分な妊婦が半数近くに上ることがわかった。

 風疹の定期予防接種は、1994年度まで中学生の女子に行われていたが、95年度以降は乳幼児の男女に切り替わった。新制度への移行で、風疹の抗体のない若い女性が増えていることが問題とされていた。

 大人への風疹の予防接種は、予防接種を扱う病院の内科などで受けられる。実費が必要で1万円程度かかる。中学1年生、高校3年生については、今年4月から5年間、はしかと風疹の混合ワクチンを自治体の助成で受けることができる。

 ただ、妊娠後の検査で免疫が不十分だとわかった場合は予防接種を受けることはできない。神部さんたちは、感染者との接触を避けるなど、妊婦に感染防止に努めてもらい、出産後に予防接種を受け、次の妊娠に備えるよう指導している。

 万一、妊娠中に感染しても、すべての胎児が先天性風疹症候群にかかるわけではなく、感染した時の妊娠週数によって、その確率は大きく違う=表=。神部さんは「不安になって中絶を考える人もいますが、その前に十分、医師に相談してください」と話している。

◇先天性風疹症候群にかかる確率

 妊娠4週まで 50%
 妊娠5〜8週 25%
 妊娠9〜12週 10%
 妊娠13週以降 1%未満



 妊娠前に、風疹の免疫をちゃんと確立しておくことが大切です。

 たかが風疹とあなどるなかれ、胎児の段階で感染してしまうと、本当に重篤な後遺症が残ってしまいます。

 できることなら、10〜30代の女性は、今すぐにでも病院に行って、検査をしてもらいたいです。もし抗体がないようでしたら、ちゃんと打たないと。妊娠後に発覚しても遅いですからね。赤ん坊には罪がないわけですから、そこらへんはきちんとしてほしいと思います。

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2008年05月18日

横浜市立大学の嶋田紘教授が、がん患者から100万円を受け取る

がん患者の家族から100万円…横浜市大教授受け取る

 横浜市立大医学部の学位取得を巡り謝礼を受け取っていた同大の嶋田紘教授(64)(3月末で医学部長退任)に、現金100万円を渡したと、同大付属病院(横浜市金沢区)で手術を受けた患者の家族が読売新聞の取材に対し、明らかにした。同大は、患者側から謝礼などで金品を受け取ることを禁じている。

 患者の家族によると、患者は2003年2月、同大付属病院にがん治療のため入院。同月中旬、家族が嶋田教授の自宅を訪ね、100万円入りの封筒を渡したところ、嶋田教授は「ご期待に沿えるかどうか、難しいが、有効に使わせていただく」と応じ、受け取ったという。

 嶋田教授の代理人の弁護士は「一切ノーコメント」としている。



 有効にって、どういった内容で使うつもりだったんでしょう。ストレス発散とかですか?

 実際こういう金銭の授与は、今ではほとんど行われていないと思いたいです。もし渡されていたとしても、行う手術の集中力や技術力、成功率などは全く変わらないので、意味はないんですけども。

 逆に持ってこられると、断るときに気まずくなるので、そういう行為をしないでほしい、というのが本音なところもあるでしょうね。まぁ嶋田紘教授のような人がいるからこそ、患者さん側も、金銭を渡そうとしちゃうんですけど。

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福島大野病院事件、8月20日に判決が言い渡される。

帝王切開で失血死、治療の事故の過失責任がどこまで

 福島県大熊町の県立大野病院で2004年、帝王切開手術で女性(当時29歳)を失血死させたなどとして、業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)(求刑・禁固1年、罰金10万円)の公判が16日、福島地裁で結審した。

 医師が決めた治療方針の結果として起きた事故の過失責任がどこまで問われるのかを争点にした裁判は、8月20日に判決が言い渡される

 無罪を主張する加藤被告は「精いっぱいのことをしたが悪い結果になり、一医師として非常に悲しく悔しい思い。再び医師として働かせて頂けるのであれば、地域医療の一端を担いたい」と述べた。

 弁護側は最終弁論で、加藤被告の起訴が医師の産科離れを加速させたとの指摘に触れ、「お産難民という言葉さえ生まれた実態が生じたのは、わが国の医療水準を超える注意義務を課したため」と批判した。

 検察側の論告では、加藤被告は04年12月17日、妊娠37週の県内の女性に対する帝王切開手術で、子宮に癒着した女性の胎盤をはがして大量出血を引き起こして、約4時間後に失血死させたとされる。また、死体検案で異状を認めたにもかかわらず、24時間以内に警察に届け出なかったとして医師法違反にも問われた。子どもは無事生まれた。

 公判で争点となったのは、子宮に癒着した胎盤をはがす際の出血が、死亡するほどのものかを予測できたかという予見可能性と、死に至るほどの大量出血を回避する注意義務。

 検察側は「胎盤をはがすために子宮と胎盤の間に手を入れた時点では癒着を認識しており、子宮摘出手術などに移って生命の危険を避ける必要があった」と、予見可能性と注意義務がともにあったと主張した。

 これに対し、弁護側は「手ではがし始めた際に癒着を認識することはあり得ない。はがし終えれば子宮が収縮して出血が収まることが期待でき、判断は妥当で標準的な医療」と反論。医師法違反について弁護側は、「院長の判断で届け出を行わなかった。異状死には当たらない」としている。

[解説]産科離れ事件後広がる

 今回の弁護側の最終弁論は、5時間半にも及んだ。「捜査当局が、医師の裁量の範囲にまで踏み込んで罪を問おうとしている」という医療現場の危機感を受けたためだ。

 お産で医師が逮捕された影響は大きい。大野病院は医師がいなくなり、産科を休止した。地元の病院や診療所は、難しいお産を避けるようになった。全国的にも、産科をやめて婦人科専門としたり、若い医師が産婦人科を希望しなくなったりしている。

 今回の事件で医師が有罪となれば、さらにダメージは大きいだろう。大野病院と同地方の福島県いわき市立総合磐城共立病院産婦人科の本多つよし部長は「患者のための手術が犯罪になるのなら怖くてやってられない。有罪が決まったら病院を辞める」と言い切る。

 ただ、女性の遺族は事件としての捜査を強く求めていた。「真実を知りたい」とも強く訴えている。

 医療現場にはリスクがついて回る。国は、医療事故の原因を調べる第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」の設置を検討している。今回の事件でどういう司法判断が下るにせよ、患者と医師の双方が納得できる問題解決の枠組み作りが必要になっている。



 いよいよ結審。日本の産科医療を左右すると言われているこの事件も、ようやく結論が明らかとなります。

 まぁ結論によってはとんでもないことになるであろうことは、容易に想像つきますけれども。少なくとも公正な判決となってほしいものです。

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2008年05月17日

ゴーシェ病の新治療薬は、経口投与が可能となる。

ジェンザイム、「Genz-112638」がゴーシェ病の第2相試験で好結果

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米バイオ医薬品会社のジェンザイム(Nasdaq:GENZ)は7日、経口投与の治験薬「Genz-112638」(開発コード)がゴーシェ病の治療薬として良好な結果を示したという第2相臨床試験の予備結果を発表した。

 ゴーシェ病は、脾臓や肝臓を肥大させ、貧血、過度の出血、あざ、骨の疾患などを起因するまれな遺伝性疾患。

 Genz-112638は試験でゴーシェ病の症状に有意な影響を示した。

 この試験はゴーシェ病1型の成人患者26人を対象とした非盲検試験で、ほぼすべての患者が予備解析の実施された6カ月の時点までの投与を完了した。この試験の主要評価項目の解析は、年内に完了する予定で、患者全体の試験結果は2009年1−3月期に得られる見込み。

 ジェンザイムがすでに発売している1型ゴーシェ病治療で標準とされる「セレザイム」は注射剤。患者の服薬における利便性や医師の治療選択肢の拡大に向け、同社は経口投与のカプセルであるGenz-112638を開発している。



 ゴーシェ病は、グルコセレブロシダーゼという酵素が不足であったり欠損していたりして、グルコセレブロシド(糖脂質)をセラミドに分解できず、肝臓、脾臓、骨などにグルコセレブロシドが蓄積してしまう先天性代謝異常症です。

 主な症状としては、ゴーシェ細胞が蓄積することによる、肝臓や脾臓の肥大や、骨髄にゴーシェ細胞が蓄積して造血能力が低下してしまうことによって起こる、血小板減少。または貧血症状が起こったり、骨が大変もろくなり、非常に骨折しやすくなったりします。脳にゴーシェ細胞が蓄積されれば、痙攣、斜視、開口困難などの症状を引き起こします。

 ゴーシェ病は、3つに分類されています。

I型(成人型):神経症状を伴わず、発症年齢が幼児から成人にわたり慢性に経過する。
II型(乳児型):乳児期に発症し、急速に進行する神経症状(斜視、開口困難、けいれんなど)を伴う。
III型(若年型):乳幼児期に徐々に発症し、神経症状を伴うが、II型に比べて緩徐な経過をたどる。

 今までは、セレザイムという薬を点滴で注射して、酵素を補充していました。新しい薬のメリットは、注射せずに済む、経口薬というところです。いちいち病院に行かずに長期的に治療できるとしたら、患者さんのQOLも相当上がると思います。
posted by さじ at 11:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

サイパンの心臓病の新生児を、あいち小児医療センターで手術

サイパンの心臓病新生児の命助かる あいち小児医療センターで手術

 米国自治領サイパンで生まれた重い心臓病の新生児が県立あいち小児保健医療総合センター(大府市)で手術を終え、14日に退院した。現地では心臓手術に対応できないため、北マリアナ諸島連邦(サイパン政府)と同センターは2月に医療協力で合意したばかり。初の適用ケースとなった。

 フィリピン出身の両親から3月下旬に生まれた長女アンジェラ・ビラモアちゃんは1万−2万人に1人という心臓奇形の先天性心疾患。手術しなければ1カ月ほどで死んでしまうところだった。

 空路で中部国際空港(常滑市)を経て、4月8日にセンターに入院。同10日、人工血管で肺動脈に血が流れるようにする手術をした。血中酸素が欠乏するチアノーゼで真っ黒だった顔も、すっかり色つやを取り戻した。1、2年後に再び手術して完治する。

 母親のユセミアさん(38)は「大変幸せ。医師の力で娘の命が助かった」と満面の笑み。父親のレガラドさん(44)も「娘にかかわったすべての人にお礼を言いたい」と話した。

 合意内容は、渡航費や治療費をサイパン政府が負担し、現地で対応できない高度な医療をセンターが引き受ける。2年前、心臓病手術のためサイパンから米国へ向かった新生児が機内で容体が悪化、中継地の中部空港からセンターに搬送され一命を取り留めたことがきっかけ。空路でハワイや米国本土は長時間かかるが、中部なら4時間半で済む。

 この日、サイパン政府のジョセフ・ケビン・ビラゴメス公衆衛生局長(47)も駆け付けてセンターにお礼を述べた。執刀した副センター長兼循環器科部長の前田正信医師(58)は「医者として一つの命を救えた満足感がある。サイパン政府の思い切った決断は高く評価できると思う」と話していた。



 このニュースがきっかけになりました。

医学処:完全大血管転位症を治療するためアメリカへ、向かう途中の日本で手術成功

 なんといっても、サイパン政府が、同じ国であるアメリカで治療を行うのではなく、同レベルの医療を提供できるよその国に治療をお願いしている点が、凄い。大変評価できる、柔軟な思考です。ワケのわからない柵にこだわるのではなく、幼い命をできるだけ優先すべきですからね。
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2008年05月16日

堺のヘリ墜落事件の操縦士はサルコイドーシスを患っていた。

堺のヘリ墜落、操縦士の不適「難病」判明…検査医立件を検討

 堺市で昨年10月、「大阪航空」(大阪府八尾市)所属のヘリコプターが南海電鉄の線路上に墜落し、操縦士(当時40歳)と乗客(同44歳)が死亡した事故で、操縦士が約6年前から、操縦が認められない難病の「サルコイドーシス」にかかっていたことが、大阪府警捜査1課の調べでわかった。

 事故との因果関係は不明だが、指定検査医(53)は罹患を知りながら、毎年1回の検査で操縦適合の判定を出しており、府警は航空法違反容疑での立件を検討している。

 サルコイドーシスは、臓器などに肉塊のようなものができる原因不明の病気。目に発症すると視力障害につながり、国土交通省は、航空身体検査マニュアルで操縦不適合の疾病に指定している。

 府警や医療関係者によると、操縦士は2002年、事業用操縦士の免許を取得。サルコイドーシスを発症したのは同年秋ごろで、03年から大学病院で専門医の治療を受けるようになった。この専門医によると、肺と皮膚に出来物が確認されたほか、目にもサルコイドーシス特有の炎症を起こしており、操縦士は目のかすみを訴えていたという

 読売新聞の取材に対し指定検査医は「コメントできない」としている。事故は昨年10月27日に発生。飛行中だったヘリが失速、墜落した。



 サルコイドーシスだったとは。

 サルコイドーシスによって起こる目の病気といえば。そう、ブドウ膜炎です。

 ブドウ膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの総称で、眼球を包むかのごとく連結しています。ここが炎症を起こすことで、目がかすんだりしてしまうのです。

 しかし飛行できないほどの症状が出ているとなれば、担当した医師の責任問題なのではないでしょうか。勿論、飛行できないとなれば本人の死活問題にもなりますけれど、それでも命を天秤にかければ、フライトを止めるべきです。何のための産業医なのか、分からなくなってしまいますから。

サルコイドーシス関連
医学処:料理人が作った、小児の投薬向け黒糖シロップ
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静岡県に経皮的頸動脈ステント留置術の指導医が誕生する

脳梗塞防ぐ「指導医」頸動脈に新治療法袋井病院部長を認定

 袋井市立袋井市民病院の市橋鋭一・脳神経外科部長(47)が、脳梗塞の原因となる「頸動脈狭窄」に対する新しい治療法「経皮的頸動脈ステント留置術」の指導医に、県内で初めて認定された。この治療法は、4月から保険が適用されるようになったばかりで、入院期間が従来の半分程度で済むなど、患者の体の負担が少ないのが特徴。市橋部長は「ステント治療に適した患者は多い」として、普及を目指している。

 のどの横の左右にある頸動脈は、最も動脈硬化が進みやすい部位の一つとされる。肥満などが原因でこの血管が詰まるのが頸動脈狭窄で、脳に血液が行かなくなり、脳梗塞の原因となる。

 この病気は従来、頸動脈を切開し、血管内側にコレステロールがたまってできる病変「プラーク」を削るのが標準的な治療法だったが、この手術は全身麻酔が必要なうえ入院も1週間から10日以上に及ぶなど、患者の負担が大きい。高齢者や心臓病などの合併症がある人は危険も伴う。

 これに対し、最近広まっている「ステント留置術」は、足の付け根からカテーテル(細い管)を挿入し、プラークができている頸動脈の内側に金属製の網状の筒「ステント」(直径6〜20ミリ、長さ2〜6センチ)を留置する方法。局所麻酔でできるうえ、入院も3〜5日程度で済む。高齢者にも行いやすく、昨年度は全国で約3800件が行われ、手術の約2500件を上回ったが、保険が適用されず、数十万円の費用がかかっていた。

 新しく保険適用されたステントは米国の医療機器メーカーが販売している。厚生労働省は、この製品を安易に使用した不適切な治療が広がるのを防ぐため、対象患者や治療承認の条件を制限している。

 市橋部長はステント治療全般で150件程度の実績があったが、新たに講習を受けてこの新製品による治療を重ねた。その結果、新しいステントと関連器具を使え、他の医師に技術を教えることができる指導医として、国内の関連する12学会の基準を満たし、厚労省の定める製品使用条件をクリアした。

 市橋部長は、「この治療法は、頸動脈狭窄への優れた選択肢」と話す。市橋部長は沼津市や浜松市などの病院にも出向いてこの治療の指導を始めており、今後の普及が期待される。



 実際にテレビや新聞を目にしているだけでは手に入らない治療法というものはかなりあります。それはもう、入院した病院による、としかいいようがありませんけれど、効果のある治療法ならば日本全国どこの病院でも出来るようになるべきですよね。それこそが日本の医療の特徴なのですから。

 こういう、各地域ごとのパイオニア的存在が、精力的に指導してくれることで、地域の医療レベルが向上するというのは本当にありがたい話です。医療は一人じゃできません。先人たちの何も大学病院でなくても、こういう治療が出来るんだ、と。

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2008年05月15日

順天堂大学がベトナムで白内障の手術を指導する。

白内障での失明防ぐ ベトナム 順天堂大と国際NGOが連携

 順天堂大学医学部(東京都文京区)と国際NGO(非政府組織)「ヘレンケラー・インターナショル」(米ニューヨーク)が連携し、白内障による失明者が多いベトナムで、眼科医師の育成事業に乗り出すことになった。今夏以降、ベトナムの地方都市などで活動する眼科医の技能向上を目指し、講師役となり得るベトナム人の医療従事者を対象にしたプログラムを軌道に乗せる計画で、高齢者らの失明予防に役立てたい考えだ。

 ヘレンケラーではこれまでにアフリカで、失明の原因として多い感染症の「オンコセルカ症」などによる失明の予防事業を展開してきた実績がある。一方、順大はWHO(世界保健機関)の失明予防協力センターに指定され、タイを拠点に東南アジア各国の眼科医の育成に取り組むなど国際的な医療協力で実績を積んできた。今回、ヘレンケラーがベトナムでの失明予防事業を企画し、同国の医療事情に明るい順大が協力することとなった。

 事業初年度の平成19年度には、ヘレンケラーが日本財団(東京都港区)から助成金約4000万円を受けた。支援総額は未定だが、日本財団は3年間、支援を続ける予定。

 白内障は眼球の水晶体が混濁して視力が低下する病気。ひとつの老化現象であるため、誰でもなりえるが、最悪の場合、失明の恐れもある。

 順大によると、日本では50代の40%、60代の70%、70代の80%が白内障にかかっている。ただ、医療水準が高く、白内障による失明はほとんどないという。

 一方、ベトナムでは50歳以上に限ると、その人口の5%に相当する51万8000人が失明しており、うち約7割は白内障が原因とされる。また、白内障で失明する人は毎年、8万人にも上る。手術などの適切な治療を受ければ失明を防げたにもかかわらず、手術を受けられないなどの理由からだ。「首都ハノイやホーチミンなどの都市部を除く地方では白内障の手術を受けられないケースが目立ち、特に地方での対策が急務とされてきた」(ヘレンケラー)。

 ベトナムは近隣国のカンボジアやラオスなどと異なり、地方にも医療従事者が存在し、医療へのアクセスが比較的整っている。こうした医療従事者に感染症の予防策など公衆衛生の知識を身につけてもらえれば、医療水準の底上げが見込めるとして、ベトナムが事業対象地に選ばれたという。

 事業計画では、手術などの技能を指導できる地方の眼科医650人を育成。順大の平塚義宗准教授(眼科学)らが現地入りし、ハノイのベトナム国立眼科病院(VNIO)の協力も求める。

 順大によると、世界全体で失明者は3700万人おり、うち3分の2は白内障やビタミンA欠乏症など治療可能な疾患が原因。また、3700万人の9割以上は開発途上国に集中し、順大は「避けることのできる失明の撲滅」を国際協力の目標に掲げている。



 なんといっても現地の技術レベルを向上させることで、その地域でまかなえるようにしている点が素晴らしい。相手のことを考える日本人向きの企画ですよね。戦時中に、他国の識字率や文化レベルを著しく向上させてきたように。

 眼科医はいわゆる内科や外科と区別され、マイナー科と称されていますけれど、眼科の最大の誇りは「人の生活の質を劇的に向上させること」だと思います。

 目が見える・見えないでは大きな生活の質の差があります。特に単なる老化現象で水晶体が混濁している人や、不慮の事故で網膜剥離が起こった人など、視力や視野に異常が出てまともに生活できなかった人が、手術やレーザーなどの治療で著しく回復するというところはもっと評価されていいと思います。

 視力さえあれば不自由せずに生活できる人は、医療水準の低い国にだって大勢いるのです。今までは日本人医師が海外に行って治療したりしていましたけれど、このプロジェクトは、その国だけでまかなえるようにしようという大変素晴らしいものです。白内障の手術は、設備と器具さえあれば、経験を積んで実行できるものです。(しかし高価ですので、そこらへんが課題か…)。この国際的な取り組みを、応援したいと思います。

 ちなみに。オンコセルカ症は、いわゆる寄生虫が目に入り込むことで白内障を引き起こします。媒介昆虫はブユです。ブユがミクロフィラリアを吸血時に摂取すると、ブユの体内で感染幼虫に発育します。そのブユがヒトを刺す時に、オンコセルカの感染幼虫がヒトの体内に注入され、新たな感染が成立します。 

 ミクロフィラリアはヒトの眼の組織に移動します。球結膜から角膜へ、さらに網膜視神経へと侵入します。初めは結膜炎や角膜炎を起こし、次第に網膜の変性や視神経の萎縮を起こし、遂には失明するというわけです。

参考:オンコセルカ症

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島根大学医学部付属病院の研修医が患者情報をロストする。

研修医がナースステーションで患者情報入りUSBメモリを紛失 - 島大付属病院

 島根大学医学部付属病院において、医師が患者の個人情報を保存したUSBメモリを紛失したことがわかった。同院の研修医が、5月9日に院内で紛失したもので、所在不明となっているUSBメモリには、氏名や年齢,性別のほか、診断や検査結果、病歴,生活歴,家族歴など11人分の患者情報が保存されていた

 同医師は、資料を作成するため、院内のナースステーションのパソコンでUSBメモリを利用していたが、別病棟での処置や研修の打ち合せのために離席。作業を行うため席に戻った際、USBメモリがなくなっていることに気が付いたという。

 同院では詳細について調査を進めているが、紛失した個人情報の悪用などは確認されていない。同院では関連する患者へ謝罪を行っている。



 うっかりミス。しかし医者の扱う情報は、罪になるくらい重いということを認識しなければいけません。

 便利になった世の中、電子カルテの時代であっても、それを扱うのは人間であります。自身のデータが満載の情報がネットに流れでもしたら、とんでもないことですよ。身体的特徴というものは、思っている以上に人に知られたくないものですからね。

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「家庭医」になる研修医が増え始めている。

「家庭医」徐々に浸透 福島県立医大

 地域に密着し、患者の既往症や家庭環境なども把握した上で幅広い診療を担う「家庭医」の養成が福島県立医大(福島市)で3年目を迎えた。開始した2006年度、わずか1人だった家庭医を目指す研修医は14人に増え、県内各地の病院で研修を続ける。海外では初期診療を担う役割が確立している家庭医だが、臓器別の専門医が主流の日本では認知度も低い。関係者は「1人でも多くの医師が家庭医として地域に根付いてほしい」と期待する。

 現在の医師養成制度では医師免許取得後に2年間の初期研修、3―4年間の後期研修を受ける。後期では外科や内科など自分が志望する専門領域が対象となり、家庭医の研修プログラムがあるのは全国の大学では県立医大だけだ。

 初年度に1人だった研修医は、2年目が7人、本年度は6人。出身大学も全国に広がる。山形大医学部を卒業し仙台市内の病院での初期研修を経て研修医となった斎藤典子さん(26)は「地域で働く医師を目指してきた自分にとって家庭医はぴったりのイメージ」と話す。

 研修医は県内各地の病院で臨床に携わりながら研修する。県立医大の指導医が毎週、研修先の病院を訪問する仕組みだ。昨年度は十病院が研修医を受け入れた。初期研修を終えた研修医は当直や救急診療も行えるため、医師不足に悩む病院にとって貴重な戦力になる利点もある。

 課題は、育てた家庭医が福島に根付いてくれるかどうか。研修医14人のうち県立医大出身は4人だけで、他大出身者が将来県内に残ってくれるかは不透明。

 県立医大地域家庭医療部長の葛西龍樹教授は「家庭医には幅広い科目の知識だけでなく、地域に溶け込み患者や家族と付き合うことが求められる。認知度はまだまだだが、福島から全国に広まっていけばいい」と将来を見据え、今後10年で県内の家庭医を100人に増やす計画だ。



 家庭医の重要性・必要性が非常に高くなってきました。今まで地域にいた開業医の内科のようなものですかね。アレをもっと総合的に診るようになったのが、家庭医って感じでしょうか。地域を支える基盤です。

 必要な知識は医学全般。要するに健康か否かを見極める力が一番大事です。そして治療できそうなものは治療し、重度のものは総合病院や大学病院に紹介する。医療の分担ですね。だからこそ膨大な医学知識が必要です。逆に、総合病院や大学病院でひとつの科を専門とするような医師は、その科についての深淵のように深い知識を要求されます。広く浅くか、狭く深くか、といった違い。極論ですけどね。

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スポーツ医科学賞に東大名誉教授の宮下充正氏

スポーツ医・科学賞、功労賞に宮下東大名誉教授

 スポーツ医科学の分野で輝かしい功績を残した研究者らを表彰する「第11回秩父宮記念スポーツ医・科学賞」の受賞者が決まり、14日の日本体育協会理事会で承認された。

 大賞の功労賞には、日本のスポーツ科学をリードし後進を育てた東京大学名誉教授の宮下充正氏(71)が、奨励賞には「中高年者の運動プログラムに関する総合的研究班」(田中喜代次代表)が選ばれた。表彰式は6月18日に行われる。

 宮下氏は、日本のスポーツ科学が1964年の東京五輪を契機に本格的な発展を始めた創始期、研究に携わり、トップアスリートの競技力向上から高齢者の健康まで、広範囲にわたって功績を残した。中でも82年には「高地トレーニング」の研究に取り組み、効果を実証。その先駆的な研究で、今日の世界的な高地トレーニング研究の道筋を開いた。また、体育学の分野で多くの優れた研究者、教育者を育てた。

 奨励賞の「中高年者の運動プログラムに関する総合的研究班」は、運動を生活習慣の一つと位置づけ、健康作りに必要な運動の具体的実践例を交え、中高年者の多くが使える「基本運動プログラム」を作成した。



 根性だらけだった時代から、医科学の時代へ。

 そのパイオニアともいうべき人が、賞を受賞されました。

 スポーツで世に羽ばたくためには、今では科学の時代です。子供の頃に無茶なトレーニングを科せば、間違いなく故障しやすくなります。

 勿論精神力は必要です。しかしやり方を間違えれば不利益なことが蒙ります。良い指導者は、知識も必要なのです。

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抗がん剤の原料となる猛毒の植物。

抗がん剤原料の猛毒もつ植物、なぜ平気? 副作用減に道

 大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授(植物細胞分子生物学)らが突き止めた。この仕組みを応用すれば、薬を大量生産したり、副作用を抑えたりする方法が開発できる可能性がある。今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表される。

 イリノテカンは、中国原産の落葉樹である喜樹や南西諸島のクサミズキの葉からカンプトテシンを抽出、精製して製造している。これらの植物は、動物に食べられないためや近くにほかの植物が生えないようにするためにカンプトテシンをつくるよう進化したと考えられる。

 薬の大量生産には酵母や大腸菌の遺伝子に原料の遺伝子を組み込んでつくらせる方法がある。しかし、カンプトテシンができるとその毒で、酵母や大腸菌が死んでしまう

 斉藤教授らは、カンプトテシンをつくるチャボイナモリという植物では、酵素の遺伝子に、特殊な変異があることを見つけた。喜樹の酵素にも同じ変異があった。同じ変異を酵母の酵素に人為的に起こすと、カンプトテシンがあっても酵母は増え続けた。そこで、この方法を応用すれば、イリノテカンを短期間に大量生産できる可能性があるという。



 へぇー。イリノテカンって植物から作っていたんですか。それが腫瘍を攻撃する働きをする薬になるとはねぇー。

 自分の毒で死なない工夫も、遺伝子としてセットされている、と言ってしまえば簡単ですけれど、実際はなかなか難しいですよね。まさしく進化の不思議と言わざるをえません。

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看護師資格がないのに15年間病院に勤務していた偽看護師

ニセ看護師を15年、病院を転々…免許偽造容疑の女を逮捕

 看護師免許証を偽造して病院に勤務し、医療補助行為をしたとして、千葉県警は9日、同県船橋市栄町、介護関連会社員T容疑者(49)を保健師助産師看護師法違反と有印公文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。

 T容疑者は1993年から、看護師の資格がないのに、船橋市の「セコメディック病院」「千葉徳洲会病院」や同県習志野市の「谷津保健病院」など10近くの病院に勤務していたとみられている。

 捜査関係者などによると、T容疑者は他人の看護師免許証の名前などを改ざんしたうえ、採用試験に偽造免許証のコピーを提出し、2005年5月〜昨年8月、船橋市の総合病院など3病院で、看護師として注射や点滴などを繰り返していた疑い。

 T容疑者が昨年10月まで勤務していた総合病院によると、T容疑者に対し採用後、再三にわたり原本の提出を求めたが「見あたらなくなった」と応じなかった。

 病院が市保健所に免許証の再交付を申請し、看護師になりすましていたことが発覚。高村容疑者を懲戒免職処分とした。

 同病院は「経歴書に複数の大手病院に勤めた経験が記載され、看護業務にも慣れていたようだったので、(本物の看護師と)信じ込んだ」と話している。



 医学知識はどこで身につけたんでしょう。身につけなくても採血や点滴などは出来ますけどね・・・いやはや恐ろしい話です。

 でも15年もすれば、おそらくウマい採血やら点滴やらもできるんでしょうねぇ。15年もはたらいていれば、医学知識も身に付きますし。

 しかし、このクソ度胸・・・。普通こんなリスキーな詐欺できませんって。
posted by さじ at 02:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | NEWS

2008年05月13日

飲酒後に何故アイスやラーメンを食べたくなるのか?

飲酒後に食べたい物は?−ベスト3はお茶漬け・ラーメン・アイス

 日本アイスクリーム協会(千代田区九段北1)は4月30日、「アイスクリーム白書2008」を発表した。

 同協会は、1997年より一般消費者を対象としたアイスクリームに関する意識調査を実施・発表しており、今回は市販のアイスクリームを1年以内に自分で購入して食べた20〜50代の男女400人にアイスクリームと酒の関係について調査をした。

 調査の結果、飲酒後に食べたくなるもののランキングでは、「お茶漬け」(53.8%)、「ラーメン」(51.8%)、「アイスクリーム」(48.2%)が総合上位3位に。女性のみの結果では「アイスクリーム」(53.6%)が「お茶漬け」(40.1%)、「ラーメン」(33.8%)を大きく上回る結果となった。

 酒の後にアイスクリームを食べる理由として、男性は「アイスの冷たい刺激が心地よい」(80.5%)、「口の中をさっぱりさせたい」(73.2%)、「酔いを覚ましたい」(61.0%)、「クールダウンできる」(56.1%)とアイスの機能的価値を重視。女性は機能的価値に加え、「幸せな気分をより高めたい」(59.4%)、「楽しい時間の余韻に浸りたい」(46.9%)など情緒的な価値も重視していることがわかった。

 同協会は、飲酒後に食べて後悔するものの調査で「アイスクリーム」が最も「後悔」度の低い結果となったことや、麺類などと比較しても1食分のカロリーが低いことなどから飲酒後のアイスクリームを推奨している。

 アイスクリーム類と氷菓の衛生・品質の向上、知識の普及と消費拡大を目的に1966年に設立された同協会では、毎年5月9日の「アイスクリームの日」に、各地でのイベントやキャンペーン、施設へのアイスクリームの寄贈などを実施している。



 飲み食いした後なのに、ラーメンは入るものですからね。

 アルコールを摂取すると、それを肝臓で分解します。そのときに糖分が必要になるので、お酒を呑んだ数時間後は一種の低血糖のようなものになるのです。

 そこで身体は糖分をほしがるため、ラーメンやお茶漬け、アイスなどを欲すると思われます。

 またアルコールは利尿作用もあるため、水分と塩分を同時に摂取するためにラーメンやお茶漬けを食べたくなったりするようです。

 しかしいずれにしろ高カロリーを摂取しているのには変わりないので、30を過ぎたあたりから、気をつけるようにしましょう。

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16人の命を救った、赤ちゃんポストが運用一周年。

赤ちゃんポストに16人=運用開始から1年−「引き続き検証必要」

 育児が困難な親が匿名で乳児を託せる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)が設置されてから、10日で1年。少なくとも16人が預けられ、うち1人は親に引き取られた。育児放棄の助長につながりかねないとの批判がある一方で、病院側は救いを求める女性に果たした役割を強調する。

 赤ちゃんポストは、乳児がごみ箱などに産み捨てられ死亡するのを防ぐため、緊急避難措置として設けられた。蓮田太二理事長は設置当時、「赤ちゃんを預けるのではなく、できるだけ相談をしてもらいたい」と安易な利用を避けるよう呼び掛けた。

 しかし、運用開始から数時間後に、3歳前後の男児が置かれた。その後も、ほぼ毎月置かれ、3月までに16人を数えた。このうち、昨年8月に置かれた生後1カ月の乳児は「元の親」が引き取りに来た。

 捜査当局は子どもたちのいずれにも外傷がなく、健康状態が良好なことなどから、虐待などの事件性はないとみている。

 ポストをめぐっては、「子どもの親を知る権利を侵害する」などの懸念もある。運用状況を調べる市の専門部会は、「明らかな違法性は認められない」とする一方、「引き続き検証を継続する必要がある」としている。 



 子供の、親を知る権利って。生きることが第一じゃないですかね。

 日本の未だにマズいところって、そういうわけのわからん血の繋がりを無駄に重要視するところだと思います。虐待されるかもしれない子供を保護することに何の問題があるんでしょう。親から離れられなくて苦しんでいる子供だっていますよ。

 赤ちゃんポストが出来て1年。これまでに16人の尊い命が救われたと思えば、私は「こうのとりのゆりかご」の存在を評価したい。そして、色々な反対意見にも負けず、命のために努力した熊本市の慈恵病院に大きな拍手を送りたい。

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生体細胞を用いた人工腎臓が実用化するかもしれない。

急性腎不全患者の生命を救うバイオ人工腎

 急性腎不全患者の生命を救うバイオ人工腎が数年以内に実用化される可能性が、新たな臨床試験によって示された。生体細胞を利用した尿細管補助装置(RAD)によって腎細胞の機能を短時間補助することにより、腎損傷による急性腎不全患者の死亡リスクが有意に減少し、腎機能の回復が加速されるという。

 研究を行った米ミシガン大学医学部(アナーバー)内科教授のH. David Humes博士らは、10年以上前にこのバイオ人工腎の開発を始めた。この装置には、従来の腎透析のように血液を濾過するカートリッジが含まれ、これがRADにつながれている。RADは腎近位尿細管細胞と呼ばれる腎細胞の一種で裏打ちされた中空糸でできており、この腎細胞は生命維持に必須の電解質や塩、グルコース、水を再吸収し、感染症と闘うサイトカインと呼ばれる免疫システム分子の産生をコントロールする

 今回の研究では、18〜80歳の極めて重篤な状態にある患者58人を対象とした。持続的静脈-静脈血液濾過(CVVHF)とRADを併用した患者では28日後の死亡率が33%であったのに対し、従来型の持続的腎補助療法(腎透析)を受けた患者では66%であった。28日目の時点でRAD群の53%に腎機能の回復が認められた。180日間の治療後、RAD群での死亡リスクは従来療法群の半分(50%)であった。この研究は医学誌「Journal of the American Society of Nephrology」5月号に掲載された。

 Humes氏は、今回の結果は非常に有望だと述べている。急性腎不全の死亡率の高さ(50〜70%)には長い間変化がみられなかったが、この方法によって優れた治療法の開発が期待できるという。さらに、生体細胞を利用するこの新しい取り組みは、あらゆる分野の新しい細胞ベースの治療法や組織工学を用いた治療法の開発の可能性をもたらす。慢性腎不全患者の治療用として、装着型人工腎のような装置の開発が促進される可能性もあるという。

 「細胞の生命維持プロセスを利用して、疾患によって障害された部分を回復させるこの能力は、医学の将来に大きな影響をもたらすものである。このような生体細胞の利用が成功したことで、われわれの取り組みの正当性が裏付けられ、幅広い疾患において細胞治療の研究が促進されると思われる」とHumes氏は述べている。



 生体の細胞を装置内に組み込むことで、その細胞の機能を利用してやろうというところがナイスです。透析では老廃物の除去は出来ますが、あれは腎臓と同じ機能を持っているわけではありませんからね。

 腎臓の機能は様々ですが、解明されているそれら1つ1つの機能を機械だけで実現しようとするのは、かなり困難です。それほどまでに、細胞の働きというのはシンプルかつ奥深い。

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posted by さじ at 20:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

赤十字マークの無断使用は違法。マークの意味を考えよう。

赤十字マーク:日赤が誤使用防止呼び掛け

 赤十字マークの無断使用は違法です−−。8日の「世界赤十字デー」に合わせ、日本赤十字社(本社・東京都港区)が病院・薬局、企業などに、マークの誤使用防止を呼び掛けている。

 白地に赤の十字は、日本を含む194カ国が批准するジュネーブ条約で「軍隊の衛生部隊などが付ける戦場での中立を表す印」と規定されている。同条約や日本の「赤十字の標章と名称の使用制限法」などは、マークの無許可使用を禁じており、違反すると6月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられる。

 しかし日赤によると、日本では地図やイラスト、病院や薬局の看板などで、赤十字が単に「医療」や「救急」を表すマークとして誤って使われ、年間10〜20件の違反の情報が寄せられるという。これだけ乱用が広がっているのは世界的にも珍しいという。全国に赤十字病院があることや、国土地理院の「病院」の地図記号が黒色の十字を使っていることなどが、一因とみられる。

 啓発のパンフレットを3000部作った日赤総務課は「世界の紛争地帯では近年、赤十字施設が攻撃を受けるケースが報告されている。誤用が定着してしまうと、赤十字の理念が忘れられる恐れがある」と話す。違反が発覚した場合、ただちに告発などの措置は取らないが、使用の自粛を求めていくという。



 しかし世間にとっては一番「病院」のイメージが強いのも現状ですね。それだけ知名度が高いというのはいいことなのかもしれませんが、確かに有事の際に困ることになったりするのかも。

 そもそも赤十字とは、「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」の7原則を掲げて、世界各国に存在する人道的活動団体だそうで。主要任務は、紛争や災害時における傷病者への救護活動、戦争捕虜に対する人道的救援(捕虜名簿作成、捕虜待遇の監視、中立国経由による慰問品配布や捕虜家族との通信の仲介など)などの他、平時における災害対策、医療保健、青少年の育成等の業務などまでやっているらしいです。

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2008年05月10日

コラム「麻酔科医の逆襲」

麻酔科医の逆襲

 最近、病院に所属しないフリーの麻酔科医が増えている。医療機関と個別に契約して、手術のときだけ麻酔を請け負うのだ。これだと自分の予定を優先できるし、休みも取りやすい。当直もないし、緊急手術にも応じなくていい。それで年収が5000万を超える者も少なくないという。

 先日、大阪府下の公立病院で、麻酔科の常勤医を募集したが、年収は3500万円だった。他科の医師の倍以上の額である。フリーの麻酔科医を基準にするとそういう額になるらしい。

 今、多くの病院で麻酔科医不足のために、手術の件数が制限されている。外科医も看護師も手術室も空いているのに、麻酔科医がいないために手術ができないのだ。

 このような圧倒的な売り手市場を背景に、麻酔科医はどんどんフリーとなり、好条件の勤務を続けている。病院に残って割安の収入で、当直も緊急手術もこなす奇特な麻酔科医はいないものか。

 いや、それはむずかしいだろう。なぜなら、この状況はいわば麻酔科医の積年の恨みによる逆襲だからだ

 私も麻酔科に所属していたからわかるが、外科医の中には麻酔科医を陰で軽んじる者も多いし、患者も直接病気を治さない麻酔科医にはめったに感謝しない。

 そういう歪んだ状況が、医療崩壊が進む今、麻酔科医の不足を招き、圧倒的な売り手市場を生み出しているのだ。その背景を知れば、フリーに転向する麻酔科医を、決して非難することはできない。



 全身麻酔を行う手術の場合、麻酔科医は不可欠です。消化器だろうと心臓だろうと、麻酔科医がいなければならないので、病院に属している麻酔科医のハードさはとてつもないものです。

 実際、昔は麻酔科医が軽んじられていた、という背景はあるのでしょう。しかし今は別にそこまでないのではないでしょうか。外科医からしてみれば麻酔をかけて患者の全身状態を管理する人、なわけで、軽視するというのは意味のワカラン行為ですしね。

 それに患者に感謝されない、というのは、麻酔科という特殊な科である以上、仕方のないことなのでは…?感謝されるような科ではなく麻酔科を選んだ理由を逆にお尋ねしたいですね、個人的に。どういったところに魅力を感じたのでしょうか。
posted by さじ at 01:51 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS
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